有料老人ホームは介護保険が使える?適用されるサービスと適用されないサービスも紹介

有料老人ホームは介護保険が使える?適用されるサービスと適用されないサービスも紹介

有料老人ホームの入居を検討する時に、「有料老人ホームでも介護保険は使えるの?」と疑問に思う方は少なくありません。

結論からお伝えすると、有料老人ホームでも介護保険を利用してサービスを受けることが可能です。

ただし、入居する施設のタイプ(「介護付き有料老人ホーム」か「住宅型有料老人ホーム」か)によって、介護保険の仕組みや自己負担額が全く異なります。

本記事では、介護付きと住宅型の介護保険の使い方の違いや、適用されるサービス・されないサービスまで解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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有料老人ホームでの介護保険の使い方:「介護付き」と「住宅型」の違い

介護保険を利用した介護サービスが受けられる有料老人ホームを探す際、ほとんどの場合「介護付き有料老人ホーム」と「住宅型有料老人ホーム」の2種類から選ぶことになります。

両者の違いは、介護費用の支払い方法が「定額制」か「従量課金制(使った分だけ支払う)」かという点です。

介護付き有料老人ホームの介護保険:要介護度に応じた「定額制」

介護付き有料老人ホームは、生活支援と介護サービスが一体となっている施設です。

介護が必要になった場合は、施設のスタッフから直接介護サービスを受けられます。

介護付き有料老人ホームの特徴とメリット
対象 原則65歳以上で、自立~要介護5の認定を受けている方
介護保険の仕組み 要介護度に応じた「定額制(包括算定)」
メリット 24時間スタッフが常駐し、何度介護を受けても料金が固定のため予算が立てやすい

介護付き有料老人ホームの介護サービス費は、介護度別に定額料金(包括算定)が設定されており、どれだけ介護を受けても追加費用はかかりません。

介護スタッフが24時間常駐しているため、夜間や緊急時も定額の範囲内で対応してもらえます。

予算オーバーの心配がなく、要介護度が高くなっても安心して生活を続けられるのが大きなメリットです。

介護付き有料老人ホームについては、以下の記事で詳細を解説していますのであわせてご覧ください。

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住宅型有料老人ホームの介護保険:使った点数分だけ払う「従量課金制」

住宅型有料老人ホームは、食事や掃除といった高齢者の生活をサポートするサービスを提供する施設です。

施設スタッフが直接介護サービスを提供することはありません。

住宅型有料老人ホームの特徴とメリット
対象 原則60歳以上で、自立・要支援・要介護の方
介護保険の仕組み 使った分(点数分)だけ支払う「従量課金制」
メリット 必要な介護サービスだけを自由に選んで契約できるため、介護度が低い場合は費用が安く済む

住宅型有料老人ホームで介護が必要になった場合は、外部の訪問介護事業所などと個別に契約を結んでサービスを利用するため、介護保険は「使った点数分だけ支払う(従量課金)」仕組みです。

比較的お元気で利用するサービスが少ない方は、介護付き有料老人ホームの定額制よりも毎月の費用を安く抑えられます。

夜間の対応や急な介助が増えると、介護保険の支給限度額をオーバーしてしまい、超えた分が全額自己負担になるリスクがあるため注意が必要です。

住宅型有料老人ホームについては、以下の記事で詳細を解説していますのであわせてご覧ください。

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有料老人ホームにおける介護保険の適用範囲

有料老人ホームで介護保険が適用されるのは、主に施設スタッフや外部の事業所が提供する「介護サービス」に限定されます。

本章では、施設の種類に関わらず共通して保険が適用される範囲と、全額自己負担となる実費の範囲について詳しく解説します。

介護保険適用の有無と具体的な項目
区分 具体的なサービス内容
適用される
  • 身体介助(食事、入浴、排せつ、着替え等)
  • 生活援助(掃除、洗濯、リネン交換等)
  • 機能訓練(リハビリ計画の実施等)
  • 健康管理(看護師によるチェック、相談等)
  • レクリエーションの企画・運営
適用されない
(全額自己負担)
  • 居住費(家賃、光熱費)、食費
  • 日常生活費(日用品、理美容代、おむつ代、医療費等)
  • 特別なサービス(個別外出の付き添い、特別なイベント食等)
  • 家族への食事提供、ペットの世話、草むしり等

