要介護3とは、日常生活の全般で介助が必要な状態となります。
介護度は要支援1・2、要介護1~5の7段階に分けられており、要介護3はその7段階ある要介護度の内の1つです。介護度の差については、以下の表を参考にしてみてください。
本記事では「要介護3」とはどのような状態なのかを解説から施設入居した方の割合、受けられるサービスや費用までを解説していきます。
要介護3の状態とは?
「要介護3」は、身体能力の低下や認知症の進行が見られ、常に家族のサポートや見守りが必要な状態です。
食事やトイレ、入浴といった身の回りの動作も自分だけで行えないため、ほぼすべてに介助が必要となります。
具体的には、以下のような状態が挙げられます
- 排せつや入浴、服の着替えなどで全面的な介助が必要な状態
- 身の回りのことや家事全般を一人で出来ない状態
- 立ち上がる、歩行する、階段を昇り降りなどが一人では出来ない状態
- 認知機能の全般的な低下が見られることがある状態
要介護3は足腰が不安定となり、立つ・歩くなどが自分ひとりではできず、移動には車いすや歩行器が必要となるケースが多いです。
このように要介護3の状態は、基本的に自分ひとりでは日常生活を送れないため、24時間ほとんどの場面で誰かの介助やサポートが欠かせません。
施設サービスの代表である特別養護老人ホームの入所基準は要介護3以上と定められており、在宅で介護をするか、施設で介護をするかを判断する節目のレベルとお考えください。
要介護3と要介護2・4との違い
要介護3に認定される基準は、介護に要する時間が1日に対して「70分以上90分未満」になります。
要介護認定の基準は厚生労働省が定めた「要介護認定基準時間」に則って判定され、身体の状態の目安とあわせて最終的な判定が下されます。
要介護2との違いは認定基準時間に加えて、日常生活における介護にかかる目安です。要介護2では歩行や立ち上がり、食事や入浴「日常生活の一部」に必要なことが多い一方で、要介護3になるとこれらを自力で行えず、全面的な介助が必要になります。
また、要介護4になると介護度がより進行しているため、立ち上がりや座るなどの動作にも介護が必要な状態です。要介護4になると、介助がないと日常生活が送れない段階といえるでしょう。
要介護3で入居している民間施設の種類【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】
【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】によると、要介護3で施設探しをしていた方は以下のような施設に入居されています。
※なお、要介護3の判定を受けると「特養(特別養護老人ホーム)」などの公的施設に入居される方も多くいらっしゃいます。ケアスル 介護では民間施設を中心にご紹介しているため、同調査は公的施設の入居内訳を考慮していません。
ケアスル 介護のご紹介経由での入居先でもっとも多いのが、住宅型有料老人ホームで35.8%となっています。
住宅型有料老人ホームとは、食事や洗濯、掃除などの生活支援サービスを行ってくれる、60歳以上の自立~要介護の方を対象とした高齢者向け施設です。
住宅型有料老人ホームについては、以下の記事で詳細を解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
次いで、介護スタッフが介護サービスを直接提供している「介護付き有料老人ホーム」を選択している方が31.5%、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を選択している方が20.4%で続きます。
住宅型、介護型あわせて67.3%の方が有料老人ホームを選択しているため、施設への入居の際は、まずこの辺りから検討してみるとよいでしょう。
要介護3で入居する施設の費用目安
要介護3で入居する施設として、前章で解説した民間施設のほかに、特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)などが挙げられます。
入居候補に挙げられる施設の費用目安は以下の表の通りです。
出展:『ケアスル 介護 独自調査レポート 2026』
まず目を引くのは、特養や老健などの公的施設は入居一時金(初期費用)が0円である点です。
公的施設は営利目的ではなく、福祉目的で運営されているため入居一時金(初期費用)は0円となっています。
一方で民間施設に目を向けると、介護付き有料老人ホームが3,461,000円、住宅型有料老人ホームが697,000円となっています。前章より要介護3の方の利用者が多い施設ですが、入居一時金の負担がかかることは押さえておくことが大切です。
また、月額費用も公的施設の方が安く抑えられるケースがほとんどです。
民間施設はどの種別も月額費用が平均で10万円以上かかる見込みとなっているため、長期的なランニングコストをきちんと確認しておきましょう。
なお、入居一時金・月額費用ともに施設によって変動があります。具体的な費用については、必ず入居を検討する施設に確認するようにしてください。
