高齢者のレクリエーションはなぜ必要なのか?効果や種類など解説

高齢者のレクリエーションはなぜ必要なのか?効果や種類など解説

より良い老後を送るには、いかに心身ともに健康でいられるかが重要です。心身の健康を維持する方法はさまざまありますが、その1つとしてレクリエーションがあります。

レクリエーションは高齢者が健康な老後を送るために重要なものであり、介護施設やデイケア、デイサービスなどでも取り入られていますレクリエーションにはどのような効果があるのか、心身への影響や種類などを知り、理解を深めてみましょう。

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認知症対応型共同生活介護ミニケアホームきみさんち 認知症対応型共同生活介護ミニケアホームきみさんち 管理者
所有資格:介護福祉士,介護支援専門員
専門分野:認知症介護
職業: 認知症対応型共同生活介護ミニケアホームきみさんち 管理者

10年以上認知症介護に携わる。全ての人が認知症とともに歩み、支えあう「おたがいさまの社会」を目指して活動している。詳しくはこちら

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高齢者にとってレクリエーションの目的とは

そもそもなぜ高齢者にレクリエーションが必要なのか、取り組む目的を知っておきましょう。高齢者でも無理なく取り組みやすい適切なレクリエーションは、楽しみながら運動や認知能力のトレーニングなどを行えます

そのため、身体的な健康はもちろん、精神的な健康を目指すといった目的もあり、取り組む意味は非常に大きいです。

また、認知機能のトレーニングによって、認知機能に維持や改善だけではなく、本人の自信を取り戻し、より有能な一面を再発見できる点も、レクリエーションならではの魅力です。

運動やトレーニングといっても体に負担をかけるものではなく、楽しみながら取り組めることも重要なポイントです。ゲームや遊びの感覚でできるレクリエーションは、それ自体が楽しみになり、生きがいや生活意欲などにつながることもあるでしょう。

 

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レクリエーションによる3つの効果

レクリエーションに取り組むことで、さまざまな効果が期待できます。レクリエーションによる効果としては、次の3つがあげられます。

  • 脳の活性化のため
  • コミュニケーション能力を低下させないため
  • 身体機能を向上させるため

これらの効果が高齢者の刺激となり、健康的な老後の生活を送りやすくなります。

脳の活性化のため

レクリエーションによって認知機能の向上が期待されるゲームなどに取り組むことで、脳の活性化が期待できます。レクリエーション活動で普段とは違う脳の使い方をすることによって、脳が刺激を受け、認知機能や精神状態が向上することも少なくありません。

脳の活性化により判断力や注意力なども向上し、これによって日常生活でのミスやトラブルを避けることもできるでしょう。そのため、レクリエーションで脳の活性化を促すことは大切であり、クリアな思考を持ち続けることが、健康的な生活を送る第一歩となります。

脳の活性化が認知症の予防につながることも多く、レクリエーションから見込める健康効果は高いです。

コミュニケーション能力を高めるため

レクリエーションは1人ではなく、複数人で行うものが多いです。介護サービスでは利用者同士で交流するものも多く、これによってコミュニケーション能力の維持や向上といった効果も期待できます

高齢者は身体的な老化によって体が動かしづらくなってしまい、これによって外出の機会や意欲が減ってしまうことも少なくありません。社会とのつながりが薄れることでコミュニケーション能力が低下し、これが認知機能を低下させてしまうことも多いです。

人とのコミュニケーションは大きな刺激となり、脳機能の活性化だけではなく、交流が楽しみとなり、生きがいが生まれたり、日々の生活にハリが出たりすることもあります。

また、コミュニケーション能力の向上によって、人付き合いが保たれ、詐欺などのリスクを未然に回避できたり、会話にも積極的になり家族との関係を円満に保ちやすいなどのメリットもあります。コミュニケーション能力は心身ともに健康的な生活を送るためには重要なものであり、その能力の低下が防止できることはレクリエーションの重要な効果といえるでしょう。

