高齢者専用賃貸住宅とは?入居するメリット・デメリットについて解説

高齢者専用賃貸住宅とは?入居するメリット・デメリットについて解説

高齢者専用賃貸住宅は、もっぱら高齢者を対象にした賃貸住宅です。

「高専賃」とも呼ばれます。2011年4月に制度が改正され(同年11月施行)ているため、当時の高専賃は「有料老人ホーム」か、その後に創設された、より開設条件が厳しい「サービス付き高齢者向け住宅」に変更(登録)されています。

そのため、高齢者専用賃貸住宅という名称は使われなくなりましたが、施設自体はまだ全国に存在しています。

しかし、そもそも高齢者専用賃貸住宅とは、どのような施設なのでしょうか。今回は、高齢者専用賃貸住宅について、詳しく説明していきます。

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株式会社スターコンサルティンググループ 代表取締役
専門分野:介護事業経営

株式会社JTBで企業、自治体の海外視察を担当後、大手コンサルティング会社の株式会社船井総合研究所に入社。介護保険施行当初、自ら介護事業に特化したグループを立ち上げ、マネージャーとして勤務。その後、介護サービスに特化したコンサルティング会社「株式会社スターコンサルティンググループ」を立ち上げ、専門家集団として活動している。サポート領域としては、介護施設の開設から集客(稼働率アップ)、採用、教育研修システム・評価制度の導入、DX化などを幅広く支援。「日本一」と呼ばれる事例を、数々生み出してきた。コンサルティング実績500法人以上、講演実績700回以上。また「ガイアの夜明け(テレビ東京)」など、テレビ、新聞、雑誌の取材も多い。詳しくはこちら

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高齢者専用賃貸住宅とは

はじめに、高齢者専用賃貸住宅の特徴について見ていきましょう。

バリアフリーやサービスの規定がない

高齢者専用賃貸住宅は、都道府県単位で認可され、民間事業者によって運営されていますが、優良賃貸住宅ほどのバリアフリーやサービスに関する規定は特にありません

ただし、居室面積や設備内容、サービスや保全措置の有無などには規定があります。

高齢者とその配偶者を賃借人としている

居住するための住宅を必要とする高齢者、またはその高齢者と同居する配偶者(事実上の夫婦関係にあるものを含む) を賃借人としています。単身や夫婦などの高齢者世帯を対象にしており、健常者専用だけでなく、介護限定の高齢者専用賃貸住宅もあります。

老人ホームなどでは要介護者が1人で入居することがほとんどですが、夫婦で一緒に生活したいという要望に応えることができます。

2011年10月に制度が見直し

冒頭にも述べた通り、高齢者専用賃貸住宅は、国土交通省・厚生労働省が管轄する「高齢者住まい法」の改正により廃止され、現在は「サービス付き高齢者向け住宅」に一本化されています。

廃止になった理由として、医療や介護との連携が不十分であること、また登録されている施設以外の高齢者向け住宅が増加したことで、利用者にとってわかりづらくなったことが考えられます。

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高齢者専用賃貸住宅のメリット

それでは、高齢者専用賃貸住宅のメリットについて見ていきましょう。

高齢者でも入居しやすい

収入が少なく、イレギュラーなトラブルが多い高齢者は、一般の賃貸住宅では不動産業者、大家さんから敬遠される傾向があります。その点、高齢者専用賃貸住宅なら、高齢者のために作られた物件であるため契約しやすくなっています。

また、国土交通省の管轄で、都道府県ごとに登録されているので、物件を探すときにも安心です。

設備が充実している

基本的に、バリアフリー設計で、廊下や食堂などの共用部の広さの基準があるため、一般的な賃貸物件よりも高齢者が住みやすい設計となっています。また、居室には洗面とトイレが設置されており、要介護の方を中心に受け入れるタイプの一般型有料老人ホームよりは、設備面で優れていると言えます。

自立した生活を送ることができる

高齢者が安心して居住できる高齢者のための住宅なので、介護の必要ない人でも住むことが可能です。そのため、持ち家で生活するには広すぎたり費用がかかりすぎたりする場合にも、住み替えするのに適しています。

また、ほかの住民も自立している高齢者が中心なので、周りを気にすることなく生活することができます。

外泊や友人などの訪問も自由にできる

特に一般型は、外泊をしたり自由に出入りすることができます。また、通常の賃貸住宅同様、一般型介護型ともに、友人や家族が遊びにくることも自由です。今までと変わらない生活を送りたいという人には、とても適しています。