要介護3で施設入居した方の口コミ・体験談
ケアスル 介護に寄せられた、要介護3で施設入居した方の口コミ・体験談をご紹介します。
60代後半・女性・要介護5
施設内が衛生的に保たれていて、入居者が気持ち良く過ごせることに重点を置いておられるのが、良く理解できました。 施設の職員の方々は、礼儀正しく、いつも挨拶を気持ちよくしてくれていると感じました。他の入居者の方々につきましても、周囲に協調性のある方が多いと感じました。
施設の外観の良さも気に入りましたが、施設内の清潔さや居室や設備につきましても、とても衛生さを保たれていると感じました。 介護サービスについてはもちろんのこと、医療サービスにつきましても、専門性の高いサービスの実施に努められていると感じました。
交通のアクセスも良く、比較的閑静な立地で落ち着いた気持ちでアクセスできると思います。 料金につきましては、介護サービスや医療サービスを含めまして、トータルのお値段となっているため、お支払いもしやすい価格帯だと感じます。
80代前半・男性・要介護5
スタッフの方は いつも笑顔で対応してくださり、近況報告もしてくださり、感謝しています。廊下も広くて、車椅子やベッドのすれ違いもスムーズに行えると感じました。避難誘導をするにしても支障がないと感じました。
調子を崩したときに、すぐに救急車の手配をしてもい、そのときは、難を逃れ、素早い対応に感謝しています。 自家用車でいつでも行ける環境だったので、不平不満はありません。
周囲は民家も少なく、いい立地ですが、いざ徘徊などのときに、不安はあります。 料金は家計を圧迫するほどの、料金ではなかったので、印象は悪くないです。
91歳・男性
父が90歳を過ぎ、もともと母と二人で暮らしていましたが、だんだんと自宅での介護が難しくなってきたのが施設探しを始めたきっかけです。トイレやお風呂の介助が母一人では厳しくなり、軽度の認知症のような症状も見られるようになってきましたため、施設への入居を考え、父も強い抵抗は示しませんでした。
入居後の父は、とても穏やかに過ごしています。食事も特に文句を言うことなく、しっかり食べてくれているようです。
また、施設では季節ごとのイベントを企画してくださいます。施設内に桜の木があるので春にはお花見をしたり、畑で芋を植えたり。父はもう、芋掘りのような作業に直接参加することは難しいのですが、皆さんと一緒にその場に行って景色を眺めたり、お茶を飲んだりするだけでも、良い刺激になっていると感じます。自宅ではなかなかできない体験をさせてもらえるのは、本当にありがたいですね。
84歳・女性
母が84歳の頃、父と二人で暮らしていました。要介護3の認定を受けており、アルツハイマー型認知症の症状もありましたが、幸いにも自分の足で歩くことはできました。父と二人での生活の中、今後のことを考え、5、6年ほど前に施設への入居を決め、お世話になることになりました。
入居して何より安心できたのは、職員の方々のきめ細やかな対応でした。特にケアマネジャーさんがこまめに電話で様子を説明してくれたので、離れていても不安を感じることはありませんでした。
母はアルツハイマー型認知症の影響で、他の入居者さんと少しトラブルになってしまうこともあったのですが、その際も「お食事のテーブルを少し離しますね」といった具体的な対応と説明をすぐにいただけたので、深い信頼を寄せることができました。
食事も施設内で手作りされているそうで、母本人も美味しくいただいていたようです。食事について不満を口にすることは一度もありませんでした。職員の方々の丁寧な関わりのおかげで、穏やかに過ごせていたのだと思います。
87歳・女性
義母は当時87歳で、自宅で暮らしていましたが、骨折で入院・手術をしたことをきっかけに、自力での歩行が難しくなってしまいました。退院後の生活を考えたとき、自宅での介護は難しいと判断し、施設探しを始めることになりました。
入居当時は要介護3の認定を受けており、移動は車椅子でしたが、認知症というほどの症状はなく、私たちの顔や孫のこともきちんと分かっていました。
入居後の義母は、食事も好き嫌いなく、いつもきれいに食べていると聞いて安心しました。施設内ではレクリエーションなども行われていたようで、穏やかな毎日を過ごせていたのではないかと思います。
私たち家族も、自宅から近いのでコロナ禍になる前は頻繁に顔を見に行くことができました。何かあればすぐに電話で連絡をいただけましたし、職員の方々の丁寧な対応のおかげで、私たちはいつも安心して義母を預けることができました。
92歳・女性
母は自宅でデイサービスを利用していましたが、介護していく上での心配な部分が大きくなり、本格的に施設探しを始めました。
入居後の母は、要介護度が進んでいるにもかかわらず、居心地が良いようで不満は出ていません。費用はかかりますが、要介護4になった今でも、他の施設への入居は考えていません。
特養も見学に行きましたが、「この施設の方が良い」と感じたので、頑張ってでもこの施設で過ごしてもらいたいと思っています。
要介護3で受けられるサービス一覧【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】
