• 親の介護
  • 【公開日】2023-06-05
  • 【更新日】2026-05-25

遠距離介護からの呼び寄せはトラブルの元?リスクを体験談から解説!

遠距離介護からの呼び寄せはトラブルの元?リスクを体験談から解説!

親の介護が必要になったとき、「今のまま遠距離介護を続けるべきか」「自分の住む地域へ呼び寄せるべきか」という選択で思い悩む方は少なくありません。

呼び寄せることで「いつでもサポートできる安心感」を得られる一方で、親のコミュニティ喪失や同居家族とのトラブルなど、事前の想像以上のリスクが潜んでいるのも事実です。

本記事では、経験者のリアルな体験談をもとに、遠距離介護と呼び寄せ介護のメリット・デメリットやリスクを比較し、呼び寄せた方が良いケースの判断基準を詳しく解説します。

さらに、呼び寄せを決断する前に確認すべきポイントや、後悔しないために事前に準備しておくべきことについてもご紹介しています。

親の意向だけでなく、ご自身とご家族の生活を守るための「最適な選択」をするヒントとしてぜひ参考にしてください。

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経験者が語る遠距離から呼び寄せて介護するリスク

遠距離介護の負担を減らしたいと考え、親の呼び寄せを検討する方は少なくありません。

しかし、いざ親を自分の住む地域へ呼び寄せるとなると、事前の想像以上に様々なリスクやデメリットが生じる可能性があります。

主な呼び寄せのリスクは以下の4つです。

  • 親のコミュニティや交友関係が断たれる
  • 環境変化によって認知症が進行する可能性がある
  • 自分の配偶者や同居人とのトラブルが発生しやすくなる
  • 「常に見なければならない」という心理的負担が増える

本章では、実際に親の呼び寄せを検討した方や経験した方のリアルな体験談をもとに、呼び寄せ介護に潜むリスクについて詳しく解説します。

親のコミュニティや交友関係が断たれる

親が長年住み慣れた土地を離れるということは、ご近所付き合いや趣味の仲間といったコミュニティが完全に断たれることになります。

高齢者にとって、日々の他者との交流や外出の機会は生きがいとなっていることも多いです。

交友関係がなくなり楽しみが減ることで、活力が失われ孤立感や強いストレスを感じやすくなってしまう可能性があるので注意が必要です。

呼び寄せての介護を検討する場合には、呼び寄せ元に親が馴染めるコミュニティがあるかどうか呼び寄せる前に確認しておきましょう。

遠距離介護から親を呼び寄せた経験のあるSTさんは「本人が楽しめるような環境があるかについてちゃんと調べておけばよかった」と後悔を口にしています。

インタビュー_STさん
遠距離介護をしている父について、自立した生活が難しいと判断し呼び寄せて介護をすることにしたSTさん
【ユーザーインタビュー】
・実施時期:2026年4月
・お名前:STさん
・性別:男性
・年齢:43歳
・職業:会社員(正社員)
・居住地:栃木県
当時の状況(クリックして開く)
広島から茨城への遠距離介護を2〜3か月に1回のペースでしており、自立した生活が困難であることから呼び寄せを決断。

STさん:
父を水戸から呼び寄せたんですが、私が生まれてからずっと水戸に住んでいたので、長年築いた近所付き合いがなくなってしまったのが気がかりです。あと、父は写真をよく撮りに行ってたんですが、運転できなくなってからも写真仲間が車を出して一緒に行かせてくれていたんです。
そういった趣味の繋がりや楽しみも絶たれてしまいました。移住先に新たなコミュニティがあるかどうか、事前にちゃんと調べておけばよかったと後悔しています

また、遠距離介護を続けているHKさんは、「交友関係が断たれること」を呼び寄せ介護をしない一番の理由に挙げています。

【ユーザーインタビュー】
・実施時期:2026年4月
・お名前:HKさん
・性別:女性
・年齢:48歳
・職業:パート・アルバイト
・居住地:東京都
当時の状況(クリックして開く)
東京都と埼玉県で片道3時間の遠距離介護を月2~3回しており、心身の疲労が特に悩みとなっていた。

