老老介護の現状|増加している理由や共倒れを防ぐための対策を解説

老老介護の現状|増加している理由や共倒れを防ぐための対策を解説

老老介護は介護する側にとってもされる側にとってもリスクが高いとされています。少子高齢化社会において、社会だけでなく家族としても対策を行うことが大切です。

この記事では、老老介護の現場におけるリアルな現状から、考えられる原因と問題点、そのためにできる解決策をご紹介します。

在宅介護エキスパート協会 代表
所有資格:AFP/2級ファイナンシャル・プランニング技能士,社会福祉士,宅地建物取引士
専門分野:在宅介護,老後資金,介護施設全般
職業: 社会福祉士,宅地建物取引士,ファイナンシャルプランナー

NEC 関連会社(現職)でフルタイム勤務の中、10 年以上に渡り遠距離・在宅介護を担う。両親の介護をきっかけに社会福祉士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーなど福祉に直接的・間接的に関係する資格を取得。その経験や知識を多くの方に役立てていただけるよう「在宅介護エキスパート協会」を設立、代表を務める。詳しくはこちら

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老老介護の現状

まずは老老介護のリアルな現状から知っておきましょう。基本的な知識を身につけておくことで、老老介護とはどのようなものなのか、日本はいかなる状態にあるのかがわかります。現状を知ることで、老老介護の実態を正しく把握していきましょう。

老老介護とは?

そもそも『老老介護とはどのようなものなのか』ですが、これは高齢者が高齢者を介護している状態を指します。ここでいわれる高齢者は、65歳以上の人です。65歳以上の高齢者同士での介護が老老介護となっており、夫婦はもちろん、親子など家族間でも起こることがあります

また、75歳以上の人が介護する状態を超老老介護と呼ぶこともあり、このような言葉の存在から、介護年齢が上昇しつつあることがわかります。

老老介護の人口は増え続ける

日本では4人に1人が高齢者、つまり65歳以上であり、老老介護の人口は増え続けています。2001年時点のデータを見ると、老老介護は40.6%でしたが、2015年時点では54.7%と増加しています。2019年は、要介護者全体の59.7%にのぼり、要介護に認定されている480.8万人のうち約287万人が老老介護の状態にあります長期的に見ると老老介護の人口はさらに増加する傾向にあることも覚えておきましょう。

さらに75歳以上の人同士が介護を行う超老老介護も30%超えの人口となっており、老老介護と合わせて高齢者同士による介護年齢が高まっているのが広がっていることが日本の現状です。

介護期間は長期化している

日本においては介護期間が長期化しており、これも現状として知っておきたいポイントです。2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査によると、介護期間は、「4~10年未満」が31.5%と最も多く、次いで「10年以上」が17.6%、「3~4年未満」が15.1%、「2~3年未満」が12.3%となっています。介護期間は「1~4年が38.7%」、「5~9年が28%」、「10年以上が19.2%」となっており、5年から10年もの長期間で介護にあたっている人は少なくありません。介護期間が長期化している理由としては、健康寿命と平均寿命の差が開いてきていることがあげられます。健康寿命は健康な状態で、医療や介護のサービスを必要としない年齢であり、令和元年値で男性が72.68歳、女性が75.38歳。これは男性だと平均72.14歳、女性だと74.79歳というデータがあります。

対して医療や介護などのサービスを受ける場合の年齢も含める平均寿命は、男性が81.4180.98歳、女性が87.4587.14歳です。

つまり、健康寿命よりも平均寿命のほうが長くなっていることで、結果的に医療や介護サービスの必要性が増し、介護期間が長期化しているといえるでしょう。

また老々介護への不安を解消するため、老人ホーム・介護施設をお探しの場合は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。

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老老介護が増加している理由

そもそも日本においてなぜ老老介護が増加しているのか、その理由を知っておくことも大切です。老老介護が増加している理由としては、次の3つがあげられます。

  • 少子高齢化
  • 核家族化
  • 他人に介護される抵抗感

これらの理由から、なぜ少子高齢化が進んでいるのかを理解していきましょう。

少子高齢化

日本では少子高齢化が進んでおり、進行しており、これによって老老介護が増えています。これは医学の進歩もが理由のひとつです。医学のが進歩したことにより平均寿命は延びましたが、医療や介護を必要とせずに日常生活を送れる健康寿命との差が開いています

