軽費老人ホームとは、全面的な介護は必要ないけれど自立して日常生活を営むのは困難であるという高齢者のための施設です。
名前からも費用が安いことはわかりますが、実際にどの程度の費用で入居することが出来るのかや年齢や年収などの要件をご存じの方は少ないのではないでしょうか?
またしばしば「ケアハウスや養護老人ホームとの違いがよく分からない」という声も上がることも多いです。
そこで今回は軽費老人ホームについてケアハウス・養護老人ホームとの違いをはじめ、メリット・デメリット、対象者から費用まで概要を解説していきます。
軽費老人ホームとは
軽費老人ホームとは、家族などの身寄りのない高齢者や経済的に自宅での生活が困難な60歳以上の高齢者が安価な費用で入居することが出来る施設です。
食事サービスなどを提供している一方で、排せつや入浴介助などの介護サービスは提供していないので、自立から要支援の高齢者を受け入れている施設となります。
社会福祉法人や地方自治体などが運営している福祉施設となるので、比較的費用が安くなっているのが特徴で収入によって毎月の費用も異なってきます。そのため、施設によっては入居待ちが生じていることもある人気の施設となっています。
軽費老人ホームには食事サービスを提供しているA型、食事サービスの提供が無いB型、食事と生活支援サービスのある自立型のC型軽費老人ホーム(別名自立型ケアハウス)、食事、生活支援、24時間体制の介護サービスのある介護型のC型軽費老人ホーム(別名介護型ケアハウス)、最後に都心部にある都市型の5種類があります。
それぞれの特徴について解説していきます。
軽費老人ホームA型
軽費老人ホームA型の特徴は食事サービスの提供のほか、洗濯や掃除などの生活支援、また緊急時の対応サービスがあることです。入居者が要介護認定を受けた場合は退去することになりますが、施設によっては、食事介助や排せつ、入浴などの介助は外部の介護事業者と個別に契約することもできます。介助が必要な方は別途介護事業者との契約が必要です。
入居の対象となるのは自立している60歳以上の高齢者で自炊が難しくなってきた方で、洗濯や掃除などの日常生活の部分的な手伝いが必要な方となります。
軽費老人ホームA型でかかる費用は初期費用がかからず、月額費用としては6~17万円程度かかります。
軽費老人ホームB型
軽費老人ホームB型の特徴としては、食事サービスの提供が無く洗濯や掃除などの日常生活支援、また緊急時の対応サービスがあることです。A型と違って食事サービスの提供が無いため、自炊できる高齢者が入居の対象となることに注意しましょう。
軽費老人ホームA型と同じように、入居者が要介護認定を受けた場合は退去することになります。施設によっては継続を認めてもらえますが、食事介助や入浴、排せつなどの介助が必要な場合は外部の介護事業者と個別に契約する必要があることに注意しましょう。
軽費老人ホームB型の費用は食事サービスの提供が無い分、安価となります。初期費用がかからず、月額費用として3~6万円の費用がかかります。
軽費老人ホームC型(ケアハウス)【一般型】
軽費老人ホームC型は別名ケアハウスとも呼ばれており、中でも一般型の軽費老人ホームC型は食事サービスの提供と洗濯や掃除などの日常生活支援サービス、緊急時の対応サービスがついています。したがって、提供サービスとしては軽費老人ホームA型と近い施設となっています。
軽費老人ホームC型(ケアハウス)は敷金や家賃の前払いとして支払う入居一時金が0~30万円初期費用として掛かる他、月額費用として10~17万円の費用がかかります。
軽費老人ホームC型(ケアハウス)【介護型】
軽費老人ホームC型ケアハウスで、介護型の施設となっているのは「特定施設入所者生活介護」の指定を受けている施設です。食事介助や入浴介助なども含めて24時間体制で介護サービスを受けることが出来ます。
特定施設入所者生活介護とは、個室の広さや介護職員や看護師などの人員配置基準を満たした施設であると自治体が認めた施設となっており、24時間体制で介護を受けることが出来ます。また、自立型ケアハウスや軽費老人ホームA型,B型とは異なり入居対象者は65歳以上、要介護度1以上の方となります。
