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社会福祉協議会とは?現状や問題点などの実態について解説

社会福祉協議会とは?現状や問題点などの実態について解説

日本では65歳以上の高齢者が4人に1人という超高齢化社会を迎え、過去10年間で社会環境は大きく変化しています。このような変化は、未来に向けてさらに加速化することが予測され、国の財政に与える影響が懸念されています。その中で、社会福祉の在り方についても、さらなる変革が求められているのです。

社会福祉協議会は、「社協」の略称でも知られており、各種福祉サービスやボランティア活動まであらゆる地域福祉に貢献しています。これに類する組織は世界各国にあり、互いに情報交換を行い、国際協力のための「国際社会協議会」には約50か国が加盟しています。

具体的には、どのような事業を運営し、私たちの生活にどのような関わりがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

社会福祉協議会とは

そもそも社会福祉協議会とは、どのような位置づけの組織なのでしょうか。地域福祉と密接な関わりがあることは間違いないのですが、一言で説明するのは難しい複雑な組織です。

はじめに、社会福祉協議会の社会的意義を把握していきましょう。

営利目的ではない民間組織のこと

社会福祉協議会は、1951年に社会福祉事業法(現在の社会福祉法)に基づいて設立され、全国に2,000ヶ所、職員数は約15万人を誇る、営利目的でない民間組織です。

その使命は、「当事者・住民の主体性を原動力としながら、生活課題を抱える一人ひとりが地域の一員として『自分らしく』暮らせる地域社会(=福祉コミュニティ)づくりをすすめる」こととされています。

また、その使命の実現のために、協議体(問題の解決に向けて、住民、または行政も含めた関係機関などと話し合いを行います。)、事業体(問題の解決を図るために、具体的な福祉サービスを先駆的に開発・実施します。)、運動推進体(問題を解決するために運動を進めることで、社会に働きかけます。)という3つの特性があります。

法的に社会的意義が公認されている

社会福祉法によって、社会福祉協議会の社会的意義が公認されています。社会福祉法は、社会福祉協議会の活動を規制するために作られたものではなく、活動の実態のもとに成文化されたものです。

ただ、なかなか民間企業や地域の人々だけで運営することは難しく、職員は準公務員で構成されています。

社会福祉協議会の組織概要

社会福祉協議会は、大きい単位から小さい単位へ、「全国社会福祉協議会」、「都道府県・指定都市社会福祉協議会」、「市町村社会福祉協議会」で構成され、それぞれ役割を担っています。

「全国社会福祉協議会」は、中央組織として全国の社会福祉協議会とネットワーク体制を築き、関係者との連絡や調整、活動支援などを行っています。

「都道府県・指定都市社会福祉協議会」は、市町村社会福祉協議会と連携し、県域での地域福祉のための活動を行いながら、苦情の相談や中立な立場からの助言といった「運営適正化委員会」や、福祉サービスの質の向上のための「第三者評価事業」を設置しています。

また、経済的な支援が必要な人には資金を低金利で貸し付けたり、高齢者が就業するための「シルバー人材センター」で求人・求職を提供したりしています。

「市町村社会福祉協議会」は、最も地域に身近な活動を行っています。高齢者や障害者の在宅生活を支援するためホームヘルパーやデイサービスなど福祉サービスを行ったり、地域の団体と協力してボランティアを行うなど、地域の人々と直接的に関わって活動しています。

地域福祉の維持や向上に貢献している

社会福祉協議会の運営する事業の利用対象者は、身体障害者や知的障害者、認知症高齢者など、自分の判断で福祉サービスの利用や日常生活に必要な金銭管理などが困難な人が中心です。

特に、各地方自治体において、高齢者が「重度な要介護状態になっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい、医療、介護・予防・生活支援が一体的に提供される」しくみとして、「地域包括ケアシステム」の推進に力が注がれています。

ここには、介護事業者や地域団体といった民間組織の参画が期待されていますが、その中でも地域福祉のための多様な事業を手掛けている社会福祉協議会は、その構築に大きく貢献しているのです。

地域の特性に合った事業を展開している

社会福祉協議会の事業内容は、地域の特性に応じて異なり、それぞれ独立した組織として運営しています。

基本的単位である市町村社会福祉協議会の具体的な活動内容は、下記になります。

  • 住民の地域福祉活動に対する支援
  • ボランティア・市民活動の推進・支援
  • 地域での生活支援に向けた相談・支援活動、情報提供や連絡調整
  • 経済的な支援を必要とする方に対する生活福祉資金等の貸付
  • 日常生活自立支援事業(高齢や障害等により判断能力に不安のある方を対象とした福祉サービスの利用援助や日常的な金銭の管理等を行う事業)
  • 介護サービスなどの多様な在宅福祉サービスの提供

これらの取り組みは、それぞれの市町村社会福祉協議会ごとに行われており、活動の詳細は地域の状況に合わせて異なります。

特に、一人暮らし世帯が増加し孤独に陥りやすい高齢者にとって、介護サービスなどの在宅福祉サービスの提供は、どの市町村社会福祉協議会においても欠かせないものになっています。

社会福祉協議会の職種と仕事内容

次に、社会福祉協議会の事業について目を向けてみましょう。

社会福祉協議会の職員になるには、福祉に関する知識が必要となるため、福祉専門の学校に通い、就職するのが一般的です。特に資格は必要ありませんが、各市区町村が認定する介護職員初任者研修や厚生労働省が認定する介護福祉士などの資格を取得していると、就職に有利になりやすいです。

