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  • 【公開日】2022-12-13
  • 【更新日】2025-02-25

要介護4と5の違いは?違いが生まれるポイントから介護保険サービスの違いまで解説

要介護4と5の違いは?違いが生まれるポイントから介護保険サービスの違いまで解説

要介護認定を受けた方の中には「要介護4の認定を受けたけれど、要介護5と利用できる介護保険サービスに違いはある?」「要介護4の認定を受けたけれど、本人の状態を踏まえると要介護5なのではないかと思う」など、要介護4と5の違いが良くわからないという方も少なくないと思います。

そこで本記事では、要介護4と5の状態の違いから違いが生まれる要介護認定のポイント、さらに利用できる介護保険サービスの違いについても解説していきます。

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株式会社スターコンサルティンググループ 代表取締役
専門分野:介護事業経営

株式会社JTBで企業、自治体の海外視察を担当後、大手コンサルティング会社の株式会社船井総合研究所に入社。介護保険施行当初、自ら介護事業に特化したグループを立ち上げ、マネージャーとして勤務。その後、介護サービスに特化したコンサルティング会社「株式会社スターコンサルティンググループ」を立ち上げ、専門家集団として活動している。サポート領域としては、介護施設の開設から集客(稼働率アップ)、採用、教育研修システム・評価制度の導入、DX化などを幅広く支援。「日本一」と呼ばれる事例を、数々生み出してきた。コンサルティング実績500法人以上、講演実績700回以上。また「ガイアの夜明け(テレビ東京)」など、テレビ、新聞、雑誌の取材も多い。詳しくはこちら

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要介護4と5の違い

要介護4と5の違いは、主に身体状態と意思疎通の可否の2つです。

身体状態については、どちらも基本的には寝たきりの状態ではありますが、要介護4ではわずかに自力でできることがあるのに対し、要介護5になると自力で行えることがほとんどない状態となります。

また、要介護4は一定の意思疎通が可能であるのに対し、要介護5では意思疎通が不能となるケースが多くなる傾向にあります。

以下では、要介護4と要介護5の状態、またその違いについて説明していきます。

要介護4の状態

要介護4の状態としては、自力で立つ・歩くなどの基本的な動作を行うことが難しく、座った状態を保ち続けるのも難しい状態と言えます。同時に認知機能の低下も現れ始めるのも特徴となっています。

具体的には、

  • 昼夜問わずに常に日常生活介助が必要な状態
  • 食事、入浴、排泄、着替えなどの日常の動作で全面的な介助が必要
  • 認知機能の低下が見られ、意思疎通が難しくなることもある

などが要介護4の具体的な状態と言えるでしょう。

したがって、要介護3が日常生活動作をスムーズに行うのが難しいという状態であるのに対して、要介護4は常に介助が必要な状態であるという違いがあることがわかります。

要介護5の状態

要介護5は要介護認定でも最も症状の重い状態で、立ち上がって歩くことは難しく一日中寝たきりという方も少なくありません。食事や排せつ、入浴なども自力で行うのは難しいため、日常生活のほぼすべてに介助が必要です。

具体的には、

  • 食事やトイレ、入浴、着替えなどの生活全般での介助が必要
  • 掃除や家事などもほとんどできない
  • 寝たきりの方も多い
  • 全般的な認知機能の低下が見られ、意思疎通が難しくなる

などが具体的な要介護5の状態として見られます。

したがって、要介護4と要介護5の状態の違いとしては、要介護4が日常動作をほとんど行えないという状態であるのに対して、要介護5はほとんど寝たきりで意思疎通が難しいという状態であることがわかります。

要介護4と5の介助時間の違い

内閣府の「令和元年版 高齢社会白書(全体版)」によると、同居している主な介護者の介護時間を比較すると要介護4で最も多いのは45.8%で「ほとんど終日」、要介護5で最も多いのは56.7%で「ほとんど終日」となっており要介護4の方の方が介助時間が長いことがわかります。

ほとんど終日 半日程度 2~3時間程度 必要な時に手を貸す程度 その他 不詳
要介護4 45.8% 8.6% 21.7% 11.5% 7.7% 4.7%
要介護5 56.7% 12.8% 7.9% 3.0% 11.9% 7.7%

以上より、要介護5の方が終日介護が必要という人の割合が多く、上述したように日常生活動作のほとんどで介助が必要であることがわかります。

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要介護4と5の違いが生まれるポイント

要介護4と5の違いが生まれるポイントとしては、要介護認定の際の要介護認定等基準時間によって違いが生まれています。

詳しく解説していきます。

要介護認定等基準時間によって違いが生まれる

要介護4と要介護5は厚生労働省によって定められている要介護認定等基準時間に沿って決められています

要介護認定等基準時間は、訪問調査員が訪問調査をした際に直接的生活介助、間接的介助、問題行動関連行為、機能訓練関連行為、医療関連行為の5つの観点で収集したデータをもとに、特養や介護医療院に入院・入所している3500人の実際の介護時間と照らしてどの程度の介護時間が必要になるのか算出したものとなります。

