デイサービスでは何をするの?メリット・デメリットや種類も併せて解説

デイサービスでは何をするの?メリット・デメリットや種類も併せて解説

自宅で介護をしていると、毎日の介護が負担になり、自分の時間がほしいと感じている方、食事や入浴に不安や不便を感じている方もいらっしゃるでしょう。そんな方はぜひデイサービスの利用を検討してください。

そうは言っても、デイサービスは具体的に何をするところなのか、どのような種類があるのかなど、聞いたことはあるけれど詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。

今回は、デイサービスの概要から、一日の過ごし方、サービス内容、費用などについて詳しく説明していきます。

生活とリハビリ研究所 研究員
専門分野:介護技術

民間デイサービスの草分けである「生活リハビリクラブ(神奈川県川崎市)」の創始者。オールラウンドワーカーと名乗っての老いを支えるケアは、各界から注目を浴びている。特に「入浴介護」の講義と実技指導は評価が高く、人間学に基づく精度の高い理論と方法は「介護シーン」を大きく変えている。詳しくはこちら

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デイサービスとは?

自宅で生活する人を対象とした介護保険サービスのことを「居宅サービス」といいます。

居宅サービスの中には、「訪問型サービス」「通所型サービス」「短期入所型サービス」「その他のサービス」があります。

その中の一つである「通所介護」を通称「デイサービス」と呼んでいます。

デイサービスの中にも種類がありますが、いずれも施設に入居するものではなく、自宅から施設に通い日帰りで介護サービスや機能訓練などを受けるものです。

ここでは、多くの施設が該当する「一般型デイサービス」を中心にご紹介します。

デイサービスの内容

本章ではデイサービスではどんなことをしているのか、について解説して行きます。

1日の流れ(例)

8:30~ 自宅まで迎えが来る

9:30~ 施設に到着する、健康チェックを受ける

10:00~ 入浴する

(入浴が順番に行われている間は) 趣味活動、機能訓練などを個別またはグループ活動として行う

12:00~ 健口(嚥下)体操

昼食、休憩、口腔ケア

13:00~ 入浴する

(入浴が順番に行われている間は) 体操、機能訓練、趣味活動、レクリエーションなどを個別またはグループ活動として行う

15:30~ お茶タイム

16:30~ 自宅へ送ってもらう

※適時、排泄介助を行ったり、必要に応じてベッドで横になる時間を設けたりします。

 介護サービスの内容

 送迎サービス

基本的には、施設のスタッフが自宅から施設までの送迎を行います。車イスのままで乗車できるリフト車も多くの施設で導入されています

一人暮らしや、日中は独居という場合、玄関の鍵を閉める程度であれば対応してくれる施設もあるので、相談してみましょう。

なお、送迎できる距離には限りがある場合が多いので、事前に確認することをおすすめします。

生活介護サービス

〈食 事〉

栄養バランスのとれた食事が提供されます。“噛む力”や“飲み込む力”に合わせた「介護食」や「塩分や糖分などを制限した食事」を提供している施設、帰り際にお弁当を購入して持ち帰ることのできる施設もあります。

他の利用者の方と会話しながら摂る食事は、より美味しく感じられるかもしれません。

また、必要に応じて食事介助が行われ、安全に食事を楽しむことができるよう配慮されています。

合わせて、食前の健口体操、食後の口腔ケアは多くの施設で実施されています。

〈排 泄〉

利用される方の状態や必要に応じて、トイレ誘導、排泄のサポートやパッド・オムツなどの交換をします

〈入 浴〉

食事、排泄と同様に、ご自身で行えるところはご自身で行っていただき、必要に応じて頭髪や身体の洗浄、衣服の脱ぎ着などをサポートします。

安全に気持ちよく入浴できるよう、設備や用具を調え、準備・健康チェックなどを十分に行っています。

 機能訓練

機能訓練指導員(看護師が兼務しているところが多い)と他の介護職員が協力して行っています。

特に、高齢になると生活の活動量が減りやすく、“動かないでいる”ことが“動けない”

につながり、益々心身の機能が低下するという悪循環に陥ります。

そこで、デイサービスでは心身の機能の維持・改善や、日常生活で行う動作の維持・改善を目的に、次のような取り組みをしています。

  • リズム体操、ラジオ体操
  • ストレッチング
  • 歩行訓練
  • 脳トレ、ゲーム
  • 発声訓練としての歌唱やカラオケ  など

機能訓練とリハビリテーション(略して「リハビリ」と呼ぶことが多い)との違いは、リハビリテーションは医師の指示に基づいた訓練をリハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が行いますが、機能訓練に医師の指示は必要ありません。

