高齢者向け優良賃貸住宅とは、建物の全部または一部を高齢者が暮らしやすいよう改良を施した住宅を指します。
住宅の改良による暮らしやすさへのアプローチだけでなく、低所得者の方への家賃補助も行っているなど身体的・経済的なサポートを備えています。
この記事では、そんな高齢者向け優良賃貸住宅の特徴や入居条件、費用などの詳細情報について紹介します。

高齢者向け優良賃貸住宅の特徴
高齢者向け優良賃貸住宅は高齢者が暮らしやすい改良を施しているかつ、経済的サポートを行う制度を備えた住宅のことを言います。
具体的には以下のような特徴を持ちます。
- バリアフリーに対応
- 緊急時対応サービスの実施
- 所得に応じた家賃補助制度がある
高齢者向け優良賃貸住宅は、バリアフリーに対応しています。
居室内の段差をなくし要所に手すりを設置することで、高齢者の方の生活動作をスムーズにするサポートを行っています。
また、緊急時対応サービスも備えており、事故や急病などの万一の事態に提携業者への迅速な通報が可能となっているため、安心して暮らすことができます。
身体的なサポート以外にも、家賃補助制度による経済的なサポートも行っており、入居者の所得によっては家賃が6割負担で済むケースもあります。
このように、高齢者の方が安心して暮らせるような設備・制度を備えているのが高齢者向け優良賃貸住宅の特徴と言えるでしょう。

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高齢者向け優良賃貸住宅の設備
高齢者向け有料賃貸住宅の設備は、一般的な賃貸住宅と大きく変わりはありません。
居室には、トイレ・浴室・台所・空調・収納などが設置されており、一戸当たりの床面積も40㎡ほど確保している住宅が多いです。
また、高齢者向け優良賃貸住宅はバリアフリーへの対応が義務化されているため、段差はなく、トイレや浴室などの要所には手すりや緊急通報装置が設置されています。
高齢者向け優良賃貸住宅のサービス
高齢者向け優良賃貸住宅は、入居者本人や親族の方が安心できるよう、有事の際に備えた「緊急時対応サービス」や「安否確認サービス」を提供しています。
緊急時対応サービス(有料)は入居にあたって必ず契約する必要がありますが、安否確認サービス(有料)はご希望の方のみ利用できるサービスとなっています。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
緊急時対応サービス
緊急時対応サービスは、事故や急病などの万一の事態に、住戸内にある緊急通報装置を押すことで提携業者に通報することができ、その際の対応をしてくれるというものになります。
通報内容によってその後の対応は異なりますが、安否確認や緊急事態と判断された場合には救急車の出動要請を行ってくれます。
また、通報があった際には親族の方などの指定連絡先へ報告をしてくれるため、離れて暮らす親族の方も安心できるでしょう。
安否確認サービス
安否確認サービスは、居室内にセンサーを設置し、センサーが入居者の動きに異変を感じた際、自動的にコールセンターへ通報してくれるサービスとなります。
例としては、入居者の方が一定時間トイレに行かないなど、普段の生活リズムが崩れた際に自動的に通報してくれます。
高齢者の方の一人暮らしは、急な体調の変化などで有事の際に助けを呼ぶことができないケースがあります。
こういったことに不安を感じる方は、有事の際に備えサービスの利用を検討してみましょう。
高齢者向け優良賃貸住宅の入居条件
ここからは、高齢者向け優良賃貸住宅の入居条件を紹介します。
- 次のいずれかに該当する者であること
- 申込本人が満60歳以上の単身者であること
- 申込本人が満60歳以上であり、同居者が配偶者(年齢問わず)
- 申込本人が満60歳以上であり、同居者が満60歳以上の親族
- 入居する者のいずれかが住宅のある地域(市区町村)に在住または在勤していること
- 住民基本台帳法に基づく住民基本台帳に記録されていること
- 住民税の滞納がないこと
- 世帯月収額が387,000円以下であること(都道府県・物件によっては487,000円以下)
以上が高齢者向け優良賃貸住宅の入居条件になります。
