総合事業デイサービスの特徴とは|利用開始までの手順を徹底解説

総合事業デイサービスの特徴とは|利用開始までの手順を徹底解説

日中の介護を依頼できる通所サービスとして、デイサービスがあります。デイサービスは従来のサービスからさまざまな点が変更された総合事業デイサービスというものがあり、利用するなら特徴を把握しておくことが大切です。

総合事業デイサービスならではの特徴や魅力を知ることで、利用できる介護サービスの選択肢は広がります。基本的な理解を深めることで、総合事業デイサービスが利用者に合っているかどうかを判断していきましょう。

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総合事業デイサービスとは

まずは総合事業デイサービスとはどのようなものなのか、基本的な理解から深めていきましょう。介護保険の予防給付のサービスは国が管理して行っていましたが、総合事業デイサービスでは市区町村レベルで管理し、提供していることが大きなポイントです。

つまり、これまでのデイサービスよりも地域に密着して提供されているものが総合事業デイサービスであり、その地域に住む高齢者の健康的な生活を目指すための重要なサービスといえます。

介護保険の適用対象となる介護予防サービス事業には、訪問介護やデイサービスなどの通所サービスがあげられます。これらを総合して提供しているものが総合事業デイサービスであり、受けられるサービスがより包括的になっていることも理解しておきましょう。

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総合事業デイサービスの特徴

総合事業デイサービスがどのようなものなのかさらに理解を深めるには、特徴を把握しておくことが大切です。総合事業デイサービスならではの知っておきたい特徴としては、次のものがあげられます。

  • 訪問・通所介護が総合事業へ
  • 運営は市区町村が行っている
  • 地域や社会全体で取り組む
  • 利用者のニーズに柔軟に対応する
  • 専門的な職業も関わる

これらのポイントを把握して、総合事業デイサービスについての理解を深めていきましょう。

訪問・通所介護が総合事業へ

介護保険の適用対象となる訪問介護やデイサービスなどの通所介護サービスが、総合事業へと移行したことは大きな特徴です。訪問と通所それぞれを複合的に提供しているものが総合事業デイサービスであり、包括的な介護サービスが受けられます。

訪問や通所サービスを総合事業として移行する動きは国が主導して行っており、2018年の3月に移行が完了しています。つまり、総合事業としての基盤はすでにできあがっており、利用者は複合的なサービスをスムーズに受けることが可能です。

運営は市区町村が行っている

介護保険の予防給付、つまり介護保険適用による給付金の管理や適用などは国が行っていましたが、総合事業デイサービスでは市区町村が管理や運営を担っています。全国的に介護保険の予防給付の基準は統一されていましたが、総合事業デイサービスになってからは市区町村単位で基準が設定されていることが特徴です。

その地域の特色や性質に合わせた基準や予防給付の単価が設定されており、より地域に密着したサービスとなっています。2018年3月に移行完了と比較的新しい事業ではありますが、市区町村が運営しているということで信頼度は高く、安心して利用しやすい点も特徴の1つです。

地域や社会全体で取り組む

総合事業デイサービスの運営は地域や社会全体で取り組まれており、さまざまな人が関与してサービスは提供されています。従来の介護サービスではすでにあった介護事業者がメインとなってサービスを提供していました。

しかし、総合事業デイサービスでは、介護事業者はもちろん、NPO法人や地域のボランティア団体なども介護サービスの提供が可能となっています。さらに民間企業や地域住民などによるサービスの提供もあり、地域ぐるみで高齢者をサポートする環境が整っていることも理解しておきましょう。

国全体での管理では行き届かなかった細かな点も、地域の目を通すことで管理が可能となり、その地域に暮らす人にとって最適な介護サービスの提供を目指すことが、総合事業デイサービスの目的です。

利用者のニーズに柔軟に対応する

従来の介護サービスとは違い、利用者のニーズに柔軟に対応できる点も、総合事業デイサービスの特徴です。例えば従来のデイサービスでは、利用可能なのは要介護や要支援の認定を受けた65歳以上の高齢者です。つまり、高齢者であっても要介護などの認定を受けていないと、サービスの利用対象とはなりませんでした。

しかし、総合事業デイサービスでは、65歳以上の高齢者で、かつ何らかの支援が必要な人の全員が、サービスの利用対象となります。そのため、要介護認定を受けていない人でも対象となる場合があり、これまで以上に介護や生活支援などのサポートが受けやすくなっています。

