介護のつらさを感じることは、特別なことでも弱いことでもありません。在宅介護を担う家族の多くが、心身の疲弊や限界感を抱えながら介護を続けています。
「もう限界かもしれない」「こんなにつらいのは自分だけなのか」「介護をやめてしまいたいと思った自分が情けない」——そう感じながら、誰にも打ち明けられずに抱え込んでいる方も多いのではないでしょうか。
しかし、つらさに向き合い、適切な対処を取ることは、介護を長く続けていくために欠かせないことです。介護者自身の健康を守ることが、被介護者を守ることにもつながります。
そこで本記事では、12項目のセルフチェックで介護疲れの度合いを確認したうえで、実際に介護を経験した方3名のリアルな体験談やつらさを感じる主な4つの原因、今すぐできる6つの対処法などについて詳しく解説します。 まずはセルフチェックから、自分のつらさの現在地を確認してみてください。
「介護がつらい」と感じたら | 今の状態をセルフチェック
医療的な診断ではなく、状態把握のための簡易チェックです。
「親の介護がつらい」疲労と不安の中で戦う家族の体験談
介護のつらさは、数字やデータだけでは伝えきれないものがあります。
27歳で介護が原因で救急搬送された方、26歳から認知症の祖母を2年間介護した方、50代で13年間在宅介護を続けた方——それぞれの経験には、同じ境遇にある方が「自分だけじゃなかった」と気づくためのヒントがあります。
3人のリアルな体験談を通じて、次の一歩を踏み出すきっかけを見つけてください。
27歳で親の介護がスタートし、疲労から救急搬送された方の体験談

・実施日:2026年4月
・形式:オンラインインタビュー
・お名前:佐藤さん(仮名)
・状況:佐藤さんは、大学院の博士課程に在籍していた27歳の頃、母親の乳がんが発覚したことを機に介護が始まりました。
一人っ子で父が不在がちだったため、非常勤講師として月10万円程度の収入の中でメインの介護者となり、留学のために貯めていたお金を切り崩して介護に当たっていました。
しかし、知らず知らずのうちに疲労とストレスが蓄積しており、ある日ご自身が倒れてしまい、救急搬送されてしまいます。
自分のメンタルは強いと思い込んでいた。参っていることにすら気づかなかった
インタビュアー:当時はご自身の疲れや限界に気づいていなかったのでしょうか?
佐藤さん:自分のメンタルが強いとそれまで思っていて、「結構辛いことあっても大丈夫」みたいな感じで生きてきたので、そこまで自分が参っていることにも気づいていませんでした。
肉体的には疲れを感じてたんですけど、精神的にはなんかこう「気合い!」みたいな感じで、まだまだ行けるみたいな感じだったので…。
なので徐々にというよりも、精神的にプツンと切れてしまったという方が正しいかもしれません。私の場合は、本当に急に来てしまったという感じです。
それで倒れてしまってそのまま入院という形に…
現実逃避をしてしまうほど、経済的にも精神的にも余裕がなかった
佐藤さん:入院した先の先生に「この2日、3日が山だから若いのにこんなことを言うのは酷だけど、今のうちに大事な人を呼んで会っておいた方がいいよ」って言われまして…。
そこから友達や恋人などに連絡をして状況を話したら、みんなから「なんで言ってくれなかったの?」「こんなになるまで放置したらダメだよ!」とすごく言われましたね。
佐藤さん:本当に自分が倒れている場合じゃないのに…と考えてしまいました。経済的な余裕もない中で「介護にお金がかかってしまう」ということに囚われてしまっていたのかなと思います。
介護という問題について考えなければ、調べなければいけないのに、ちょっとそれから目をそらしてるというか。家に帰ってきたらもうとにかく寝てしまったりだとか、そういう現実逃避のようなこともしてましたね。
自身の健康があってこそ介護は続けられる
インタビュアー:今は体調も回復されていますが、介護についての考え方は何か変わってきましたか?