つまり、医学の進歩で長生きができる人は増えたものの、その分介護を必要とする人も増加しています。これは老老介護が増えている大きな理由といえるでしょう。

核家族化

核家族化が進んだ進行したことも、老老介護が増加した理由の1つです。核家族とは、 「夫婦のみ」「夫婦と未婚の子ども」「ひとり親と未婚の子ども」からなる小家族の世帯を指します。夫婦のみの世帯や夫婦と子供を含めた世帯であり、ここにおける核家族化とは、夫婦のみの世帯を指します。

高齢夫婦のみの世帯が増えたことで、子供に介護を頼ることができず、夫婦間で介護をしなければならない世帯は増えています。つまり、これによって高齢者同士の介護が増え、結果として核家族化が老老介護の増加の原因になっているのです。ことは覚えておきましょう。

他人に介護される抵抗感

介護される人にとっては、誰に介護をしてもらうかは重要な問題であり、他人に介護されることに抵抗感を覚える人は少なくありません。どの程度の介護を必要とするかは人によって異なりますが、日常生活の世話だけではなく、入浴や排せつなどに介助が必要となることも多くあります

そのため、他人に世話になること介護されることを嫌がり、身内に介護を頼む人は少なくありません。核家族化の進行で子供に介護を頼むことができず、夫婦間での老老介護になってしまうこともあります。

老老介護の問題点

日本では老老介護が増加しており、これにはさまざまな問題点があります。なぜ老老介護が起きるのかといった背景だけではなく、その問題点を把握しておくことも大切です。

  • 介護する側の負担
  • 認認介護に移行する可能性
  • 社会との接点が減り外に助けを求められなくなる

老老介護の問題点を知ることで、いかなるリスクが潜んでいるのかをみていきましょう。知っていきましょう。

介護する側の負担

老老介護では介護をする側の負担が大きく、これは重要な問題となりますです。負担の大きさから介護疲れを起こすしてしまうこともあり、夫婦で共倒れになってしまうこともあるでしょう。どのような負担があるのかを理解し知り、介護する側が抱えやすい問題を知っておくことが大切です。

介護する側の体力

老老介護では65歳以上の高齢者が介護をするため、体力面での問題が起きやすくなります介護では入浴や排せつ、着替えなどの世話が必要となり、これらには体力を要します。

大人1人の移動の補助や日常生活の世話には体力や腕力が必要ですがあり、高齢者になるとこれが大変になります。できないことも多いです。介護者の負担が大きいことはもちろん、十分な介護ができずに双方が疲労してしまうこともあります。

介護する側のストレス

介護する側のストレスも、老老介護の問題点の1つです。老老介護では介護者の負担の大きさがストレスになってしまうこともあり、これによって精神的な疲労を抱えてしまうことも少なくありません。

精神的に疲労することで、社会的に孤立したり、脳の認知機能が低下したりして、介護者自身が問題を抱えてしまうこともあります。特にストレスからうつ病になったり、認知症になったりすることも多く、介護者自身も介護が必要な状況になってしまい、共倒れになってしまうリスクもあるため注意が必要です。

認認介護に移行する可能性

老老介護をしていると、そこから認認介護に移行する可能性もあります。認認介護は老老介護よりもリスクが高く、これによって介護する人とされる人の両方が共倒れになってしまうことも少なくありません

認認介護に移行することでどのようなリスクがあるのかを知り、老老介護に潜んでいる問題点についての理解を深めていきましょう。

認認介護とは

認認介護とは、認知症の人が認知症の人を同士が介護している状態です。お互いが認知症のためであることで、事故が起きやすく、老老介護よりもリスクは高くなりますいです。

そもそも認知症の人はを介護するだけでも危険性は高く、徘徊による事故やはいかいによって事故にあったり、日常生活のあらゆるシーンでけがをするリスクも高まります。介護者が認知症だとさらにリスクが高くなります。、けがや事故などが起きる可能性があることは理解しておきましょう。事故が起きやすい危険な介護状況の一つです。

介護する側がMCI(軽度認知症)である可能性

認知症のように普段の生活に支障をきたすほどではありませんが、記憶などの能力が低下し、正常とも認知症ともいえない状態のことをMCI(軽度認知症)といいます。認認介護となる原因として、の危険性としては、介護する側がMCIと呼ばれる、(軽度認知症)に気づかないまま放置していることも知らないうちになっていることもあげられます。明確な自覚症状がなく、他の人から見ても正常と思われる場合でも、高齢者になると軽度の認知症になっている可能性は少なくありません。これを放置し続けると症状が悪化してしまいます。認知症を発症した後では、正常な状態に戻ることは難しくなります。