HKさん:
母は地域の人とたくさん交流があって、今でもしっかりお付き合いしてるんですよね。
なので、もし呼び寄せるとなったら、母が長年築いてきた交友関係や繋がりがすべてなくなってしまいます。それが呼び寄せない一番の理由ですね。

環境変化によって認知症が進行する可能性がある

高齢者にとって、住まいや周囲の環境が急激に変化することは心身に大きなストレスとなります。

特に認知症を患っている場合、新しい家や見知らぬ土地での生活にうまく適応できず、混乱を招いたり、「リロケーションダメージ」と呼ばれる認知症の症状が一気に進むリスクがあるの注意が必要です。

ケアマネージャーであり社会福祉士でもある桐島さんに、環境と認知症の進行の関係についてお話を伺いました。

桐島さん_インタビュー
ケアマネジャーかつ介護福祉士の桐島さん
監修者プロフィール_桐島 慎治(きりしま しんじ)_株式会社ケアリサーチ
社会福祉士・元ケアマネージャー 桐島さん
認知症の方というのは、どうしても環境の変化になかなか適応しづらい部分があるんですよね。
そのため、施設入居であれば症状が進行してさらに適応が難しくなってから環境を変えるのではなく、認知症がまだ軽度なうちに施設にご入居いただき、早めに新しい環境に慣れていただくという流れが良いと思います。

施設介護においても、認知症がそれほど進行していない状態の方が環境に慣れやすく本人の負担が少なくなります。

認知症の方で遠距離から呼び寄せて介護を考えている場合にも、なるべく早いタイミングで決断するようにしましょう。

自分の配偶者や同居人とのトラブルが発生しやすくなる

親を呼び寄せて同居や近居をする場合、介護の負担や環境の変化は、自分だけでなく配偶者や子どもといった同居家族にも影響します。

生活リズムの違いによるストレスや介護の負担が配偶者に偏ってしまうことで不満が溜まり、夫婦関係のもつれから離婚に発展してしまうケースも珍しくありません

遠距離介護から父を呼び寄せたSTさんは「介護をサポートしてくれている妻の不満が溜まってしまっているかもしれない」といいます。

【ユーザーインタビュー】
・実施時期:2026年4月
・お名前:STさん
・性別:男性
・年齢:43歳
・職業:会社員(正社員)
・居住地:栃木県
当時の状況(クリックして開く)
広島から茨城への遠距離介護を2〜3か月に1回のペースでしており、自立した生活が困難であることから呼び寄せを決断した。

STさん:
父を呼び寄せた結果、義父にあたる妻にとってサポートが重荷になってしまっているように感じます。
以前は「助けなくちゃ」という思いでやってくれていたんですが、今は「どこまでやらなくちゃいけないのか」という義務的な意識が強まってしまっているようです。

「常に見なければならない」という心理的負担が増える

遠距離介護における「すぐに駆けつけられない不安」を解消するために呼び寄せたはずが、かえって自分の首を絞めてしまうこともあります。

親と物理的に距離が近くなることで「いつでもサポートできる」というメリットがある半面、「近すぎるからこそ、常に気にかけて見守らなければならない」という新たなプレッシャーが生まれ、精神的な負担が増大するケースです。

呼び寄せ介護の経験があるSTさんは、距離が近くなったがゆえの心理的負担もあるといいます。

【ユーザーインタビュー】
・実施時期:2026年4月
・お名前:STさん
・性別:男性
・年齢:43歳
・職業:会社員(正社員)
・居住地:栃木県
当時の状況(クリックして開く)
広島から茨城への遠距離介護を2〜3か月に1回のペースでしており、自立した生活が困難であることから呼び寄せを決断した。