身体機能を向上させるため

高齢者向けのレクリエーションには、身体機能を向上させる効果もあります。レクリエーションの種類はさまざまであり、軽い運動をすることもあります。日常生活の動作だけでは運動として不十分なことも多いため、レクリエーションで体を動かすことで、身体機能の維持や向上などの効果が見込めるでしょう。

高齢化によって運動機能が低下することは多く、身体的な健康を損なうだけではなく、体が思い通りに動かせないことで精神的なストレスを抱えてしまうことも少なくありません。

特に体が動かないことで外出が減り、運動量が少なくなってさらに体が動かしづらくなるなど、負のサイクルに陥ってしまうこともあります。身体機能を向上させることで、運動や外出などの意欲もわき、これが日々の生活を送るうえでのハリにつながることも多いです。

意識しないと運動する機会が減ってしまいやすい高齢者だからこそ、レクリエーションで体を動かすことは大切です。

高齢者レクリエーションの種類

高齢者向けのレクリエーションにはさまざまな種類があり、それぞれで特徴が異なります。代表的な種類としては、次のものがあげられます

  • 頭を使うもの
  • 指先を使うもの
  • 体を動かすもの

また、他にもリラックス効果を狙ったものや、認知症の人向けのレクリエーションもあり、種類は豊富です。種類ごとの特徴の違いを知り、どのようなレクリエーションがあるのかを把握しておきましょう。

頭を使うもの

認知機能の維持や向上を目的に、知的作業を含むレクリエーションを行いますこれにはさまざまな種類があり、代表的なものとしては次の3つがあげられます。

  • 計算や漢字などの問題を解くもの
  • パズルやゲームを用いるもの
  • 同時に複数の知的作業や簡単な運動を組み合わせたもの

計算問題や漢字などの問題を解くことで、脳の活性化を行います。100マス計算や簡単な四則演算、漢字の読み書き問題や、クイズ形式で知識を問うものやなぞなぞなど、簡単な問題を短時間に多く解いたり、逆にじっくりと思いだしたり考えたりすることで、脳は活性化され、認知機能の維持や向上に役立ちます。

パズルやゲームも脳機能の活性化に役立ち、ピースの形を考えながら取り組むジグゾーパズルや、囲碁や将棋、トランプなどおなじみのゲームも思考力や判断力の向上につながります。遊び感覚で楽しみながらできるため、ストレスなく取り組めるでしょう。

あんたがたどこさという童謡を歌いながら、「さ」の時だけ手を打つ。赤青黄と3色に塗られた丸と三角と四角の3種の図形を次々と魅せられ、赤の時は図形の名前を、それ以外の色では色の名前を答えていく。実際やってみると難しいものです。このような複数の知的作業や身体作業を同時に行うことをマルチタスクといい、脳を非常に活性化させると言われています。このマルチタスクを取り入れたレクリエーションも人気です。

指先を使う

認知機能や脳機能向上のために、指先を使ったレクリエーションを行うことも多いです。

  • 文字を書く
  • 塗り絵や折り紙などの手遊び
  • 編み物や工作などの手芸

文字を書くことで手先や指先を動かすことができ、これが脳の活性化につながります。写経や名言など文章を書き写すレクリエーションだと、指先だけでなく、文章の読解力や漢字の理解力も向上します。誰かに手紙を書くなど相手をイメージしながら取り組むレクリエーションなら、脳の活性化だけではなく、コミュニケーション能力の向上を目指せることもあるでしょう。

様々な懐かしい手遊びの良いレクリエーションになります。塗り絵をどの色を塗るのか、童心に帰って楽しんだり、折り紙を子供の頃を思い出しながら楽しだり。高齢者には人気のレクリエーションです。指先で細かい動きをすることが、脳の活性化だけではなく、身体機能の向上や維持などにつながります。

編み物や工作などの手芸も人気です。これまでに経験のあるものなら昔取った杵柄として自信をもって楽しめますし、経験がなくとも新しい趣味の発見にもつながります。完成した作品を飾ったり、見せ合ったりする達成感もひとしおです。