その事業は多岐に渡り、また正社員、アルバイト、パートといった雇用形態も様々です。ここでは、その中でも代表的な職種や仕事内容をご紹介します。

福祉サービスの介護職員

在宅の高齢者を訪問して入浴や食事の介助を提供するホームヘルパーや、昼間に在宅の高齢者を受け入れてレクリエーションやリハビリテーションを提供するデイサービスなど、様々な介護福祉サービスを運営しています。

また、直接介護を行うだけでなく、介護をする家族への指導や医療的なケアを行う訪問看護まで幅広い職種があり、必要な資格が異なります。

福祉活動専門員やボランティアコーディネーター

直接的な福祉サービスの提供にとどまらず、地域社会で暮らしている人々の福祉活動を支援するため、福祉活動専門員やボランティアコーディネーターとしての立場も担っています。

地域住民からの相談や調査によって地域の福祉課題を把握し、ボランティアなどの指導や広報活動、新たな福祉サービスの企画といった組織的な取り組みを推進しています。

社会福祉協議会の事務職員

経理や事務などにあたる事務職員も在籍しています。直接的にサービスの提供に関わることはありませんが、社会福祉協議会の運営のために必要不可欠な職種です。

社会福祉協議会の加入率や認知度について

社会福祉協議会は、会員制で成り立っています。地域のすべての人がその対象になりますが、加入率はどれくらいなのでしょうか。また、どれくらい認知されているのでしょうか。

ここでは、社会福祉協議会の加入率と認知度について見ていきます。

自治会や町内会の加入率は低下

社会福祉協議会の会員募集は、自治会や町内会などを通じて行われます。総務省によると、その自治会や町内会での加入率は都市部を中心として低下しており、特に若い世代や1人暮らしの世帯、居住年数が浅い世帯で加入率の低下の傾向が顕著になっています。

加入率低下の理由は全戸訪問ができなくなったから

社会福祉協議会への加入率が低下した理由として、上記のような未加入世帯を中心にした地域活動に興味のない家庭の増加に加えて、オートロックマンションが増えたことにより、会員募集のための全戸訪問ができなくなったことが考えられます。

若年層の認知度は大きく低下

我孫子市の住民アンケートでは、60歳以上は社協をよく知っている、もしくは何となく知っていると答えた人の割合は70%を超えているのに対し、39歳以下の若年層は20%程度にとどまっています。

これには、核家族が増えたことで、現在の若年層にとって社会福祉協議会との接触する機会が少ないということも関係していると考えられます。

活動自体は認知きっかけになっていない

社会福祉協議会は存在を周知させるための情報発信を行っています。社会福祉協議会を知ったきっかけとして地域広報が多く挙がっており、社会福祉協議会のイベントやボランティアといった活動を通しては認知を広められていないことがわかりました。

社会福祉協議会の現状と問題点

社会福祉協議会は社会的意義を公認されていますが、一方で体制や運営について問題視する声も上がっています。

ここでは、社会福祉協議会の現状と問題点について整理します。

地域住民との連携が進んでいない

上記のような加入率の低下やアンケートの結果から、地域住民との連携が進んでいないように思われます。この状況を、「寝たきり社協」、「寝たふり社協」などと揶揄されています。

「寝たきり社協」とは福祉活動を行おうとしても障壁があってできない、「寝たふり社協」とは仕事に身が入っていないということを意味しているようです。こう呼ばれる原因は様々なことが考えられますが、理事会の体制が形骸化していることや、職員が定型業務に安住していることを指摘する声が上がっています。

借入金や補助金に依存している

民間組織と定義されているのにも拘らず、自主財源はわずか1.7%ほどになっています。さらに、社会福祉協議会への加入率が低下していることで、自主財源の多くを占める会費収入も、横ばいまたは減少傾向にあります。

それ以外は、借入金が44.6%、補助金が24.3%、介護保険が9.5%となっています。そして、補助金は赤い羽根の共同募金会から配布されており、大半は人件費に充当されています。自主財源や補助金だけでは、人件費はもちろん、事業を運営することが困難ということが伺えます。

公務員や議員の天下り

平成26年の朝日新聞の調査では、社会福祉法人(社会福祉協議会)に200人近い幹部職員が再就職していることがわかりました。

社会福祉法人の設立には補助金が必要になるため、天下り法人や議員が理事長を務めています。そのため、指導監査が機能しなくなり、財源が福祉のために使われていない問題が起こったり、それによって現場の職員の士気が下がってしまうという問題が起こっているのです。

社会福祉協議会に関するQ&A

社会福祉協議会について説明してきましたが、その実態は複雑でわかりにくい点もあるかもしれません。

最後に、社会福祉協議会についてよくある疑問を解決していきましょう。

会員になるメリットは?

会員になって会費を納入することで、直接的なメリットが生じるわけではありません。その意味は、社会福祉協議会の趣旨に賛同し、まちづくりの推進を支援することにあります。

社会福祉協議会の会費は寄付とは違うのか?

社会福祉協議会の趣旨に賛同して会費を納めることで、福祉活動への参加を示しています。表面上は寄付に近いですが、より主体性をもって参加する意思表明になります。

社会福祉協議会と役所との違いは?

社会福祉協議会は、地域の人々(一般会員)、役所や関連事業で働く人々(賛助会員)、企業で働く人々(特別会員)が会員となり構成されている民間団体なので、役所とは異なり地域の人々のものになります。

地域福祉を支えるカギは社会福祉協議会にある

社会福祉協議会は、その実態についてよく知られていないこともありますが、地域の福祉活動を推進するためのカギとなる存在です。特に、高齢者が増えている社会では、地域全体でサポート体制を構築していくことが不可欠です。

公的な立場でありながら、真の意味で地域の人々が自主的に運営する組織となるよう、その認知度や加入率を上げていく必要があるでしょう。社会福祉協議会について理解を深めることで、地域の活動に目を向けてみましょう。

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