STさん:
父が夜中や外で転んで起き上がれなくなったことがあり、今のままではまずいと呼び寄せを決断しました。
近いからこそ何かあった時にすぐ駆けつけられて助けられるというメリットはあるんですが、反面「近すぎて見なくちゃいけない」というプレッシャーというか、心理的な負担は増してしまいましたね。

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経験者が語る、遠距離介護を続けるメリット・デメリット

呼び寄せて介護する主なメリットは「移動のコストがほぼない」「万が一のときにすぐ対応できる」となります。

呼び寄せ介護のデメリットは、先ほど解説したように「本人の楽しみを奪ってしまう」「環境変化によって認知症が進行してしまう」などが考えられるでしょう。

逆に、遠距離介護を続けるメリットとデメリットには、以下のようなものがあります。

遠距離介護のメリット・デメリット
メリット ・物理的な距離があるため気持ちの割り切りができる
・自身の生活ペースやスケジュールを維持しやすい
デメリット ・移動による体力消耗がはげしい
・交通費の負担が重く生活に影響する
・万が一のときにすぐ駆けつけられない
・帰省したときにやることが多くなる

本章では、実際に遠距離介護を経験された方の体験談をもとに、遠距離介護のメリット・デメリットについて詳しくご紹介します。

遠距離介護を続けるメリット

改めて、遠距離介護を続ける主なメリットは以下の2つです。

【遠距離介護を続けるメリット】

  • 物理的な距離があるため気持ちの割り切りができる
  • 自身の生活ペースやスケジュールを維持しやすい

遠距離介護は、自身の生活リズムやスケジュールを維持しやすいという大きなメリットがあります。

物理的な距離があるからこそ、介護にのめり込みすぎずプライベートの時間もしっかりと確保できるでしょう。

実際に片道8時間の遠距離介護をされていたSTさんのお話のなかでは、物理的な距離があることで「すぐに駆けつけられない」と割り切れたところがあったとのことです。

介護者自身の精神的プレッシャーを抑え、スケジュールを調整しやすいといったメリットを感じていたとのことでした。

インタビュー_STさん
広島から茨城への遠距離介護を経て、父親を呼び寄せ介護に変更したSTさん
【ユーザーインタビュー】
・実施時期:2026年4月
・お名前:STさん
・性別:男性
・年齢:43歳
・職業:会社員(正社員)
・居住地:栃木県
当時の状況(クリックして開く)
広島から茨城への遠距離介護を2〜3か月に1回のペースでしており、自立した生活が困難であることから呼び寄せを決断した。

STさん:
遠距離介護のメリットを挙げるとすれば、「割り切りができる」ことだった気がします。「遠くて行けないからしょうがない」と思えますし、ある程度こちらの都合で予定を決められましたから。
向こうから要望があっても、こっちで行ける日を決めてやっていくような感じで、ある意味気が楽だった部分はあります。

遠距離介護を続けるデメリット

一方で、遠距離介護には移動に伴う体力の消耗や、経済的な負担といった切実なデメリットもあります。

【遠距離介護を続けるデメリット】

・移動による体力消耗がはげしい
・交通費の負担が重く生活に影響する
・万が一のときにすぐ駆けつけられない
・帰省したときにやることが多くなる

実際に片道3時間の遠距離介護をしているHKさんのお話では、短い滞在時間のなかで色々なことをしなければならないというしんどさがあったといいます。

帰るたびに何かしら対処しないといけない問題があるとのことで、精神的なプレッシャーもあるようです。

また、交通費は完全に自己負担(持ち出し)となるため、頻度や距離によっては負担がとても大きくなるなど、切実な悩みを話してくれました。

【ユーザーインタビュー】
・実施時期:2026年4月
・お名前:HKさん
・性別:女性
・年齢:48歳
・職業:パート・アルバイト
・居住地:東京都
当時の状況(クリックして開く)
東京都と埼玉県で片道3時間の遠距離介護を月2~3回しており、心身の疲労が特に悩みとなっていた。

