「介護がつらい…」という気持ちを抱えている方は、非常に多くいらっしゃいます。
介護はさまざまな場面で身体的・精神的な負担を強いられることになり、自分の時間も取れないような状況に陥ってしまうことも珍しくありません。
そのような状況では「つらい、逃げ出してしまいたい」と思う気持ちも無理はないでしょう。
本章では介護でのつらさを抱えている方々のため、介護がつらいと感じてしまう原因や体験談、対処法、限界を迎えたときなどについて解説して行きます。
この記事のまとめ
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①「介護がつらい…」と感じてしまう原因は、自分の時間が取れないことのほか、本人から文句を言われる精神的負担などがある
②介護で感じるつらさが続くと、介護離職や介護うつを引き起こす可能性がある
③介護がつらくて限界を感じたときの最後の手段は、やはり介護施設に入居すること
「介護がつらい…」と感じてしまう原因
「在宅介護がつらい…」と感じてしまう原因としては、主に以下の4つが考えられます。
- 24時間ずっと本人から目が離せない
- 介護でのしかかる身体的負担
- 本人や親族から文句を言われる精神的負担
- 介護費用で大きくなる経済的負担
それぞれについて詳しく解説して行きます。
24時間ずっと本人から目が離せない
本人の介護度が進行してくると、歩行や食事、トイレなどの日常動作でも手助けが必要です。
さらに認知症の進行により理解力が低下している場合、昼夜が逆転してしまったり近隣を徘徊するなどの症状が出ることもあるため、悪くすると24時間本人から目が離せません。
そのため介護する家族は自分の時間が取れないほか、トイレに行くなどで深夜に頻繁に起こされることがあったりと、休む時間も確保できないこともあります。
仕事には休みがありますが、介護には休日というものがないため家族の負担は非常に大きいものでしょう。
そのほか親の介護のために、家族などが仕事を休職・退職せざるを得ない「介護離職」もあり、社会問題となっています。
以上より、「介護がつらい…」と感じてしまう原因として24時間本人から目が離せないことが挙げられます。
介護でのしかかる身体的負担
介護ではトイレや入浴、立ち上がり、歩行など、日常のあらゆる場面での介助が必要になることがあります。
家族が本人の身体を支えて介助を行うためには、体力が必要な場面が多くあり、肩や腰などに物理的に大きな負担がかかるのです。
介護をすることにより家族の身体的負担が溜まり、体調を崩したり入院しなければならないケースも珍しくありません。
仮に介護される側が男性、介護者が女性の場合は異性ということだけでなく、体格の差から相当な身体的な負担がかかることが懸念されるでしょう。
したがって、「介護がつらい…」と感じてしまう原因として、介護によって身体的負担がかかることが挙げられます。
本人や親族から文句を言われる精神的負担
介助をしているとき、本人から文句を言われることも少なくありません。
「身体に触れるとき痛い」「ご飯がまずい」「おむつなんて履かない」などの言葉は介護者の心を傷つけ、ストレスは募るばかリでしょう。
高齢者のなかには「親の介護を子供がしているのは当たり前」と考えている人も多いため、心無い声が飛び交うこともあります。
また文句を言うのは本人だけではありません。実際に介護を行ってもいない親族から文句を言われることも多いです。
「施設に入れるなんてひどい。親なんだから大切にしなさい」と一方的な意見を押し付けてくるケースも存在し、大きな負担となります。