| サービス名 | 概要 |
|---|---|
| ▼ 訪問型サービス | |
| 訪問介護 (ホームヘルプ) |
ホームヘルパーが自宅を訪問し、食事・入浴・排泄などの身体介護や、掃除・洗濯などの生活援助を行います。 |
| 訪問看護 | 看護師などが自宅を訪問し、医師の指示のもとで医療処置や療養上の世話、診療の補助を行います。 |
| 訪問入浴介護 | 専用の浴槽を積んだ入浴車が訪問し、自宅の部屋で入浴の介護を行います。 |
| 訪問リハビリ | 理学療法士などが自宅を訪問し、心身機能の維持・回復のためのリハビリテーションを行います。 |
| 居宅療養管理指導 | 医師・歯科医師・薬剤師などが訪問し、療養上の管理や指導、助言を行います。 |
| 夜間対応型 訪問介護 |
夜間帯(18時〜翌8時など)にヘルパーが巡回または通報に応じて訪問し、介護を行います。 |
| 定期巡回・随時対応型 訪問介護看護 |
24時間体制で、定期的な巡回訪問や随時の通報対応を行い、介護と看護を一体的に提供します。 |
| ▼ 通所型サービス | |
| 通所介護 (デイサービス) |
日帰りで施設に通い、食事・入浴などの介護や機能訓練、レクリエーションを受けられます。 |
| 通所リハビリ (デイケア) |
医療機関や老健などに通い、医学的管理のもとでリハビリテーションを中心に行います。 |
| 地域密着型 通所介護 |
定員18人以下の小規模な施設で、食事・入浴などの介護や機能訓練を日帰りで提供します。 |
| 認知症対応型 通所介護 |
認知症の方を対象とした専門的なケアや機能訓練を、小規模な環境で日帰りで提供します。 |
| 療養通所介護 | 難病や末期がんなど医療依存度が高い方を対象に、看護師による観察やケアを行うデイサービスです。 |
| 看護小規模多機能型 居宅介護 |
「通い」を中心に、利用者の様態に合わせて「泊まり」や「訪問(看護・介護)」を柔軟に組み合わせられます。 |
| ▼ 短期入所型サービス | |
| 短期入所生活介護 (ショートステイ) |
短期間施設に宿泊し、日常生活の介護や機能訓練を受けられます。家族のレスパイト(休息)にも利用されます。 |
| 短期入所療養介護 (医療型ショート) |
医療的なケアが必要な方が、老健や病院などに短期間宿泊し、看護やリハビリを受けられます。 |
| ▼ 福祉用具・住宅改修 | |
| 福祉用具貸与 | 車椅子や特殊寝台など、日常生活を助けるための用具をレンタルできます。 |
| 特定福祉用具販売 | 入浴や排泄に関する用具(ポータブルトイレ等)など、レンタルになじまない用具の購入費が支給されます。 |
| 住宅改修費支給 | 手すりの取り付けや段差解消など、自宅で生活しやすくするための小規模な改修費用が支給されます。 |
| ▼ 地域密着型・その他 | |
| グループホーム (認知症対応型) |
認知症の方が少人数(5〜9人)で共同生活を送りながら、家庭的な環境で支援を受けます。 |
| 小規模多機能型 居宅介護 |
一つの事業所で「通い」を中心に、「泊まり」「訪問」を組み合わせて利用できるサービスです。 |
| 地域密着型 特養・特定施設 |
定員29人以下の小規模な特別養護老人ホームや有料老人ホームで、地域や家族との連携を重視したケアを受けます。 |
| 特定施設入居者 生活介護 |
有料老人ホームやケアハウスなどの入居者が、施設内で介護サービス(食事・入浴・排泄介助など)を受けます。 |
上記のサービスの中で、要介護3の判定を受けた方が「どのサービスを、どの程度利用しているのか」を【ケアスル 介護 独自調査レポート 2026】から解説していきます。
「要介護3の方のサービス利用状況」は以下の通りです。

要介護3の判定を受けた方でもっとも利用の多いサービスは「通所介護(デイサービス)」となっています。
通所介護(デイサービス)とは、利用者が日帰りで施設に通い、食事の提供や機能訓練(リハビリ等)を受ける介護保険サービスのことです。
「通所介護(デイサービス)」を利用している28.6%の方が週2~3回の利用と回答しています。
次いで「福祉用具貸与」の利用者が多く、25%以上の方が週6~7回利用しているという結果になっています。「福祉用具貸与」は車椅子など、日常生活に欠かせない用具を借りるサービスとなるため、多くの方が毎日利用しているということでしょう。
どの介護保険サービスを利用するかは、利用者の身体状態を確認することが一番ですが、考えるきっかけとして利用者の多いサービスから検討してみるのもよいでしょう。
まとめ
「要介護3」とは、身体能力の低下や認知症の進行が見られ、常に家族のサポートや見守りが必要な状態です。
在宅介護を行うには家族に大きな負担が掛かるため、老人ホーム・介護施設への入居を検討する方も少なくありません。
要介護3では特養(特別養護老人ホーム)への入所が可能となるほか、公表されているほぼすべての介護サービスの利用が可能となります。
ぜひ、本記事で解説した費用感や利用しているサービスなどを参考に、ご本人に適した介護を行ってください。