数ある高齢者施設の中で、介護付き有料老人ホームとケアハウスの2つの施設。
似通ったところも大きいこの2つの施設ですが、異なる点も多くあります。
「どれくらいの費用で入れるの?」「入居するための条件はあるの?」
このような疑問を持つ方も多くいます。
そこで今回は、介護付き有料老人ホームとケアハウスの違いについて、徹底的に解説をしていきます。
この記事を最後まで読めば、両施設の違いが明確にわかるようになります。
この記事のまとめ
- 介護付き有料老人ホームとケアハウスにおける大きな違いは、主に「施設の運営主体」と「利用料」。
- 介護付き有料老人ホーム・介護型ケアハウスはどちらも、24時間体制で介護サービスを受けることができるため介護度が高い方も安心の環境。
- 介護付き有料老人ホームは介護が必要だけど老後も余暇活動を楽しみたい人、ケアハウスはサービス利用にかかる費用を抑えたい人に向いている。

介護付き有料老人ホームとケアハウスの違い
下の表は介護付き有料老人ホームとケアハウスの特徴や違いをまとめたものです。
介護付き有料老人ホーム | ケアハウス | ||
---|---|---|---|
一般(自立)型 | 介護型 | ||
運営主体 | 民間企業 | 地方公共団体もしくは社会福祉法人 | |
入居条件 |
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入居一時金 | 0円~580万円(施設によって大きく異なる) | 0円~30万円程度 | |
月額利用料 | 16万円~29万円程度 | 7万円~13万円程度 | 10万円~20万円程度 |
サービス内容 |
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人員配置 | 利用者3人に対して職員1人以上 | 利用者に30人に対して1人以上 | 利用者3人に対して職員1人以上 |
居室の広さ | 居室面積は原則13㎡以上 | 21.6㎡以上 | |
雰囲気 |
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プライベートな時間を楽しむことができ、自由度が高い。 |
介護付き有料老人ホームとケアハウスにおける大きな違いは、主に「施設の運営主体」と「利用料」です。
介護付き有料老人ホームは民間企業によって運営されているのに対して、ケアハウスは地方公共団体の計画に基づき、社会福祉法人や自治体の認定を受けた法人によって運営されています。
また介護付き有料老人ホームは充実した介護サービスと暮らしやすい居住環境により、月額利用料がおよそ6万円~29万円と高額になる傾向にあります。
一方で、ケアハウスは運営にあたり自治体からの援助が出ているため、例えば介護型ケアハウスでは10万円~20万円と比較的リーズナブルな利用料で介護サービスを受けることができます。
以上から、両者における大きな違いは「施設の運営主体」と「利用料」であると言えるでしょう。
介護付き有料老人ホームとは
介護付き有料老人ホームは、入居時に介護サービスが付帯された施設です。
定額で24時間265日の介護サービスが提供されるため「介護付き」という名付けられました。
そのため介護度の高い方でも安心して入居することができます。
施設内に、介護士や看護師などが常駐しているため、食事提供や掃除・洗濯などの生活支援はもちろんのこと、入浴や排泄などの身体介護も受けることができます。
高齢者施設によくある、入居後に介護度が上がったことを理由に退去を求められることはほとんどありません。
また、機能訓練やリハビリテーション・レクリエーションや季節ごとのイベントや看取りケアまで行う施設もたくさんありますので、入居の際には複数の施設を見比べてみるとよいでしょう。
ケアハウスとは
ケアハウスとは、社会福祉法人や医療法人、また民間団体によって運営される施設です。
自宅での生活が困難になってきた高齢者が、生活支援サービスを受けながら暮らしていくための施設となります。
自治体の計画に基づいて整備されるため、利用料が比較的安いことが魅力の一つです。
ケアハウスには自立型(もしくは一般型)と介護型の2つに分かれます。
まずは自立型と介護型のそれぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。
自立型ケアハウス
自立型ケアハウスとは、食事提供や掃除・洗濯、また見守りなどの生活支援サービスを受けられます。
軽いサポートがあれば自立した生活ができる方向けのケアハウスです。
状態が変わり介護が必要になったときには、外部の訪問介護やデイサービスを利用できますが、中には退去を求められる施設もありますので入居の際に条件を確認しておくとよいでしょう。
介護型ケアハウス
介護型ケアハウスは、介護スタッフが24時間常駐するよう義務付けられています。
そのため、自立型に比べて手厚い介護サービスを受けられ、夜間も安心して過ごせます。
バリアフリー化も義務化されているなど、自立型よりも介護度の高い方向けの施設です。