軽度認知症の高齢者は約400万人と推定されています。14%程度と多く、気づかないうちに認認介護に移行しているリスクもあることは覚えておきましょう。自身が認知症になっているかどうかの判断は自分では難しく、知らないうちに認認介護に移行して事故などのリスクが高まることもあります。

体調管理が困難になる

認知症が進行すると体調管理が難しくなります。困難になり、介護する側も認知症だとこのリスクはさらに高まります。認認介護になると、介護される人の服薬や、食事の回数や栄養などの管理が十分に行えず、これが健康上の問題に発展することもあるでしょう。

また、体調管理だけではなく、金銭お金の管理など日常生活においても支障をきたす場合があります。介護する人もされる人も体調管理や生活上の様々な場面で管理がしづらくなってしまい、場合によっては命にかかわる事故や詐欺被害につながる危険性もあることに注意してください。は理解しておきましょう。

社会との接点が減り外に助けを求められなくなる

老老介護では介護する側人の負担が大きいため、く、介護者と社会との接点が減ってしまうことも少なくありません。社会との接点が減るとことで、孤独になり、全てを抱え込むことで外に助けを求められなくなり、介護者自身のストレスは増えていきます。

介護が生活の中心となるためになってしまい、外出が困難かつ億劫となります。外に出られなくなって社会的に孤立することも多いです。社会との接点が減ることで人との会話も少なくなり、これによって脳の機能が低下して認知症の原因につながることもあります。

社会的な孤立がストレスになり、認知症の進行を早めて進めてしまうことで、老老介護から認認介護に移行する可能性も高くなりやすいことは覚えておきましょう。

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老老介護で共倒れにならないためにできること

老老介護は介護する人とされる人それぞれが問題を抱えやすく、これによって共倒れになってしまうこともあります。老老介護で共倒れにならないためには、次のことを考えていきましょう

  • デイケア・デイサービスを利用
  • ショートステイの利用
  • 訪問介護・看護を受ける
  • 老人ホームなどの介護施設の利用
  • 地域包括ケアシステムを利用する

老老介護で共倒れにならないためにも、早いうちからできることを考えておきましょう。

デイケア・デイサービスを利用

高齢化によってにより介護が難しいのであればくなるなら、デイケアやデイサービスのを利用することがおすすめです。デイケアやデイサービスなら、介護施設に入居する必要はありません。施設に入居する必要がないことから、日中のサービス利用となりますが、だけの介護になりますが、介護者の負担が減ることは確かです。

また、介護される人も施設に入居する必要がないためことから、精神的な負担も少なくなります。は少ないです。デイケアやデイサービスでは、送迎や食事などはもちろん、入浴やレクリエーションも行っています。ただし、目的が異なり、デイケアは、医師の指示のもとに行われるリハビリ中心のサービスで、デイサービスは、自立した日常生活を送ることができるよう支援するサービスです。この違いは理解しておきましょう。リハビリ通所への送り迎えや食事などはもちろん、入浴やリハビリなどのサービスを行っていることも多く、どちらも、介護される人の健康管理がしやすくなることがも魅力といえます。

ショートステイの利用

デイケアやデイサービスなどよりも長期のサービスを利用したいのであればなら、ショートステイがを考えることもおすすめです。ショートステイでは、最大30日連続で施設等に入所が通所に滞在することができるため、介護者の負担は大幅に減らせます

終身ではなく短期間の滞在となることから、介護される人も見放されたと感じることも少なく、お互いにとってメリットがあります。となりやすいです。また、30日丸々滞在しなくても、数日や1~2週間程度の利用も可能でで利用することも可能であり、スケジュールに合わせて使うことができます。もおすすめです。

訪問介護・訪問看護を受ける

介護のサービスとしては、訪問介護や看護を利用するという方法もあります。

介護保険の在宅サービスとして「訪問介護」と「訪問看護」があります。訪問介護とはホームヘルプサービスともいい、自宅へホームヘルパーが訪問し、掃除・洗濯・調理・買い物といった家事等の生活援助や食事・排せつ・入浴の介助といった身体介護を行います。訪問看護は、看護師が医師の指示に基づいて、訪問看護ステーションなどから利用者の自宅を訪問して、療養上の世話や医療処置等を行うサービスです。

