グループホームのリハビリはどんなもの?目的や内容を徹底解説

グループホームのリハビリはどんなもの?目的や内容を徹底解説

家族が認知症になると、グループホームへの入居を検討される方もいるのではないでしょうか。グループホームに入居しても、できるだけ元気に本人らしく生活して欲しいですよね。

出来ればリハビリをしてもらいたいけど、効果的なリハビリが受けられるのか不安。そんな方のために、本記事ではグループホームで行われるリハビリについて詳しく解説します。

認知症の方の自立した生活をサポートするためのさまざまなリハビリが実施されているので、ぜひ施設探しの参考にしてください。

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認知症対応型共同生活介護ミニケアホームきみさんち 認知症対応型共同生活介護ミニケアホームきみさんち 管理者
所有資格:介護福祉士,介護支援専門員
専門分野:認知症介護
職業: 認知症対応型共同生活介護ミニケアホームきみさんち 管理者

10年以上認知症介護に携わる。全ての人が認知症とともに歩み、支えあう「おたがいさまの社会」を目指して活動している。詳しくはこちら

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グループホームとは?リハビリは利用できる?

グループホームとは、厚生労働省の定義では下記になっています。

認知症(急性を除く)の高齢者に対して、共同生活住居で、家庭的な環境と地域住民との交流の下、入浴・排せつ・食事等の介護などの日常生活上の世話と機能訓練を行い、能力に応じ自立した日常生活を営めるようにするもの。(引用:厚生労働省)

つまり、認知症の方が少人数で共同生活を送る介護施設です。正式な名称は「認知症対応型共同生活介護施設」とも呼ばれ、要支援2以上の認知症の方が入居できます。

つまり認知症の方に向けた共同生活用の施設として運営されています。

そのため、グループホームでのリハビリは生活の維持を主目的と置いています。可能な限り自立した生活が送れるように、生活リハビリが中心です。洗濯や掃除など、日常生活にリハビリを取り入れています。

理学療法士などの専門スタッフの配置義務がないので、身体機能に重点を置いた個別リハビリが出来る施設ではありません。その場合、外部から訪問リハビリテーションを受ける方法もあります。

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グループホームのリハビリのポイント

グループホームでは、実際にはどのようなリハビリをしているのでしょうか。

グループホームは理学療法士や作業療法士などのリハビリ専門スタッフの設置義務がありません。専門スタッフを配置してリハビリに力を入れている施設もありますが、ほとんどが介護職員が担当しています。

ここからは、グループホームで実施されるリハビリについて、目的や頻度を紹介します。

①目的

認知症の方が、可能な限り自分の力で生活を送る施設がグループホームです。環境の変化に敏感な認知症の方が、穏やかに生活できるように、少人数のユニットで共同生活を送ります。リハビリの内容も自立した生活がおくれる状態を目的としています。

認知症に対するリハビリは「進行をゆるやかにする」ことが目的。そのために、認知刺激療法や作業療法などの生活リハビリが実施されています。

また、認知症になると、出来る作業や運動が減ってしまうので本人の自信低下による抑うつ状態になる場合も。そうした尊厳の喪失や不安は抑うつ以外にも、混乱や妄想などを引き起こすことがあります。

これを認知症の周辺症状であるBPSDと言いますが、リハビリにはBPSDを予防する効果もあります。

生活リハビリで出来ることを増やすことで、本人の自信を向上させる効果があります。

②回数や時間

グループホームでは1日のスケジュールはある程度決まっていますが、リハビリに関する規定はありません。なので、リハビリに関しては、回数や時間に決まりがない状態といえます。

また、レクリエーションや散歩など、入居者が拒否する場合には本人の意思が尊重されるので実施はされません。

日常の掃除や散歩、ラジオ体操などがリハビリになるので、リハビリの頻度は高い状態です。しかし、掃除や散歩の回数、内容に関しては施設ごとに異なりますが、生活そのものがリハビリテーションになるという考えに基づいています。

③人員配置

作業療法士や理学療法士などのリハビリ専門スタッフの設置義務がないグループホームでは誰がリハビリを担当するのでしょうか。

グループホームで配置が義務付けられているのは、介護職員・計画作成担当者・管理者・代表者のみです。実は、看護師も設置義務はないとされています。

生活リハビリが中心のグループホームでは、生活そのものがリハビリテーションであり、ご本人自身もリハビリテーションの実施者です。ご本人の想いに基づいて、ご本人と介護スタッフがリハビリを担当します。調理や買い物、体操や散歩、排泄や入浴の中のひとこまでもリハビリを行います。