市区町村や事業者によって、入居条件がわずかに異なることがあるためしっかりとチェックしましょう。
高齢者向け優良賃貸住宅の入居難易度
高齢者向け優良賃貸住宅の入居難易度は、やや高いです。新規の認定が終了しており、今後増えることはありません。高齢者向け優良賃貸住宅は、家賃補助制度を必要とするため、市区町村や民間事業による設置があまり多くありません。
住宅数の少なさに対し、入居するメリットの多さから希望者は一定数いるため、空室が少ないのが現状です。
また、空室があっても、入居者の募集方法が抽選形式であることが多く、倍率の高い抽選を突破しなければ入居できないというケースもあります。
一方で、先着順に応募者の対応を行う市区町村・事業者もいるため、タイミングが合えばすぐに入居できることもあるでしょう。
空室状況・入居を希望するタイミング・募集方法等によって入居難易度は大きく変化するため、入居が難しいと一概には言えませんが、すぐに入居できないケースも想定しておきましょう。
高齢者向け優良賃貸住宅の費用
高齢者向け優良賃貸住宅へ入居するにあたって、必要な費用は以下の通りです。
初期費用(敷金) | 家賃3か月分が一般的 |
---|---|
家賃(月額) | 70,000~120,000円 |
共益費(月額) | 5,000~7,000円 |
サービス費(月額) | 1,000円 |
※目安の金額となります。
高齢者向け優良賃貸住宅へ入居する際は、初期費用として敷金、月額費用として家賃・共益費・サービス費が必要になります。
それでは、各項目ごとに見ていきましょう。
敷金
高齢者向け優良賃貸住宅に入居する際は、一般的な賃貸住宅同様、初期費用として敷金が必要になります。
家賃3か月分の金額を設定している物件が多いため、30万円ほどの金額を想定しておくといいでしょう。
家賃
高齢者向け優良賃貸住宅の家賃は、7~12万円が目安となります。
バリアフリーに対応するため居室の一部に改良が施されていますが、一般的な賃貸住宅の家賃と比べて高いというわけではないようです。
また、高齢者向け優良賃貸住宅には、所得に応じた家賃補助制度があるため、実際に負担する額はこの目安より少ない可能性があります。
家賃補助制度については、後で詳しく触れていきます。
共益費
共益費とは、建物の共用部分の維持・メンテナンスを行うために必要な費用のことを指します。
毎月5,000~7,000円の共益費を徴収しているところが多いようです。
家賃とは別で発生する費用であるため、しっかりと把握しておきましょう。
サービス費
高齢者向け優良賃貸住宅へ入居する際は、必ず「緊急時対応サービス」と契約しなければなりません。
また、任意ではありますが「安否確認サービス」とも契約することができます。
これらのサービスを受ける際に発生する月額料金がサービス費です。
サービス提供業者によって金額は異なりますが、毎月1,000円ほどの費用を見込んでおくといいでしょう。
高齢者向け優良賃貸住宅の家賃補助制度
高齢者向け優良賃貸住宅は、入居者の所得に応じて家賃補助を行っています。
世帯月収額が市区町村や事業者の定めた基準を下回る世帯には、国と市区町村が、契約家賃と入居者負担額の差額を補助する制度となっています。
この家賃補助が発生する期間は、その住宅の管理が開始した時より20年間と定められています。(エリアによっては、既存施設の管理期間が終了しているところもあります)
ここでは横浜市の家賃補助を例として紹介します。
世帯の月収額 | 入居者負担率 |
---|---|
123,000円以下 | 60% |
123,000円~153,000円 | 68% |
153,001円~178,000円 | 74% |
178,001円~200,000円 | 79% |
200,001円~238,000円 | 86% |
238,001円~268,000円 | 93% |
268,001円~ | 100% |
以上のようになります。
例)家賃が80,000円であり、世帯月収額が123,000円以下に該当する場合
80,000円(家賃)×0.6(入居者負担率)=48,000円