介護型の軽費老人ホームC型ケアハウスでかかる費用としては、自立型と同じように敷金や入居一時金として数十万円~数百万円万円の初期費用、月額費用として11.7~19.5万円かかるのが一般的となっています。
都市型軽費老人ホーム
都市型軽費老人ホームとは、通常の軽費老人ホームA型~C型と比較して居住面積を狭くするほか、人員配置の基準を緩和することによって費用が高くなりがちな都市部においても安い費用で利用できる軽費老人ホームです。
設立の背景としては、費用が安いことがメリットである軽費老人ホームですが、地価や人件費が高い都市部においてはやはり費用が高くなりがちになるという状況でした。そこで、居住面積や人員配置基準を緩和して都心部の低所得者の方でも入居しやすい施設として設立されたのが都市型軽費老人ホームです。
都市型軽費老人ホームの費用としては、敷金や入居一時金はかからず、月額費用として9万~16万円が相場となっています。
軽費老人ホームは今後ケアハウスに一本化
費用が安く人気の軽費老人ホームですが、A型・B型は1990年以降新設されておらず、これからすべてC型(ケアハウス)へと建て替えられることになります。
理由としては介護サービスが提供できることでC型(ケアハウス)が社会から必要とされたことや、A~C型と様々な名前があったことにより制度が複雑化してしまったことが挙げられます。
したがってこれから軽費老人ホームA型・B型へ入居することは非常に難しく、今後入居を考えるならC型(ケアハウス)がおすすめと言えるでしょう。
次章からは軽費老人ホームC型(ケアハウス)の特徴について、詳しく解説して行きます。入居を検討している方も、是非参考にしてみてください。
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軽費老人ホームC型(ケアハウス)のメリット・デメリット
まずは、軽費老人ホームC型(ケアハウス)のメリット・デメリットを解説します。
軽費老人ホームC型(ケアハウス)の4つのメリット
軽費老人ホームC型(ケアハウス)のメリットとしては、以下の4つが挙げられます。
- プライバシーが確保されている
- 生活の自由度が高い
- 低価格で生活サポートを受けられる
- 介護型ケアハウスなら介護度が重くなっても入居し続けられる
プライバシーが確保されている
軽費老人ホームC型(ケアハウス)のメリットとして1つ目に挙げられるのは、居室が一人一部屋となっているため完全プライベートの空間で生活できることです。
入居することで、いきなり共同生活を始めることに戸惑うことがあるかもしれません。
同じように公的な立ち位置の特養(特別養護老人ホーム)や老健(介護老人保健施設)は、個室はあるものの、2~4人が相部屋の多床室の形式をとっているところが多くなっています。
それに対し、軽費老人ホームC型(ケアハウス)は基本的に入居者全員個室となっており、プライベートな空間が確保されています。
間仕切り用の家具などによって仕切られている準個室や、夫婦そろって生活できる2人部屋のある施設もありますが、どちらにしても多床式よりはプライベートが守られていると言えるでしょう。
レクリエーションが充実している
軽費老人ホームC型(ケアハウス)ではプライバシーが守られている一方で、入居者同士の交流を図るレクリエーションが盛んに行われています。
個室の外にある共有スペースでは、談笑したり、将棋や囲碁をしたり、ほかの入居者と楽しく過ごすことができます。
これはほかの介護施設も同じですが、クイズ大会やカラオケなどのイベントも定期的に行われているところが多いです。
入居前は一人暮らしで孤独を感じていた人も、軽費老人ホームC型(ケアハウス)に入居することで、気の合う人や同じ趣味の人とコミュニケーションをとり、生き生きと過ごす人もたくさんいるのです。
ほかの人とのコミュニケーションは、生きがいに繋がるだけでなく、心身機能の低下や認知症の予防にも繋がります。
低価格で生活サポートを受けられる
低価格で生活のサポートが受けられる点は、軽費老人ホームC型(ケアハウス)のメリットです。
ケアハウスでは食事の提供から洗濯や入浴のサポート、着替えの補助などさまざまなサポートが受けられます。