設置基準は、入居者3人あたり介護スタッフ1名です。なので、5~9人で1ユニットのグループホームでは、日中帯は2、3人のスタッフが配置されている状態です。リハビリが担当できる職員も日中は1〜2名程度と考えてよいでしょう。

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認知症のリハビリの種類

認知症対応のグループホームでは、認知症の進行をゆるやかにし、ご本人の生活の活力や能力を引き出すことが目的ですが、どのようなリハビリがあるのでしょうか。

専門のスタッフや医師がいなくてもできるリハビリは多くあります。グループホームでは、生活の中で生活行為に密着したリハビリをメインで行っています。

ここからは、認知症の進行予防に効果的なリハビリを5つ紹介します。

作業療法

作業療法は、日常生活の中に取り入れやすいリハビリです。認知症の進行を防ぐのはもちろん、身体の機能を維持、向上にもつながります。日常の家事や、折り紙を作る、絵を描くといった作業すべてが当てはまります。

指先を動かしたり、認知行動が必要な動作が脳に刺激を与えることで、認知症の進行を遅らせるのです。

気軽に行えるうえに、家事などを自分でできるので、本人の自信が付く効果も。自信の向上はBPSDの予防にもつながります。

運動療法

運動療法とは、名前の通り散歩やボール運動、ラジオ体操など運動リハビリです。掃除や買い物も運動リハビリになります。身体機能の維持はもちろん、体を動かして血流を良くし、脳に充分な酸素を取り込むことで認知症の進行を予防する効果があります。

また、気分転換にもなるので、抑うつなどのBPSDの予防効果もあります。歩いたり、ストレッチをしたり、簡単な動作が多いので、認知症が進行していても取り入れやすいリハビリです。

認知刺激療法

認知刺激療法とは、五感を刺激して認知症の進行を緩めるリハビリです。足湯などで温かい感触を体感したり、食べ物や花などの匂いで嗅覚を刺激したり、体験を通して感覚を刺激します。刺激が脳を活性化させて、認知症の進行を遅らせる効果があります。

料理で味わいや香りを楽しんだり、季節のイベントで花火を見たり、雪を触ったり、あらゆる体験がリハビリにつながる療法となります。生活に自由と幅があるグループホームではそうした体験をじっくり味わうことができるのです。ただ、認知症の人は脳に疲労がたまりやすく、環境が変わるとストレスを感じるので、あまり強すぎる刺激にはならないように注意が必要です。

回想法

回想法は、昔あった出来事を再体験したり、話をしたりして脳を刺激するリハビリです。会話の中に取り入れられるので、入居者同士の仲を深める効果もあります。会話や人とのつながりは、脳を刺激するので認知症の進行の緩和に効果的なリハビリの一つです。

他人とコミュニケーションを取ることで脳を活性化させるとともに、気持ちを落ち着かせる効果があります。認知症前の思い出や生活、性格が現れる場合もあり、BPSDの軽減が見込まれます。

音楽療法

音楽を鑑賞する方法はリラックス効果を得られる、高齢者に限らず利用されている療法です。リラクゼーションの音楽は気持ちを落ち着かせ、認知症のBPSDの症状の一つであるイライラを和らげる効果があります。

また、童謡や、歌謡曲など、本人の認知機能を刺激して認知症の進行を予防する働きもしているのです。

グループホームで実施されるリハビリの内容

ここまでは、認知症の方に効果的なリハビリについて紹介しました。グループホームでは実際にどのようにリハビリとして取り入れられているのでしょうか。

グループホームでは、集団で行うリハビリと、生活の中で行うリハビリの2種類に分けられます。2種類のリハビリで、認知症対応のリハビリの取り入れられ方を解説します。

①集団で行うもの

共同生活施設であるグループホームでは、さまざまな作業や体験を集団で実施しています。レクリエーションや、季節のイベント、軽い運動などです。

それぞれが認知症の方に効果のあるリハビリに結びついているので、項目ごとに解説します。

作業療法 調理レクリエーション、作品作りのレクリエーションなど
運動療法 散歩、体操、ゲームなどのレクリエーション
音楽療法 音楽鑑賞やボランティアを招いての音楽会
認知刺激療法 花火を見る、歌う、調理など
回想法 入居者同士のグループコミュニケーション