そのほか自分以外に兄弟がいるのに口を出すばかりで協力的でなかったりする場合は、なおのことストレスが溜まる原因となるでしょう。
以上より、「介護がつらい…」と感じてしまう原因として本人や親族から文句を言われることが挙げられます。
介護費用で大きくなる経済的負担
介護が必要な本人の年金額が少ない場合は、家族が介護費用を負担する必要があり家計を圧迫してしまいます。
在宅介護を行っている方々のなかには介護施設を利用する金銭的な余裕がなく、仕方なく在宅での介護を行っているという人も少なくありません。
在宅介護は施設を利用するよりも幾分か費用を抑えることができますが、それでも介護度が高くなるにつれて負担は大きくなってしまうことがあります。
そのため介護をする生活が続くにつれて、経済的なストレスも募ってしまうケースも珍しくありません。
以上より、「介護がつらい…」と感じてしまう原因として介護費用に対する経済的なストレスが挙げられます。
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「介護がつらい…」と感じてしまう体験談
本章では、介護のつらさに悩む体験談を紹介していきます。
体験談①:生活のほとんどを母の介護に捧げているのに何も報われることがない
介護者の自由な時間やお金をほぼ全て割いているのに、母からは暴言ばかりで孤独は深まるばかりという体験談です。
毎日のように「どうして自分は歩けないんだ、いつまでこうなんだ」や、「早く死ねばいいと思ってるんだろう」などと言ってきます。これまで、精神科の病院にも入院しましたが、「退院させなければうらんでやる」と言って悪態を付き、すぐに退院になってしまいます。
さらに私が仕事やスーパーへの買い物以外で外出するのを嫌がります。私は一年に2〜3回しか出掛けません。会社の忘年会や歓送迎会にも出ていません。私が辛いのを、母はわかってくれません。
何の楽しみもないまま、ただ母の面倒を見て生きる毎日です。辛くても会社に行かなければならないし、母は年金を納めていなかったので、受給できません。私が働いたお金は、ほとんど生活費に消えていきます。何のために生きているのかわかりません。
(yahoo知恵袋より引用)
体験談②:認知症で感情起伏が激しく精神が疲弊する
2つ目の体験談は、母と冷静に話をすることができず、終わりのない感情的な話を聞かされ疲れてしまうという体験談です。
同居する母の介護が辛いです。
認知症の症状で気持ちの起伏が激しく、暇さえあれば通帳を出してきてずっと見ています。そして昔あった出来事を思い出しては、父を罵倒します。
私も父も初めは穏やかに相手をするのですが、どんどんエスカレートして最後には「私は必要ない。この家から出て行く。私なんか居ない方がいいんだ」となります。
終わりのない会話ループで参っています。休みの日は朝から寝るまで気が休まりません。
母がイライラしてきたら「その場から居なくなる、離れる」と父から教えて貰いましたが、その場から居なくなると私の携帯電話にずっと掛けてきます。本当に疲れています。
(yahoo知恵袋より引用)
体験談③:父の介護が重荷となり自分の将来が閉ざされそう
3つ目の体験談は、父の介護があるために結婚や出産を思い描くことができず、人生の意味を考えてしまうという体験談です。
父の介護で一生独身で終わりそう。昨夜も転んでしまい起こすのに大変でした。なんせ、体重が私の倍ですから。
こんな介護生活がもう30年も続いております。私はこのまま父が死ぬまで介護をして独身で終わるのでしょうか?
