住宅型有料老人ホームでのレクリエーションとは?種類や目的を解説

住宅型有料老人ホームでのレクリエーションとは?種類や目的を解説

「住宅型有料老人ホームではどのようなレクリエーションがあるの?」「レクリエーションの目的が知りたい」このような疑問がある方はいませんか?レクリエーションにはさまざまな種類や目的があり、楽しむ工夫がされています。

この記事では、住宅型有料老人ホームでのレクリエーションの種類や目的を理解できます。また、認知症の方でも参加できるのか不安な方に向けて、楽しく取り組めるレクリエーションについても紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

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株式会社スターコンサルティンググループ 代表取締役
専門分野:介護事業経営

株式会社JTBで企業、自治体の海外視察を担当後、大手コンサルティング会社の株式会社船井総合研究所に入社。介護保険施行当初、自ら介護事業に特化したグループを立ち上げ、マネージャーとして勤務。その後、介護サービスに特化したコンサルティング会社「株式会社スターコンサルティンググループ」を立ち上げ、専門家集団として活動している。サポート領域としては、介護施設の開設から集客(稼働率アップ)、採用、教育研修システム・評価制度の導入、DX化などを幅広く支援。「日本一」と呼ばれる事例を、数々生み出してきた。コンサルティング実績500法人以上、講演実績700回以上。また「ガイアの夜明け(テレビ東京)」など、テレビ、新聞、雑誌の取材も多い。詳しくはこちら

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住宅型有料老人ホームの特徴とレクリエーションの関係

住宅型有料老人ホームは自立されている方が多い印象ですが、さまざまな方が入居されており、施設の特徴を反映したレクリエーションが実施されます。

そこで、レクリエーションをイメージしやすくするために、まず住宅型有料老人ホームの特徴を紹介して、どのようにレクリエーションに反映されているか解説します。

住宅型有料老人ホームの特徴

国が2021年に調査した入居者の介護度のデータを見てみると、介護認定されていない方は5.9%で、要支援1または2の方でも合わせて6.1%でした。一方、要介護3以上の入居者は50.5%と半分以上をしめており、介護度の中重度である方の割合が比較的高くなっています。

また、入居者の認知症の程度を調べた結果では、重度の認知症である方の割合が34.8%となっており、中等度の方を含めると57.8%と多くの認知症である方の入居しているのが現状です。

以上のような結果はあるものの、住宅型有料老人ホームは入居の条件が細かく規定されておらず、施設によって入居されている方の特徴もさまざまです。自立型の施設の場合は、介護サービスは実施されず自立している方だけが入居できる場合もあります。

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引用元:厚生労働省「高齢者向け住まいにおける運営形態の多様化に関する実態調査研究

住宅型有料老人ホームによってレクリエーションの特徴もさまざま

住宅型有料老人ホームは施設によって特徴が異なります。介護付き有料老人ホームと違って、介護士などが多く配置されているわけではないため、必ずしもレクが充実しているとは言えませんが、なかには活発に行っている施設もあります。

施設によってレクリエーションの特徴もさまざまです。例えば、介護度が軽度の方に対しては自由度の高いレクリエーションが実施されます。また、外部の講師を招いて習い事のようなレクリエーションをする施設もあります。

一方、介護度が重度の方や認知症の方が入居している施設では、入居者に合わせて難易度の低いレクリエーションも実施されます。そのため、施設にどのようなレクリエーションが実施されているかを把握するには、入居者の心身機能を知るのが大切です。

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住宅型有料老人ホームでのレクリエーションの目的や意義

レクリエーションには内容には、さまざまな種類がありますが、内容に応じて次のような目的や意義があります。

  • 楽しみながら体を動かして身体機能の維持や向上を図る
  • 頭や体を使い脳を活性化させる
  • 充実感や満足感を感じる
  • 生きがいや他者との交流で生活の質を高める

目的や意義を知ればレクリエーションへの参加に対する意識づけにもなるので、詳しく解説します。

1.楽しみながら体を動して身体機能の維持や向上を図る

個室での生活が多い住宅型有料老人ホームでは、どうしても居室にこもりがちになってしまいます。また、昔からの顔馴染みの方がおらず、住み慣れた環境でないホームでの生活では、運動の意欲が湧きにくく活動量が低下してしまいます。

そのため、レクリエーションをして、ゲーム感覚で楽しみながら体を動かし、身体機能や日常生活動作を維持・向上を目指すのが大切です。複数の入居者でワイワイ盛り上がりながらレクリエーションをすれば、自然と運動する機会を持てます。

2.頭や体を使い脳を活性化させる

「考える」、「覚える」、「思いだす」といった頭を使うレクリエーションを行い、脳を活性化させる狙いがあります。入居者だけでは普段行わないような刺激を脳に与えるきっかけになります。また、作品作りや料理などで手先を使う場合も脳の活性化につながります。

レクリエーションを通じてほかの入居者やスタッフとコミュニケーションを図り、社会的なつながりを持つのも脳に刺激となります。

3.充実感や満足感を感じる

施設に入り今までやりがいにしていた取り組みができなくなると、充実した生活がおくれなくなってしまいます。レクリエーションを通じて、好きだった趣味やスポーツを楽しめば充実した生活につながります