HKさん:
遠距離介護の一番のしんどさは、移動で体力が削られることに加えて、短い滞在時間の中でこなさなければならないことが山積みであることです。
交通費は完全に私の自腹(持ち出し)ですし、常に新たなトラブルが発生しているのでプレッシャーがすごいです。
月に6回も通った時はメンタルが限界になり、仕事でもミスが増えました。

体験談から分かった、呼び寄せて介護した方が良いケース

本章では、遠距離介護から呼び寄せての介護に変えた方の体験談などから分かった、呼び寄せて介護した方が良いケースについてご紹介します。

呼び寄せて介護した方が良いケース①:転倒や認知症による事故リスクが高まり、単身生活に危険が伴う場合

親が転倒して自力で起き上がれない、または認知機能の低下により重大な事故を起こす危険性がある場合は、早急な呼び寄せが必要です。

【単身生活の危険信号の例】

  • 室内で転倒し、誰にも発見されず長時間放置された形跡がある
  • 外出先で転倒し、他人の助けを借りないと帰宅できない
  • 運転能力が低下しているにも関わらず、車に乗りたがる(事故リスク)
  • 火の元の不始末や、薬の管理が全くできなくなっている

実際の体験談でも、親が夜中に室内で転倒して起き上がれなかったり、外出先で転んで他人の助けを借りたりと、遠距離では異変に即座に対応できない危険性が語られています。

また、本人が車に乗りたがるなど、万が一の事故を起こしてしまうリスクに直面したというお話もありました。

本人が「自分はまだ大丈夫だ」と主張していても客観的な危険行動が確認された時点が、呼び寄せ決断のデッドラインと言えるでしょう。

近くに呼び寄せることで、見守りを強化し、致命的な事故を未然に防ぐことが可能になります。

【ユーザーインタビュー】
・実施時期:2026年4月
・お名前:STさん
・性別:男性
・年齢:43歳
・職業:会社員(正社員)
・居住地:栃木県
当時の状況(クリックして開く)
広島から茨城への遠距離介護(片道8時間)を経て、父親を呼び寄せ介護に変更。

STさん:
遠距離介護を続ける中で、父が夜中に2回転んでしまって本当に起き上がれなかったことや、外で転んで通りがかった人に助けてもらったことがあったんです。
それを聞いて、「今のままじゃちょっとまずいな」と思いました他にも、本人は車に乗りたがっていたんですが、万が一他人を傷つけるような事故を起こしてしまうのが一番困るので、車がないと不便な地域でしたが、それも呼び寄せを考える理由になりました。

親を呼び寄せたとしても、介護者が日中不在で「日中独居」になる場合は危険性が残ります。呼び寄せと同時にデイサービスやショートステイの手配を完了させておく必要があります。

呼び寄せて介護した方が良いケース②:遠距離移動による体力や金銭の消耗が激しく、介護者の限界を超えている場合

帰省頻度の増加により、介護者自身の交通費負担や肉体疲労が限界に達し、仕事やメンタルに悪影響が出ている場合は呼び寄せを検討すべきです。

片道3時間弱の遠距離介護をされている方のお話によると、帰省のたびにやらなければならないタスクが多く、常に新たなトラブルが発生するプレッシャーが相当な負担になっているとのことです。

月に何度も通った時期にはメンタルが限界に達し、仕事でミスが増えるなど「もう続けられないかも」と思い詰めた経験も語られています。

HKさんの場合はご家庭の事情から呼び寄せは行わず、別の手段を検討されています。介護者自身が体調を崩したり仕事に支障をきたしている状況は、すでに遠距離介護の限界点を超えていると言えます。

一時的な引越し費用がかかっても、長期的な金銭・体力面を考慮して呼び寄せ(または施設入居)に切り替える判断が必要です。

【ユーザーインタビュー】
・実施時期:2026年4月
・お名前:HKさん
・性別:男性
・年齢:48歳
・職業:パート・アルバイト
・居住地:東京都
当時の状況(クリックして開く)
東京から埼玉への遠距離介護(片道3時間弱)。月に2〜3回帰省し両親をサポート。