介護の体制が整っているために要介護度が上がってもそのまま住み続けることができるところもあります(介護型の介護士等の人員配置基準は、介護付き有料老人ホームと同じです)。
また介護付き有料老人ホームやケアハウスをはじめ、施設への入所を検討しているという方は、ケアスル介護がおすすめです。
ケアスル介護なら、入居相談員にその場で条件に合った施設を教えてもらうことができるためご希望に沿った施設探しが可能です。
「プロに相談したい」という方は、ご気軽に無料相談を活用ください。
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介護付き有料老人ホームとケアハウスの違い①入居条件
ここからは介護付き有料老人ホームとケアハウスの違いを、入居条件、受けられるサービス、支払う費用、メリット・デメリットに分けて詳しく解説して行きます。
「両社の違いを詳しく知りたい」「どちらの施設を検討するべきか迷っている」というはぜひ参考にしてみてください。
まずは介護付き有料老人ホームとケアハウスの入居条件の違いを見ていきましょう。
分類 | 年齢 | 介護度 |
---|---|---|
介護付き有料老人ホーム | 65歳以上 | 要支援1以上(なかには自立の方を受け入れる施設もあり) |
自立型ケアハウス | 60歳以上 | 自立~介護度が軽度の方 |
介護型ケアハウス | 65歳以上 | 要介護1以上 |
介護付き有料老人ホームの入居条件
介護付き有料老人ホームは、基本的には要支援1以上の認定を受けた方が対象です。
しかし実際の入居条件は施設によって異なることがあり、自立の方を受け入れてくれる施設もあります。
そのほか介護付き有料老人ホームは全国に施設数が多いため、入居難易度に関しては低めと言えるでしょう。
ケアハウスの入居条件
一方ケアハウスの入居条件に関しては、自立型は要介護の方以外でも入居可能なため、65歳未満でも入居可ですが、介護型は介護保険の適用があるため65歳以上が入居対象となります。
介護度についてはそれぞれの施設で異なりますが、一般的には要介護3以上となると、それなりに介護が必要となるため自立型ケアハウスへの入居は難しいでしょう。
ケアハウスは低価格で充実したサポートが受けられるため、入居待ちが発生することもあり入居難易度で言えば高めと言えるでしょう。

介護付き有料老人ホームとケアハウスの違い②受けられるサービス
次に介護付き有料老人ホームとケアハウスの受けられるサービスの違いを見ていきましょう。
分類 | 提供サービス |
---|---|
介護付き有料老人ホーム |
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自立型ケアハウス |
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介護型ケアハウス |
|
介護付き有料老人ホームで受けられるサービス
介護付き有料老人ホームではスタッフが24時間常駐しており、食事や入浴、排泄の介助などをはじめとする介護サービスを提供しています。
さらにケアハウスと比べるとレクリエーションが充実していたり、自由度の高い居住空間・共用スペースが整備されていたりする傾向があると言えるでしょう
花見や誕生日会といったイベントをはじめ、書道や茶道、刺繍といった趣味をテーマにした「サークル活動」などもあることから、生活のサポート以外にも娯楽活動が充実していると言えます。
したがって老後も趣味や余暇活動を楽しみながらアクティブし過ごしたいという方は、介護付き有料老人ホームが良いと言えるでしょう。
ケアハウスで受けられるサービス
ケアハウスは自立型では介護サービスが提供されていませんが、介護型ケアハウスでは食事や入浴、排泄の介助といった必要な介護サービスは受けることができます。
自立型では介護サービスの提供は無いものの、食事の提供や安否確認・生活相談などを行ってくれるため、自立の高齢者にといっては安心の環境と言えるでしょう。
また介護付き有料老人ホームほど充実はしていませんが、自立型・介護型ケアハウスでもイベント・レクリエーションが開催されていることがあり、生活の楽しみのひとつとなっています。
介護付き有料老人ホームとケアハウスの違い③支払う費用
介護付き有料老人ホームとケアハウスで支払う費用は以下のように異なります。
分類 | 入居一時金(相場) | 月額利用料(相場) |
---|---|---|
介護付き有料老人ホーム | 0円~580万円 | 16万円~29万円 |
自立型ケアハウス | 0円~30万円 | 9万円~15万円 |
介護型ケアハウス | 0円~30万円 | 10万円~20万円程度 |
介護付き有料老人ホームの費用
介護付き有料老人ホームの費用は、月額利用料でおよそ16万円~29万円とされており、老人ホームの中でも高額とされています。
上記の表からも分かるように、費用面に関してはケアハウスよりも介護付き有料老人ホームの方が費用が高くなることがほとんどです。
介護付き有料老人ホームは介護サービス・居住空間・余暇活動などが充実している分、費用も高額となりやすいことを理解しておきましょう。
ケアハウスの費用