生活支援が受けられる施設は他にもありますが、軽費老人ホームC型(ケアハウス)の場合は低価格である点が大きな魅力です。
少額のコストで幅広い生活サポートを受けられるため、経済状況に不安がある人でも利用しやすいサービスといえます。
介護型ケアハウスなら介護度が重くなっても入居し続けられる
軽費老人ホームC型(ケアハウス)の介護型では、重度の要介護度になっても入居し続けられる点が大きなメリットと言えるでしょう。
介護型の場合はサービス内容に介護サービスが含まれているため、要介護度1~5の人まで利用できます。
高齢者向けの施設では、重度の要介護度になると退去を求められることもありますが、介護型ケアハウスならこの心配がないことは大きなメリットでしょう。
また、施設によっては看取りに対応していることもあるため、終のすみ家が得られることも、介護型ケアハウスの魅力です。
軽費老人ホームC型(ケアハウス)のデメリット
軽費老人ホームC型(ケアハウス)のデメリットとしては、以下の4つが挙げられます。
- 待機期間が長い
- 一般形では介護度が上がると退去を求められることもある
- 共同生活になじみにくいと感じる人もいる
待機期間が長い
軽費老人ホームC型(ケアハウス)のデメリットとしてまず挙げられるのは、待機期間が長いことです。
軽費老人ホームC型(ケアハウス)は、有料老人ホームなどに比べて格段に費用が安いため、非常に人気が高い施設となっています。
そのため、すぐに入居することができず、長ければ1年程度の待機期間が必要になります。
急を要する場合は、待機期間中にほかの介護施設の検討を視野に入れなければなりません。
一般形では介護度が上がると退去を求められることもある
一般型のケアハウスの場合は、重度な医療や介護のケアが必要な人だと退去を求められたり、そもそも入居できなかったりする場合があります。
介護サービスがない一般型のケアハウスは、自立した人から軽度の要介護度の人を対象にしています。要介護3以上の方は利用するのが難しくなります。
外部のサービス事業者と契約して介護ケアを受けることは可能ですが、これだけではケアに対応しきれない場合は、入居の条件から外れてしまうことは理解しておきましょう。
共同生活になじみにくいと感じる人もいる
入居者の年齢が高い傾向にあるC型(ケアハウス)では、年齢差によって入居者となじみにくいと感じる人は少なくありません。
特に60歳前半で入居した人は、周りが自分の年齢以上の高齢者ばかりで、コミュニケーションに問題を感じてしまうこともあります。
また、そもそも共同生活自体が苦手という人は、C型(ケアハウス)の利用には向かない可能性があるため注意が必要です。
個室でプライバシーや個人の空間は確保しやすいものの、レクリエーションは豊富で入居者同士で交流する機会も多く、これをデメリットに感じてしまう人もいます。
軽費老人ホームC型(ケアハウス)の入居条件
続いては軽費老人ホームC型(ケアハウス)の入居条件を、一般型と介護型に分けて詳しく解説していきます。
一般型ケアハウス|自立している事が前提
一般型ケアハウスへ入所する場合には、以下の条件を満たす必要があります。
- 60歳以上
- 身体機能の低下などが理由で自立した日常生活を送ることが困難
- 家族による支援が困難
- 介護や医療ケアを積極的に必要としていない
- 要介護度は2程度まで
一般型は、生活支援サービスを受けながら生活する場のため、ある程度自立していることが前提条件になります。
そのため、原則として介護や医療ケアを必要とする要介護3以上の方は入所ができません。なお、利用に当たっての所得制限は設けられていません。
介護型ケアハウスの場合|要介護でも申し込みできる
介護型ケアハウスへ入所する場合には、以下の条件を満たす必要があります。
- 65歳以上
- 要介護度1以上
介護型は、介護サービスが受けられるため、介護度に指定のない自立型よりも入所条件が厳しいです。
その分、要介護2以上の方や、軽度の認知症の方でも入所が可能となっています。なお、一般型と同様に利用する際の所得制限は設けられていません。
認知症や生活保護でも入居できる?
