親が高齢になるにつれ、「介護」という問題は避けて通れません。特に子供時代にひどい仕打ちやネグレクトを受けてきた方にとって、「親の介護をしたくない」という気持ちは自然なことです。
とはいえ、「介護を拒否したら罪になるの?」「同じ悩みを持つ人はどう対処しているの?」と気になる方も多いでしょう。
本記事では、親の介護をしたくないと感じたときの対処法について解説します。
親の介護が大変なのは多くの人が感じている

【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】によると、在宅介護を行っている70.4%の人が精神的な負担を抱えており、介護が大変だと感じています。
さらに、66.1%な身体的な負担、42.1%が経済的な負担を抱えており、在宅介護の大変さが強く現れたグラフとなっています。
在宅介護の大変さや辛さ、対処法などは下記の記事でより詳しく解説しています。ぜひ併せて参考にしてください。
関連記事

また、大変な在宅介護を選んだ理由として、最も多かったのは「本人の希望」です。唯一50%を超えた理由となっており、家族の希望よりも本人の希望が優先されているという結果となっています。
つまり、介護者が親の介護をしたくないと思っていても、在宅介護しているケースが大半を占めていることが分かります。介護が始まる前も介護をしている最中でも、親の介護をしたくないと思うのは一般的なことです。
親の介護をしないとどうなる?
親の介護をしないとどうなるのか、民法の規定から具体的なリスクまでわかりやすく解説します。
直系親族には扶養義務がある
民法877条第1項では「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と定められています。
具体的には、実の親や子ども、祖父母、あるいは兄弟姉妹が困っているときは助け合わなければならないということです。一方で、「息子の妻(嫁)」や「娘の夫(婿)」といった配偶者の親族に対しては、法的な扶養義務は発生しません。
扶養義務には「身の回りの世話をする義務」と「経済的に支援する義務」の2種類がありますが、仕事や育児を抱えながらすべてを完璧にこなすのは現実的ではありません。
そのため、経済的支援を果たせば義務を満たしているとみなされます。また、自分の家庭の生活水準を犠牲にする必要はなく、自身の収入や生活状況に応じた余力の範囲で支援すれば足りるとされています。
親の介護放棄をしたらどうなる?
扶養義務があるにもかかわらず必要な助けを一切与えない場合、法的責任を問われることがあります。
たとえば自力で生活できない親を放置し、食事や医療を与えないようなケースは保護責任者遺棄罪として3カ月以上5年以下の懲役が科される可能性があります。
さらに、放置が原因で親が怪我をした場合は保護責任者遺棄致傷罪(3カ月以上15年以下)、死亡した場合は保護責任者遺棄致死罪(3年以上20年以下)という重い罪に問われるリスクがあります。
「関わりたくない」という気持ちは理解できますが、孤独死の危険がある状態を認識しながら放置することは、法的な罰則につながりかねない点は知っておきましょう。
「両親に合った老人ホームが見つからない」「入居しやすい施設を探したい」という方は、ケアスル 介護への相談が便利です。
入居相談員がその場で条件に合った施設を紹介し、性格や身体状況に合わせた提案が受けられます。見学予約や日程調整も無料で代行してくれるので、ぜひ活用してみてください。
ピッタリの施設を提案します
ピッタリの施設を提案します
ピッタリの施設を提案します
親の介護をしたくないと思う理由と対処法