作品や料理を完成させ、充実感や満足感につながるのもレクリエーションの目的です。また、作品展示を見てもらったり、作った料理を食べてもらったりするのも満足感を得るきっかけになります。

4.生きがいや他者との交流で生活の質を高める

レクリエーションを通じて、入居者はさまざまな役割を見出し、自分自身の存在価値を高められます。また、他者との交流は孤立感を解消させ、生きがいや生活の質の向上につながります。

季節感を感じるものやイベント形式のものなどに参加すれば、単調な施設生活にメリハリを与え、入居者の生活を高めるのにつながるのです。また、来年のイベントを楽しみにしたり、次の行事に何をするか考えたりすれば、施設の生活に張りをもたらすきっかけになります。

住宅型有料老人ホームでのレクリエレーションの種類5選

住宅型有料老人ホームでのレクリエーションを以下の5種類に分けて紹介します。

  • 体を動かすレクリエーション
  • 脳トレレクリエーション
  • 音楽レクリエーション
  • ものづくりレクリエーション
  • 季節・行事レクリエーション

それぞれ具体的なレクリエーションの内容も紹介します。

1.体を動かすレクリエレーション

ゲームやスポーツの感覚で体を動かせるレクリエーションは楽しみながら運動ができるでしょう。ついつい手足を動かしてしまうため、筋力を向上させたい部位を動かすようなレクリエーションを考えれば、単調な体操では意欲が低い入居者でも、狙った部位の筋力向上につながります。また、対戦形式やチーム戦ですれば意欲の向上につながり、盛り上がります。

例えばバレーやボーリングは、楽しみやすいスポーツです。誰もが基本的なルールを知っていて、施設では難しいと諦めている入居者も風船バレーやペットボトル・ゴムボールを使ったボーリングであれば取り組めます。熱中して、しっかりと手も足も動かせるレクリエーションです。

ほかにも新聞紙を使った玉入れやテーブルでの卓球、磁石を使った魚釣りなど誰もが知っているような競技と遊びをレクリエーションで取り組めば、自然と体を動かすきっかけになります。

2.脳トレレクリエーション

「言葉や物品を記憶する」、「ものごとについて考える」といった内容を取り入れる脳トレレクリエーションは、脳の活性化につながります。昔の遊びを取り入れたり、料理や買い物の要素を組み込んだりすれば、生活感覚を思い起こすきっかけになります。体を動かしながら頭を使う工夫をすれば、運動の要素も合わせられます。

例えば、スタッフが材料を提示して料理の名前を当てるゲームや大きく拡大したカルタとりやトランプでの神経衰弱などは身近で馴染みやすいレクリエーションです。スタッフの動きを記憶して思い出しながら行う体操やジャスチャーゲームは体を動かしながら楽しめるレクリエーションです。

3.音楽レクリエーション

音楽を聞いたり、歌ったりして心や体をリラックスさせます。若い時代に流行った歌を使えば、昔を思い出し懐かしむ体験につながるでしょう。また、音楽に合わせて体を動かせば、楽しく体操ができます。カラオケや合唱などで声を出せば、心肺機能を鍛えたり、発語の練習につながったりするレクリエーションです。

脳トレと音楽を組み合わせるレクリエーションとして、流行歌や童謡のイントロクイズは手軽に行えます。季節の童謡に合わせた振り付けを考えて体を動かせば、季節を感じながら楽しく体操ができるでしょう。童謡や流行歌は認知症の方でも記憶されている場合も多く、認知症の方にも取り組めるレクリエーションです。認知症の方向けのレクリエーションについては、あとで詳しく紹介します。

4.ものづくりレクリエーション

手芸や料理といったものを作るレクリエーションは入居者の趣味や嗜好に合わせて実施できます。昔から馴染みの作業をするのは楽しく、やりがいを持てる取り組みです。得意な方はほかの入居者やスタッフに作り方を教える役として参加してもらい、やりがいを感じてもらうきっかけになります。

入居者みんなで1つの作品を作るとコミュニケーションを図るきっかけになり、完成させれば充実感が共有できます。季節に合わせた飾りや料理を作って、施設に飾ったり、みんなで食べたりすれば、四季を感じられます。

5.季節・行事レクリエーション

季節や月に合わせた行事レクリエーションは日本の四季を感じさせ、日常の変化を与えてくれます。例えば次のような行事があります。

行事や内容
1月 正月。福笑い、カルタなど楽しめるレクリエーションがあります。
2月 豆まき。新聞紙などで豆の代わりにすれば思う存分投げつけられます。
3月 ひな祭り。ちらし寿司などを作ってお祝いするのもよいでしょう。
4月 花見。桜が近くない場合は、ちぎり絵などで桜を作成できます。
5月・6月 運動会として体を動かすレクリエーションを楽しめます。
7月・8月 七夕で短冊作りをしたり、夏祭りとしてイベントを行えます。
9月・10月 敬老会・秋祭りなどのイベントができます。
11月 文化祭として作品を作ったり、発表したりして楽しめます。
12月 クリスマス。ツリーの飾りを作ったり、クリスマス会を開いたりできます。

