近い将来、介護は特別なことではなく、日常において当たり前のことになるでしょう。しかし、高齢者が増える一方で少子化も深刻化し、介護施設などでの人材不足や、老々介護という問題が起こっているのが現実です。
また、今すぐ介護を始めなければならない人、またこれから介護をする必要が出てくる人であっても、介護について勉強する時間がない場合も多いのです。今回は、そんな介護技術を習得したい人におすすめの動画について、メリットや活用方法も合わせて見ていきましょう。
介護技術を習得したい人におすすめの動画
介護を始めるにあたって、基本的な介護技術を知っておく必要があります。
はじめに、介護技術の無料動画を紹介します。プロの講師が解説しているのでわかりやすく、スマホやタブレットでさくっと視聴することができます。自分に合った動画を探してみましょう。
みんなの介護ちゃんねる
ベッドから車いす、車いすから自動車といった移乗介助や、おむつ交換などの排せつ介助、麻ひがある人への食事介助など、日常的に参考になる介護の方法を動画で詳しく解説しています。
たとえば、移乗介助だけでも24体もの動画があり、片麻ひの人や腰痛のある人など、様々な身体状態のパターンを観ることができます。また、レクリエーションや体操も紹介しているので、認知症予防や転倒防止にも役立てます。
猫のオリジナルキャラクターが出てくるので、堅苦しくなく楽しく観ることができます。在宅介護をしている人だけでなく、介護職の研修で使いたい人にもおすすめです。
明治安田生命グループ MY介護の広場
明治安田生命グループの明治安田システム・テクノロジー株式会社が運営している、介護現場のプロ講師による介護技術動画です。寝返りや清拭の介助など、具体的なシーンに細分化されて紹介されているので、ピンポイントで必要な動画を探しやすくなっています。
また、スマホやタブレット向けに工夫されているので、介助のポイントがまとめられている上に、文字や映像がはっきり見え、理解しやすくなっています。
動画以外にも、お年寄りのためのセラピーや口くうケアなど、介護に役立つほかのコンテンツもあるので、サイトを見るだけでも勉強になります。
湘南国際アカデミー 介護技術動画
湘南エリアを中心に10校展開している、湘南国際アカデミーの講師による動画です。ボディメカを利用した体位変換の動画など、実際の学校の講座で行っていることを動画を通して学ぶことができます。
ボディメカとは、「ボディメカニクス」の略で、本来持っている身体の機能を使うことで負担をかけないように行う介護技術のことです。介護をする人自身の体勢も、ポイントをわかりやすく紹介しているので、現場でもすぐに使うことができるでしょう。
介護テレビ 動画でわかる初めての介護
全国に教室を展開している、介護・福祉の資格取得スクールの未来ケアカレッジが制作している動画です。基本的な介護の仕方から、衣食住や買い物といった介護の生活支援や、薬や病名などの知識まで、介護にまつわる様々な情報を動画で確認することができます。
介護=移動の手助けと思いがちですが、たとえば介護食のレシピや見守りセンサーの紹介など、介護を必要とする人と一緒に暮らす上で役に立つ情報が満載なので、どのような手順で介護を始めたらいいかわからないという人におすすめです。
また、介護福祉の様々な資格についても、取得方法や取得後の職業を紹介しているので、将来介護福祉の仕事をしたいと思っている人も必見です。
介護技術動画 ふくくる
介護技術動画が100本以上見放題になっています。移動介助、更衣介助、排せつ介助などたくさんのジャンルの中から必要な動画を探すことができます。動画の視聴ランキングもあるので、はじめに何を観たらいいかわからないという人もとっかかりをつかみやすいでしょう。
サイトの構成も検索しやすく、動画時間がぱっと見でわかるので、何よりもわかりやすいのがいいという人におすすめです。
介護現場のプロ講師が初心者にもわかりやすく解説しているので、介護現場での技術の平準化や、教育の効率化に役立てられています。もちろん、在宅介護を行っている人も自信をもって介護を始めることができます。
ニチイの介護サイト 知っておきたい家庭の介助
医療や介護の人材教育や、家事代行サービスを展開している企業が配信している動画です。介護職員初任者研修講座で学ぶ介護実技の一部で、介護が必要となる前に知っておきたい初心者向けの知識をわかりやすく紹介しています。
動画以外にも、在宅や仕事現場での介護事例の記事も載っているので、介護をするシーンをイメージしやすいでしょう。また、ボディメカニクスの基本や活用例、転倒防止の福祉用具などが文章でまとめられているので、こちらも参考になります。
ピッタリの施設をプロが提案
どこでも学べるおすすめ介護研修オンライン動画サービス
忙しい人には、オンラインでいつでもどこでも受講可能なオンライン動画サービスがおすすめです。
移動しながら視聴できるEラーニングや、どこまで進んでいるか確認できる進捗管理のサービスを行っているところもあるので、習得するまでじっくり勉強することができます。
メディアパスアカデミー介護 オンライン動画研修システム
1,700以上の施設で導入されている動画研修システムで、2,000本以上の研修動画を観ることができ、3万人以上の介護士が受講しています。英語・中国語・ベトナム語・ミャンマー語・インドネシア語・ロシア語といった多言語に対応していたり、サポートデスクで困ったことを相談できるサービスがあります。
また、受講カリキュラムも一覧化されているので、介護技術を習得するまでの所要時間や進捗が確認しやすいのが特徴です。働き始めで研修する時間がない新人スタッフでも、動画で介護技術を向上していくことで、離職の抑制につながっているという声も上がっています。