HKさん:
東京から埼玉までは片道3時間弱かかり、月に2、3回のペースで帰省しています。行くたびにやらなければいけないことが多く、常に新たなトラブルが発生しているのでプレッシャーがすごいです。
月に6回も通った時はメンタルが限界になり、仕事でもミスが増えて「もう続けられないかも」と思い詰めたこともありました。

呼び寄せて介護した方が良いケース③:実家での老老介護が限界に達し、共倒れのリスクがある場合

実家で親同士が介護をしており、主介護者側の親が倒れたら生活が即座に破綻する場合は、呼び寄せや施設入所の決断が必要です。

【老老介護における破綻の兆候】

  • 主介護者(元気な方の親)に疲労の色が濃く、物忘れや体調不良が見られる
  • 介護負担により、主介護者自身のケアや医療受診がおざなりになっている
  • 同居している他の家族(兄弟など)が介護に非協力的である
  • 緊急時に救急車を呼ぶなどの最低限の対応しか期待できない環境にある

実家でご両親が「老老介護」状態だった方のお話では、元気なほうの親に家事と認知症のフォローが集中する「ワンオペ介護」状態となり、相当な負担がかかっていたといいます。

もしも主介護者である親が倒れたり入院したりすれば、要介護の親は完全に生活できなくなってしまうという強い危機感を持たれていました。

HKさんは万が一の際は呼び寄せではなく実家近くの施設を探す予定とのことですが、このように、介護者の疲弊を放置すると共倒れのリスクがあるため、事態が深刻化する前に呼び寄せ、あるいは施設入居へ踏み切るための計画を立てることが必要になります。

【ユーザーインタビュー】
・実施時期:2026年4月
・お名前:HKさん
・性別:男性
・年齢:48歳
・職業:パート・アルバイト
・居住地:東京都
当時の状況(クリックして開く)
東京から埼玉への遠距離介護(片道3時間弱)。月に2〜3回帰省し両親をサポート。

HKさん:
6、7年前に父が認知症になった時、母の脳はクリアで元気だったので、私は母に任せきりにしてしまいました。母は家事に加えて、父の認知症のフォローまでワンオペでやっており、相当しんどかったはずです。
今は2人だからなんとか生活できていますが、もし母が倒れたり入院したりしたら、父は完全にアウト(生活できない状態)だと思うので、その時はすぐに実家の近くで施設を探さなければいけないと思っています。

共倒れリスクを回避するために親を呼び寄せる場合、同居する配偶者(自分たちの家族)に「ダブル介護」の負担を強いることにならないか、家族間での慎重な合意形成が必要です。

遠距離介護から呼び寄せて介護するか迷ったときに確認すべきポイント

呼び寄せて介護するか迷ったときに確認すべきポイントは以下の3つです。

  • 親の意向だけでなく「自分の生活・家族」を優先できる環境か
  • 他の兄弟との「費用負担や役割分担」に関する事前の合意形成
  • 呼び寄せ先に「親が孤立しないためのコミュニティ」があるかの事前調査

それぞれのポイントについて詳しくご紹介していきます。

親の意向だけでなく「自分の生活・家族」を優先できる環境か

呼び寄せを決断する前に、親の希望を鵜呑みにせず、介護者自身の生活や配偶者の同意を最優先に考えられるかを確認する必要があります。

【自分の生活を守るためのチェックリスト】

  • 同居・近居について、配偶者や自分の子どもから明確な同意を得ているか
  • 親の「サービスを使いたくない」という強いこだわりに流されず、プロ(介護サービス)を介入させる決断ができるか
  • 自分の仕事や休息の時間を絶対に確保する「境界線」を引けているか

実際の体験談でも、親の「大丈夫」「施設は嫌だ」といった意向を鵜呑みにした結果、介護者自身がひどく苦労し、適応障害になってしまったという深刻なケースが語られています。