軽費老人ホームC型(ケアハウス)は自立した高齢者を対象としていてかつ共同生活を営む施設となっているので、認知症を患っている方の入居はできないのが一般的です。
ただし、介護型ケアハウスの場合は軽度の認知症であれば入居することが可能となっています。
また、生活保護を受給している方の場合は生活保護として支給される各種扶助の支給限度額内で収まれば、生活保護を受給していても軽費老人ホームに入居することは可能となっています。
施設によっては生活保護を受給している方向けの居室を用意している施設もあるので、生活保護を受給している方はお近くの地域包括支援センターなどの窓口にて入居できる施設が無いか相談してみましょう。
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軽費老人ホームC型(ケアハウス)の費用
続いては軽費老人ホームC型(ケアハウス)の費用について紹介していきます。
まずは一般型と介護型それぞれの比較表をご覧ください。
C型(一般型) | C型(介護型) | ||
---|---|---|---|
初期費用 | 入居一時金 | 0~30万円 | 数十万円~数百万円 |
月額費用 | 居住費(賃料+管理費) | 6.0~8.0万円 | 6.0~8.0万円 |
食費 | 地域区分によって異なる | ||
介護サービス費※ | ※利用した分のみ | 1.7~2.5万円 | |
合計 | 7.9~16.1万円 | 11.7~19.5万円 |
続いてそれぞれの軽費老人ホームそれぞれのタイプの費用について詳しく解説していきます。
一般型ケアハウスの費用
一般型ケアハウスでは、初期費用として敷金や家賃の前払い金である入居一時金が掛かります。
施設によって費用相場が異なりますが、0~30万円が目安とされています。
一般型ケアハウスでは家賃・管理費などの居住費用は施設ごとに定められており、生活支援費用は事務費用として収入毎に定められています。
また、食費などの生活費は自治体の長によって基準額が定められているため都道府県ごとに基準額が定められています。
以下は東京都の軽費老人ホームC型でかかる年収ごとの費用一覧となります。
事務費用 | 生活費 | 居住費(家賃・管理費) | 合計 | |
---|---|---|---|---|
1,500,000円以下 | 10,000 | 43,700※ | 23,116※ | 76,816円 |
1,500,001円~1,600,000円 | 13,000 | 79,816円 | ||
1,600,001円~1,700,000円 | 16,000 | 82,816円 | ||
1,700,001円~1,800,000円 | 19,000 | 85,816円 | ||
1,800,001円~1,900,000円 | 22,000 | 88,816円 | ||
1,900,001円~2,000,000円 | 25,000 | 91,816円 | ||
2,000,001円~2,100,000円 | 30,000 | 96,816円 | ||
2,100,001円~2,200,000円 | 35,000 | 101,816円 | ||
2,200,001円~2,300,000円 | 40,000 | 106,816円 | ||
2,300,001円~2,400,000円 | 45,000 | 111,816円 | ||
2,400,001円~2,500,000円 | 50,000 | 116,816円 | ||
2,500,001円~2,600,000円 | 57,000 | 123,816円 | ||
2,600,001円~2,700,000円 | 64,000 | 130,816円 | ||
2,700,001円~2,800,000円 | 71,000 | 137,816円 | ||
2,800,001円~2,900,000円 | 78,000 | 144,816円 | ||
2,900,001円~3,000,000円 | 85,000 | 151,816円 | ||
3,000,001円~3,100,000円 | 92,000 | 158,816円 | ||
3,100,001円以上 | 全額負担 | 66,816円+事務費用 |
※ 東京都の23区の生活費となります。都下の場合は43,700円となります。
ここでは一般財団法人日本総合研究参参考: 軽費老人ホームのサービス提供に要する費用の基準等のあり方に関する調査研究事業」より居住費の平均費用が23,116円であるため、以下の一覧表でも居住費は23,116円として計算しています。
介護型ケアハウスの費用
介護型ケアハウスの費用としては、自立型と同じように敷金や家賃の前払いとして入居一時金が数十万円~数百万円程度かかります。
次に月額費用としては、施設ごとに定められている居住費、市区町村ごとに定められている食費などの生活費に加えて、24時間体制の介護でかかる介護サービス費用が発生します。
要介護度ごとに介護サービス費用は定められており、以下のように介護サービス費用が掛かります。
区分 | 利用介護保険報酬 | 自己負担額(1割) | 自己負担額(2割) | 自己負担額(3割) |
---|---|---|---|---|
要介護1 | 161,400 | 16,140 | 32,280 | 48,420 |
要介護2 | 181,200 | 18,120 | 36,240 | 54,360 |
要介護3 | 202,200 | 20,220 | 40,440 | 60,660 |
要介護4 | 221,400 | 22,140 | 44,280 | 66,420 |
要介護5 | 242,100 | 24,210 | 48,420 | 72,630 |
介護サービス費用の自己負担額を加えた毎月の費用としては、11.7~19.5万円が費用相場となります。
年金だけで費用は払える?