料金は、基本料金が年間60,000円+20ライセンス年間48,000円です。まずは、30日間お試しが無料です。また、サンプルを観ることができるので内容を事前に確認することができます。
けあすた公式ウェブサイト 介護職向け研修e-ラーニング
厚生労働省推奨の講座で、介護事業所向けの14の必要研修項目を網羅しています。そのほか、介護の資格取得の応援講座、介護職員のスキルアップ講座など、約900本の動画を観ることができます。
また、専用のシステムで、新人向けや管理者向けなど、受講者に合わせた研修計画を作成できます。施設や個人の受講状況をすぐに確認できるので、管理しやすいのも嬉しいポイントです。
料金は1ライセンス×60,000円/年です。1週間の無料お試しや、詳しい資料請求ができます。
お茶の水ケアサービス学院 ネット配信
福祉用具専門相談員のお茶の水ケアサービス学院が開催している、介護従事者向けの研修をネットで配信するサービスです。2,300事業所で23,000人以上に活用されています。
介護技術はもちろん、接遇や緊急時対応まで、介護施設などで働く上でのマナー全般を学ぶことができます。グループワークも行える内容なので、研修担当者も助かります。もちろん、在宅介護でも本格的な内容を勉強したい人には最適です。
2020年9月30日申し込み分まで1アカウント年間42,500円で、同一時刻のログインでなければいつでも何名でも利用可能です。また、事前に研修動画のサンプルを観れたり、パンフレットをダウンロードできます。
E care labo(イーケアラボ)
プロの講師による、約480本の介護サービス研修動画が閲覧できます。内容は利用者からの希望をヒアリングして、追加されていく予定です。
みるだけプランなら1アカウント49,800円/年。eラーニングプランなら1パック180,000円/年で、動画視聴だけでなく受講指示や受講履歴・報告書の取りまとめが可能です。
サンプル動画、講師紹介、FAQなどで事前に確認でき、また契約後も初回2ヶ月以内の解約であれば全額返金されます。
NAIバイリンガルサポート 動画でOJT〔介護〕(eラーニング)
英語、中国語、ベトナム語、ミャンマー語の字幕付きで、日本人だけでなく外国人の研修にも最適な動画です。
動画を観たあとに、択一正解式のテスト問題が出題され、4問のうち3問正解で合格となります。また、合わせて介護動作達成度チェックシートを活用することで、きちんと習得できているか確認することができます。
3ヶ月見放題の法人契約で、1アカウント550円/月。まずは、1週間無料お試しで、100動画を視聴可能です。また、よくある質問で事前に疑問を解消できます。
介護動画研修システムのメリット
介護動画研修システムが、大変便利なものであることを既に実感している人もいるかもしれません。ここでは、介護動画研修システムのメリットを見ていきましょう。
いつでもどこでも受講できる
動画を視聴する最大のメリットは、いつでもどこでも受講できることではないでしょうか。
研修会場に出向く必要もなく、時間も決まっていないので、忙しい人でも自分の好きなタイミングで受講することができます。近くに研修会場がないという人や、介護を学びたくても子育てや仕事などで研修を受けられなかったという人にもおすすめです。
研修費用のコストダウンが可能
講師を呼んで研修をしようとすると、会場の手配から人件費まで多くのコストがかかってしまいます。動画研修システムを導入すれば、外部研修にかかる費用を大幅に削減することができます。
また、動画数が多く内容が充実しているので、1回研修を受けるよりも一気にたくさんのことを学べて、コストパフォーマンスも高いといえるでしょう。
技術の習得を平準化できる
わかりやすくポイントにまとめられているので効率的に習得できる上に、実践でつまづいた時には何度も見返して確認することが可能です。そのため、技術の習得が偏ることなく、すべてのスタッフの技術力向上が期待できます。
きちんと習得できているか確認するための、テスト機能やチェックシートがついている研修もあるので、上手く活用しましょう。
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介護動画の活用シーン
介護動画は、介護技術を学ぶだけでなく、ほかにも活用することができます。ここでは、介護動画の活用シーンについて見ていきましょう。
老人ホームに見学に行く前の情報収集
老人ホームなどの介護施設が配信している動画を観れば、外観や内装、スタッフや設備など、実際の様子がわかるので、介護施設の見学前に情報収集したいという人にはおすすめです。
また、介護施設で行っている介護技術について学ぶことで、家でも活用することができるので、一貫性をもって介護することができますね。
職員教育や自己学習
介護施設の場合、施設内に教える人がいなかったり、定期研修がマンネリ化していたりすることがあるので、効果的に職員を教育することができます。
また、在宅介護などで自己学習をする場合にも、根拠を持って知識を習得したいと考えている人におすすめです。介護食や福祉用具、介護業界の常識も日々変化しているので、最新の情報を知ることができます。
介護動画を介護の勉強に役立てよう
今回は、介護初心者の人が、少しでも介護に対する不安や疑問が解消できるよう、幅広い種類の動画を紹介しました。自分に合った介護動画を選んでみることをおすすめします。
配信サイトやシステムを絞って勉強するのも良し、いくつか平行して勉強するのも良し、焦らずマイペースに勉強しましょう。
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