介護施設への入居費用が捻出できない場合や、「施設に預けるのは親不孝」という家族・親族からの圧力で在宅介護を余儀なくされるケースも少なくありません。
ここでは、介護をしたくないと感じる理由別に対処法を解説します。
理由①「子供が親の介護をするのは当たり前」と言われている
親や親族から「子供が親の面倒を見るのは当たり前」と直接・間接的に圧力をかけられるケースがあります。
例えば、以下のような体験談です。
現在大阪在住の24歳の女です。結婚を考えてつきあっている人がいます。今心配しているのは親の介護のことでわたしの両親は山口、彼の両親は埼玉です。それに加えて彼は全国転勤の仕事です。
親の介護ってどこまですればいいのでしょうか。
向こうの親は施設にいれるなんて許さん、ちゃんと世話しろといってきます。どこに住むことになるかもわからないのに、子育てもあるのにって思います。というか、妻が自分の親と旦那の親両方の介護をする文化がよくわからない田舎だからなのかな?都会はちがいますか?(yahoo知恵袋より引用)
対処法
いきなり老人ホームへの入居を提案するのではなく、まずはサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)への移住を検討してもらうのが現実的です。
サ高住は比較的自立した方向けの賃貸住宅で、介護サービスは必要に応じて外部の事業者と契約する形式です。「施設」という言葉への抵抗感を和らげながら、段階的に慣れてもらえます。
サービス付き高齢者向け住宅について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
関連記事
理由②親から虐待や差別などを受けていた
子供時代に虐待や暴力、差別的な扱いを受けてきた場合、介護どころか一刻も早く距離を置きたいと感じるのは当然の感情です。
具体的な事例としては以下の事例があります。
父親の介護は拒否します。何故ならば、父からは愛情と呼べるものを注がれたことは皆無だからね。
父から受けたのは、「八つ当たり」という名の暴力と、「妹贔屓」という名の差別だけです。私は、父の介護・老後に一切援助をしたくありません。
父にお金を渡すくらいなら、私の貯金全額、恵まれない子ども達に寄付するか、焼却炉で燃やした方が幾分マシです。(それ程嫌なんです。)(yahoo知恵袋より抜粋)
対処法
親から虐待や差別を受けてきた場合、まずは地域包括支援センターに相談しましょう。自分で介護する必要はなく、入居できる施設の紹介など具体的な選択肢を提示してもらえます。
費用も出したくない場合は、特別養護老人ホームなどの公的施設も選択肢のひとつです。部屋の種類によっては年金のみで賄えるケースもあります。
入居待ちが発生することで知られていますが、順番は先着ではなく事情に応じた優先度で決まるため、状況を正直に伝えることで早めに案内してもらえる可能性があります。
理由③親が毒親
過干渉・支配・価値観の押しつけなど、いわゆる「毒親」であることが介護拒否感の根本にあるケースも多くあります。
例えば以下の事例があります。
毒親の介護などについて。
とりあえず父は改心したので最期まで看取りました。しかし同じように母には出来ないと思います。色々ありましたが、小学生の頃に親戚から貰ったお年玉を盗まれました。
祖母が貯めてくれてた修学旅行の貯金も盗まれました。その後も家族の金を盗み、父に借金させたり弟の売上金を盗んだり。
大人になってからはまだしも、子ども時代のことが思い出されて母に優しく出来ません。(yahoo知恵袋より引用)
対処法
完全に介護を放棄することは法律上難しいため、できるだけ関わらずに済む環境を整えることが現実的な対策です。
親が元気なうちからスマートフォンやタブレットの使い方を覚えてもらい、買い物や手続きをなるべく自分でできるよう促しておくと、将来的な関与を最小限に抑えやすくなります。
親の介護によるストレスとの向き合い方や解消法について知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
関連記事
親の介護をしたくないときの対処法
親の介護を避けたい場合でも、将来的な介護体制や資金計画を事前に整えることが重要です。
以下に、具体的な準備ステップを整理して解説します。
兄弟や親戚間で話合いを行う
介護が必要になる前に、以下の点について話し合っておきましょう。
- 在宅介護か施設入居か:どちらを基本方針とするか
- 施設入居の判断基準:「入浴・排せつが一人でできない」「要介護3以上認定」など客観的なラインを設定
- 施設対応の担当者:問い合わせ・見学・契約を誰が主に担うか
- 在宅介護の場合の役割分担:主介護者を決め、兄弟でシフト制にするか
- 費用負担割合:介護しない兄弟は月額いくら負担するか(例:均等or収入比)
特に重要なのが「施設に移る判断基準」です。基準を曖昧にしたまま在宅介護を続けると、「まだ大丈夫」と言い続けられてずるずると抜け出せなくなることがあります。
「要介護3以上になったら入所する」「入浴や排泄が自力でできなくなったら」など、具体的な基準を親が元気なうちに決めておくことが大切です。
親を施設に入れたいがお金が無い時の対処法について詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
関連記事
介護資金の準備、現状の把握をしておく
誰がいくら費用を負担するかを話し合う際、親の収入状況を把握していないと議論が進みません。
すでに年金を受給している場合は、親本人や銀行口座の入金履歴で確認できます。年金は2カ月に1度支給されるため、振込額を2で割ると毎月の受給額が把握可能です。
まだ受給前であれば、日本年金機構の「ねんきんネット」で将来の受給見込み額を確認できます。
貯金額は聞きづらいかもしれませんが、介護費用の計画を立てるうえで必要な情報です。早めに確認しておきましょう。
介護保険について勉強しておく
介護が始まると必ず関わるのが介護保険です。40歳以上の国民全員が加入し、デイサービスや介護施設を安価に利用できる制度です。
サービスは大きく「在宅サービス(訪問介護・訪問看護など)」と「施設サービス(特別養護老人ホーム・老人保健施設など)」に分かれます。利用には要介護認定の取得が必要で、認定後はケアマネージャーが状況に応じたケアプランを作成してくれます。
実務的なことはケアマネージャーに任せられる部分も多いですが、制度の全体像だけでも事前に把握しておくと、いざというときに焦らずに済みます。
「両親に合った老人ホームが見つからない」「入居しやすい施設を探したい」という方は、ケアスル 介護への相談が便利です。
入居相談員がその場で条件に合う施設を提案し、見学予約から日程調整まで無料で代行してくれるため、性格や状況にぴったりの選択肢が見つかります。
ピッタリの施設を提案します
ピッタリの施設を提案します
ピッタリの施設を提案します
施設への入居という選択肢もあると理解しておく