 レクリエーション(「アクティビティ」と呼ぶこともあります)

レクリエーションは、無理なく楽しみながら身体的・精神的な健康を目指すといった目的もあり、機能訓練と同様に体力や身体の機能の維持・改善、認知機能のトレーニングという意味合いでも行われています。

レクリエーションは、デイサービスで提供されているサービスの中でも特に各施設の特色が強く出る部分です。代表的なプログラムとしては、次の通りです。

  • 主に頭を使うもの/パズル、ゲーム、計算や漢字などの問題を解くもの
  • 主に指先を使うもの/文字や絵を描く、塗り絵、折り紙、手芸、園芸、料理、楽器演奏など
  • 主に身体を使うもの/体操、踊りやダンス、簡単なスポーツ
  • リラクゼーション/アロマテラピー、ハンドマッサージなど

曜日を決めて同じ趣味を持った方が集まる「クラブ活動」を行っている施設もあります。活動内容は、生花、囲碁・将棋、麻雀などバラエティに富んでいます。

年間行事として、餅つき、節分、ひな祭り、花見、端午の節句、七夕、敬老の日、クリスマス会などのイベントを行う施設もあります。

デイサービスを利用するには

利用条件

要介護1~5までの認定を受けた方が利用できます。

要支援1~2の場合でも、市町村ごとの「介護予防日常生活支援総合事業」として同等のサービスを利用することはできます。

 利用手順

①要介護認定を受ける

②介護の専門機関(地域包括支援センターまたは居宅介護支援事務所)に相談し、ケアマネジャー(介護支援専門員)を決める

③ケアマネジャーと共にケアプラン(介護サービス計画書)を作成する

④事業者(施設)を選んで契約し利用する

利用料

施設の規模、種類、地域、利用滞在時間、介護度、利用するサービス内容によって利用料は変わってきます。

介護保険サービスにおける自己負担割合の基本は1割ですが(一定以上の所得者の場合は2~3割、逆に負担軽減措置もあります)、食費(おやつ代を含む)や日常生活費(オムツ代など)は介護保険外のサービスになるので、実費負担です。

仮に要介護1で平均的な利用時間であれば、1回の利用料は1,500円前後(食事代、オムツ代含む)といったところです。

利用契約をする前には、どのような金額・内訳になるのか、確認することをおすすめします。

契約の前には見学をし、説明を受け、希望を伝える

デイサービスの利用契約をする前には、ご本人と一緒に見学することをおすすめします。1日体験ができる施設もあります。

施設全体の雰囲気、活動の様子、介護職員の表情や動きへの印象は大切です。また、「介護を受ける方」「介護をする方」の状態や個別の事情・希望などは率直に伝えましょう。

同時に、施設側が提供する「介護サービス」「機能訓練やレクリエーション」「オプションのサービス」などの内容について詳しく説明を受けましょう。

デイサービスには看護師が配置されていますが(定員10名以下の場合は配置されていないことがある)、施設の種類、配置人数によって行える医療的ケアには限りがあります。利用中に体調が悪くなった場合や緊急時の対応はどうするかなど、「何ができて、何ができないのか」を予め理解しておくことが大切です。