専門的な職業も関わる

総合事業デイサービスでは「地域リハビリテーション活動支援事業」も含まれており、専門的な職業が新たに加わり、これまで以上に幅広いサービスを提供することも特徴です。

これは地域包括支援センターなど、地域の介護予防にかかわる施設や機関が一体となって、高齢者のサポートを行うものです。リハビリにおける専門家のアドバイスやサポートも受けられるようになり、地域全体での介護予防の取り組みが、さらに強化されています。

総合事業デイサービスが提供するサービスとは

実際に総合事業デイサービスが、どのような介護サービスを提供しているのかも知っておきましょう。提供されている主なサービスとしては、次の4つがあげられます。

  • 訪問による介護サービス
  • 通所型の介護サービス
  • 独自の生活支援に関するサービス
  • 介護予防ケアマネジメント

これらの介護サービスを提供することで、地域に住む高齢者の包括的なサポートを行い、介護予防や健康的な生活を支えています。

訪問による介護サービス

自宅にいながら受けられる介護サービスに、訪問介護があります。訪問介護のサービスは身体的な介助や日常生活の援助などがあり、サービスの提供事業者によって内容は異なります。

例えば専門的に訪問サービスを提供する事業者では、身体介護や生活援助が可能です。また、NPO法人や地域住民によるサービスの提供もあり、これらは生活援助のみにサービスが限定されています。

介護サービスを提供できるのは介護事業者のみであり、地域のボランティアなどが行うサポートは、掃除や洗濯、ゴミ出しなど、日常にまつわる生活支援であると考えましょう。

また、地域によっては自治体が主体となって短期集中の訪問サービスを提供していることもあり、ここでは介護やリハビリの専門家による身体機能向上や維持のトレーニングなども受けられます。

通所型の介護サービス

自宅ではなく、介護サービスを提供する施設への通所も、総合事業デイサービスが提供しているサービスの一環です。デイケアやデイサービスと呼ばれるものがこれに該当し、日中の介護ケアやリハビリなどが受けられます。

施設によっては入浴や食事の提供などに力を入れていることもあり、単に介護サポートを受けるだけではなく、刺激を与えることで心身の健康を目指すものもあるでしょう。

基本的には通所施設までの送迎がありますが、事業者によって送迎サービスが付随しないこともあるため、この点には注意しましょう。通所型の介護サービスを利用する場合、施設までの送迎の有無は、事前にチェックしておきたいポイントです。

独自の生活支援に関するサービス

地域ごとに介護支援の内容が異なる総合事業デイサービスでは、自治体ごとに独自の生活支援サービスを提供しています。市区町村によってサービスの内容は異なりますが、主な例としては次のようなサービスがあります。

  • 配食サービス
  • 地域住民による見守りサービス

健康的な食事を提供することで、栄養状態の改善を目指すことが配食サービスの目的です。食事の提供によって食べる喜びを得たり、低栄養状態の改善を目指すほか、配食の受け取りや容器の回収などで、見守りを兼ねていることもあります。

地域住民によるボランティアで、見守りサービスを行っている自治体もあり、定期的に地域住民が訪問することで、生活相談や簡単な支援を行ったり、生存確認をしたりすることもあります。

自治体によって支援サービスの内容は異なるため、どのようなサポートがあるのか、住んでいる地域独自の支援策は調べておくと良いでしょう。

介護予防ケアマネジメント

要介護者や要支援者の状態改善や悪化の抑止などを行うために、介護予防のケアマネジメントもサービスとして提供されています。これは地域包括支援センターが主体となって行うサービスであり、利用者に合わせた介護予防のケアプランを作成します。

介護に関する豊富な知識を持ったケアマネージャーが、その人に合ったケアプランを作成し、介護のサポートやケアプランの管理を行うことが特徴です。ケアプランは現状維持の介護はもちろん、状態改善などの目標も設定されており、高齢者がより良い暮らしを実現するためのライフプランの作成と考えても良いでしょう。

そのほかの介護予防サービスについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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総合事業デイサービスのメリット・デメリット