介護保険が適用されるのは、食事や入浴、排泄介助といった「身体介護」や、清掃・洗濯などの「生活援助」など、日常生活を送るために不可欠なサポートです。

一方で、施設の種類に関係なく、家賃や食費、おむつ代、理美容代、医療費などは全額自己負担(実費)となります。

また、「入居者以外の家族への食事提供」や「使っていない居室の掃除」、「個人的な外出の付き添い」など、ご本人への直接的な介護にあたらないものや施設スタッフの業務範囲を超える特別な支援も、公的介護保険の対象外です。

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有料老人ホームで介護保険が使えない?施設別の利用可否

「有料老人ホームに入ったら、介護保険が使えなくなった!」と後悔するケースが少なくありません。

なぜなら入居する施設の種類によって「これまで自宅で使えていた外部サービス」が継続できなくなる場合があるためです。

どの介護保険サービスがそれぞれの施設で利用できるのか、以下の比較表で確認してみてください。

施設ごとの「外部の介護保険サービス」利用可否
介護保険サービス 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム
訪問介護・訪問入浴
(ホームヘルパー等)
×
(施設スタッフが提供)
通所介護
(外部のデイサービス)
×
(原則不可)
短期入所
(外部のショートステイ)
×
福祉用具貸与
(レンタル)
×
(施設の備品を使用)
居宅療養管理指導
(医師・歯科医師等の訪問)

介護付き有料老人ホームは「福祉用具レンタル」などが使えない

介護付き有料老人ホームに入居すると、これまで自宅で利用していた「福祉用具のレンタル(車椅子や電動ベッドなど)」や「外部のデイサービス」「訪問介護」などは、原則として介護保険を使って利用できなくなります。(※居宅療養管理指導など一部の医療系サービスを除く)

これは、介護付き有料老人ホームが「介護にかかる費用を施設に定額で支払う(包括算定)」という仕組みだからです。

介護保険の二重利用を防ぐルールがあるため、外部の事業所が提供するサービスを併用できません。

今まで1割負担でレンタルしていた福祉用具も介護保険の対象外となるため、施設の備品を利用するか、全額自己負担(実費)でレンタルや購入を行う必要があります。

施設の備品は無料で使えることが多いですが、ご本人の体に合わない場合や数が足りない場合は自費での準備が必要になるため、見学時の確認が不可欠です。
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住宅型有料老人ホームはサービスの併用可能

一方で、住宅型有料老人ホームは自宅での生活と同じ扱いになるため、これまで使っていた外部の介護サービスや福祉用具のレンタルをそのまま引き継げます。

施設には生活支援のみをお願いし、介護は外部の訪問介護や通所介護(デイサービス)と個別に契約する仕組みです。

そのため、通い慣れたお気に入りのデイサービスや、使い慣れた車椅子などのレンタル用品を、引き続き介護保険を使って(1〜3割負担で)利用できます。

生活環境や人間関係を大きく変えずに、使い慣れたサービスをそのまま継続できる点は、住宅型有料老人ホームならではの大きなメリットといえるでしょう。

自由にサービスを組み合わせられる反面、利用するサービスが多くなると介護保険の支給限度額をオーバーし、全額自己負担となってしまうリスクがあるため注意しましょう。
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有料老人ホームの費用相場と自己負担額

有料老人ホームに入居する際は、入居一時金である初期費用と月額費用を確認しておくことが大切です。

『ケアスル 介護独自調査レポート2026』によれば、介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームの初期費用と月額費用の相場は以下の通りです。