その場合は、趣味の場や公共交通機関などの周辺環境もチェックしておきましょう。

敷金の返還でもめることが少ない

都道府県に登録された物件なので、解約する際に敷金の返還でトラブルが起きにくい上、借りていた物件に問題がない限り、基本的に敷金は返金されます。

所得に応じて家賃補助が受けられる←かなりレアなので一番下にしました

高齢者専用賃貸住宅の家賃は、基本的に収入額や課税額による差はありませんが、まれに市町村によって事業運営されている物件があり、中には一定以下の所得の入居者に対して家賃負担を補助する制度があります。

制度については、自治体の窓口に確認してみましょう。

高齢者専用賃貸住宅のデメリット

次に、高齢者専用賃貸住宅のデメリットについて見ていきましょう。

入居には高額な費用が必要

かかる費用は、場所や部屋の広さ、設備によって大きく異なりますが、特別養護老人ホームや老人保健施設のように家賃がある程度抑えられている施設と比較すると、高額になることが多いです。

初期費用

初期費用は、一般の賃貸住宅と同様に多くは敷金のみですが、中には数百万円~数千万円かかる場合もあります。

また(あまり多くはありませんが)、敷金・礼金として家賃の2、3か月分が設定されるほかに、万が一月々の家賃が支払えなくなったときのために、保証金が必要になることもあります。

「高齢者向け住まい及び住まい事業者の運営実態に関する調査研究報告書」では、高齢者専用賃貸住宅の後に創設されたサービス付き高齢者向け住宅の入居時費用が、敷金・保証金合わせて平均95,488円となっています。

月額費用

月額費用は6~50万円かかります。家賃のほかに、管理費、共益費、水道光熱費の他に、安否確認や生活相談などのオプションのサービスを利用すれば、その分費用がかかってきます。また、介護サービスを利用すると、介護保険が適用され、1割(収入によっては2割や3割)負担です。

食事については、提供する施設とそうでない施設があります。施設の食事を依頼する場合には、食事代も別途かかることになります。

解約が必要になる可能性がある

高専賃の多くは、介護サービスを施設内で提供していません。“終の棲家”として利用するには体制が不十分です。そのため、体調が悪化したり、認知症が進行した場合は、解約(退去)しなければならない可能性があります。その際には、ケアマネージャーなどと相談して、状態に合ったサービスが受けられる施設への住み替えを検討しましょう。

そのほかにも、認知症が悪化して迷惑行動が増えたり、家賃滞納をしてしまっても、解約(退去)となることもあります。

入居者同士の交流は少ない

特養、老健、グループホーム、介護付き有料老人ホームといった介護サービスがもとから定額で付帯されている施設と違って、日中活動はありません。レクレーションやイベント、食堂での交流がないので、他の入居者と交流を深めにくい環境ではあります。

ただ、ほかの施設との差別化のため、独自に老人ホームのようにレクリエーションや食堂などのサービスを充実させているところもあるので、交流する場を希望している人は確認してみましょう。

また「希望する費用や雰囲気に合った住まいを探したい」という方は、ケアスル介護での相談がおすすめです。

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高齢者専用賃貸住宅の入居するときには?

高齢者専用賃貸住宅に入居するには、どのような入居基準があり、どのような手続きが必要なのでしょうか。ここでは、実際に入居する際のポイントについて見ていきましょう。

身体の状況

高齢者専用賃貸住宅は、一般型と介護型の2種類に分けられます。一般型であれば、自立または軽度の要支援や要介護、介護型であれば、自立または要支援1~要介護5が対象になります。

ただし、介護サービスが付帯した特養、老健、グループホーム、介護付き有料老人ホームといった施設とは違って、個々の住まい方を重視した高専賃では、身体の状況によっては施設側で対応できない場合があります。介護が必要な場合はしっかりと内容を確認しましょう。

生活保護や認知症でも入居できる

生活保護や認知症でも入居できる施設はありますが、その条件や体制には注意が必要です。

生活保護では、そもそも入居できないところや受け入れ人数制限を設けているところもあり、認知症では、施設内にスタッフが常駐していないところが多いため、事前に確認しましょう。

入居手続きの方法

基本的に、各施設に入居を申し込む形になります。ホームページを確認すれば、多くの施設でメールや電話などで受け付けしています。

その後、申込書や本人確認書類、連帯保証人の本人確認書類などを提出したり、訪問などで面談を行った上、施設スタッフなどが介護の必要性や資産状況を総合的に判断して、審査を行います。契約の際には、多くの場合で連帯保証人や身元引受人が必要になります。

希望する施設の空き状況によりますが、問い合わせから実際に入居するまでに1~2ヶ月、たくさんの施設候補から絞り込む場合は3~4ヶ月かかることもあります。

また、家具や家電は備え付けのところも多いですが、通常の賃貸住宅のように入居者が準備しなければならないところもあります。その場合は、早めに家具や家電の準備もしておきましょう。

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高齢者専用賃貸住宅を退居するときには?