デイサービス利用で得られるメリット

メリットは、「介護を受ける方」も「介護をする方」にもあります。期待される効果を含めてご紹介します。

「介護を受ける方」のメリット

①定期的に通うことで、閉じこもりを防いだり、生活にメリハリやリズムをつけたりすることができる

②他の利用者や介護職員との交流を通して、孤立感・孤独感の解消や、安心感から情緒的に安定することが期待できる

③機能訓練やレクリエーションに参加することで、日常生活を営むための心身の機能や意欲が維持・改善される

④気分転換やストレス発散になる

⑤入浴をはじめとした適切な介護サービスを受けることができる

「介護をする方」のメリット

①日中の介護負担が軽減する

②介護者が「自分の時間」を持つことができる

③入浴介助などの重介護を行ってもらえる

④施設や介護職員と良好な関係が築けると、孤立感・孤独感の解消につながる

⑤生活相談員をはじめ、介護職員に介護上の悩みや不安を相談することができる

「困ったときに助けてもらえる」「いつでも相談できる」と思えることは、心強いことでしょう。

デイサービス利用のデメリット

①人によっては、集団の中に入ることで気疲れをしたり、賑やかさにストレスを感じたりすることがある

②生活習慣が変わるということ自体がストレスということもある

③特に、慣れるまでは機能訓練やレクリエーションなどの活動に張りきり過ぎて、翌日も疲れが残ってしまうことがある

④適度な運動や緊張の疲れが良眠につながることもある一方で、興奮が続いて眠れないという場合もある

このような場合は、施設の生活相談員やケアマネジャーに相談してください。

2) 利用や利用継続が難しくなる事例

①施設や介護職員、他の利用者と相性が悪い、または悪くなる場合がある

②施設によって提供される介護サービスの内容に違いがあり、希望に合わない、または合わなくなる場合がある

③認知症が進行したり要介護度が高くなったりすると、場合によっては同じ施設を利用することが難しくなる

④要介護度が高くなると、デイサービスの利用料が高額になっていく可能性がある

このような場合も、施設の生活相談員やケアマネジャーに相談しましょう。

6.デイサービスの種類

デイサービスには主に5つの種類があります。

  • 一般型デイサービス(通所介護)
  • デイケア(通所リハビリテーション)
  • 認知症デイサービス(認知症対応型通所介護)
  • 療養デイサービス(療養型通所介護)
  • その他のデイサービス

それぞれ特化しているものや重視している点が違います。

そのため、何が必要なのかによって、利用するデイサービスの種類を選択するようにしてください。

 一般型デイサービス

健康チェックや日常生活のサポートなど、多くのデイサービスがこの一般型に該当します。

デイサービスの主な目的は、高齢者の孤立解消や心身機能の維持・改善、家族に対する介護負担の軽減などです。

一般型デイサービスは利用者の人数によって次の3つに分かれています。

  • 1日25人以上の大規模施設
  • 1日19人以上の通常規模施設
  • 1日18人以下の小規模施設(または地域密着型通所介護)

より手厚いサービスを受けたいのであれば小規模、ほかの方との関わりを持ちたいのであれば大規模を選ぶといいでしょう。

小規模デイサービスについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

デイケア(通所リハビリテーション)

「デイサービス」と名前は似ていますが異なるものです。

「デイケア」と「デイサービス」の主な違いは5つあります。

  • 利用目的
  • 人員配置
  • 「リハビリテーション」か「機能訓練」か
  • 料金
  • 運営主体

利用目的

デイケアとデイサービスの違いの1つ目は、「施設の利用目的」です。

デイケアは、心身の機能の回復や認知機能の改善などを目的に、リハビリテーションなどの医療的ケアを中心にサービスを提供しています。

デイサービスは自宅などで日常生活を送れるように支援するため、日常生活のサポートなどが中心の介護サービスが提供されます。

デイサービスの中の一つである、「リハビリ特化型デイサービス」と重なっている部分があるのがデイケアです。

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人員配置

デイサービスの人員配置は、施設にもよりますが概ね次の通りです。

  • 管理者
  • 生活相談員
  • 看護師
  • 機能訓練指導員(看護師が兼務しているところが多い)
  • 介護職員

デイケアの人員配置は、次の通りです。

  • 医師(管理者を兼務しているところが多い)
  • 看護師
  • リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)
  • 介護職員

デイケアは、リハビリテーションなど医療的ケアの提供を可能とするため、医師とリハビリ専門職が配置されています。

「リハビリテーション」か「機能訓練」か

デイケアでは、医師の指示に基づき作成された「リハビリテーション計画書」に沿って、リハビリ専門職がリハビリテーション(訓練)を行います。

一方、デイサービスでは、機能訓練指導員(多くは看護師が兼務)が予防・防止を目的に機能訓練を行います。

 料金

リハビリテーションや医療的ケアを提供するための人員配置があるため、デイケアの料金の方が高めに設定されています。

 運営主体

デイケアは、医療機関(病院、クリニックなど)や介護老人保健施設が運営主体であるのに対し、デイサービスは社会福祉法人、NPO法人、株式会社など様々です。

デイケアは、退院したばかりの方や病院で行っていたリハビリを継続したい方、咀嚼・嚥下(噛む、飲み込む)障害があるので訓練したい方などに向いています。

送迎、介護サービス、レクリエーションなどはどちらでも受けられます。

認知症デイサービス(認知症対応型通所介護)