佐藤さん:まずは本当にご自身の健康があってこそだと思います。
しっかりと息抜きと栄養バランスの良いお食事と睡眠を徹底していただいて、ご自身が元気でいることが大切ですね。
あとは、私のように周りに相談せずに抱え込んでると、自分で平気だと思っててもいきなりプツンと切れたりするので、頼れる人にもう自分の思ってることを全部吐き出した方がいいかなと、今は思います。
佐藤さん:もう本当にその介護の辛さであったりとか、「こんなに頑張ってるのに親に八つ当たりされちゃってさ」とか、もう何でもその時の辛いことを言うべきだなと思いますね。
「ヘルパーさん頼んだ方がいいよ」みたいなアドバイスも貰っていたのですが、そういうものよりも、「辛かったね。美味しいものでも食べに行こう」と誘ってもらったのが私は嬉しかったし、ありがたかったですね。
これも介護について打ち明けられたからだと思います。
・「自分は大丈夫」という思い込みが、限界への気づきを遅らせます。定期的に自分の状態を振り返ることが大切です
・アドバイスよりも「辛かったね」という共感の言葉が、介護者には大きな救いになります
・介護を続けるためにも、まず自分の健康(食事・睡眠・息抜き)を最優先にしてください
認知症の祖母の介護をするなかで、心身とも追い詰められてしまった方の体験談
・実施日:2026年4月
・形式:オンラインインタビュー ・お名前:高橋さん(仮名)
・状況:高橋さんは、26歳から約2年間、生まれた頃からずっと同居していた祖母(介護開始時88歳)の介護をメインで担いました。
父は単身赴任中、母も仕事を持っており、頼れる親戚も遠方だったため、実質的にほぼ一人で対応する状況でした。
要支援2からスタートした祖母の状態は、コロナ禍でリハビリ施設に通えなくなったことで急速に悪化。
最終的には認知症による暴言や夜間の騒ぎ、身体介護など、精神的・身体的に追い詰められる日々が続きました。
父は単身赴任、母は仕事——26歳の自分が一人でメイン介護を担うことになった
インタビュアー:介護が始まった頃の状況を教えてください。
高橋さん:私が26歳の時から2年間、昨年の11月まで、生まれた時からずっと同居していた祖母の介護をしていました。
介護が始まった頃、祖母は88歳で要支援2でしたが、進行が早くて最終的には要介護4になりました。
父は単身赴任中で、母も仕事があったため、私がメインで介護を担うことになりました。親戚は関東に住んでいて高齢だったので、気軽に頼れる状況ではありませんでしたね。
コロナ禍で認知症が急速に進行——精神的にも身体的にも限界に追い込まれた
高橋さん:祖母の認知症は85歳頃から物忘れが始まったのですが、コロナ禍でリハビリ施設に行けなくなったことで進行が早まってしまいました。
夜間に騒いだり、暴言を吐かれたりする精神的な症状があり、私自身も精神的にやられそうになりました。
高橋さん:身体的な介護の面でも、祖母がまだ動けていた頃は、お手洗いの付き添いや失禁・便失禁の処理、転んでしまった時の抱え上げなどが本当にきつかったです。
母は椎間板ヘルニアを持っていて無理ができなかったので、まだ若さのある私がなんとか対応していました。最後、寝たきり状態になってからはデイサービスの看護師さんなどがオムツ交換をしてくださったので、そこは少し楽になりましたね。
ケアマネージャーが2年で4〜5人交代——相性の問題で相談先に苦労した
インタビュアー:専門家への相談はどのようにされていましたか?
