老人ホームの保証人になりたくない方必見!利用できる制度やサービスをご紹介

老人ホームの保証人になりたくない方必見!利用できる制度やサービスをご紹介

老人ホームに入居する条件として、保証人を求められる場合があります。一般的には、子どもや兄弟姉妹などの親族が保証人になるケースが多いです。

しかし、いくら親族であっても、これまでの関係性や責任を負いたくないなどの理由で保証人になりたくない方もいるでしょう。

そこで本記事では、老人ホームの保証人になりたくない場合に利用できる制度や身元保証サービスについて、その内容や利用方法をご紹介します。保証人の依頼を断りたい方や保証人が見つからない方は、ぜひ参考にしてください。

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在宅介護エキスパート協会 代表
所有資格:AFP/2級ファイナンシャル・プランニング技能士,社会福祉士,宅地建物取引士
専門分野:在宅介護,老後資金,介護施設全般
職業: 社会福祉士,宅地建物取引士,ファイナンシャルプランナー

NEC 関連会社(現職)でフルタイム勤務の中、10 年以上に渡り遠距離・在宅介護を担う。両親の介護をきっかけに社会福祉士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーなど福祉に直接的・間接的に関係する資格を取得。その経験や知識を多くの方に役立てていただけるよう「在宅介護エキスパート協会」を設立、代表を務める。詳しくはこちら

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老人ホームの保証人になりたくないなら「成年後見制度」がおすすめ

老人ホームの入居条件に保証人を求めている理由は、利用料を滞納されたり、緊急時の対応をしてもらえなかったりするリスクを避けたいからです。

しかし、老人ホームによっては、個人の事情によって保証人を立てられない方には、成年後見制度の利用を条件に入居を許可する施設もあります。

成年後見制度とは、「認知症や知的障害、精神障害などで判断能力が十分でなくなった方々の財産管理や施設入所の契約、入院時の手続きなどを成年後見人が本人に代わって行う支援制度」です。

老人ホームに入居する場合にも、最近は、成年後見人を立てていれば身元引受人や身元保証人は不要というケースも増えています。入居の際、後見人がついているということを施設側に説明してみてください。不測の事態には、後見人が窓口となってくれるため、保証人になりたくない方におすすめできる制度といえます。なお、本人のお金の管理も家族ができなくなり、毎月報酬が発生することには注意してください。

また老人ホーム・介護施設をお探しの方は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。

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成年後見制度とは

成年後見制度とは、認知症など精神上の障害によって判断能力が衰えた方を守り、支援する制度です。

具体的には、成年後見人が本人に代わって、不動産や財産の管理、遺産分割協議などの法律手続きを行います。また、身上監護と言って介護・福祉サービスの利用契約や施設入所、入院時の契約などを行います。

後見人になれる方は、親族などの個人以外に、弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門職です。また、後見人の役割はあくまで財産管理と身上監護であり、本人を引き取って同居したり、直接的な身体介護や家事などを行ったりはしません。

成年後見制度の利用方法

成年後見制度を利用するには、家庭裁判所へ後見開始の審判を申し立てる必要があります。家庭裁判所の審判により成年後見人が決定され、開始する流れです。成年後見制度の利用方法について以下をご紹介します。

  • 該当者を確認する
  • 家庭裁判所へ申し立てする

ここでは、成年後見制度の利用方法について確認しましょう。

該当者を確認する

成年後見制度を利用するには、家庭裁判所へ申し立てが必要です。申し立ての手続きが行えるのは、次に該当する方です。

  • 本人
  • 配偶者
  • 4親等内の親族(親、子、兄弟姉妹など)
  • 市区町村長(身寄りのいない方の場合など)
  • 検察官
  • 未成年後見人
  • 未成年後見監督人
  • 保佐人
  • 保佐監督人
  • 補助人
  • 補助監督人

最高裁判所によると令和3年1月〜12月の1年間における家庭裁判所への申立人で最も多いのは、市区町村長で全体の約23.3%、次いで本人の子が約20.9%、本人が約20.8%の順となっています。