普段のレクリエーションでも季節の行事に合わせて実施すれば、盛り上がりやすいため、日常とはちがう楽しみができます。

認知症の方でもレクリエーションをする目的や方法

認知症だからと言ってレクリエーションへの参加を諦める必要はありません。内容を理解しにくかったり、体を動かしにくかったりしても、工夫をすればレクリエーションに参加できます。また、脳を活性化させたり、他者との交流をしたりすれば、認知症の症状軽減につながります。

認知症の方が参加しやすくするための方法は以下の通りです。

  • 難易度や時間を調整する
  • 興味や関心に沿った内容にする
  • 認知機能のレベルに合わせた集団で実施する

難易度が高過ぎると取り組めないため自信を失ってしまいます。反対に難易度が低過ぎると「子ども扱いされている」と感じてしまいます。そのため、認知度に合わせてちょうどよい難易度に設定しましょう。時間が長過ぎると負担になるため、15分に1回休憩を挟むなど工夫しましょう。

興味や関心に沿った内容にすると、認知機能が低下していても楽しみやすくなります。個人の育ってきた背景や過去の体験などを聞き出して参考にするのもよいでしょう。

さらに集団でレクリエーションを行う場合は、参加者の認知機能を合わせると内容を決めやすくなります。大人数では認知機能を合わせにくいので少人数にするのもポイントです。

住宅型有料老人ホームに入居する認知症の方向けのレクリエーション4つ

認知症の方向けのレクリエーションとして以下の4つがあります。

  • 簡単な体操
  • 回想法
  • 歌唱や音楽鑑賞
  • 動植物の世話

なぜ認知症の方に合っているのか詳しく解説します。

1.簡単な体操

単純な動きを体操に取り入れれば、認知症の方でも体を動かすレクリエーションができます。音楽に合わせて行えば自然に体を動かせるため、認知症の方でも楽しみながら取り組めます。

認知症が進行して、できない動作や活動が増えてしまうと、体を動かす機会が減っていきます。一人では気が進まない運動も、何人かで集まって楽しく行えば、体を動かす機会につながります。

2.回想法

回想法は昔の写真をみたり、馴染みの音楽を聞いたりしながら、昔の出来事を思い出す方法です。認知症の方は新しいものを記憶するのは苦手ですが、古い記憶は比較的忘れずに覚えています。比較的近い年齢の入居者が集まれば、昔話に花が咲き、孤独感や不安が和らぎます。普段はあまり会話のない入居者でもコミュニケーションをとる機会が増えるレクリエーションです。

また若い世代のスタッフが間に入り、昔の出来事や生活の様子を思い出しながら伝えると、認知症の方の考えをスタッフが知るきっかけにもなり、質の高い介護にもつながります。

3.歌唱や音楽鑑賞

歌唱は世代に合わせた歌や童謡など内容を工夫すれば、認知症の方でも自然と口ずさみ、楽しめるレクリエーションです。日常生活で会話があまりできない方でも、知っているフレーズや小さな頃から聞いてきた童謡などは歌える場合も少なくありません。

また、歌えない入居者でも音楽を聞けば気持ちがリラックスしたり、昔を思い出したりできます。音楽はさまざまなレクリエーションに組み込めるため、入居者に好きな音楽を聞いておくとよいでしょう。

4.動植物の世話

動植物が好きな入居者は自然に楽しみや生きがいを持てます。動植物の世話では以下のように普段の生活では体験しにくい五感への刺激になるでしょう。

  • 季節の花の美しさをみる、動物の動きをみる(視覚)
  • 花や土のにおいをかぐ(嗅覚)
  • 動物の毛並みに触れる、土いじりをする(触覚)
  • 動物の鳴き声を聞く(聴覚)
  • できた野菜を味わう(味覚)

また、動物や植物の成長は生き物を可愛がる気持ちにつながり、気持ちを落ち着かせたり、楽しみや生きがいにつながります。

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住宅型有料老人ホームのレクリエーションで充実した生活を送ろう

このように、住宅型有料老人ホームの中には、入居者の生活を充実させるため、さまざまなレクリエーションを行う施設もあります。施設の特徴によって内容が異なるので、気になる場合はどのようなレクリエーションがあるか聞いてみましょう。

また、入居者が認知症でも楽しめるレクリエーションはあります。今回の記事を参考にして、入居者にあったレクリエーションに参加して、心も体も充実した、楽しい生活を送れるようにしましょう。

レクリエーションに参加したくない場合は断ってもいいの?

無理に参加する必要はありません。参加したくないと職員に相談してみましょう。職員に伝えておけば、趣味や嗜好にあったレクリエーションを工夫してくれて、参加につながる場合もあります。詳しくはこちらをご覧ください。

介護度が高くて体が動かせなくても参加できるの?

体が動かせなくても参加できます。音楽を聴いたり、スタッフの介助で体を動かしたりと状態に合わせたレクリエーションに参加しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。

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