高齢者専用賃貸住宅を退居するにあたり、どのような理由があり、どのような行き先があるのでしょうか。ここでは、退居する際のポイントについて見ていきましょう。

退居する理由

「平成25年度 有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅に関する実態調査」によると、高齢者専用賃貸住宅の後に創設された、サービス付き高齢者向け住宅の退去理由は、「医療的ケアニーズの高まり」(43.8%)が最も高く、次いで「要介護状態の進行による身体状況の悪化」(24.4%)、「認知症の進行による周辺症状の悪化」(22.7%)となっています。

高齢者専用賃貸住宅は、基本的に医療サービスがないため、医療が必要になったときには退居せざるを得なくなります。

退居後の行き先

退居後の行き先は、退居の理由によりますが、上記の調査によると、サービス付き高齢者向け住宅を退居した人の退居後の生活場所は、医療機関(19.9%)が最も多く、次いで介護保険施設(14.9%)、自宅や家族・親族等と同居(14.1%)となっています。

医療や介護が必要になった場合に、安心して生活することができるよう、しかるべき施設を検討しましょう。

高齢者専用賃貸住宅に関するQ&A

それでは、高齢者専用賃貸住宅に関して、よくあるQ&Aを見ていきましょう。

有料老人ホームとの違いは?

一番の違いは「付帯サービス」の内容にあります。例えば有料老人ホームのほとんどが、食事を朝昼夕3食提供しますが、高齢者専用賃貸住宅の場合は「朝と夕2食」、「朝のみ」など、3食提供していない物件もあります。

施設内で専門スタッフが作っているところもあれば、宅配弁当を手配しているところもあります。多くの施設では、見学時などに試食をすることができるので、食事を重視する場合は依頼してみると良いでしょう。

高齢者専用賃貸住宅選びのポイントは?

高齢者専用賃貸住宅では、部屋の広さは基本的に25㎡以上(ある条件を満たした場合には18㎡以上)とされており、台所、トイレ、洗面所、浴室、収納などはすべて自室に設置されています。

ただし、必要な設備を共用スペースに設置している場合、居室スペースにはトイレや洗面所しかない場合もあります。この場合、自立している人には向かないことがありますので、事前に確認しましょう。

また、自立している人でも将来的に介護が必要になったときのために、介護事業所の併設や、交通の便もチェックポイントです。

体験入居をさせてくれる施設も多いので、上記の点に加え、入居者の様子や施設スタッフのサービスレベルなどの雰囲気も、合わせて確認しましょう。

受けられるサービスは?

業者によってサービスの内容は異なります

介護スタッフによる見守りや夜間の緊急対応、家事の手伝いなどのサポートをしてくれるところもあれば、居住スペースだけを提供するところもあります。もちろん、そのサービス内容によって、月額費用が大きく変わってくるので、条件と比較して検討しましょう。

居住者の生活に合った高齢者専用賃貸住宅を選ぼう

老後の心身状態は日々変化し、人によっても様々です。

現在はサービス付き高齢者向け住宅として生まれ変わっている高齢者専用賃貸住宅は、今まで通りの生活を継続するには最適な住み替え先ですが、要介護度が重くなってきたときには対応が難しい場合が多いようです。

そのため、将来的に介護や医療が必要になり、高齢者専用賃貸住宅から退居するようになったときのプランも、しっかり検討しておきましょう。

高齢者専用賃貸住宅ってなに?

高齢者専用賃貸住宅は、入居者を高齢者に限定し、高齢者向けに居室や設備が整備されている賃貸住宅のことを指します。詳しくはこちらをご覧ください。

高齢者専用賃貸住宅のメリットは?

高齢者専用賃貸住宅は、「高齢者でも入居しやすい」「設備が充実している」「自立した生活ができる」などのメリットがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

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