年を重ねるにつれ体力は衰えていき、高齢になると歩けなくなる方も少なくありません。
緩やかな体力の低下により少しずつ歩けなくなる方もいれば、何かの要因で急に歩けなくなってしまう方もいらっしゃいます。
しかし、実際に歩けなくなってしまう原因が分からなければ介護者としては不安な気持ちを抱えてしまうでしょう。
そこでこの記事では、高齢者が歩けなくなったら考えるべきことや、親の健康と生活の質を維持するための方法について解説します。
【この記事のまとめ】
- 親が急に歩けなくなった場合は、脳神経疾患などの可能性があるためすぐに医療機関を受診すべき。
- 純粋な加齢で親が歩けなくなった場合は、介護サービスの利用を検討しよう。
- 保険適用で介護サービスを利用するには、要介護認定を受けることが必要。
親が急に歩けなくなった場合はすぐに病院を受診すべき
「昨日まで歩いて家事がこなせるほど元気だったのに、急に歩けなくなった…」
このような突然の歩行困難は、深刻な健康問題の兆候である可能性があります。
そのため、迷わずすぐに医療機関を受診することが重要です。
脳神経疾患や筋肉系疾患である可能性も
昨日まで元気だったのに突然歩けなくなってしまう原因としては、脳神経疾患や筋肉系の疾患が考えられます。
高齢者が発症する可能性がある脳卒中やパーキンソン病などの脳神経疾患は、突然の歩行困難を引き起こすことがあります。
また、そのほか筋肉疾患も同様の症状を引き起こすと言えるでしょう。
これらの疾患は早期発見が治療の成功につながるため、親が突然歩けなくなったらすぐに医療機関を受診することが重要です。
病院に連れていくことが難しい場合は救急車も検討
親が歩けなくなった場合、自力で病院に連れて行くことが難しい場合もあります。
そのような場合は、救急車を呼ぶことも検討しましょう。
「意識があるのに救急車を呼ぶなんて迷惑かな…」と思い数日が経ってしまうと、最悪の場合処置が難しくなる可能性があります。
親に急な歩行困難が見られる場合、またはそれに加えて足を痛がる場合などは迷わず救急車を呼ぶことを検討してください。
無理に歩いたり、運動をしたりすると、転倒するリスクがあるのでやめておきましょう。
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親が歩けなくなった原因が純粋な加齢の場合
上記のようなケースを除いて、ほとんどの歩けなくなる原因は加齢による体力の低下と言えます。
高齢者がケガや病気で寝たきりの状態の生活をしていると、筋力が一気に落ちやすくなります。寝たきりの生活は、骨や関節の委縮により歩行する力が落ちてしまうことが多くあります。
その場合、介護サービスの利用や家族との生活方針の話し合いが必要となるでしょう。
本章では抑えておきたいポイントを2つ紹介します。
- 介護サービスの利用を検討する
- 今後の生活方針を家族と話し合う
それぞれについて詳しく解説して行きます。
親が歩けなくなったら①介護サービスの利用を検討する
親が歩けなくなった場合は、介護サービスの利用を検討することが大切になります。
「以前と比べて歩けなくなった」「完全に歩けなくなった」など状態は異なりますので、サービスの選択の際には、ケアマネジャーと状況を共有してください。
介護サービスはさまざまな角度から、家族に強いられる負担を軽減してくれるため、正しい知識を身に着けることが重要と言えるでしょう。
利用できるサービス例
介護サービスには様々な種類があります。歩けなくなると、自宅内の家事なども難しくなってくるケースが多くあります。
例えば、訪問介護は、介護スタッフが自宅を訪れて介護を行うサービスです。
食事や入浴、排泄の介助、掃除や洗濯といった家事の支援など、日常生活のさまざまな面での負担を軽減してくれるでしょう。
また、デイサービスは、親が日帰りで施設等に通って様々な活動や機能訓練を受けることができるサービスです。
食事や入浴のサポートだけでなく、レクリエーションや趣味活動の提供により、親の生活の質を向上が期待できます
これらのサービスは親の状態やニーズに応じて選択することができ、介護者にとって心強い負担軽減となります。
介護サービスの利用には要介護認定を受けることが必要
介護サービスを利用するためには、まず要介護認定を受ける必要があります。
要介護認定とは、親がどの程度介護が必要な状態であるかを示す基準を指します。
認定の申請は市区町村の窓口で行い、親の健康状態や日常生活の様子を詳しく説明することが必要です。
認定結果は「要支援」から「要介護5」までの7段階で示され、これにより利用できるサービスやサービスの範囲が決まります。
要介護認定を受けることは、親が適切なサポートを受けられるようにするための最初の重要なステップと言えるでしょう。
親が歩けなくなったら②今後の生活方針を家族と話し合う
親の歩行困難は介護の負担が発生するという点で家族全体の問題です。そのため、今後の生活方針を家族全員で話し合うことが重要と言えるでしょう。
今後の話し合いは、親はもちろん家族全員の生活の質を担保するために大切なステップです。
家族間で介護の役割分担をするべき
親の介護は特定の一人の負担とするべきではありません。
家族全員で役割を分担することで、負担を軽減し親の介護を無理なく続けることが可能となります。
役割分担は親の日常生活のサポートから、医療機関との連絡、介護サービスの手配まで、さまざまな手続きも含みます。
また家族間での生活の事情やできること・できないことを話し合うことも重要と言えるでしょう。
親の状態やニーズ、それぞれの役割について定期的に話し合うことで、親のケアを円滑に進めることができます。
本人の意思を尊重することも大切
親の介護において、親自身の意思を尊重することは非常に重要です。
親が自分の生活についてどのように考えているのか、どのようなサポートを望んでいるのかを理解することは、親にとっての最低限の尊厳を保つために必要となります。
本人の性格と事業所の雰囲気がミスマッチを起こしたとき、本人は長い時間で苦痛を強いられてしまうかもしれません。
サービスを利用するならどんなところが良いのか、譲りたくないポイントは何なのか、本人と腹を割って話すことは重要と言えるでしょう。
まとめ
昨日まで元気だったのに急に親が歩けなくなってしまった場合は、まずは医療機関を受診しましょう。
加齢による純粋な体力の低下によって歩けなくなった場合は、介護サービスの利用を検討したり、家族間での話し合いを行うことが大切と言えます。
そして、親の介護は家族全員の問題です。親の意向を尊重しつつ、家族全員で介護の役割分担を行い、今後の生活方針を話し合うことが重要です。
親が歩けなくなったとき、子供として何をすべきかを知ることは容易ではありませんが、この記事がその一助となれば幸いです。
「昨日まで歩いて家事がこなせるほど元気だったのに、急に歩けなくなった…」といった突然の歩行困難は、脳神経疾患や筋肉系の疾患の可能性があります。そのため、すぐに医療機関を受診することが重要です。詳しくはこちらをご覧ください。
これからを考えるために2つのポイントを知っておきましょう。①介護サービスの利用を検討する。②今後の生活方針を家族と話し合う詳しくはこちらをご覧ください。