高橋さん:介護の相談相手は主に病院の先生でした。ケアマネージャーさんは2年間で4〜5人も変わったのですが、中にはデイサービス側寄りの発言が多くて相談しづらい方もいて、相性が合わずに苦労しました。
認知症が進んでしまうとリハビリより薬物療法が効果的だと感じたので、知識のあるお医者さんに頼るのが一番いいと実感しています。
費用面については、祖母の年金と、足りない分は両親の給料で補っていました。最後の頃は介護保険を使って、月8万円程度の自己負担でした。
一生懸命やっても後悔は残る。だからこそ自分を大切にしてほしい
インタビュアー:これから介護をされる方へのメッセージをお聞かせください。
高橋さん:これから介護をする方には、まずはご自身の心身の健康と、仕事や勉強などのプライベートを一番に確保してほしいと伝えたいです。
自分が元気じゃないと、どうしても当たってしまったりして優しく対応できません。そして、どんなに一生懸命やっても、亡くなってしまうと後悔は残るものです。
だからこそ、一人で抱え込まずに周りの知識のある方に頼りながら、できる限りで一生懸命やってほしいなと思います。
・コロナ禍のような外部要因で介護の状況が急変することがあります。変化を感じたら早めに担当医やケアマネージャーに相談してください
・ケアマネージャーとの相性が合わない場合は変更を申し出ることができます。担当者を変えることは珍しくありません
・身体介護は腰や膝への負担が大きいため、早めにデイサービスや訪問介護を活用することが重要です
13年間にわたり在宅介護を続け慢性的な睡眠不足になったしまった方の体験談
・実施日:2026年4月
・形式:オンラインインタビュー
・お名前:山本さん(仮名)
・状況:山本さんは50歳の時、転倒をきっかけに膝・腰の痛みが始まった親の介護がスタートしました。
5人兄弟の末っ子で家業を継いで自営業を営んでいたため、二世帯住宅に建て替えて同居し、メインの介護者となりました。
要介護1から始まった介護は13年間にわたって続き、最終的には要介護5に。パーキンソン病や認知症の症状も出る中、月20万円近くの介護費用を負担しながら在宅介護を続けました。
転倒をきっかけに始まった13年間——二世帯同居で自営業と介護を両立した
インタビュアー:介護が始まった経緯と体制を教えてください。
山本さん:私が50歳の時に親の介護が始まりました。当時、親は80歳を超えていたんですが、転倒したことがきっかけで膝や腰が痛み、腰が曲がっていったんですよね。
私は5人兄弟の末っ子なんですが、家業を継いで自営業をしていたこともあり、介護のために二世帯住宅に建て替えて同居し、私がメインの介護者になりました。
介護はそこから13年間続き、最初は要介護1からスタートして、最終的には要介護5になりました。
一番きつかったのは夜間のトイレ介助——慢性的な睡眠不足が13年間続いた
インタビュアー:介護をしていて一番つらかったことは何ですか?
山本さん:介護をしていて一番の負担だったのは、気軽に外出できない「時間的な不自由さ」でした。
私は自営なので、日中は仕事をしながら親の様子を見ることができたんですが、一番大変だったのは夜間のトイレ介助による寝不足です。
夜中に何時間おきかに起こされてトイレに連れて行っていたので、本当にきつかったですね。
後半になって、枕元にナースコールを置いて用がある時だけ押してもらうようにしてからは、少し緊張が和らいで眠れるようになりました。
使えるサービスはすべてフル活用——ショートステイで家族の自由時間を確保した
山本さん:自分の負担を減らすために、ケアマネージャーさんと相談して使えるサービスはフル活用しました。朝と夜の着替えなどの訪問介護、訪問看護、訪問マッサージ、週3回のデイサービスでのお風呂などを利用し、月に1回は5〜6日ほどショートステイに預けていました。
そのショートステイの期間に、自分たち家族が出かけたり自由に過ごしたりする予定を集中させて乗り切っていましたね。
山本さん:介護費用は、介護度が上がってショートステイなどを頻繁に使うようになった最終段階では、月に20万円近くかかっていました。ちょうど子供が高校から大学へと一番お金がかかる時期と重なっていたので、生活費の面では結構切り詰めましたね。
費用は親の年金と貯金を崩しながら支払っていましたが、足りない分は私たち家族の家計から援助していました。
親の意見に振り回されない。主導権を握り、制度を知ることが長期介護の鍵
インタビュアー:これから介護をされる方へのメッセージをお聞かせください。
山本さん:これから介護をされる方に伝えたいのは、親の意見ばかりを尊重しすぎないことです。「デイサービスに行きたくない」などと言われても、介護する側がしっかり主導権を握って、サービスを積極的に活用していくべきだと思います。
そうしないと、家でぼーっとテレビを見ている親の相手を、自分たちがし続けなければならなくなりますからね。