体を動かす

身体機能の維持や向上を目的として、体を動かすレクリエーションを行います

  • 体操
  • 踊りやダンス
  • 簡単なスポーツ

身体を使った運動のレクリエーションは日ごろの運動不足を解消しやすいです。また、車椅子の人でも取り組めるようにプログラムを工夫することもあり、誰もが取り組める無理のない運動となっています。理学療法士などの専門職に指導があれば、リハビリテーションとしての効果も高いでしょう。

踊りやダンスは、民謡や童謡など音楽とともに楽しむことで、音楽療法としての一面もあります。小さな太鼓など簡単な楽器演奏を取り入れると、さらに楽しみが深まるでしょう。

楽しさを重視したレクリエーションとしては、風船バレーや玉入れ競争のように、簡単なスポーツを行うこともあります。童心に帰って取り組めることはもちろん、チームで協力しながら行うことでコミュニケーション能力の向上も期待できるでしょう。

体を使ったレクリエーションは、運動不足の解消はもちろん、身体機能の向上や維持、現時点でどれくらい体が動くかの確認なども兼ねています。

リラクゼーション

心身ともにストレスを解消するために、リラックスを目的としたレクリエーションを行うこともありますこれはアロマテラピーや音楽療法、森林浴や日光浴、瞑想などさまざまであり、体を動かすものから、ゆったりと座りながら行うこともあります。

体が思うように動かせない、介護が必要で多くの人に世話をしてもらっているなどは、高齢者のストレスになることも少なくありません。リラックスしてストレスを解消することで、心の内にあるモヤモヤを解消し、心身ともに健康を目指します。

また、リラックスしてポジティブな気持ちになることで、人の役に立てることがあるなど、高齢者に自分の存在意義を思い出してもらうことも重要な目的です。ストレスは大きな負担となりやすいため、リラックス効果を期待したレクリエーションを行うことは大切といえます。

認知症の方のレクリエーション

認知症の人向けの場合もレクリエーションの内容はほとんど変わりませんが、より理解が容易なシンプルな内容で行われることが多いです。レクリエーションの説明などを丁寧に行い、理解度を確かめながら取り組んでいただいたり、問題が解けない、思うように体を動かせないなどがストレスになるため、課題の内容を易しくするなどの工夫が重要なポイントです。

また、認知機能の低下を防ぐために、できるだけ頭を使う内容が多い点も特徴でしょう。認知症の進行を防いだり、予防をしたりするためだけでなく、昔の記憶を振り返り自信を高めたり、心をいやす回想法を取り入れている介護サービスも多いです。

 

レクリエーションが方法な介護施設・老人ホームに入居したい方は、ケアスル介護での相談がおすすめです。

ケアスル介護なら、施設の広さや費用・イベントの有無など、さまざまな条件から自分に合った施設を紹介してもらうことが可能です。

もちろん無料で利用できますので、幅広い施設の中から自分に合ったものを選びたいという方は、ぜひケアスル介護で相談してみてはいかがでしょうか。

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高齢者レクリエーションを行う際のポイント

高齢者が心身ともに健康を取り戻す、あるいは維持するためにレクリエーションは重要なものですが、実施する際にはいくつかポイントがあります

  • 安全の配慮は第一
  • 無理に参加させない
  • 自尊心を傷つけないよう敬意を払う
  • 難しいルールなどは緩める
  • 大きな声ではっきりと進行する

これらのポイントを踏まえていないと、レクリエーションの効果が十分に得られないこともあるため、注意が必要です。

安全の配慮は第一

レクリエーションでけがをしたり、体調を悪化させたりしては元も子もないため、安全への配慮は第一に行わなければなりません。特に運動系のレクリエーションの場合は、高齢者の体に大きな負担をかけないか、けがなどの危険性がないかなどをチェックしておくことが大切です。腰痛など整形外科的な問題がある場合は、医師に相談しましょう。