要支援1 要介護認定等基準時間が25分以上32分未満又はこれに相当すると認められる状態
要支援2

要介護1

要介護認定等基準時間が32分以上50分未満又はこれに相当すると認められる状態
要介護2 要介護認定等基準時間が50分以上70分未満又はこれに相当すると認められる状態
要介護3 要介護認定等基準時間が70分以上90分未満又はこれに相当すると認められる状態
要介護4 要介護認定等基準時間が90分以上110分未満又はこれに相当すると認められる状態
要介護5 要介護認定等基準時間が110分以上又はこれに相当すると認められる状態

(出典:厚生労働省「要介護認定はどのように行われるか」)

そのため、要介護4と要介護5は上述の基準時間が異なっているので、訪問調査及び主治医の意見書を参考にどの程度時間が必要と判断されるかによって違いが生まれる仕組みになっているのです。

なお、「1分間タイムスタディ・データ」と呼ばれる実際の介護施設におけるデータをもとに時間を算出しているので、実際に自宅で行われる介護時間とは異なることに注意しましょう。

違いに納得できない場合は?

要介護4と5の違いが生まれる理由について紹介しましたが、違いに納得することが出来ない場合は不服申し立てもしくは区分変更申請をすることで認定結果を変更することが出来る可能性があります

不服申し立て(介護審査会への審査請求)をすると、要介護認定の再調査依頼をすることが出来るので場合によっては認定結果が変わる可能性があります。

ただし、不服申し立ては2カ月程度結果がわかるまでに時間がかかる可能性があるため、すぐに再申請をしたい場合は区分変更申請をするのも選択肢の一つです。

区分変更申請とは本来ケガや病気の進行で介護度が明らかに変わったと言える場合できる申請手続きですが、納得できない場合は本人の身体状況と介護度があっていない状態と言えるので不服申し立ての代わりに区分変更申請をするのも少なくありません。

要介護4と5の介護保険サービスの違い

要介護4と5で利用することが出来る介護サービスに違いはありません。というのも、要介護4と5はともにすべての介護保険サービスを利用することが出来るからです。

ただし、介護保険施設を利用する際に要介護4より5の方が入所しやすいという可能性はあります。

特別養護老人ホームを例にとると、「優先入所指針」というものがあり、待機者がいる場合には介護者が近くにいなかったり、要介護度が高いなど、優先度が高い方が先に入所できるという制度があるからです。

要介護4・5の方が利用することが出来る介護施設は以下の4種類です。

これらは、自治体が計画し、補助金を出して設置するため、公的な性格が強く、比較的リーズナブルに入所できる人気の施設です。

種類 特別養護老人ホーム 介護老人保健施設 介護療養型医療施設 介護医療院
目的 自宅での生活や介護が難しい、常時介護必要者の受け入れ 機能訓練・リハビリを通じた日常生活の世話 医療管理下における、病状安定期の療養 要介護者への医療・介護・住居の提供
要介護度 3以上 1以上 1以上 1以上
費用 月額9~15万円 月額8~14万円 月額9~17万円 月額9~17万円
認知症
看取り
リハビリ

要介護4と5の間には利用できる介護保険サービスの種類の違いはないので、空室のある老人ホームに入所する場合などはほとんど同じ条件で利用することが出来ると言えるでしょう。

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要介護4と5の区分支給限度基準額の違い

要介護4と要介護5で利用することが出来る介護保険サービスの種別に大きな違いはありませんが、利用できる介護保険サービスの量には違いがあります

具体的には、要介護度ごとに設定されている「区分支給限度基準額」(介護保険による補助を受けて利用できるサービスの上限額)に違いがあるので、軽度よりも重度の方がサービス頻度、量のいずれも多く利用できるようになります。

区分 区分支給限度基準額(単位) 自己負担割合1割の場合(円) 自己負担割合2割の場合(円) 自己負担割合3割の場合(円)
要支援1 5032 5,032円 10,064円 15,096円
要支援2 10531 10,531円 21,062円 31,593円
要介護1 16765 16,765円 33,530円 50,295円
要介護2 19705 19,705円 39,410円 59,115円
要介護3 27048 27,048円 54,096円 81,144円
要介護4 30938 30,938円 61,876円 92,814円
要介護5 36217 36,217円 72,434円 108,651円

※1単位当たり10円として計算した場合
※出典;厚生労働省「区分支給限度基準額について

以上の表のように、要介護4と5では基準となる単位数が異なりますので利用できる介護保険サービスの量が異なることを覚えておきましょう。

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要介護4と5の違いについてのまとめ

ここまで要介護4と5の違いについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。

要介護4と要介護5の状態の違いとしては、要介護4が日常動作をほとんど行えないという状態であるのに対して、要介護5はほとんど寝たきりで意思疎通が難しいという状態となっています。

利用できる介護保険サービスの種類に違いはないものの、利用できる量に違いがあることに注意しましょう。

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要介護4と5の違いは?

要介護4と要介護5の状態の違いとしては、要介護4が日常動作をほとんど行えないという状態であるのに対して、要介護5はほとんど寝たきりで意思疎通が難しいという状態となっています。詳しくはこちらをご覧ください。

要介護4と5の違いが生まれるポイントは?

要介護4と要介護5は厚生労働省によって定められている要介護認定等基準時間に沿って決められています。詳しくはこちらをご覧ください。

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