経験者の方々は口を揃えて、「親中心ではなく、自分の生活や人生、時間・体力的な都合を絶対に優先して計画を進めるべきだ」と強調されています。

呼び寄せるのであれば「親の要求よりも自分の生活を優先する」という強い覚悟と、一人で無理をせず早めにプロの意見を取り入れることが不可欠です。

【ユーザーインタビュー】
・実施時期:2026年4月
・お名前:鈴木さん(仮名)
・性別:女性
・年齢:57歳
・職業:会社員(正社員)
・居住地:関東地方
当時の状況(クリックして開く)
父の脳梗塞をきっかけに介護が始まるが、介護サービスの利用を拒否されたため、週2〜3回実家に通う生活に。転倒・骨折の繰り返しや認知症による徘徊などで心身の限界に達し、最終的に特養へ入居させた。

鈴木さん:
私の経験から強くお伝えしたいのは、「親の意向を鵜呑みにせず、自分の時間や体力的な都合を優先して計画を進めるべきだ」ということです。父の「大丈夫」「嫌だ」という言葉を鵜呑みにした結果、私自身がひどく苦労することになりました。
本人の意向だけでなく、自分の行動や状況を優先した判断を下すことが、結果的に自分自身の負担を減らし、介護の継続に繋がります。

【ユーザーインタビュー】
・実施時期:2026年4月
・お名前:小林さん(仮名)
・性別:女性
・年齢:57歳
・職業:自営業・フリーランス
・居住地:神奈川県
当時の状況(クリックして開く)
親の介護を続ける中で負担が重なり、適応障害を発症。親に依存されるような生活が続いた。心身の負担が限界を迎える前に専門家へ相談し、最終的には住宅型有料老人ホームへの入居を決断。

小林さん:
自分が適応障害になるまで、私は助けを借りる必要性がわかっていませんでした。

これから介護を始める方には、親中心ではなく「自分の生活や人生を絶対に優先すること」、そして一人で無理をせず、早めにプロフェッショナルの意見に耳を傾けることを強くお伝えしたいです。

親と同居する場合は、自分の子ども(親から見た孫)の生活環境や教育に悪影響が出ないかを最優先で考慮してください。

他の兄弟との「費用負担や役割分担」に関する合意があるか

自分がメインで介護を担う場合でも、呼び寄せる前に兄弟間で金銭面や協力体制について明確に話し合っておくことが重要です。

【兄弟間での確認チェックリスト】

  • 呼び寄せに伴う引越し費用や生活費は、誰が(または親の資産から)出すのか
  • 自分が介護を主導する代わりに、兄弟から金銭的な援助を受けられるか
  • 緊急時やレスパイト(介護者の休息)が必要な際、兄弟が一時的にサポートに入ってくれるか

父親を呼び寄せた経験者のお話によると、事前に兄弟と費用面も含めた話し合いをしっかりしておらず、なぁなぁになってしまったことを後悔しているとのことでした。

物理的に距離が近くなると、主介護者に全ての負担が集中する「ワンオペ介護」に陥りがちです。事前に役割分担を決めておかないと、「近くにいるから全部やってくれるだろう」と丸投げされ、後々トラブルに発展することもあります。

「あまり期待できないから」と話し合いを避けるのではなく、経験者の反省も踏まえ、費用負担の割合だけでも事前に書面やメールなどで明確にしておくべきです。

【ユーザーインタビュー】
・実施時期:2026年4月
・お名前:STさん
・性別:男性
・年齢:43歳
・職業:会社員(正社員)
・居住地:栃木県
当時の状況(クリックして開く)
広島から茨城への遠距離介護(片道8時間)を経て、父親を呼び寄せ介護に変更。

STさん:
これから親を呼び寄せようとしている人にアドバイスするとしたら、呼び寄せる前に兄と費用面も含めてちゃんと話し合っておくべきでした。
あまり期待していなかったこともあって、なぁなぁになってしまったと後悔しています。

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親の介護はなぜ私ばかり?兄弟・配偶者が動かない時の対処法と体験談
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呼び寄せ先に「親が孤立しないためのコミュニティ」があるか

