高齢者の1人暮らしである独居老人には、さまざまなリスクがあります。独居老人になることで抱えるリスクを回避するには、事前の対策を考えておくことが大切です。
対策をすると独居老人の問題を解決でき、より良い老後を送りやすくなります。独居老人とはどのような状態なのか、対策も含めて知ることで、上手に対処していきましょう。
独居老人の現状
まずは独居老人がどのような現状にあるのかこれを把握しておきましょう。どのような現状にあるのかを知ることで、自分または親が独居老人になっているかどうかの判断をしやすくなります。また、現状を把握することで社会的な問題も見えてきます。
1人暮らしをしている高齢者の人数は増えている
独居老人とは1人暮らしをしている高齢者のことであり、この数は年々増加しています。1人暮らしをしている人の割合を内閣の調査から見ると、昭和55年では男性が4.3%、女性が11.2%です。
平成22年のデータで見ると、男性は11.1%、女性は20.3%に増加しています。1人暮らしの高齢者は増加傾向にあり、現時点ではその割合はさらに増えていると考えましょう。これには少子高齢化も背景にあり、日本は今後ますます高齢人口の割合は増加します。
もちろん、高齢者全員が1人暮らしをするわけではありませんが、高齢者の絶対数が増えることで、独居老人が増える可能性は高いです。
1人暮らしの高齢者の6割は何らかの活動に参加している
1人暮らしの高齢者は増えているものの、その6割は何らかの活動に参加しています。社会的な孤立を解消するために地域のグループ活動などに参加している人は多く、平成25年時では61%です。
独居老人とはいえ、社会とのつながりを持っている人は多く、全員が完全に孤立しているわけではありません。しかし、自宅では1人である状態は確かであり、現状として高齢者の1人暮らしが増加していることは理解しておきましょう。
頼れる家族や親族がいない人もいる
独居老人の多くは社会とのつながりを持っているものの、頼れる家族や親族がいない人もいることは頭に入れておきましょう。60歳以上の単身高齢者では、いざというときに頼れる人がいるのは66%であり、いないと回答した人は12.3%です。
60歳以上の単身高齢者の中では、1割強の人が頼れる人がいないと回答しており、家族とのつながりがなく、完全に独居している人も一定数はいます。
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独居老人が増加している理由
社会的な問題となっている独居老人ですが、なぜこれが増加しているのか、その理由を知っておきましょう。
- 社会構造の変化によるもの
- パラサイトシングルの高齢化によるもの
これら2つの理由により、独居老人は増加しています。
社会構造の変化によるもの
社会構造が変化したことによって、独居老人は増加傾向になっています。社会構造としてもっとも変化したのは、世帯構造の変革です。昔は家族3世代で同居している世帯が多くありましたが、今では減少しています。
現在では夫婦や親子だけの世帯が増えており、これによって独居老人は増えています。特に夫婦だけの世帯ではパートナーが亡くなると、そのまま独居老人になってしまうことも少なくありません。
親子や孫とのつながりが薄いと、独居老人になってしまう人は多く、社会構造の変化は独居老人の増加に大きな影響を与えています。3世代の世帯は減少し、核家族化が進行していることが、独居老人が増えている大きな要因です。
パラサイトシングルの高齢化によるもの
独身のまま親と同居し、パラサイトシングルのまま高齢化することでも、独居老人は増加しています。パラサイトシングルとは独身のまま親に寄生して、生活の面倒を親に見てもらっている人を指します。
そのため、親が亡くなると生活費が捻出できなかったり、社会から孤立してしまったりして、そのまま独居老人になる人は少なくありません。
独居老人のリスク
独居老人は増加傾向にあり、社会的な問題になっています。しかし、なぜ独居老人が問題になるのか、疑問に思う人もいるでしょう。これはさまざまなリスクがあることが原因です。
- 認知症が進行する可能性がある
- 孤独死を引き起こす可能性がある
- 火災などの事故の恐れ
- 詐欺や滞納などのお金のトラブル
これらのリスクを知り、独居老人になることの危険性の高さを理解していきましょう。
認知症が進行する可能性がある
独居老人になると社会から孤立することも多く、他人とのコミュニケーションが不足することで脳の認知機能が低下することも少なくありません。これによって認知症が進行する可能性があることは、リスクの1つです。