認知症に対してより専門的なサービスを提供しているデイサービスです。

利用するためには、医師から認知症と診断されたうえで要介護1以上であること、また地域密着型サービスなので施設と同じ市町村に住んでいることが必要です。

なお、明らかに認知症の症状がみられる場合は、要支援1〜2の方でも利用することができるので、施設または地域包括支援センターに相談してみるといいでしょう。

認知症デイサービスと一般型デイサービスとの違いは主に次の3つです。

  • 定員人数が少ないため(12名以下)、より手厚いサポートが受けられる
  • 認知症の方に合わせた専門的なサービスを受けられる
  • 地域密着型のため住み慣れた街の中で施設に通ってサービスを受けられる

専門的なサービスの他に、一般型デイサービスと同じように日常生活のサポートなどがあります。

 療養デイサービス(療養通所介護)

療養デイサービスの対象者は、

  • 要介護1~5の認定を受けている方
  • 重度要介護者(難病、認知症、脳血管障害後遺症のある方など)
  • がん末期の方

で、常に看護師による観察や医療的ケアが必要な方です。

医療的ケアとは、医師の指示のもとに行うインシュリン注射、バルーンカテーテルの管理、胃ろうの管理、痰吸引、褥瘡や創部の処置などです。医師が行う治療(医療)行為とは異なります。

一般型デイサービスでは対応が難しい方でも利用できます。

地域密着型サービスであり、定員が18名以下なので柔軟性を持ち、個々のペースやニーズに合わせたサポートが受けられます。送迎、介護サービス、機能訓練など、一般型デイサービスと同様のサポートもあります。

 その他のデイサービス

上記で解説しているほかにもデイサービスは存在するため、一例を紹介します。

リハビリ特化型デイサービス

食事や入浴などの介護サービスは必要ないが、機能訓練を受けたいという方に向いています。

送迎があり、利用時間は3~4時間で、午前と午後に分かれていることが多いようです。介護保険が適用されます。

機能訓練を担当するのは、機能訓練指導員(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、准看護師、柔道整復師、針灸師、あん摩マッサージ指圧師のいずれか)です。

デイケアと異なるのは、「医師の指示に基づいたものではない」という点であり、リハビリという名称はついていますが、行われてるのはあくまで「機能訓練」です。

お泊まりデイサービス

デイサービス施設で日中の介護サービスを受けた後、そのまま宿泊できるというものです。

日中のデイサービスは介護保険が適用されますが、宿泊については保険外サービスなので実費負担となります。

その他に「入浴特化型デイサービス」などもあります。

まとめ/通所する方の状態に合わせたデイサービス選びを

前述の通り、デイサービスには5つの種類があり、通所する方の状態や目的などによって通所するデイサービスを選ぶようにしてください。

特にケアの中身、機能訓練やレクリエーションは施設ごとに特色がはっきりと出る部分です。

「どのようなサポートを受けたいのか」「何を目的(目標)とするのか」「趣味や楽しみは何か」などによって通うデイサービスを選ぶようにするといいでしょう。

もし、デイサービスの雰囲気が合わないなと思ったら、違うデイサービスへ変更することもできるので、ケアマネジャーに相談しましょう。

日々の通所が楽しいと思える場所(施設)があると、「介護を受ける方」「介護をする方」双方にとってのメリット(精神的・身体的な負担の軽減、意欲や自信の回復など)が数多くありますので、相性のいい施設選びをしてください。

デイサービスってなに?

デイサービスとは別名を「通所介護」と言い、介護施設やデイサービスセンターなどに通い、食事や入浴、排せつなどの介助、リハビリテーションやレクリエーションを行うサービスのことです。ほとんどの場合で自宅からの車での送迎サービスが付いており、在宅介護を行っている家族にとって大きな負担軽減になると言えるでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。

デイサービスを利用することによるメリットは?

以下のような点が挙げられます。①定期的に通うことで、閉じこもりを防いだり、生活にメリハリやリズムをつけたりすることができる。②他の利用者や介護職員との交流を通して、孤立感・孤独感の解消や、安心感から情緒的に安定することが期待できる。③機能訓練やレクリエーションに参加することで、日常生活を営むための心身の機能や意欲が維持・改善される。 ④気分転換やストレス発散になる。⑤入浴をはじめとした適切な介護サービスを受けることができる。詳しくはこちらをご覧ください。

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