家庭裁判所へ申し立てする

申し立てができるのは、本人が実際に住んでいる場所を管轄する家庭裁判所です。家庭裁判所では、医師の鑑定や調査の結果から成年後見人の開始を審判し、最も適任な人物を成年後見人に選任します。

なお、申し立てには、必要な申立書などの書類のほかに、以下の3つの費用が必要です。

  • 申立て手数料
  • 切手代
  • 医師による鑑定を行う場合には鑑定料

また、申立てから開始までにかかる期間は、個々の事情によって異なりますが、多くの場合4ヶ月が目安です。

身元保証会社を利用して施設入居を検討する

身元保証会社の利用も選択肢の一つです。保証会社は親族に保証人になれる人がいない場合が多いのですが、疎遠等で子に保証人を頼めない、断られたというケースでも利用できます。近年では少子高齢化や、核家族化の進展等の家族のあり方の変化により身元保証人を引き受ける法人が増加傾向にあります。

身元保証サービスを提供している主な形態は、一般社団法人やNPO法人、株式会社の3種類です。それぞれの身元保証会社によりサービス内容は異なります。

身元保証会社の中には、基本サービスのほかに、オプションとして「生活支援」や「死後事務支援」のサービスを加えて内容を充実させているところも多く存在します。

そもそも老人ホームになぜ保証人が必要?

老人ホームに身元保証人が必要な理由は、施設側が入居後のトラブルに備えるためです。具体的には、以下のような場合が挙げられます。

  • 緊急時の連絡窓口
  • 諸々の手続き
  • 金銭面の保証
  • 入居者が亡くなった時の手続きや身柄引き取りなど

それぞれの場合について、具体的に解説していきます。

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緊急時の連絡窓口

身元保証人が必要な理由としてよく挙げられるのが、緊急時の連絡窓口としての役目です。老人ホームでは、入居者に緊急事態が発生した時には、身元保証人へ連絡し対応を求めます。

具体的には以下のような状況が考えられます。

  • 転倒や転落によるケガや事故
  • 食事中の事故(誤嚥・誤飲)
  • 容態急変による救急搬送

万が一、このような事態が起こった時の連絡先として身元保証人が責任を持って対応し、施設側と連携していきます。

連帯保証人は金銭面において責任を負いますが、身元保証人は金銭面だけではなく、入居者の死亡、退去時や緊急時のお世話の責任を負わなければなりません。

諸々の手続き

施設側でできない判断や必要な手続きをするためにも、身元保証人は必要です。

例えば、入居者が入院して医療の同意が必要となった場合、本人の容態や認知症の進行によって意思の確認や決定が難しいケースがあります。

そのような場合、責任問題につながるため施設側は医療同意を行いません。医療同意の判断は身元保証人が本人に代わって行います。入退院の手続きや行政機関、金融機関などで手続きが必要な場合にも施設に行かなければなりません。

また、ケガや緊急時の手続きだけではなく、入居者が施設でトラブルを起こした際にも対応を求められます。

金銭面の保障

保証人が必要な理由として多いといえるのが、金銭面の保証です。

老人ホームの利用料の支払いは、基本的に入居者本人が行いますが、万が一支払いが困難になった場合、施設側の大きなリスクとなります。

入居者に支払い能力がなくなり利用料を滞納した場合、施設は身元保証人へ請求を行います。施設側が設定した支払い期限までに入居者に代わって利用料を支払わなくてはなりません。

なお、支払い期限を過ぎても身元保証人からの支払いがない場合には、施設側から退去を求められる可能性があります。

入居者が亡くなった時の手続きや身柄引き取りなど

入居者が亡くなった時の対応のためにも身元保証人は必要です。入居者が亡くなったあとに身元保証人が代行する手続きは以下のとおりです。

  • 身柄の引き取り
  • 未精算分の支払い
  • 私物・遺留品の運び出し
  • 居室の原状復帰
  • 自治体への死亡届の提出
  • 火葬・埋葬する場合の手続き
  • 葬儀の手配