認知症が進行すると介護が必要となりますが、独居老人だと介護のサービスを受けることも難しいです。認知症が進むとはいかいによって事故や事件に巻き込まれたり、地域や住まいの決まりを破ってしまったりして、トラブルになることもあります。
マンションなどでは退去を求められることもあり、住まいを失うリスクもあることは覚えておきましょう。認知症は自覚症状がなくても軽度のものが進行していることはあり、これに気づきづらいこともリスクといえます。
孤独死を引き起こす可能性がある
第三者が生活に介入しづらい独居老人は、孤独死を引き起こす可能性があります。実際に孤独死の数は増えており、60歳以上の高齢者が孤独死した割合は、平成15年から24年で2倍に推移しています。
孤独死を引き起こすと、残った家族に迷惑がかかったり、死亡した事実が伝えられずに、連絡が取れないままになったりすることも少なくありません。賃貸物件で孤独死すると、事故物件扱いになって不動産会社に嫌がられてしまい、残された子供や孫などに迷惑をかけてしまう場合もあることは理解しておきましょう。
火災などの事故の恐れ
加齢によって認知能力が低下すると、注意力や判断能力が下がることも多いです。注意力や判断能力の低下によって日常生活に支障をきたすことも多く、場合によっては火の不始末によって火災などの事故を起こしてしまうリスクもあります。
火災ほどの重大事故が起きるだけではなく、物を落としたり、転倒したりすることで、自身がけがを負ってしまうことも多いです。事故が起きることによって自分がけがをするだけではなく、周囲の人に重大な損害を与えてしまう可能性があることも覚えておきましょう。
詐欺や滞納などのお金のトラブル
社会的に孤立して認知能力が低下することで、詐欺などの被害にあったり、公共料金の滞納などお金に関するトラブルを起こしやすいというリスクもあります。詐欺などで金銭的な被害にあってしまい、お金を取られてしまうことはもちろん、だまされて高額な商品を買わされることもあるでしょう。
また、お金の管理ができなくなることで、公共料金を滞納してしまい、電気や水道などが止められてしまうケースもあります。これは認知機能の低下によって支払いを忘れてしまうだけではなく、詐欺などの被害で貯金を失ってしまい、払いたくても払えないといった状況も考えられます。
金銭的なトラブルに発展して、生活が苦しくなってしまうこともある点は、独居老人になるリスクの1つです。
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独居老人が安全に暮らすための対策
独居老人になることで、さまざまなリスクが生まれてしまいます。そのため、安全に老後の生活を送るには、事前に対策を練っておくことが大切です。
- 家族がなるべく一緒に暮らす
- 生きがいを作る
- 高齢者住宅に入居する
これらの対策を講じることで、独居老人になるリスクを回避でき、より安全に老後の生活を送りやすくなります。
家族がなるべく一緒に暮らす
安心して老後の生活を送るには、家族がなるべく一緒に暮らすことがおすすめです。家族と一緒に暮らすことで独居老人ではなくなり、さまざまなリスクがスムーズに回避できます。
例えば認知症の進行などで介護が必要になった場合でも、冷静に判断し対処できる家族が一緒にいることで、トラブルは未然に防げます。
もちろん、家族や親族がいない人や、家庭や仕事の関係などで、一緒に暮らすことが難しい場合も少なくありません。もし家族で一緒に暮らすことが難しいなら、公的な見守りサービスを利用することがおすすめです。
公的な見守りサービスとは
訪問介護のサービスを利用したり、通所施設に入居したりすることで、家族と暮らせない場合の独居でも安全に生活を送りやすくなります。訪問介護からデイケア、デイサービスなどの公的な見守りサービスを利用することで、独居であっても各種リスクは回避しやすいです。
また、介護保険を利用することで、ケアマネジャーがさまざまな相談に乗ってくれます。今後の生活に不安がある人や、生活の補助や介護などがどの程度必要なのかを把握しておきたい人は、一度ケアマネジャーに相談しておくと良いでしょう。
生きがいを作る
1人暮らしをする場合でも、社会的に孤立しているかどうかによって、生活の豊かさは違ってきます。そのため、生きがいを作ることは大切であり、これがあると1人暮らしであっても人とのつながりを持ちやすくなります。生きがいは人によってさまざまであり、決まった正解はありません。