また、体調不良など、状態が悪いときに行うことも得策ではありません。運動系のレクリエーションは、その人の身体状況や健康状態によって内容を変えることが大切であり、体に負担がかからない範囲で行う必要があります。

無理に参加させない

レクリエーションに取り組むことでさまざまな効果が期待できますが、参加を無理強いすることは禁物です。気分が乗らない、体調が優れないなど万全の状態ではないときに無理に参加させると、それがストレスになってしまうこともあります。

心身機能の向上はもちろん、ストレス解消もレクリエーションを行う重要な目的です。無理に参加させてストレスを溜めさせてしまっては本末転倒であるため、本人の意思を尊重して参加させるかどうかを決めましょう。

自尊心を傷つけないよう敬意を払う

レクリエーションは高齢者の自尊心を傷つけないことが大切であり、行動や言動、レクリエーションなどの内容は高齢者に敬意を払ったものにしましょう。あまりにも子ども向けの内容でレクリエーションを行ったり、子ども扱いをするような態度をとってしまうと、自尊心を傷つけてしまうことがあります

自尊心が傷つくことで自信をなくしたり、ストレスになったりすることも多いです。大人として接することは大切であり、子ども扱いをして高齢者に余計なストレスを与えないようにしましょう。

難しいルールなどは緩める

レクリエーションは難しい内容をクリアし、達成感を得ることや難問に挑戦することが目的ではありません。楽しみながら取り組み、遊びやゲームの延長で心身の健康を目指すことが大切であるため、難しいルールは緩めて、誰もが楽しみやすい内容にしておきましょう

難しいルールを設定することでゲーム性は高くなりますが、その分楽しめる人は減ってしまう可能性があります。難易度の高いゲームをクリアすること、勝敗をつけることが目的ではないことは理解し、誰でも取り組みやすい内容を心がけることが大切です。

大きな声ではっきりと進行する

レクリエーションをスムーズに進めるには進行役が必要であり、内容の説明をしたり、途中でアドバイスをしたりすることもあります。進行の際にはできるだけ大きな声ではっきりと呼びかけることを意識し、耳が遠くなった人でも聞き取りやすいようにしましょう

小さな声で話したり、早口で進行をしたりすると、内容を理解できずに高齢者が上手く取り組めない可能性があります。参加者全員が内容を正しく理解し、スムーズにレクリエーションを進めるためにも、大きくはっきりした声で話すことを意識しましょう。

高齢者レクリエーションの考え方

高齢者向けのレクリエーションを考える際には、できるだけ多くの人の意見を参考にすることがおすすめです。1人で考えてしまうと、高齢者の意図にはそぐわない内容になったり、楽しめなかったりすることも多いです。

そのため、高齢者の意見を聞いたり、介護スタッフやケアマネージャーなどに相談したりすると良いでしょう。人によってどのようなレクリエーションが必要かだけではなく、楽しめる内容も異なります。

心身の状態や好みなども把握したうえでレクリエーションを考えたほうが、より楽しんで取り組みやすい内容となるでしょう。

レクリエーションは高齢者の笑顔のために行おう

高齢者向けのレクリエーションにはさまざまな種類があり、取り組むことでさまざまな効果が期待できます。心身機能の向上だけではなく、ストレス解消になることも少なくありません。

レクリエーションを実施するなら、いかに高齢者に笑顔になってもらうかを考えることが大切です。高齢者の笑顔のためにレクリエーションを実施し、楽しみながら心身の健康を目指してもらいましょう。

高齢者のレクリエーションとしてどんなものがありますか?

計算や漢字などの問題を解くものや、塗り絵や折り紙などの手遊びは認知機能の向上につながります。詳しくはこちらをご覧ください。

高齢者レクリエーションを行う際のポイントは?

安全に配慮するのはもちろん、一緒に遊ぶ方の自尊心を傷つけないことが大切です。行動や言動、レクリエーションなどの内容は高齢者に敬意を払ったものにしましょう。詳しくはこちらをご覧ください。

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