山本さん:また、親の年金や貯金がどれくらいあるのか、経済状況を事前に把握しておくことも重要です。
親が元気なうちから、行政のサービスや使える制度についての知識を蓄えておくといざという時に役立ちます。
最後に、介護は長く続くので、自分なりのストレス解消法や楽しいと思える部分を作っておくことが大切です。
そうしないと、介護がただの「嫌なもの」になってしまいますからね。
・ナースコールの設置など、小さな工夫が慢性的な睡眠不足の改善につながります
・ショートステイは介護者自身が自由な時間を確保するためにも積極的に活用すべきサービスです。月1回程度の定期利用で乗り越えた方も多くいます
・親の年金・貯金などの経済状況は、介護が始まる前に把握しておくことで費用計画が立てやすくなります
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「介護がつらい…」と感じてしまう原因
「在宅介護がつらい…」と感じてしまう原因としては、主に以下の4つが考えられます。
- 24時間ずっと本人から目が離せない
- 介護でのしかかる身体的負担
- 本人や親族から文句を言われる精神的負担
- 介護費用で大きくなる経済的負担
それぞれについて詳しく解説して行きます。
24時間ずっと本人から目が離せない
本人の介護度が進行してくると、歩行や食事、トイレなどの日常動作でも手助けが必要です。
さらに認知症の進行により理解力が低下している場合、昼夜が逆転してしまったり近隣を徘徊するなどの症状が出ることもあるため、悪くすると24時間本人から目が離せません。
そのため介護する家族は自分の時間が取れないほか、トイレに行くなどで深夜に頻繁に起こされることがあったりと、休む時間も確保できないこともあります。
仕事には休みがありますが、介護には休日というものがないため家族の負担は非常に大きいものでしょう。
そのほか親の介護のために、家族などが仕事を休職・退職せざるを得ない「介護離職」もあり、社会問題となっています。
以上より、「介護がつらい…」と感じてしまう原因として24時間本人から目が離せないことが挙げられます。
介護でのしかかる身体的負担
介護ではトイレや入浴、立ち上がり、歩行など、日常のあらゆる場面での介助が必要になることがあります。
家族が本人の身体を支えて介助を行うためには、体力が必要な場面が多くあり、肩や腰などに物理的に大きな負担がかかるのです。
介護をすることにより家族の身体的負担が溜まり、体調を崩したり入院しなければならないケースも珍しくありません。
仮に介護される側が男性、介護者が女性の場合は異性ということだけでなく、体格の差から相当な身体的な負担がかかることが懸念されるでしょう。
したがって、「介護がつらい…」と感じてしまう原因として、介護によって身体的負担がかかることが挙げられます。
本人や親族から文句を言われる精神的負担
介助をしているとき、本人から文句を言われることも少なくありません。
「身体に触れるとき痛い」「ご飯がまずい」「おむつなんて履かない」などの言葉は介護者の心を傷つけ、ストレスは募るばかリでしょう。
高齢者のなかには「親の介護を子供がしているのは当たり前」と考えている人も多いため、心無い声が飛び交うこともあります。
また文句を言うのは本人だけではありません。実際に介護を行ってもいない親族から文句を言われることも多いです。
「施設に入れるなんてひどい。親なんだから大切にしなさい」と一方的な意見を押し付けてくるケースも存在し、大きな負担となります。
そのほか自分以外に兄弟がいるのに口を出すばかりで協力的でなかったりする場合は、なおのことストレスが溜まる原因となるでしょう。
以上より、「介護がつらい…」と感じてしまう原因として本人や親族から文句を言われることが挙げられます。
介護費用で大きくなる経済的負担
介護が必要な本人の年金額が少ない場合は、家族が介護費用を負担する必要があり家計を圧迫してしまいます。
在宅介護を行っている方々のなかには介護施設を利用する金銭的な余裕がなく、仕方なく在宅での介護を行っているという人も少なくありません。
在宅介護は施設を利用するよりも幾分か費用を抑えることができますが、それでも介護度が高くなるにつれて負担は大きくなってしまうことがあります。
そのため介護をする生活が続くにつれて、経済的なストレスも募ってしまうケースも珍しくありません。
以上より、「介護がつらい…」と感じてしまう原因として介護費用に対する経済的なストレスが挙げられます。
「介護がつらい…」と感じたときにできること
介護がつらさをひとりで抱え込み続けると、介護うつや介護崩壊につながるリスクが高まってしまいます。
そもそも、つらさを感じることは特別なことではなく、ごく普通のことです。
そこで本章では、実際に介護をされた方の体験談などをもとに、つらくしんどい状況でも簡単にできる6つの対処法についてご紹介していきます。