じじい付きの家なんかに来てくれる人はいません・・・
デイサービスに一週間に一度でも行ってくれればいいのに、頑なに行こうとしません。
介護していると、恋愛はできるかもしれないけど、結婚や出産を考えることはできません。
(yahoo知恵袋より引用)
介護のつらさが続くと起こり得る3つの問題
介護のつらさを抱えたまま限界を迎えてしまうと、家族や本人の生活を揺るがすさまざまな問題が引き起こされることがあります。
本章では下記のの3つについて順番に解説して行きます。
- 介護離職
- 介護うつ
- 虐待行為
介護離職
介護離職とは、仕事と介護の両立が困難になり仕事を退職してしまうことです。
介護が必要になっても職場に相談することなく退職してしまうケースが多く、退職したことが理由で収入は減り、経済的な負担を抱える悪循環に陥ることも少なくありません。
離職すれば介護に専念できますが、仕事をやめれば外出の機会も減り、外部との接点がなくなると大きなストレスの原因になってしまいます。
やりがいを持って仕事をしていた場合、キャリアを途中で諦めなくてはいけないのはとても辛いことです。
収入が減り生きがいを喪失すると、介護が終わってからの将来への影響も出てくるでしょう。

介護うつ
介護うつとは介護での疲れやストレスを原因とするうつ病です。
責任感が強く、まじめな性格であればすべて自分でやらなくてはいけないと頑張りすぎて、ストレスがたまりやすくなってしまいます。
介護うつになってしまうと、介護どころではなく自分の健康も損なわれてしまう状況になり、介護者と要介護者が共倒れになってしまう恐れもあります。

虐待行為
厚生労働省の「高齢者虐待防止法」に基づく調査によると、要介護者による虐待の相談や通報の件数は年々増えている状態です。
虐待の代表的なものには、高齢者に殴る蹴るなどの暴力を行う「身体的虐待」があります。
日々の報われない介護に嫌気が差し、お礼の一言も言わない本人への不満が爆発し、最終的には手をあげてしまう方は少なくありません。
一度壊れてしまった価値観はその後も戻ることは難しく日常的な虐待に発展し、最悪の場合には刑事事件にも発展することもあります。
介護へのつらさが原因で、このような虐待行為に至ってしまうケースは少なくありません。
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「介護がつらい…」と感じた時の対処法
大きなつらさを抱え込んだまま無理をして介護を続けてしまうと、かえって介助者側の負担がが大きくなります。
最悪の場合は心身ともに疲弊してしまい、体調を崩してしまうこともあります。そのため、介護へのストレスには正しいケアが大切です。
本章では「介護がつらい…」と感じたときのための対処法を4つ紹介します。
- 介護で同じく悩む人に相談する
- 主治医・ケアマネジャーなどに相談する
- ケアプランを見直す
- ショートステイを利用する
それぞれについて、詳しく解説して行きます。
介護で同じく悩む人に相談する
何よりも大切なのは、日々の介護のストレスを1人で抱え込まないことです。
「自分の親なのだから」と真面目で思いやりのある人ほど、一生懸命になりすぎて気づかないうちに気分が沈んでしまったり、悪くすると鬱の症状が出てしまうケースがあります。
したがって、まずは同じく介護で悩む方々同士で悩み打ち明けてみることがおすすめです。
地域にある「介護者の会」など、介護に関する日ごろの悩みやストレスについて聞いたり話したりができる場があります。
同じく介護で悩む方との話から味方を得たような気持ちになれたり、ストレスとの向き合い方の参考になる場合も多いです。
対面で人と会うことが苦手な方は、インターネットのコミュニティサイトを利用するなどして悩みを話すことも重要だと言えるでしょう。
以上より、介護のつらさへの対処法として同じく介護悩む人に相談することが挙げられます。
主治医・ケアマネジャーなどに相談する
主治医やケアマネジャーに相談することも、在宅介護へのストレス対処としておすすめです。
主治医は認知症の症状を抑える薬の量を増やしてもらったり、(増やすデメリットもあるため、よく相談しましょう)、ケアマネジャーは、よりご本人や介助者の状況に合ったサービスを紹介してくれたりと、相談することによって状況が改善することもあります。
介護の専門家である彼らは、技術的な相談や本人の症状に関する相談において、心強い味方となるでしょう。
以上より、介護のつらさへの対処法として主治医・ケアマネージャーに相談することが挙げられます。
ケアプランを見直す
介護保険で利用できるサービスを活用し、ケアプランの見直しを行うことも大切です。
デイサービスやデイケア、訪問サービスなど、在宅介護をしながらも利用できる介護サービスは多く存在します。
本人の介護ニーズ・家族のライフスタイルに合ったサービスを利用することにより、家族が適度な休息を取ることが大切です。
またデイサービスなどでは食事や入浴の介助といった介助のほか、レクリエーションによるほかの利用者との交流もさかんに行われています。
本人にとっての楽しみや息抜き、生きがいとなることも多く、本人と家族の双方にとって心身的なメリットがあると言えるでしょう。
以上より、介護へのつらさへの対処法としてケアプランを見直すことが挙げられます。
ショートステイを利用して休息をとる
在宅介護を行う家族にとって最も効果的な負担軽減になるのは、ショートステイを活用することでしょう。
ショートステイとは、介護施設に1泊から最大30日まで短期入所をすることができるサービスのことです。
家族はまとまった休息の時間が取れるため、旅行に行ったり友人と会うなどしてリフレッシュすることも可能です。
施設ではプロの介護士による24時間安心の見守り体制のもと過ごせるため、家族は安心して自分のために時間を使えます。
サービスを利用するにはケアマネージャーに相談することで手続きを行うことができるので、気軽に訪ねてみましょう。
以上より、介護へのストレスの対処法としてショートステイを利用することが挙げられます。
介護つらくて限界になったときは?