つまり、支払う家賃は48,000円となり、差額分の32,000円は国と市区町村が負担することになります。
入居者の方の所得によっては大幅な減額も見込めますので、しっかりと把握しておきましょう。
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高齢者向け優良賃貸住宅の申込方法
高齢者向け優良賃貸住宅への入居申込は、地域の役所や各住宅の管理担当者へ行います。
通常、先着順で応募を受け付けている住宅が多いですが、応募が多い場合は抽選が行われる可能性が高いため、注意が必要です。
地域の役所や各住宅の管理担当者に問い合わせをし、空室状況や募集状況を確認しておきましょう。
申込を行う際に必要なものとしては、以下のものが挙げられます。
- 入居申込書
- 住民票の写し
- 入居予定者の所得を証明する書類
- 納税証明書
- 印鑑証明書
なお、市区町村や事業者によって必要な書類は異なる可能性がありますので、しっかりとチェックしましょう。
高齢者向け優良賃貸住宅のメリット・デメリット
ここまで、高齢者向け優良賃貸住宅の各項目について紹介してきました。
それらを踏まえたうえで、高齢者向け優良賃貸住宅のメリット・デメリットについて紹介していきます。
メリット
高齢者向け優良賃貸住宅のメリットですが、以下のことが挙げられます。
- 高齢者の方が暮らしやすい
- 入居者本人や家族が安心することができる
- 家賃補助制度によって負担額が軽減される可能性がある
高齢者向け優良賃貸住宅はバリアフリーへの対応が義務化されています。
住戸内の段差を最大限減らし要所に手すりを設置することで、入居者の方の転倒リスクの軽減やスムーズな生活動作をサポートしています。
また、緊急時対応サービスを備えており、有事の際には適切かつ迅速な対応を取ることが可能です。
入居所本人が暮らしやすいのはもちろん、親族の方も安心することのできる設備が整っていると言えます。
また、高齢者向け優良賃貸住宅には家賃補助制度が備わっています。
入居者の所得に応じて、国や市区町村が家賃を一部負担してくれる制度で、家賃の自己負担額が6割で済むケースもあるため、低所得者の方でも比較的契約しやすい住宅であると言えるでしょう。
デメリット
高齢者向け優良賃貸住宅のデメリットは、以下のことが挙げられます。
- 定められた所得基準を超えると契約できない
- すぐに入居できない可能性がある
高齢者向け優良賃貸住宅は、市区町村や各事業者が定めた所得基準を超えると契約することができません。
例えば、横浜市の高齢者向け優良賃貸住宅は世帯の月収額が387,000円(487,000円のケースもある)を超えた場合、入居資格がないと判断され入居することができません。
このように、入居を希望していても入居できない可能性がある点はデメリットと言えるでしょう。
また、高齢者向け優良賃貸住宅はすぐに入居できない可能性があります。
起こりうるケースとしては主に2つあり、「そもそも空室がない」、「入居者の募集方法が抽選であること」が挙げられます。
高齢者向け優良賃貸住宅は、家賃補助制度があり、市区町村や事業者の負担が大きいため、住宅数は多くありません。
それに対しメリットの大きさから入居を希望する方が多いため、あまり空室がないのが現状です。
空室があっても、入居希望者の多さから抽選になることが多く、倍率も高いため、入居待ちの期間が長くなる可能性があります。
入居を希望する場合は、余裕をもって探し始めることが大切ですね。
「実際に施設を見てみないと生活のイメージができない…」という方は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。
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まとめ
高齢者向け優良賃貸住宅は、バリアフリー化や家賃補助制度などの取り組みによる、身体的・経済的なサポートを備えており、高齢者の方が暮らしやすい住宅です。
一方で、家賃補助制度によって市区町村や事業者の負担が大きいため、住宅数が多くないのが現状です。
入居を希望する際は、入居待ち期間が長くなる可能性も考慮したうえで住宅探しを行うことが重要です。