- 同じく介護で同じく悩む人に相談する
- 主治医・ケアマネジャーなどに相談する
- 介護相談ができるホットラインに電話する
- ケアプランを見直す
- ショートステイを利用して休息をとる
- 施設介護も考えてみる
介護で同じく悩む人に相談する
介護経験者や身近な人への相談は、精神的な負担をすぐに和らげる有効な方法です。
専門的なアドバイスをもらうよりも、ただ「つらかったね」と共感してもらうだけで救われることがあります。
介護は孤立しやすい状況です。毎日の介助に追われると外出や会話の機会が減り、気づかぬうちに精神的に追い詰められてしまいます。
友人・知人の中に介護経験者がいれば、ぜひ声をかけてみてください。
身近に相談できる人がいない場合は、SNSや地域のコミュニティで同じ境遇の人を探すこともできます。つながりは、情報収集だけでなく精神的な支えにもなるでしょう。
【インタビュー情報】(クリックして開く)
・お名前:鈴木さん(仮名)
・性別:男性
・年齢:37歳
・職業:会社員(正社員)
・居住地:愛知県
・状況:20代で地元に帰り、父親の介護を約3〜4年間担当した。
鈴木さん:
介護についてズブの素人で何から手をつけていいか分からず不安でしたが、友人の中に介護関連の知識を持つ人がいて、相談に乗ってもらいました。
状況を吐き出したことで精神的な負担が軽くなった感じがしました。気持ちも前向きになれましたね。

【インタビュー情報】(クリックして開く)
・お名前:佐藤さん(仮名)
・性別:女性
・年齢:33歳
・職業:会社員(正社員)
・居住地:東京都
・状況:母親が癌にかかり介護が始まる。経済的にも困難な状況が続き、自身も過労で救急搬送された。
佐藤さん:
私が過労で倒れて救急搬送された時、友人や恋人に打ち明けたところ、「なんで言ってくれなかったの」と泣きながら共感してくれました。アドバイスをもらうよりも「辛かったね」とただ共感してもらうことが一番の救いになりました。
・介護経験のある友人・知人をリストアップして声をかけてみる
・SNSや地域のコミュニティで「介護仲間」を探してみる
・「迷惑をかけたくない」という遠慮を手放し、まず誰かに話してみる
介護相談ができるホットラインに電話する
身近に相談できる人がいない場合でも、無料で利用できる介護相談の窓口が全国に複数あります。
まず「地域包括支援センター」への相談が、最も確実な第一歩です。
地域包括支援センターは、要介護認定を受けていない方でも利用できます。
「介護が必要かどうかわからない」という段階から相談に訪れる方も多く、どんな小さな悩みでも受け付けてもらえます。電話での相談にも対応していることが多いため、外出が難しい状況でも気軽に利用できます。
まずは「地域包括支援センター+お住まいの市区町村名」で検索してみてください。
・地域包括支援センターは相談無料・予約なしでも利用できる場合が多い
・認知症の悩みは「認知症の人と家族の会」の相談窓口も活用できる
・「どこに相談すればいいかわからない」という段階でも受け付けてもらえる
主治医・ケアマネジャーなどに相談する
ケアマネジャーは介護の総合的な相談役です。
費用・制度・施設紹介まで、包み隠さず相談することで状況を根本から改善できる可能性があります。
ケアマネジャーへの相談は、要介護認定を受けた方であれば介護保険の範囲内で利用できます。
費用面の悩みも含めて率直に伝えることが解決への近道です。「こんなことを頼んでもいいのか」という遠慮は不要です。
経験豊富なケアマネジャーであれば、思いもよらない解決策を示してくれることがあります。
【インタビュー情報】(クリックして開く)
・お名前:林さん(仮名)
・性別:女性
・年齢:51歳
・職業:会社員(正社員)
・居住地:兵庫
・状況:母親の介護費用の捻出に悩み、ケアマネジャーへの相談を通じて費用問題を解決した。
林さん:
親の年金や貯金がなくお金の面で悩んでいた時、知識が豊富で親切なケアマネージャーさんに包み隠さず相談しました。生活保護の枠がある施設を探すようアドバイスをいただき、施設長とともに市役所へ同行して交渉までしてくれたおかげで、費用面の問題が解決しました。

【インタビュー情報】(クリックして開く)
・お名前:古川さん(仮名)
・性別:女性
・年齢:39歳
・職業:パート・アルバイト
・居住地:東京都
・状況:経済的な理由から費用を出さず、公的制度をフル活用して特養への入所を実現した。
古川さん:
支援が必要か分からなくても、まずは一番にケアマネさんを早く見つけるべきです。自分から調べないと役所は何も教えてくれませんでしたが、ケアマネさんが見つかってからは、分からないことを一つずつ紐解いてくれました。
・費用面の悩みも含めて包み隠さずケアマネジャーに伝える
・主治医にも介護者自身の心身の状況を共有する
・「こんなことを頼んでいいのか」という遠慮は不要