ケアハウスの費用は、月額利用料で自立型が9万円~15万円、介護型が10万円~20万円程度となっています。
ケアハウスの費用が老人ホームのなかでも安い傾向にあるのは、国や自治体からの補助金が出ており利用者の負担が抑えられているためです。
またケアハウスの月額費用は世帯の所得によって変動する仕組みになっており、収入が低い人ほど支払う費用も安くなるため、詳しくはお住まいの自治体や気になる施設で確認してみましょう。
そのほかどちらの施設も月額利用料はお住いの地域によって相場が変わり、地方に比べて都市部は高くなるため注意が必要です。

介護付き有料老人ホームとケアハウスの違い④メリット・デメリット
介護付き有料老人ホームとケアハウスのそれぞれのメリット・デメリットについて解説して行きます。
介護付き有料老人ホームのメリット
有料老人ホームのメリットは以下のとおりです。
- 施設数が多いため、自分に合った施設を見つけられる
- 施設によっては自立から要介護まで幅広い介護度に対応が可能
- イベントに力を入れている施設などもある
- 特養などに比べ、入居するまでの待ち時間が少ない
介護付き有料老人ホームのデメリット
有料老人ホームに入居するにあたっての最大のデメリットは、費用が高めという点が挙げられます。
とても手が出せないという方も現実にはいますが、中には入居金が不要の施設もあるので、予算と相談しながら探してみるとよいでしょう。
ケアハウスのメリット
ケアハウスのメリットを確認しましょう。
- 他の介護施設に比べても費用が抑えられる
- 介護型なら要介護度が上がっても住み続けられる
- レクリエーションやイベントが多く、充実した時間を過ごすことができる
- 個室のためプライバシーが守られる
いくつか挙げられますが、ケアハウスの最大のメリットは何といっても費用面にあります。
有料老人ホームに比べれば大きな差が生じます。
ケアハウスデメリット
ケアハウスを選択した場合のデメリットも確認しておきましょう。
費用面で優遇されている分、入居希望者も多く、待ち時間が長い点がデメリットとして挙げられます。
数か月から1年以上待つというケースもあります。
また、自立型では介護度が上がった場合には退去を求められる場合がほとんどです。
施設への入所を検討しているという方は、ケアスル介護がおすすめです。ケアスル介護なら、見学予約から日程調整まで無料で代行しているためスムーズな施設探しが可能です。
「まずは相談したい」という方は、ご気軽に無料相談を活用ください。
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介護付き有料老人ホームかケアハウスでどちらを選ぶべき?
本章では介護付き有料老人ホームがおすすめの人と、ケアハウスがおすすめの人を紹介します。
介護付き有料老人ホームに向いている方
介護付き有料老人ホームは、介護の必要性が高く、それでいてイベントなどの企画やレクリエーションを楽しみたい方向けの施設といえます。
公的施設に比べると費用が若干かかってしまう傾向にありますが、自由度の高い居住空間をはじめ充実したサービスを受けられる場合が多いです。
ケアハウスに向いている方
一人暮らしにやや不安を感じ始めた方や経済的に不安のある方は、ケアハウスに向いているといえるでしょう。
というのもケアハウスでは利用者の所得に応じて費用が変動するため、無理のない料金で安心の介護サービスを受けられることが魅力だからです。
しかし、利用料が比較的抑えられる分、人気のある施設ですので待ち時間は長くなるケースも想定しておいた方が良いでしょう。
介護付き有料老人ホームとケアハウスは同じようで異なるもの
介護付き有料老人ホームとケアハウスについては主に以下の3つのようなような違いがあります。
- 入居するための条件
- 受けられるサービス
- 支払う利用料
どちらも食事や入浴、排泄の介助といった基本的な介護サービスは受けられますが、一般的に自由度の高い居住空間やレクリエーションなどの余暇活動が充実しているのは介護付き有料老人ホームであるといえます。
したがって、介護サービスのほか趣味や娯楽などを楽しみながらイキイキとした老後を過ごしたい方は介護付き有料老人ホームがおすすめです。
一方ケアハウスは国や自治体から運営の補助金を受けており、利用者が払う費用も低価格となる傾向にあります。
よって、経済的に不安があるが安心の介護サービスを受けたいというかたにおすすめと言えるでしょう。
施設を検討する際にはこれらの違いを考え、納得の施設選びにお役立ていただけると幸いです。
料金としてはケアハウスの方が費用は安く抑えられます。ただ、有料老人ホームは費用がかかる分、サービスにおいて付加価値が付きます。何に重点をおくかによって施設を選ぶとよいでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。
施設によっては看取りまで行ってくれるところと、そうでないところがあります。看取りを希望の方は契約前に必ず確認しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。