これらの手続きや対応なども老人ホーム側はできないため、身元保証人が行います。

また、老人ホームの退去手続きや荷物の引き取り、未払い金の精算も行わなくてはなりません。次に入居する人のためにあまり時間をかけられないため、迅速な対応が必要です。

身元保証人のほか、身元引受人を求めてくる施設もあります。これらは明確な定義がないため確認が必要です。連帯保証人を含め、契約時には施設にそれぞれの役割に関し確認をしてみてください。

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身元引受人・身元保証人がいない時はどうする

そもそも身元引受人・身元保証人がいないと老人ホームには入居できないのでしょうか。身元引受人・身元保証人がいない際に利用できる方法は以下のとおりです。

  • 成年後見制度
  • 身元保証会社

家族や親族などの身寄りがいない、または身内に迷惑をかけたくないなど身元引受人・身元保証人を頼める方がいない場合は「成年後見制度」や「身元保証会社」を利用できる老人ホームを選ぶとよいでしょう。

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成年後見制度

身元引受人・身元保証人がいない方は、成年後見制度を利用して老人ホームに入居できる場合があります

成年後見制度とは、認知症などにより判断能力が低下した方の財産の管理や、身上監護(介護福祉サービスの利用契約、施設入所、入院時の契約締結など)を後見人が本人に代わって行う仕組みです。

成年後見制度を利用するには、家庭裁判所に申し立てを行う必要があります。家庭裁判所によって後見人が選任されると、本人に代わって老人ホームの入居契約や利用料の支払い、行政、金融機関の手続きなどの役割を任せられるため、老人ホームへの入居が可能となります。

身元保証会社

身元引受人・身元保証人がいない場合には、身元保証会社を利用する方法もあります。

身元保証会社は、主に民間企業やNPO法人などが運営し、有料で身元保証人の役割を代行するサービスを提供しています。利用するには、契約をしなければなりません。

身元保証会社を利用するにあたり、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

  • 身元保証会社のサービス内容
  • 老人ホームと身元保証会社の提携
  • 身元保証会社を利用する際にかかる費用相場

以下でそれぞれのポイントについて詳しく解説します。

身元保証会社のサービス内容

身元保証会社が提供するサービスは、大きく分けて3つです。具体的なサービス内容は以下のとおりです。

名称 サービス内容
身元保証サービス

(基本サービス)

  • 老人ホームの見学同行
  • 入居契約時の身元保証人
  • 利用料の連帯保証の請け負い
  • 緊急連絡先としての対応
  • 入院時の手続きや身元保証人
  • 医療の同意
  • 入院費用の連帯保証
生活支援関連サービス
  • 役所の手続きや金融機関の同行
  • 通院・入院の同行
  • 生活費の管理
死後事務支援サービス
  • 施設や病院で亡くなった時の遺体の引き取り
  • 退去手続き
  • 遺品の引き取り
  • 精算手続き
  • 死亡届葬儀・納骨などの事務手続き代行

保証会社によって提供するサービスの内容は異なるため、契約時に確認が必要です。また「生活支援サービス」と「死後事務支援サービス」はオプションサービスとなるため、必要なサービスを選んで利用するのが一般的です。

老人ホームと身元保証会社の提携

入居時に身元保証人を必要としない老人ホームもあります。しかし、多くの場合、そのような老人ホームは身元保証会社との契約を入居条件とするため、身元保証人を必要としないのです。

さらに、老人ホームが保証会社と提携する理由として、料金滞納のリスクを回避できるメリットがあります。

利用者は、身元保証人がいなくても入居できるメリットがありますが、追加で保証会社の費用も支払うため、毎月の利用料が高額になる傾向にあります。

身元保証会社を利用する際にかかる費用相場

身元保証会社に支払う費用は、その会社が提供するサービスの内容や範囲によって金額が変わります。一般的に必要な費用は以下の3つです。

  • 契約金(初期費用)
  • 月額費用
  • 預託金

預託金は、契約者の死後に保証会社が葬儀や納骨、部屋の片付けなどの死後事務支援を行う際に必要な費用として預けます。

身元保証会社に支払う費用相場は、基本サービスのほかに、オプションの生活支援サービスや死後事務支援サービスまで依頼すると総額で数百万以上と高額な費用になります。そのため、費用の相場については事前に把握しておく必要があるでしょう。