共同生活の中で、調理や掃除、レクリエーションなど集団行動をとることも多いグループホーム。集団でリハビリを実施して、孤独感の解消にもつなげています。

また、ゲームなど集団で行うと、脳が刺激されるリハビリもあります。

②生活中に行うもの

日常生活の洗濯や掃除などは可能な限り自立して行うグループホームでは、生活動作すべてがリハビリにつながります。

実際に日常の動作でどのようなリハビリになっているのでしょうか。

作業療法 洗濯ものをたたむ、食器を拭く、絵を描く、編み物をする
運動療法 掃除をする、施設内を散歩する
音楽療法 居室で好きな音楽をかける、歌う
認知刺激療法 足湯、塗り絵をする
回想法 介護者とのコミュニケーション

介護者や入居者と昔話をするだけでも回想法のリハビリになります。認知症の方は同じことを繰り返し話す傾向にありますが、介護者は認知症の専門職なのでより効果的な回想が期待できます。

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グループホームで個別の訪問リハビリは利用できる?

原則として、グループホームなどの施設では介護保険による外部サービスを受けられません。したがって、介護保険での訪問リハビリは基本的には利用できないことが多いです。

医師が外部サービスを利用して、個別にリハビリが必要だと判断した場合に利用ができます。また、この場合は介護保険ではなく医療保険適用になります。

もし保険適用外の訪問リハビリの利用すると、全額自費での利用になり、高額になる可能性があるので注意が必要です。

グループホームで質の高いリハビリを利用するためには?

専門スタッフの設置義務がないとはいえ、リハビリに力を入れている施設もあります。リハビリの専門職を設置したり、機器を置いている施設など、数は多くありませんがあります。また、外部サービスでリハビリを利用できる場合もあります。

ここからは、生活リハビリや認知刺激療法以外にも機能訓練としてのリハビリを受けたい場合の方法を3つ紹介します。

リハビリに力を入れている施設を選ぶ

看護師や理学療法士などの、機能回復訓練ができる専門スタッフを設置している施設もあります。数は多くないので、担当ケアマネージャーに相談するとよいでしょう。

専門スタッフを配置していなくても、生活リハビリや認知刺激療法などを取り入れたレクリエーションに力を入れている施設もあります。施設見学や代表者に積極的に問い合わせてください。

自己負担で訪問リハビリを利用する

グループホームでは原則として外部サービスのリハビリを個別で利用できません。

しかし医師が必要と判断した場合には利用できます。足の骨折などによる歩行訓練や、マッサージなど、医師から指示が合った場合には施設に相談の上訪問リハビリなどを利用してください。

その場合は介護保険ではなく、医療保険でのサービス利用になります。医師の指示がなく、施設からの許可があってサービスを利用する場合には全額自己負担で利用できる場合もあります。

有料老人ホームへの入所を視野に入れる

近隣にリハビリに特化したグループホームがなく、外部サービスも利用できない場合は有料老人ホームを検討してはいかがでしょうか。

価格は高くなってしまいますが、有料老人ホームは作業療法士や理学療法士などの機能訓練院を1人以上設置する義務があります。

また、自立・要支援1から利用できるので、介護予防目的のリハビリを希望される方も利用できます。

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まとめ|グループホームでリハビリが充実した施設を探そう

グループホームは認知症の進行をゆるやかにしたり、自立した生活を維持したりする為の生活リハビリを中心にしたリハビリを実施しています。

機能回復を目的としたリハビリではなく、専門のスタッフもいないため身体の機能回復を重視する方向けの施設とは言えません。

認知症の方が自分たちらしく、自信を持って生活できる環境を重視する方にはぴったりな施設です。とはいえ、施設ごとにレクリエーションや掃除の頻度、リハビリとしての取り組み方も大きく異なります。充実した生活リハビリを受けたい方は、リハビリとして力を入れている施設をぜひ探してください。

 

グループホームではどんなリハビリが行われる?

作業療法・回想法・運動療法など様々な方法でリハビリが行われます。こちらでそれぞれのリハビリ方法を詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

質の高いリハビリを利用するためには?

リハビリに力を入れている施設を選ぶことが大切です。リハビリに力を入れているかどうかを確認する方法はこちらで解説しているため参考にしてみてください。

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