そのため、自分がやりたいこと、興味を持って打ち込めることを探すと良いでしょう。人とのつながりを求めるなら地域のコミュニティに所属したり、興味のあることをテーマにして、自分でコミュニティを立ち上げたりすることがおすすめです。
また、定年退職後もアルバイトなどで働いていると、そのコミュニティに仲間を持つことができます。完全に1人で孤立しないためにも、高齢になる前に生きがいを見つけておくことがおすすめです。
高齢者住宅に入居する
より手厚いサポートを受けたり、人とのつながりを大切にしたいと考えたりする人は、高齢者住宅に入居することがおすすめです。高齢者住宅に入居することで、同じ建物に住んでいる人とつながりを持つことができ、社会的な孤立を回避できます。
また、高齢者住宅にはさまざまな種類があり、温泉やジムなどの設備が充実していて、生きがいを見つけやすいものもあるでしょう。加えて、介護サービス付きの施設もあるため、もし介護が必要な場合でも安心して利用できます。
公的な見守りサービスだけでは、生活のサポートや社会とのかかわりが不十分になることもあるため、高齢者住宅への入居も検討してみると良いでしょう。
独居老人に関するQ&A
独居老人になることで生じるさまざまな問題を解決するには、どのような点で疑問を持たれやすいのかを知っておくことが大切です。
- 独居老人に施設への入居を勧めるタイミングは?
- 独居老人の孤独死を防ぐには?
Q&Aを参考にして疑問を解消し、独居老人という問題にどのように対処すべきなのかを知っていきましょう。
独居老人に施設への入居を勧めるタイミングは?
高齢者住宅や介護施設への入居を勧めるのは、できるだけ早いほうが良いです。早めに入居してもらうことで家族や親族の介護の負担が減ることはもちろん、高齢者本人も安心して暮らしやすい環境で過ごすことができます。
ただし、入居を勧める際には本人の意思を尊重することが大切です。まだまだ元気なうちに勧めると、家族から見放されたと思われてしまうこともあるため注意しなければなりません。入居を勧めるタイミングとしては、次のような老化のサインが現れたときです。
- 短期的に入退院を繰り返している
- 道に迷って家に帰れなくなった
- 服薬管理ができなくなった
これらに該当する場合は老化や認知症などが進行している可能性が高いため、早めに入居を勧めることがおすすめです。
親を施設に入れる手順などについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
独居老人の孤独死を防ぐ方法は?
孤独死を防ぐには、地域住民とのコミュニケーションをできるだけ密に取っておき、近しい関係性を作っておくことが大切です。家族以外でも近くにいる人とコミュニケーションを取っておくことで、何かあったときに素早く気づいてもらえるようになります。
また、遠方に家族が住んでいるなら、こまめに連絡を取っておくことが大切です。定期的に連絡を取り合う習慣をつけておくことで、メールの返信がない、電話に出ないなどの異変に気づきやすくなります。
周囲の人と円満な関係を結び、仮に家族が遠方に住んでいてもこまめに連絡を取り合っているなら、孤独死を防ぎやすく、万が一の事態に陥る前に対処もしやすくなるでしょう。
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適切な見守りで独居老人の問題を解決しよう
老人の1人暮らしにはさまざまなリスクが潜んでおり、これは対策を練って対処することが大切です。適切な見守りをすることで独居老人の問題は解決でき、事故や孤独死といった最悪の事態も防げます。
公的な見守りサービスを利用したり、家族や地域の人とできるだけコミュニケーションを取ったりできる環境を作っておくことで、独居老人の問題は解決できます。さまざまな人との関係性を作る方法を考え、社会的に孤立しないように対処することで、豊かな老後を過ごしましょう。
1人暮らしをしている高齢者の人数は増えています。昭和55年における一人暮らしの割合は男性が4.3%、女性が11.2%であったのに対し、平成22年では男性は11.1%、女性は20.3%に増加しています。詳しくはこちらをご覧ください。
「認知症が進行する可能性」や「孤独死を引き起こす」ことが考えられます。お年寄りが一人で生活することがないよう、可能ならば家族で一緒に過ごしたり、介護施設で暮らすことも考えましょう。詳しくはこちらをご覧ください。