豊富な特徴を備えた総合事業デイサービスには、実はメリットとデメリットの両方があります。そのため、それぞれの特徴を正しく把握して、利用者に合っているか、その家族に適したものかを見極めなければなりません。サービスの利用で失敗しないためにも、メリットとデメリットは正しく理解しておきましょう。

メリットとは

包括的な介護サービスを提供している総合事業デイサービスでは、利用者のニーズに合った介護サービスを、スムーズに利用できる点があげられます。ケアマネージャーなどに相談することで、どのサービスを利用すべきかがスムーズに判断でき、その人に適した介護プランを提案してもらえます。

また、サービスの選定から実際の利用までの期間が短く、介護や支援を必要とする高齢者の生活の安定を目指しやすい点もメリットです。

デメリットとは

地域ごとに運営を任せられている総合事業デイサービスでは、市町村によって受けられるサービスの質や量に差がある点がデメリットです。例えばA市では受けられるサービスが、B市では受けられないといったこともあり、住んでいる地域によってサポート体制が左右されてしまいます。

加えて、地域住民など介護の専門知識を持たない人もサポートに参加することがあるため、介護サービスの質の低下や安全性への疑問点が残ることなども、デメリットとしてあげられています。

総合事業デイサービスを利用したい方に向けて

スムーズに総合事業デイサービスを利用するには、利用までの手順を把握しておくことが大切です。大まかな流れは、次の通りです。

  1. まずは近くの相談窓口へ
  2. 心身状況を確認する
  3. サービスの事業対象者となる
  4. ケアプランを作成する
  5. 利用を開始する

これらの手順に従って、総合事業デイサービスをスムーズに利用しましょう。

まずは近くの相談窓口へ

まずは市区町村の役場にある介護相談窓口で、総合事業の介護サービスが利用したいと相談しましょう。相談先は他にも地域包括支援センターがあるため、近くにあるならこちらに足を運んでも構いません。

利用するサービスについての相談をする際には、利用者の要介護や要支援の認定が必要かも聞いておくことが大切です。認定が必要な場合は事前にその申請を行い、認定を受けてから各種サービスの利用開始となります。

心身状況を確認する

総合事業デイサービスの基本チェックリストをもとにして、心身状況を確認してもらいます。チェックリストでの確認によって、どのサービスの利用が適しているか、スムーズに判断してもらえます。また、チェックの結果次第で要介護などの認定が必要と助言されることもあるため、この場合は認定の申請を行いましょう。

サービスの事業対象者となる

要介護や要支援などの認定を受けることで、デイケアやデイサービスなどの介護サービスの利用対象者となることができます。ただし、総合事業デイサービスの場合は、要介護度の認定に限らず、何らかの支援を必要とする65歳以上の高齢者がサービスの利用対象者です。

そのため、要介護の認定を受けていない場合でも、年齢の要件を満たし、心身の状況次第ではサービスが利用可能であることは覚えておきましょう。

ケアプランを作成する

地域包括支援センターでケアマネージャーに相談し、予防介護のケアプランを作成してもらいましょう。この際に介護に関する悩みや疑問などがあるなら、ケアマネージャーに相談しておくことがおすすめです。

作成してもらったケアプランは内容を詳細まで確認し、どのような方針で介護を進めていくのかチェックしておきます。より良いケアプランの作成には利用者の正確な状態を伝える必要があるため、ケアマネージャーには心身の状況や家族構成、生活環境などを細かく伝え、認識の共有を図りましょう。

利用を開始する

各種準備が整った後は、実際にサービスの利用開始となります。サービスを利用してみて、利用者に合わないと感じた場合は、別のサービスへの移行を考えましょう。

高齢者の心身の状況は日々変化しており、最初に選んだサービスを使い続けることが適切とは限りません。そのときの状態に合ったサービスを利用することが重要なため、ケアマネージャーからのアドバイスを受けて、今どのようなサービスが適切かは、定期的に確認しておきましょう。

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総合事業デイサービスを上手に活用しよう

市区町村単位で介護サービスの提供を目指す総合事業デイサービスは、包括的な介護サポートを行っています。地域ぐるみで高齢者が暮らしやすい生活環境を整えることが最大の目的であり、利用するメリットは大きいです。

ただし、地域によって介護サービスの量や質に差が出るなどのデメリットもあるため、この点には注意しなければなりません。注意点や利用手順などを把握し、失敗のないように総合事業デイサービスを活用しましょう。

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