老人ホーム種別ごとの初期費用相場

初期費用相場は介護付き有料老人ホームが346.1万円、住宅型有料老人ホームが69.7万円と大きな差が開いているように見えますが、介護付き有料老人ホームの中央値は50.3万円のため、施設間で大きな差があることは留意が必要です。

老人ホーム種別ごとの月額費用相場

月額費用の相場は介護付き有料老人ホームが23.6万円、住宅型有料老人ホームが14.3万円と約10万円程の差がついています。
介護をメインとする「介護付き有料老人ホーム」の方が、少々月額費用が高めになることは抑えておきましょう。
なお、月額費用の内訳や費用を抑えるコツについては、以下の記事で解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
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要介護度別の自己負担額

有料老人ホームで受ける介護サービスは、介護保険が適用されるため自己負担額は原則1割に抑えられます

要介護度別の月額自己負担額(1割負担時)の目安は以下の通りです。

要介護度別の自己負担額(1割負担)
要介護度 1ヵ月当たりの介護サービス費
要支援1 5,460円
要支援2 9,330円
要介護1 16,140円
要介護2 18,120円
要介護3 20,220円
要介護4 22,140円
要介護5 24,210円

(1ヵ月は30日、1単位は10円として計算)
参考:厚生労働省「令和5年 特定施設入居者生活介護・地域密着型特定施設入居者生活介護」

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有料老人ホームの費用負担を減らす制度

毎月の費用負担を軽くするために、公的な軽減制度を活用を検討してみてください。

ご自身の状況に応じて、以下の制度を利用できる可能性があります。

  • 高額介護サービス費
    1ヵ月の介護保険の自己負担額が、所得に応じて定められた上限額を超えた場合に超過分が払い戻される制度です。介護付き有料老人ホームでの介護保険自己負担分も対象となります。
  • 高額医療・高額介護合算制度
    1年間(8月1日〜翌年7月31日)に支払った医療費と介護費の自己負担額の合計が、世帯の基準額を超えた際に払い戻される制度です。医療と介護の両方を利用している世帯の負担を軽減できます。
  • 医療費控除(おむつ代など)
    1年間に支払った医療費が一定額(原則10万円)を超えた場合、確定申告を行うことで所得税が軽減されます。介護付き有料老人ホームで全額自己負担となる「おむつ代」も、医師が発行する「おむつ使用証明書」があれば医療費控除の対象です。

各制度の詳細な利用条件や申請方法については、以下の公的機関のサイトをご確認ください。

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有料老人ホームの介護保険についてまとめ

有料老人ホームで介護保険を利用する際、施設タイプによって仕組みが大きく異なります。

「介護付き」は要介護度に応じた定額制で予算が立てやすい反面、外部サービスは原則使えません。

一方、「住宅型」は使った分だけ支払う従量課金制で、使い慣れた福祉用具のレンタルやデイサービスを引き継げるメリットがあります。

最新の費用相場やご本人の状態、希望する生活スタイルに合わせて、最適な施設を選んでください。

介護保険をまだ申請していない方へ(申請の流れ)

介護付き有料老人ホームで介護保険を利用して(1〜3割負担で)サービスを受けるには、「要支援・要介護認定」を受けている必要があります。

まだ認定を受けていない方は、以下の簡単なステップで申請を進めてみてください。

  1. 市区町村の窓口へ行く
    お住まいの役所(介護保険担当窓口)や地域包括支援センターに行き、認定の申請書を提出します。
  2. 訪問調査を受ける
    認定調査員が自宅や病院を訪問し、ご本人の心身の状況や日常生活の様子を確認します。(同時に、市区町村からかかりつけ医へ「主治医意見書」の作成が依頼されます)
  3. 認定結果が届く
    調査結果と意見書をもとに審査が行われ、原則として申請から約30日以内に「要介護度(要支援1〜2、要介護1〜5)」が記載された認定結果通知書が郵送で届きます。

申請の流れの詳細については、以下の記事にまとめていますので、あわせて参考にしてみてください。

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