転居先で親が日中過ごせる場所や、コミュニケーションを図れるサービスがあるかを事前に調べておく必要があります。

【地域のコミュニティ環境チェックリスト】

  • 親の趣味(囲碁、写真、園芸など)を継続できるサークルや集まりが近隣にあるか
  • 「介護扱い」を嫌がる親でも参加しやすい、軽度な運動や雑談メインのデイサービスがあるか
  • 親が一人で安全に散歩できる公園や歩道などの周辺環境が整っているか

呼び寄せを経験された方からは、「転居先に親が参加できるコミュニティがあるかどうか、事前に調べておけばよかった」という切実な声が寄せられています。

自宅で動かない時間帯が増え、急速に体力が落ちていくのを目の当たりにされたそうです。「ただ雑談ができるような、介護っぽくないサービスがあれば」というご意見もありました。

呼び寄せを決める前に、親の性格や趣味に合った地域のサービス、あるいは「介護色が薄い」交流の場をリサーチし、日中の居場所を確保しておくことが成功の鍵となります。

【体験談インタビュー】
インタビュー情報(クリックして開く)
・実施日:2026年4月
・形式:オンラインインタビュー
・お名前:STさん
・背景:広島から茨城への遠距離介護(片道8時間)を経て、父親を呼び寄せ介護に変更。

STさん:
これから親を呼び寄せようとしている人にアドバイスするとしたら、呼び寄せた先に「親が参加できるコミュニティがあるかどうか」を調べておけばよかったなと思います。
こっちに来た時から「外に出て少しでもいいから歩く」みたいな習慣や約束をつけておけばよかったです。動かない時間帯が多いので、すごく体力が落ちてきている気がしています。
個人的な理想を言えば、月に2〜3回くらい、コストをあまりかけずに生活のサポートをしてくれて、なおかつ「ただ雑談などのコミュニケーションをしてくれる」ような「介護、介護」していないサービスがあればいいのにな、と思っています。

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経験者に聞いた「呼び寄せ介護のときに確認・準備しておくべきだったこと」

遠距離介護や呼び寄せての介護をした経験のある方のお話から分かった、呼び寄せて介護するか迷ったときに確認すべきポイントは以下の2つです。

  • 親が元気なうちに行う「資産・保険の把握」と「名義変更などの契約手続き」
  • サービス拒否を防ぐ「事前の見学同行」と新居での「外出ルールの設定」

それぞれのポイントについて詳しくご紹介紹介していきます。

親が元気なうちに行う「資産・保険の把握」と「名義変更などの契約手続き」

親の判断能力が低下する前に、金融資産や保険の内容を正確に把握し、必要な代理手続きを完了させておくことが急務です。

【元気なうちに済ませるべき手続き・確認事項】

  • 預貯金、年金、加入している民間保険(証券の保管場所)の全容把握
  • 銀行口座の代理人登録や、家族信託などの財産管理手続き
  • 携帯電話や公共料金などの名義変更・支払先変更

遠距離介護を継続されているHKさんのお話では、親の保険証券が見つからず、本人も忘れてしまっていて困ったという実体験がありました。

経験者からは「親が自分で管理できる元気なうちに、お金や今後のことを話し合っておくべきだ」とのアドバイスが寄せられています。これは呼び寄せを行う場合でも、遠距離を続ける場合でも共通して言える重要な教訓です。

親が元気なうちに財力を正確に把握し、家族信託などの制度を利用して準備を整えたり、銀行や携帯電話の名義変更といった契約手続きを早めに済ませておくことが強くすすめられています。

【体験談インタビュー】
インタビュー情報(クリックして開く)
・実施日:2026年4月
・形式:オンラインインタビュー
・お名前:HKさん
・背景:東京から埼玉への遠距離介護(片道3時間弱)。月に2〜3回帰省し両親をサポート。