軽費老人ホームC型(ケアハウス)の費用を年金だけで払うことは、難しいと言えるでしょう。
というのも、2020年の平均国民年金受給額は5万6252円とされています※。
それに対して前述のとおり軽費老人ホームC型(ケアハウス)は、最低でも7.6万円以上の生活費がかかるため、年金の受給額が平均よりも多い方でなければ難しいことが分かるでしょう。
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軽費老人ホームC型(ケアハウス)の提供サービス
軽費老人ホームC型(ケアハウス)で提供している主なサービスは以下の4種類です。
- 食事サービス
- レクリエーション
- 生活支援サービス
- 緊急時の対応
それぞれのサービス概要について紹介していきます。
食事サービス
軽費老人ホームC型(ケアハウス)で提供しているサービスとして一つ目に紹介するのは、食事サービスです。
軽費老人ホームは自立から要支援の方が対象となる施設となっているので比較的自由度が高く、日によって食事を抜くなどももちろん可能です。
ただし、食費としては毎月定額でかかることが一般的なので提供されていない分も含めて請求されることには注意しましょう。
レクリエーション
軽費老人ホームC型(ケアハウス)では食事サービスに加えてレクリエーションなどのサービスが充実していることも特徴の一つです。
例えば季節の行事としてクリスマス会や節分などの行事を楽しむことが出来るため入居者同士の関係性を構築しやすいのが特徴となっています。
生活支援サービス
軽費老人ホームC型(ケアハウス)の提供サービスの3つ目は洗濯や掃除、その他家事などの生活支援サービスです。
生活支援サービスは食事介助などの介護とは違い、生活するうえで必要な洗濯や掃除などの日常生活の支援にとどまることに注意しましょう。
しかし、介護型ケアハウスの場合は介護サービスの提供が行われており、介護度が上がった場合も安心の環境であることが魅力となっています。
緊急時の対応
軽費老人ホームC型(ケアハウス)では緊急時の対応、見守りや安否確認サービスも提供しています。
共同生活を営んでいるので食事やレクリエーションなどのタイミングで本人の体調に問題ないか見守ってくれるため、一人暮らしよりも安心して生活することが出来るのが特徴です。
スタッフが24時間常駐しているので、夜間にトラブルが発生した場合もすぐに対応できるのが軽費老人ホームの特徴と言えるでしょう。
軽費老人ホームC型(ケアハウス)の設備
軽費老人ホームC型(ケアハウス)の設備は厚生労働省によって基準が定められており、原則として居室の他に談話室や食堂・調理室、浴室・洗面所・トイレ、面談室など生活に必要な設備はほとんど整っています。(参考:厚生労働省「○軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準」)
また、高齢者の住まいのため完全バリアフリー化されているのも特徴で、居室は一人一室与えられるのが特徴となっています。夫婦二人で入居する場合は二人部屋に入居することが出来るのも特徴の一つとなっています。
上述したように軽費老人ホームC型(ケアハウス)は比較的生活の自由度が高いのが特徴で、外出や外泊なども自由にできる施設が多く、ご家族やご友人との外食や旅行をすることも可能です。
軽費老人ホームC型(ケアハウス)入居の手続き方法
軽費老人ホームC型(ケアハウス)に入居する際の手続き方法としては、以下の4ステップあります。
- 申込書の提出
- 面談の実施
- 住民票などの必要書類の提出
- 契約
それぞれの流れについて紹介していきます。
まず、軽費老人ホームC型(ケアハウス)への入居を考えている場合はまずは入居する予定の軽費老人ホームC型(ケアハウス)に直接入居申込書を提出します。
入居申込書を提出した後は、介護の必要性、集団生活への対応状況について確認するための面談が実施されます。介護度や本人の状態の他、資産状況などをヒアリングされます。
面談にて問題が無ければ、住民票や健康診断書、収入によって費用が変わるため所得証明書などの必要書類を提出します。
その後書類や資産状況などに問題が無ければ、施設と契約し入居となります。入居の際は施設によっては連帯保証人が必要となる場合もあるため注意しましょう。
軽費老人ホームC型(ケアハウス)に関するよくある質問
最後に、軽費老人ホームC型(ケアハウス)にまつわるよくある質問を紹介していきます。費用は安くできるのかや入居待ちなどについて回答していきます。
費用は安くすることはできる?