親の介護は在宅介護だけではなく、有料老人ホームなどの施設へ入居するという選択肢もあります。
【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】によると、実際に在宅介護が難しくなったことで、老人ホームを探し始めた人が30%います。さらに、介護者の負担が限界に近づいたことで探し始めた人も25.3%と多いです。
そのため、親の介護をしたくないという気持ちが強まったり、我慢の限界を感じたりしたら、老人ホームへの入居を検討し始めるのがおすすめです。
老人ホームの選び方については、以下の記事に詳細を解説していますので、あわせてご覧ください。
関連記事
地域包括支援センターに相談する
地域包括支援センターは、介護・医療・保険・福祉の各分野の専門職が在籍する、高齢者支援の総合相談窓口です。
各中学校の学区ごとに設置されており、介護が必要になる前からさまざまな相談が可能です。
どのようなことでも相談できるので、親の介護をしたくないという気持ちを1人で抱え込まず、地元の地域包括支援センターで専門家に相談することが、問題解決の近道になります。
親の介護でお金がないときはどうしたら良い?
介護をしたくない理由のひとつに、費用面の不安を挙げる方は少なくありません。
まずは実際にどのくらいのお金がかかるのかを把握しておきましょう。
老人ホームなどでかかる介護費用はいくら?
ケアスル 介護で所持しているデータから介護付き有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)など、種別ごとに初期費用と月額費用の相場をグラフとして出しています。


上記の【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】によると初期費用相場では、介護付き有料老人ホームの平均が346.1万円、住宅型有料老人ホームの平均が69.7万円となっています。
介護付き有料老人ホームは、24時間常駐の介護スタッフを配置していたり、より手厚いケアを提供したりするため費用がほかの種別よりも高額です。
月額費用相場も介護付き有料老人ホームの平均が最も高く23.6万円です。また、サ高住が住宅型有料老人ホームよりも月額費用の相場が高いという結果になっているのもお分かりいただけるかと思います。
なお、上記の調査はあくまでもケアスル 介護経由で入居した方に向けたアンケートになる点はご了承ください。
特養や老健などの公的施設の費用相場は以下の表が目安になりますので、あわせて参考にしてみてください。
なお、各老人ホームの種別の詳細については、以下の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
関連記事
親の介護の費用が無い場合は?
親の介護費用が足りない場合は、公的な負担軽減制度をできるだけ活用することが重要です。
自分も親もどうしてもお金がないという場合は、生活保護の受給も選択肢のひとつです。生活保護を受給していれば介護サービスの自己負担分は介護扶助でまかなわれるため、実質0円で介護サービスを利用できます。
ただし、親族による経済的支援が難しいことの証明や、不動産を含む資産状況の審査など、受給には一定の条件があります。該当するかどうか、まずは行政窓口に相談してみましょう。
老人ホームの費用が払えるか心配な場合は、以下の記事に解決策を解説していますので、参考してください。
関連記事
親の介護をしたくないときに縁を切る方法はある?
虐待やネグレクト、性的虐待などを受けてきた場合、介護どころか縁を切りたいと感じるのは無理のないことです。
法的・実際的な観点から「縁を切る」ことが可能かどうかを解説します。
法的に縁を切ることはできない
戸籍の分離や養子縁組などで親との関係を心理的に断つことは可能ですが、法的な親子関係は解消できません。
そのため、こうした手続きをとったとしても介護放棄に対する法的責任は変わらず、上述した刑罰のリスクは残ります。
事実上の縁を切る方法
完全に縁を切ることは難しくても、関わりを最小限にする方法はあります。引っ越しなどで居所を知らせないようにすることもそのひとつです。
親が金銭的に付きまとってくる場合は、家庭裁判所に付きまとい禁止の仮処分命令を申し立てることも可能です。
また、直接話し合っても解決しない場合は、親族関係調整調停の申し立てを検討してみましょう。調停委員が間に入り、双方の関係を整理するためのアドバイスをしてもらえます。
認知症の方の強制入所について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
関連記事
「親に介護施設に入ってもらいたいが説得できない」という方は、ケアスル 介護への相談が効果的です。
入居相談員が条件に合う施設を提案し、見学予約・日程調整を無料代行、さらには親の説得方法も一緒にアドバイスしてくれます。
ピッタリの施設を提案します
ピッタリの施設を提案します
ピッタリの施設を提案します
親の介護をしたくないときについてのまとめ
本記事では親の介護をしたくない時の対処法などについて網羅的に解説してきました。親の介護を放棄すると、場合によっては刑法により刑罰を受ける可能性があります。
そのため、親との縁を切りたいと考えている場合でも、地域包括支援センターなどの行政機関に実情を相談しておくことが必要です。相談しておくことで、介護における不当な罪を受ける可能性を避けられます。
また、親の介護がどうしても必要だが誰にも相談することができなくなった場合は、ケアスル 介護の無料相談窓口に相談してください。
介護施設は入居金が高いところから安いところまで様々ですが、ケアスル 介護は関東最大級の老人ホーム施設情報を掲載しています。
あなたにピッタリの介護施設を紹介できるので、親の介護が必要でも自分は介護がしたくない場合は、一人で抱え込んで悩まずに、必ず誰かに相談して、最適な対策を講じましょう。
親の介護で退職を検討している方はこちらの記事もご覧ください。
関連記事