介護疲れかも?介護経験者が語る介護に関するお悩みや介護疲れとの向き合い方について紹介!

介護疲れかも?介護経験者が語る介護に関するお悩みや介護疲れとの向き合い方について紹介!

「認知症の母の在宅介護で精神的に参ってきた」「入浴介助、排泄介助で腰が痛くて介護を続けるのが限界!」「在宅介護が長くなってきて貯金が底をつきそう……」といった悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。

在宅介護では、介護に関する悩みやストレスを抱えている方が実に70%近くいるとされています。

今回の記事では、介護疲れの原因や対処法、相談先についても詳しく解説しています。介護の悩みは一人で抱え込まず、早めに専門家への相談が大切です。ぜひ参考にしてください。

(引用元:厚生労働省 介護の状況

一般社団法人マリーゴールド 理事
所有資格:ジェロントロジー・マイスター,介護離職防止対策アドバイザー
専門分野:介護施設の選び方、在宅介護
職業: フリーランスのライター・編集者

1973年、宮城県仙台市生まれ。フリーランスのライター・編集として働く傍ら、国内で唯一「老年学研究科」がある桜美林大学大学院に社会人入学した矢先に、夫の両親の認知症が立て続けに発覚。離れて暮らす80代義父母の認知症介護にキーパーソンとして関わり、仕事と介護、研究の三つ巴生活が送る。詳しくはこちら

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もしかして介護疲れかも?チェックリストで確認してみよう!

介護疲れとは、中長期に及ぶ介護生活が要因で、介護をする側の心身に様々な症状が現れる状態のことです。

介護疲れは自覚症状がないまま進行するケースが多く早い段階で介護疲れに対する対処法を講じることが大切です。

まずは、介護疲れの症状に陥っていないか、下記のチェックリストで確認してみましょう。

内容 チェック
身だしなみを気にしなくなった
日常生活の介助により足腰が痛い
近所の人や、家族との会話が減った
以前に比べて疲れやすくなった
介護に追われて自分の時間が取れないように思う
以前より寝つきが悪くなった・夜間に目が覚めるようになった
介護対象者とどう接していいかわからないときがある
イライラして介護対象者にあたってしまう
自分だけが介護をしている気がした理、孤独感を感じることがある
介護対象者を怒って後悔したことがある
何を食べてもおいしいと感じられない
突然悲しい気持ちになる

上記の項目のうち、5つ以上当てはまる場合は介護疲れの症状が疑われます。

介護疲れが疑われる場合は、無理をせず、すぐに医療機関への受診や地域包括支援センター・市の相談窓口などへ相談してみましょう。

介護疲れによって施設を検討しているという方はケアスル介護で相談するのもおすすめです。

入居相談員にその場で条件に合った施設を提案してもらえるので、初めてでも安心して相談することが出来ます。初めての老人ホーム探しで何から始めればよいかわからないという方はぜひ利用してみてください。

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どのくらいの人が介護疲れを感じている?

介護施設のマッチングプラットフォーム、「ケアスル 介護」において、介護経験者の方300人を対象に、介護に関するアンケートを取りました。

「介護でどんな悩み・不安がありましたか?」という調査の結果、介護に関する悩みや不安で最も多かったのは「介護による心身の疲れ」に関するものであることがわかりました。介護をし続けることによる肉体的・精神的疲労を感じている方が多くいらっしゃるようです。

まずは、介護者が介護によりどのような負担を感じてしまうのかを理解しておきましょう。

介護不安や介護疲れに関するアンケート結果

介護疲れを感じやすい場面

ここでは、介護経験者の方々が特にどんな場面で介護疲れを感じたかご紹介していきます。

回答者 介護疲れを感じた場面
千葉県・女性(66歳) 仕事と介護の両立ができなかった。仕事をやめて介護に専念するも、二人の大学生の子供の学費を捻出するのがつらい。
岡山県・男性(68歳) 意思疎通が困難になってきているため、何をしてほしいのかがわからないことと、身の回りの世話が体力的にも難しくなってきている。
富山県・男性(50歳) 排泄行為がおかしくなったり深夜徘徊すること
大阪府・男性(61歳) 体が不自由になった為、本人が寝返りがうてず、夜中に何度も起こされて体の向きを変えないといけない。寝不足に悩まされる。
大阪府・男性(64歳) トイレの失敗が増えたこととトイレ誘導しても行かないと言うことを聞いてくれない
愛知県・女性(55歳) 日常生活補助、買い物、病院、各種申請などで自身の事をする時間が全く無くなり、ボロボロになっていく。
青森県・女性(42歳) 入浴介助などの肉体的負担と、元々あまり仲良く無かったので精神的にも負担だった。
愛媛県・女性(43歳) 毎日同じことが繰り返されることの辛さ
岐阜県・男性(65歳) 言葉の理解力が落ちて、意思疎通が図れず、会話だけで疲れてしまう。
大阪府・女性(69歳) 認知症の程度が日によって異なり日々の対応や施設の入居適用に苦労した
東京都・女性(60歳) 自分以外に親の介護を手伝ってくれる人がいなかったこと。
鳥取県・男性(59歳) 夫婦で長期旅行に行く勇気が出ず、どちらかが残らなければ心配な点