ケアワーカーやヘルパーと呼ばれる人が自宅に来て介護サービスを提供してくれることはが、大きな魅力です。

「訪問介護」と「訪問看護」訪問介護や看護なら自分たちが移動する必要がなく、足腰が弱くなっていて外出が難しい人にもおすすめです。また、外から人がやってくることで、社会との接点ができ、孤立も防げます。介護や看護を受けられることに加えて、介護の方法などについてのアドバイスも受けられる点は、「訪問介護」と「訪問看護」訪問介護や看護の魅力でもあります。

有料老人ホームなどの介護施設の利用

ほぼ全介助状態で、介護の負担が必要な範囲が大きい多いなら、有料老人ホームなどの介護施設を利用することも一案です。がおすすめです。介護施設を利用することで、昼夜、人の目が行き届くことでより手厚いサービスを受けることができ、介護者の負担もは大幅に減らせます。

有料老人ホームにはさまざまな種類があります。介護のが必要性が高いのであれば、なら介護サービスは施設職員が行う、介護付き有料老人ホームの施設を選びましょう。老人ホームによっては、介護サービス外部の介護サービスを利用する住宅型有料老人ホームもあるので、がついていないこともあるため、利用する際には事前に確認しておくとよいでしょう。必要があります。

特にハイクラスな層に向けた高級老人ホームなどでは、温泉やジム、コンシェルジュなどの施設やサービスは充実していても、介護サービスには非対応ということも少なくありません。

どの程度の介護が必要なのかは介護される人の心身状態をみて、ケアマネジャーなどの専門家にも相談しながらと話し合い、その人の度合いに合ったわせた施設を探して入居先を決めましょう。

「老人ホームに入居したいけど、どこまでの介護サービスが必要になるか分からない」という方は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。

ケアスル介護では、入居相談員が施設の設備や実施するサービス、立地情報などをしっかりと把握した上で、ご本人様に最適な施設をご紹介しています。

「身体状況に最適なサービスを受けながら、安心して暮らせる施設を選びたい」という方は、まずは無料相談からご利用ください。

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地域包括ケアシステムを利用する

地域包括ケアシステムとは、介護が必要となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けられるよう、地域が一体となり医療や介護、福祉などの支援・サービスを提供する体制のことです。ここでいう地域とは、おおむね30分圏域とされており、地域包括支援センターやケアマネジャーが主体となってコーディネートしています。

主な取り組み(一例)

  • 医療と介護の連携を図るための仕組みづくり
  • 認知症高齢者の支援
  • ボランティアによる認知症カフェなどの交流サロンの運営
  • 買い物支援、移動支援

高齢者と言っても、介護度が高い人、元気な高齢者など状態は人によって異なります。地域包括ケアシステムでは、高齢者にも積極的に社会参加をしてもらう、元気な高齢者が介護が必要な高齢者を支える、そんな形が期待されています。

社会参加は、他人と接したり、自分の居場所を作ることでもあります。

介護についての悩みを解決するには、地域包括ケアシステムを利用することもおすすめです。地域包括ケアシステムとは、介護が必要な人の状態に合ったサービスを紹介してくれるシステムであり、その地域にあるおすすめのサービスや施設などを知ることができます。

地域包括ケアシステムを利用するには、65歳以上の高齢者か高齢者の支援にあたっている人という条件を満たす必要がありますが、老老介護をしているなら利用条件は問題なくクリアできます。

社会との接点を持つことで、介護についての相談ができることで、今後どのような対策を取るべきなのか参考となる情報がもらえるかもしれません。がわかり、介護にかかる負担を減らしやすいでしょう。また、介護サービスの紹介だけではなく、介護保険の申請などもサポートしてくれるため、介護にまつわるさまざま疑問を解決しやすいです。

幸せな老後のために家族でできる対策を今から考える

老老介護にはさまざまなリスクがあり、幸せな老後を送るには今のうちから対策を考えておくことが大切です。介護者の年齢が上がってきたとしても、介護サービスを利用することで、老老介護のリスクを減らすことができます。は避けられます

老老介護をすることで、介護する人もされる人も負担を抱えてしまうことが多く、場合によっては事故につながるってしまうこともあります。リスクを上手に回避するためにも、早くから対策をしておき、幸せな老後を目指しましょう。

老老介護とは?

高齢者が高齢者を介護している状態を指します。65歳以上の高齢者同士での介護が老老介護となっており、夫婦はもちろん、親子など家族間でも起こることがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

老老介護で共倒れにならないためには?

訪問介護やショートステイなどの介護サービスを積極的に活用しましょう。介護の必要性や緊急度が高い場合、介護施設への入居を検討することも考えられます。詳しくはこちらをご覧ください。

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