ケアプランを見直す
現在のケアプランが介護者の負担を十分に軽減できていない場合は、使えるサービスをフル活用する内容にケアプランを組み直すことが有効です。
ケアプランは本人の希望だけでなく、介護者の負担状況も考慮して作成されます。
利用者本人が「デイサービスには行きたくない」と言っている場合でも、その意見だけを優先し続けると介護者の負担が限界を超えてしまいます。介護者の健康を守ることも、在宅介護を続けるためにとても大切な条件です。
ケアマネジャーと密に連絡を取り、介護者側の負担感を率直に伝えながらケアプランを最適化してください。
【インタビュー情報】(クリックして開く)
・お名前:山本さん(仮名)
・性別:男性
・年齢:67歳
・職業:自営業・フリーランス
・居住地:東京
・状況:自営業を営みながら介護を担い、ケアプランを積極的に見直してサービスをフル活用することで負担を軽減した。
山本さん:
親の「デイサービスには行きたくない」という意見ばかりを尊重するのではなく、介護する側が主導権を握るべきです。ケアマネージャーさんと密に相談して、朝晩の訪問介護や週3回のデイサービスなど、使えるサービスはフル活用するケアプランにして負担を減らしました。
・ケアプランはいつでも見直せる。「つらい」とケアマネジャーに伝えるだけで動き始める
・介護保険の支給限度額の範囲内であれば、サービスを増やしても費用の増加は限定的
・利用者本人の「行きたくない」は、慣れによって解消されることも多い
ショートステイを利用して休息をとる
ショートステイは、被介護者に数日間施設へ泊まってもらうことで介護者が休息を取れるサービスです。
介護者が自分を守ることは、介護を長期間継続するために欠かせない行動です。
ショートステイは、介護者の「レスパイト(休息)」を目的として活用できます。
「親を施設に預けることへの罪悪感」を感じる方も多いですが、介護者が倒れてしまえば在宅介護の継続はできません。介護で辛い場合は、まずケアマネジャーに「休みたい」と率直に伝えてみてください。
レスパイト入院(介護者の事情による一時的な入院)という選択肢もあります。
【インタビュー情報】(クリックして開く)
・お名前:須川さん(仮名)
・性別:男性
・年齢:39歳
・職業:介護福祉士(有料老人ホーム・ホスピス型介護施設勤務経験)
・居住地:東京都
・状況:介護の現場で多くの介護者・被介護者と接してきた専門職として、介護者の休息の重要性を語る。
須川さん:
あんまり頑張りすぎると自分も壊れてしまうので、レスパイト入院やお泊りデイサービスなどに何日か泊まってもらい、介護を休んで自分の時間を作ってリフレッシュすることが必要だと思います。
・ショートステイの利用は介護を続けるための正当な手段であり、後ろめたく思う必要はない
・初めての利用前に施設の見学・体験入所をしておくと本人の不安が和らぎやすい
・ケアマネジャーに「休みたい」と伝えるだけで手続きを進めてもらえる
施設介護も考えてみる
在宅介護が限界に近づいたと感じたら、施設介護への移行を検討してください。
施設に入れることは「親を捨てる」ことではなく、プロによるより質の高いケアを選ぶという決断です。
「施設に入れることへの罪悪感」は多くの介護者が感じることです。
しかし、施設のプロフェッショナルによるケアを受けることで、被介護者の生活の質が向上するケースも多くあります。在宅介護の限界を超えて介護者が倒れてしまうことは、被介護者にとっても望ましい状況ではありません。
施設入居の検討は、心身の限界を迎える前に早めに始めることが重要です。
【インタビュー情報】(クリックして開く)
・お名前:小林さん(仮名)
・性別:女性
・年齢:57歳
・職業:自営業・フリーランス
・居住地:神奈川
・状況:子育てと介護の両立で葛藤し、適応障害を発症。最終的に母親を住宅型有料老人ホームへ入所させた。
小林さん:
子育てと介護の両立で葛藤し、自己犠牲的に母親中心の生活を続けた結果、私自身が適応障害で潰れてしまいました。最終的に母親を住宅型有料老人ホームへ入所させたことで、精神的・肉体的にすごく楽になりました。

【インタビュー情報】(クリックして開く)
・お名前:小川さん(仮名)
・性別:男性
・年齢:34歳
・職業:会社員(正社員)
・居住地:福岡県
・状況:兄弟と協力しながら父親の介護を担い、最終的に特養への入居を経験した。
小川さん:
施設に入れることに罪悪感はありましたが、プロのケアで父親の肌つやも良くなり、家族にも自分の時間ができたことで「みんな無理をして頑張っていたんだな」と実感し、入所させて良かったです。
・施設入居の検討は「限界になる前」に始める方が、より条件の合う施設を見つけやすい
・罪悪感は誰もが感じることだが、入所後に被介護者の状態が改善するケースも多い
・ケアスル 介護 では希望条件に合った施設を無料で探せる
介護つらくて限界になったときは?