介護のつらさによって、家族が限界を迎えてしまうのも無理はありません。
限界を迎えた場合は、根本的なストレスを解消することが必要です。その手段としては、やはり介護施設に入所することでしょう。
定期的に面会をしたり施設のスタッフから話を聞くことは必要になりますが、四六時中のしかかる介護の負担は解消されます。
しかし、「介護施設を利用したいけどお金がない…」「親が嫌がって話を聞いてくれない…」という方も少なくありません。
そこで本章では、費用の安い施設の探し方や親の説得方法について解説して行きます。
費用の安い施設の探し方
ポイントを抑えて施設探しをすれば、費用を抑えながら納得のいく施設が見つけられることもあります。
というのも、老人ホーム・介護施設の費用は、施設の立地や提供するサービスなどによって大きく金額差がつくからです。
例えば自治体や社会福祉法人が運営する特別養護老人ホームや、食堂などの共有施設が質素な有料老人ホーム等は費用が安いことが多いです。
ここでは費用の安い介護施設を探す際の方法として、以下の5つを紹介します。
- ケアマネ等に相談して費用の相場を調べる
- 多床室(相部屋)のある特別養護老人ホームを検討する
- 地方部の(アクセスのよくない)老人ホームを検討する
- 入居一時金のかからない老人ホームを検討する
- 介護サービスが包括料金でない老人ホーム(住宅型有料老人ホーム等)を検討する
また、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の「家賃(利用料)」「管理費」は、一般の賃貸住宅同様に都市部の方が高く、地方の方が安いことを覚えておきましょう。
入居を拒む親の説得方法
「介護施設に入居してもらいたいけれど、嫌がっている…」というお悩みを抱える人は多くいらっしゃいます。
実際に、自ら積極的に入居したがる方は、判断力が低下している方を除けばごく少数です。
そのため、子供から「いつまでも元気でいてほしいから施設に入ってもらいたい」といった愛情を伝えたり、本人の友人など第三者からの話をしてもらうのも手段のひとつです。
特に「子供が介護するのが当たり前」と考えている親を説得するのは難しいですが主治医などに協力してもらい、「これ以上はプロによる介護が必要である」と認識してもらうことも大切だと言えます。
また費用の安い介護施設・老人ホームをお探しの方は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。
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まとめ
「介護がつらい」と思ってしまうのも無理はありません。
四六時中で必要となることがある介護には、心身ともに大きな負担がかかります。
介護を行うのは大切なことですが、家族が体調を崩したり鬱になってしまっては取返しが付かないものです。
介護へのつらさは同じく介護で悩む人や専門家に相談したり、ショートステイなどを活用して適切な休息を取ることが大切だと言えます。
また限界を感じたときは、介護施設への入居を考えることが必要です。
親子ともに健康で生きていくためにも、自分のつらさに正直に向き合うことがなによりであると言えるでしょう。