介護疲れの原因は一つではなく、「身体的な負担」「精神的な負担」「経済的な負担」などさまざまな負担が複雑に絡み合っています。

しかし、家族の責任感から自分の疲れを認識できずに、問題を放置してしまいがちです。介護の問題は、他人事ではなく誰にでも起こり得る問題です。

介護疲れを放置することで生じる可能性がある問題や対処法・いざというときに頼れる相談先を知り、正しく介護と向き合う環境を作りましょう。

介護疲れで生じやすい4つの問題

介護疲れを放置すると介護離職や介護うつ、虐待行為、最悪のケースでは殺人事件や無理心中などさまざまな問題が引き起こされる事態が懸念されます

介護離職

家族の介護が必要になった場合、介護離職が問題になります。介護離職とは、仕事と介護の両立が困難になり仕事を退職してしまうことです。介護が必要になっても職場に相談することなく退職してしまうケースが多く、退職したことが理由で収入が減ってしまい、経済的な負担を抱える悪循環となってしまいます。

離職すれば介護に専念できますが、仕事をやめれば外出の機会も減り、外部との接点がなくなってしまうとストレスの原因になってしまいます。やりがいを持って仕事をしていた場合、キャリアを途中で諦めなくてはいけないのはとても辛いことです。収入が減り生きがいを喪失すると、介護が終わってからの将来への影響も出てくるでしょう。

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介護うつ

在宅介護が長く続けば「介護うつ」の状態になってしまう場合があります。介護うつとは介護での疲れやストレスを原因とするうつ病です。責任感が強く、まじめな性格であればすべて自分でやらなくてはいけないと頑張りすぎて、ストレスがたまりやすくなってしまいます。介護うつになってしまうと、介護どころではなく自分の健康も損なわれてしまう状況になり、介護者と要介護者が共倒れになってしまう恐れもあります。

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虐待行為

厚生労働省の「高齢者虐待防止法」に基づく調査によると、要介護者による虐待の相談や通報の件数は年々増えている状態です。

「高齢者虐待防止法」で定義されている高齢者虐待は以下の5分類です。

  • 身体的虐待
  • 心理的虐待
  • 介護放棄による虐待
  • 性的虐待
  • 経済的虐待

虐待の代表的なものには、高齢者に殴る蹴るなどの暴力を行う「身体的虐待」があります。身体的虐待には高齢者が動けないように縛り付けたり、閉じ込めたりして拘束する「身体拘束」も含まれます。「心理的虐待」は、威圧的な態度を取ったり無視をしたりして精神的苦痛を与える行為です。

ほかにも、ネグレクトと言われる「介護放棄による虐待」や高齢者にわいせつな行為をしたり、わいせつな行為をさせたりする「性的虐待」、金銭的な不利益を与える「経済的虐待」などがあります。

介護疲れが原因で、このような虐待行為に至ってしまうケースは少なくありません

事件に至る可能性も

近年ニュースでも取り上げられる介護にまつわる事件も、多くは介護疲れが原因になっています。介護疲れを放置すると虐待事件に発展し、さらにエスカレートすると殺人事件や無理心中といった悲惨な介護事件に至ってしまう恐れがあります。

在宅介護における高齢者虐待は、家庭の中で起きている事件であり表面化していないケースも多いと考えられ、事件に発展する恐れのある事例は数多く潜んでいるのが現状です。

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介護疲れの軽減に効果的な手段

これまで紹介したような問題が起きる前に、介護疲れを予防しましょう。介護疲れを軽減するために効果的な手段は以下の通りです。

  • 介護サービスを利用する
  • 介護スキルを身につける
  • 施設入居も視野に入れる

疲れが限界に達する前に対策を講じることが大切です。詳しく見ていきましょう。

介護サービスを利用する

介護保険制度を利用し、介護者の負担を少しでも軽減しましょう。訪問介護などのサービスを利用すると、排泄介助や入浴介助など体に負担のかかる介護をプロに任せられます。

また、介護者の「レスパイトケア」のために、デイサービスやデイケア、ショートステイを利用するのも一つです。レスパイトケアとは介護者が一時的に介護から解放され、リフレッシュする時間を作れるようにする支援をいいます。デイサービスで数時間外出してもらったり、ショートステイで数日預かってもらったりするだけでも介護者が休息を取り、自分の時間を持つ時間が作れるので気分転換ができます。デイサービスやデイケアで体を動かし、他者との交流の機会を持つのは心身機能維持のためにも効果的で、高齢者にとっても有益です。