また身元保証会社を活用して入居できる老人ホームをお探しの方は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。

ケアスル介護ではご本人様の身体状況や必要となる介護サービスをお伺いしたうえで、入居にどれくらいの費用が掛かるのかもご案内します。

「分からないことを相談して安心して施設を選びたい」という方は、まずは無料相談からご利用ください。

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身元保証会社を選ぶ際の注意点

身元保証会社は、それぞれ提供しているサービス内容や費用が異なります。身元保証会社を選ぶ際には、注意すべきポイントが3つあります。

  • 財産管理を安心して任せられる仕組みがあるか
  • 幅広い手続きに対応してくれるかどうか
  • 遺産の寄付を前提としていない会社かどうか

それぞれの3つの注意点について、具体的に解説します。

財産管理を安心して任せられる仕組みがあるか

身元保証会社の中には高齢者を狙った悪質な業者が潜んでいる可能性もあり、過去には契約者が支払ったお金の使い込みや横領事件が起こっています。

そのため、身元保証会社と契約する際には、安心して財産管理を任せられる仕組みがあるか確認が必要です。契約者の財産を「信託口座」で管理している身元保証会社であるかどうかが大切なポイントです。

信託口座に預けた契約者の財産は、法律によって保護されるため身元保証会社が勝手に使い込めない仕組みとなります。安心して財産管理を任せるためには信託口座を利用している身元保証会社を選びましょう。

幅広い手続きに対応してくれるかどうか

身元保証会社がどの範囲まで身元保証人としての手続きに応じてくれるのかも選ぶ大切なポイントです。身元保証会社が対応する手続きの範囲は会社によってさまざまです。

そのため、依頼した手続きがその会社では対応していないサービスだった場合、老人ホームに入居できない事態となってしまう可能性があります。

身元保証会社を選ぶ際には、ご自身が求める手続きが可能か確認したうえで契約を結びましょう。

遺産の寄付を前提としていない会社かどうか

遺産についてご自分の希望する形で処分できるかどうかも身元保証会社を選ぶ際の重要なポイントです。

身元保証会社によっては、遺産の寄付を前提に契約する場合もあります。過去には、寄付される予定の財産を勝手に使い込む事件も発生しました。そのため、契約者からの寄付の申し出を一切受け付けていない場合や、寄付を希望する方には公的な寄付団体を紹介する場合もあります。

身元保証会社を選ぶ際には、ご自分の遺産の処分方法を選択できる業者を選びましょう。

老人ホームの保証人になりたくない場合は早めの対応を!

老人ホームの保証人になりたくない場合には、次の2つの対処方法があります。

  • 成年後見制度を利用する
  • 身元保証会社を利用する

成年後見制度は、認知症などで判断能力が衰えた方を保護し、不利益を被らないよう支援する制度です。家庭裁判所に選任された成年後見人が本人に代わり、施設入居の契約手続きや、利用料の支払いなどを行います。

一方で身元保証会社は、老人ホームへ入居する際の身元保証を引き受けてくれるサービスを提供しています。ただし、会社によってサービスの範囲や費用が異なるため注意が必要です。

成年後見制度または身元保証会社を利用するには、どちらも手続きに時間と手間がかかるため早めに準備を進めましょう。

老人ホームになぜ保証人が必要?

老人ホームが保証人を必要とする理由は次の4つです。①ケガや事故、容態の急変など緊急時の連絡窓口を必要とするため ②医療同意や入院手続きなど諸々の手続きをするため ③入居者が支払い困難となったときの金銭面の保証が必要なため ④入居者が亡くなった時の手続きや身柄引き取りなどを行うため詳しくはこちらをご覧ください。

成年後見制度とは?

成年後見制度とは、認知症などにより判断能力が衰えた方を守り、支援する制度です。具体的には、成年後見人が本人に代わって、不動産や財産の管理、遺産分割協議などの法律手続きや、身上監護(介護・福祉サービスの利用契約や施設入所、入院時の契約など)を行います。後見人の役割はあくまで財産管理と身上監護であり、本人を引き取って同居したり、直接的な身体介護や家事などを行ったりはしません。詳しくはこちらをご覧ください。

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