介護のつらさによって、家族が限界を迎えてしまうのも無理はありません。
限界を迎えた場合は、根本的なストレスを解消することが必要です。その手段としては、やはり介護施設に入所することでしょう。
定期的に面会をしたり施設のスタッフから話を聞くことは必要になりますが、四六時中のしかかる介護の負担は解消されます。
しかし、「介護施設を利用したいけどお金がない…」「親が嫌がって話を聞いてくれない…」という方も少なくありません。
そこで本章では、費用の安い施設の探し方や親の説得方法について解説して行きます。
費用の安い施設の探し方
ポイントを抑えて施設探しをすれば、費用を抑えながら納得のいく施設が見つけられることもあります。
というのも、老人ホーム・介護施設の費用は、施設の立地や提供するサービスなどによって大きく金額差がつくからです。
例えば自治体や社会福祉法人が運営する特別養護老人ホームや、食堂などの共有施設が質素な有料老人ホーム等は費用が安いことが多いです。
ここでは費用の安い介護施設を探す際の方法として、以下の5つを紹介します。
- ケアマネ等に相談して費用の相場を調べる
- 多床室(相部屋)のある特別養護老人ホームを検討する
- 地方部の(アクセスのよくない)老人ホームを検討する
- 入居一時金のかからない老人ホームを検討する
- 介護サービスが包括料金でない老人ホーム(住宅型有料老人ホーム等)を検討する
また、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の「家賃(利用料)」「管理費」は、一般の賃貸住宅同様に都市部の方が高く、地方の方が安いことを覚えておきましょう。
入居を拒む親の説得方法
「介護施設に入居してもらいたいけれど、嫌がっている…」というお悩みを抱える人は多くいらっしゃいます。
実際に、自ら積極的に入居したがる方は、判断力が低下している方を除けばごく少数です。
そのため、子供から「いつまでも元気でいてほしいから施設に入ってもらいたい」といった愛情を伝えたり、本人の友人など第三者からの話をしてもらうのも手段のひとつです。
特に「子供が介護するのが当たり前」と考えている親を説得するのは難しいですが主治医などに協力してもらい、「これ以上はプロによる介護が必要である」と認識してもらうことも大切だと言えます。
また費用の安い介護施設・老人ホームをお探しの方は、ケアスル 介護で相談してみることがおすすめです。
ケアスル 介護では入居相談員が予算感や施設ごとに実施するサービス、立地情報などをしっかりと把握した上で、ご本人様に最適な施設をご紹介しています。
「幅広い選択肢から後悔しない施設選びがしたい」という方は、まずは無料相談をご利用ください
まとめ
「介護がつらい」と思ってしまうのも無理はありません。
四六時中で必要となることがある介護には、心身ともに大きな負担がかかります。
介護を行うのは大切なことですが、家族が体調を崩したり鬱になってしまっては取返しが付かないものです。
介護へのつらさは同じく介護で悩む人や専門家に相談したり、ショートステイなどを活用して適切な休息を取ることが大切だと言えます。
また限界を感じたときは、介護施設への入居を考えることが必要です。
親子ともに健康で生きていくためにも、自分のつらさに正直に向き合うことがなによりであると言えるでしょう。