軽費老人ホームの費用は「高額介護サービス費」という費用の軽減制度を利用することで、費用を安くすることが出来ます。
高額介護サービス費とは、軽費老人ホームで外部の介護事業者と個別に契約し介護保険サービスの自己負担額を支払っている場合に、世帯の所得によって決められた負担上限額を上回る支払いがあった場合は超えた分を払い戻してもらえる制度です。
所得区分と負担上限額は以下の表のとおりです。
区分 | 負担の上限額(月額) | |
---|---|---|
市町村民税課税世帯 | 課税所得690万円(年収約1160万円) | 140,100円(世帯) |
課税所得380万円(年収約770万円)~課税所得690万円(年収約1160万円)未満 | 93,000円(世帯) | |
市町村民税課税~課税所得380万円(年収約770万円)未満 | 44,400円(世帯) | |
市町村民税非課税世帯 | 合計所得金額と課税年金収入額の合計が80万円を超える方 | 24,600円(世帯) |
・合計所得金額と課税年金収入額の合計が80万円以下の方・老齢福祉年金を受給している方 | 24,600円(世帯)
15,000円(個人) |
|
生活保護を受給している方 | 15,000円(世帯) |
軽費老人ホームを利用していて外部の介護事業者と個別に契約している場合や、介護型ケアハウスに入居していて介護サービス費用が掛かっている場合は高額介護サービス費を利用して払いすぎた分を払い戻してもらいましょう。
他の施設との違いはどこにある?
軽費老人ホームC型(ケアハウス)は、同等の介護度の入居者を受け入れている他の施設と比べて、費用や認知症の受け入れ状況はどのようになっているのでしょうか。
以下の一覧表は軽費老人ホームC型(ケアハウス)を検討している方の選択肢となる住宅型有料老人ホーム、サ高住、シニア向け分譲マンションと軽費老人ホームの比較表となります。
運営 | 名称 | 要介護度 ※1 | 初期費用(入居一時金・敷金) | 月額利用料 | 負担軽減 | 認知症の受け入れ | 看取り対応 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
民間 | 住宅型有料老人ホーム | 自立~中度 | 0~数千万円 | 10~40万円+介護費用 | × | △ | △ |
民間 | サ高住(サービス付き高齢者向け住宅) | 自立~中度 | 0~数十万円 | 8~20万円+介護費用 | × | △ | △ |
公的 | 軽費老人ホーム | 自立~中度 | 0~数百万円 | 8~20万円+介護費用 | ◎ | △ | △(介護型) |
民間 | シニア向け分譲マンション | 自立~中度 | 数千万~数億円 | 10~30万円+介護費用 | × | △ | × |
上記の表よりやはり民間企業が運営している施設である住宅型有料老人ホームは自立~中度の方を対象としている中では費用が高いのが特徴で認知症や看取り対応は軽費老人ホームと同様に受け入れている施設が少ないのが特徴です。
また、サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)も同様に民間施設のため費用が高いのが一般的です。ケアハウスとサ高住の違いを詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
軽費老人ホームについてのまとめ
軽費老人ホームとは、自立した60歳以上の高齢者で経済的な事情などで家庭での生活ができない方の受け皿となる施設です。
もともとはA型・B型・C型と言うように種類が分かれていましたが、今後はC型(ケアハウス)に一本化されることになります。
A型・B型は建て替えが行われることから新規での入居は難しいため、これから入居を考えるのならばC型(ケアハウス)がおすすめと言えるでしょう。
ケアハウスは費用が安い他、掃除などの家事の手伝いも提供されているので一人暮らしに不安がある方にはやはりうってつけの施設となっています。
ケアハウスをお探しの際には全国の老人ホームの紹介窓口となっているケアスル介護の相談窓口より問い合わせしてもらうことで、あなたにピッタリの施設を紹介することが可能なので、ぜひご利用ください。
軽費老人ホームとケアハウスは、大きな意味で同じ介護施設と言えます。詳しく言えばケアハウスは「軽費老人ホーム」のなかの一種で、入居条件や利用ニーズによってA型、B型、C型に分かれたうちの、C型を指す名称です。詳しくはこちらをご覧ください。
軽費老人ホーム自体がなくなるのではなく、これからは介護サービスが提供可能なC型(ケアハウス)に一本化されることになります。したがって現存している軽費老人ホームはほとんどがC型のケアハウスであると言えるでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。