介護保険では、自宅で生活しやすいようにリフォームするサービスや、ベッドや車椅子などをレンタルしてくれるサービスもあります。住宅改修や福祉用具貸与サービスの利用は、介護する側の介護負担軽減にも有効です。

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介護スキルを身につける

介護スキルを身につけておくと、介護するときの体の負担が軽減されます。体の向きを変えたり、体を起こしたりする介助は無理に行ってしまうと腰痛などの原因になり、介護される側にとっても負担です。

介助するときに、重心を低くし足を広げて支持基底面積を広く取り、相手に出来るだけ近づいて介助したり、てこの原理を利用したりする「ボディメカニクス」の原理を使うと介護にかかる負担が軽減できます。ボディメカニクスは最小限の力で介護ができる介護技術ですのでぜひ取り入れてみましょう。

介護保険サービスを利用している方であれば、介護職やケアマネジャーに介護のコツを聞いてみるのも一つです。医療系の介護保険サービスを利用している方であれば、看護師や理学療法士などのアドバイスも受けられます。介護保険サービスを最大限に活用しましょう。

経済的な負担を減らせる制度を活用する

介護にまつわる経済負担を減らすための、さまざまな制度があります。

例えば、介護保険サービス利用者の所得に応じて、支払った金額が限度額を超えた場合、申請すれば緒過分を払い戻してくれる「高額介護サービス費負担限度額制度。また、入院や手術などで医療費が高額になりそうなときには「高額療養費制度」や「限度額適用認定制度などが役に立ちます(入院先の医療機関の相談員や地域包括支援センター、自治体の医療保険担当課で相談できます)

自治体によっては、紙おむつやグローブなどの介護用品を一定の金額まで補助してくれるサービスを実施しています。親の居住地がある市区町村の窓口に問いあわせてみましょう。

施設入居も視野に入れる

介護疲れの対策をしていても、負担がなかなか軽減されないようなら施設入居も視野に入れておきましょう。

介護者が限界を感じてからではなく、在宅介護期間中に入居できる施設を検討しておくのが理想です。いざという時に施設入居の考え方があるのだと頭に入れておくだけでも気持ちの負担も軽減されます。施設にあずけるのには抵抗がある方もいるかもしれませんが、施設ではプロの介護スタッフから適切な支援が受けられます。最近ではいろいろなタイプの介護施設が開設されているので、理想の施設が見つけられるかもしれません。

相談しておくだけでも負担が軽くなる場合もあるので一度、話を聞いてみるところから始めてみましょう。

介護疲れを感じたとき頼りになる相談先

介護に疲れた場合はできる限り早めに相談しましょう。介護疲れを軽減するために頼りになる相談先は以下の通りです。

  • 近隣の方や民生委員
  • 地域包括支援センター
  • 居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)
  • 医療機関の相談室(ソーシャルワーカー)
  • シルバー110番
  • 家族介護の会などのコミュニティー

介護問題が発生する前に、これらの相談先を積極的に利用するのが大切です。

介護サービスを初めて利用する場合や、担当ケアマネジャーがいない場合は、地域包括支援センターへ相談してみましょう。地域包括支援センターは、地域の高齢者が住みなれた場所で安心して生活できるように支援を行う総合相談窓口です。保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーが配置されており、さまざまな視点から介護のアドバイスをしてくれます。また、介護保険の申請も可能です。

地域包括支援センターは多くの場合、中学校区域ごとに1ヶ所設置されており、設置主体は市町村なので安心して相談できます

介護疲れは一人で抱え込まず専門の相談窓口へ

家族介護をしている方には、ストレスをためて介護に疲れてしまっている方がたくさんいます。誰にでもあることなので、一人で抱え込んで悩まずに、早めの相談が何より大切です。介護に疲れてしまうと自分を追い込んでしまい、さまざまな問題に発展してしまう恐れがあります。限界に達する前に専門機関へ相談し、周囲の力を借りながらよりよい介護を続けていきましょう。

ケアスル介護では、入居相談員が見学予約から日程調整まで全て無料で代行しているのでスムーズに施設を探すことが出来ます。

相談先が見つからないという方は是非お気軽に利用してみてください。

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調査概要

調査目的

介護経験者に対する、介護の悩みや不満に関する調査

調査手法

  • 調査実施機関:インターネットリサーチ
  • 調査期間:2023年2月10日~2月10日
  • 調査対象:300人(介護経験のある方を対象)

こちらのコラム記事で引用している調査概要の詳細はこちらをご覧ください。

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〈引用元〉

厚生労働省 市町村・地域包括支援センターによる家族介護者支援マニュアル

厚生労働省 令和2年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果

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厚生労働省 平成 27 年度の高齢者虐待の対応状況等

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