HKさん:
これから介護を始める方にアドバイスするとしたら、親が自分で管理できている元気なうちに、お金や今後のことについて話しておくべきだということです。
うちは保険屋さんに言われても保険証券が見つからず、母も忘れてしまっているような状態です。少し難しくても、家族信託など第三者を挟んででも早めにやっておいた方がいいと思います。

【体験談インタビュー】
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・実施日:2026年4月
・形式:オンラインインタビュー
・お名前:鈴木さん
・背景:父親の介護を経験。本人の意向確認や名義変更の重要性を痛感。

鈴木さん:
利用できる公的制度は迷わずに活用し、親の生活習慣や財力を早めに把握しておくことが重要です。
銀行や携帯電話の名義変更など、金銭や契約に関わる手続きも親が元気なうちに早めに済ませておくことをお勧めします。

認知症の診断が下りた後では、家族であっても銀行預金の引き出しや定期預金の解約が法的に不可能となるため、事前の対策がすべてにおいて最優先されます。

サービス拒否を防ぐ「事前の見学同行」と新居での「外出ルールの設定」

呼び寄せ先の生活において、デイサービスの利用や定期的な外出を「親任せ」にせず、事前の見学やルールの設定が必要です。

【新生活開始時に設定すべきアクション】

  • 親の趣味嗜好(運動、麻雀など)に合ったデイサービスをリサーチし、見学に同行する
  • 親の「自分はまだ大丈夫」という言葉を鵜呑みにせず、ケアマネジャーと連携してサービスを導入する
  • 新居での閉じこもりを防ぐため、「1日1回は散歩に出る」などのルールを転居直後に設定する

実際の体験談でも、親の「大丈夫」「施設は嫌だ」という言葉を鵜呑みにして本人の意向ばかりを優先し、結果的にひどく苦労したという声があがっています。

経験者からは、デイサービスをイメージで嫌がる親には、麻雀やジムなど本人が興味を持ちそうな施設を調べて見学に同行し、説得することが大切だと語られています。

また、転居先で動かない時間が増えて体力が低下してしまったという後悔の声もあり、「呼び寄せた当初から、1日少しでも外を歩くような習慣や約束(ルール)を作っておくべきだった」という教訓も寄せられています。

【体験談インタビュー】
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・実施日:2026年4月
・形式:オンラインインタビュー
・お名前:鈴木さん
・背景:父親がサービスを頑なに拒否したため、結果的に特養入所へ至る。

鈴木さん:
デイサービスをイメージだけで嫌がる親には、実際には麻雀やジムなどのサービスがあることを調べ、見学などに同行して説得することが大切です。
父の「大丈夫」「嫌だ」という言葉を鵜呑みにした結果、私自身がひどく苦労することになりました。

【体験談インタビュー】
インタビュー情報(クリックして開く)
・実施日:2026年4月
・形式:オンラインインタビュー
・お名前:STさん
・背景:広島から茨城への遠距離介護(片道8時間)を経て、父親を呼び寄せ介護に変更。

STさん:
父への対応としては、こっちに来た時から「外に出て少しでもいいから歩く(散歩する)」みたいな習慣や約束をつけておけばよかったです。
動かない時間帯が多いので、すごく体力が落ちてきている気がしています。

まとめ:自分と家族の生活を守るための選択を

ここまで、経験者のリアルな体験談をもとに、遠距離介護と呼び寄せ介護のメリット・デメリット、そして直面するリスクについて解説してきました。

親の安全を確保することは大切ですが、親の意向を100%叶えようとして介護者自身の生活や健康を犠牲にしてしまう「自己犠牲的な介護」は、最終的に共倒れという最悪の事態を招きます。

今のまま遠距離介護を続けるか、呼び寄せるか、あるいは施設への入居を検討するか。どの選択肢が正解かは、ご家庭の状況によって異なります。

重要なのは、親の希望だけを鵜呑みにするのではなく、ご自身の体力、仕事、そして同居するご家族の生活を最優先に考え、無理のない境界線を引くことです。

呼び寄せに伴う施設探しや、今後の費用について不安がある場合は、早めにプロの意見を取り入れることをおすすめします。

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