介護保険サービスは、認定された介護度に応じて利用できる回数が異なります。中でも、要介護3だとデイサービスをどれくらい利用できるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、要介護3におけるデイサービスの利用回数や料金、さらにケアプラン例などを紹介していきます。
この記事のまとめ
- 要介護3で利用できるデイサービスの回数は、週に4~5回。介護保険の限度額を超えた場合も、自己負担で利用することが可能。
- 計算上、介護保険の範囲内における要介護3のデイサービスの利用回数の上限は30. 6日。要介護3であれば、平日ならば介護保険でデイサービスを毎日利用できる。
- 要介護3におけるデイサービスの利用料金は、1回あたり9,000円程度。介護保険が適用されるので、自己負担割合が1割ならば900円程度で利用できる。
要介護3のデイサービスの利用回数
要介護3の方は、デイサービスを週に4~5回利用することができます。
基本的には、介護度ごとに定められている区分支給限度基準額を上回らなければ介護保険を利用できるほか、上回った場合も自己負担で利用することが出来ます。
本章では、要介護3の方が利用できるデイサービスの回数などについて、詳しく解説していきます。
要介護3のデイサービスの回数上限は?
要介護3のデイサービスの利用回数の上限は、介護保険の範囲内ならば、30. 6日分と計算できます。
介護サービスは、介護保険の区分支給限度額の範囲内で利用することができます。要介護3の場合は支給限度基準額は27,048単位であるため、1か月の間に約270,480円分の介護サービスを利用することができます。
厚生労働省の数値をもとに試算すると、支給限度額基準額の1割である27,048円を、デイサービスの利用者負担を883円として割ることで、30. 6日分になります。
そのため、計算上では介護保険の範囲内でほぼ毎日デイサービスを利用可能です。
要介護3だとデイサービスを毎日使える?
要介護3の認定を受けている状態ならば、他の介護サービスを利用しなければ、計算上毎日(週7日)デイサービスを利用することが可能です。
しかし、実際のところ毎日のようにデイサービスを利用できる事業所は少ないです。デイサービスを利用する人は多いため、希望しても空きがないことがあります。事業所によっては定休日を設けているところもあります。
また、実際の料金は施設によって異なります。利用時間が長いほど当然料金も高くなります。さらに、利用者の状態やサービス提供に応じて加算されることもあり、実際に毎日デイサービスを利用すると介護保険の限度を超えてしまう可能性もあります。
そのため、毎日デイサービスを利用するならば、老人ホームなどの施設へ入居を検討した方が現実的とも言えます。
要介護3は日常生活に全面的な介護が必要な状態であり、在宅介護を続けるのが困難になってきます。要介護3になると特別養護老人ホームへの入所条件を満たすなどの理由から、老人ホームへの入居を考え始める方も多いです。
もし、老人ホームを検討しようかとお考えの方はケアスル介護で相談してみることがおすすめです。
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要介護3のデイサービスの利用料金
要介護3におけるデイサービスの利用料金は、1回あたり9,000円程度です。なお、デイサービスは介護保険が適用されるので、自己負担割合が1割ならば900円、2割ならば1,800円程度で利用することができます。
ただし、デイサービス内でリハビリテーションや入浴介助を受けると、個別機能訓練加算や入浴介助加算という形で料金に加算されます。
また、事業所内で提供される食事やおやつ、レクリエーションにかかる費用などは全額自己負担となります。
そのため、介護保険の自己負担額が1割の人でも、要介護3の状態ならば1日当たり1,500~2,000円と見積もると良いでしょう。
介護保険の限度額を超えてデイサービスを利用できる?
デイサービスなどの介護保険サービスは、介護保険の区分支給限度基準額を超えても利用することができます。
基本的にはケアマネジャーが限度額範囲内でケアプランを組んでくれるため、介護保険の限度額を超えないように計画されています。もし、超えてしまった分は全額自己負担となります。
なお、自費でデイサービスの利用回数を増やすことに関して、自治体としては「本人の希望のみで安易に自費でサービスを提供することは不適切」としていることがあります(出典:愛知県幸田町「幸田町介護予防・日常生活支援総合事業に係るQ&A」)。
デイサービスの利用回数はケアプランに沿って決められるため、本人や家族、また事業所の判断によって回数を増やすことはできません。利用回数を増やしたいなどの希望があれば、一度ケアマネジャーに相談してみると良いでしょう。
要介護3におけるデイサービスを利用したケアプラン例
本章では、要介護3の方がデイサービスを利用した際の、週間ケアプランの具体例を紹介します。
週5日でデイサービスを利用したケース
【Aさん・83歳・男性・要介護3・息子夫婦(共働き)と3人暮らし】
高齢で身体が不自由なのもあり、お風呂に入らずに寝てしまうことも度々ある。
平日は夫婦ともに仕事に出ているため、2人ともいない時間帯に何かあったら心配だと考えている。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
8:00~9:00 | |||||||
9:00~10:00 | |||||||
10:00~11:00 | デイサービス
(入浴サービス利用) |
デイサービス | デイサービス
(入浴サービス利用) |
デイサービス | デイサービス | ||
11:00~12:00 | |||||||
12:00~13:00 | |||||||
13:00~14:00 | |||||||
14:00~15:00 | |||||||
15:00~16:00 | |||||||
16:00~17:00 | |||||||
17:00~18:00 | |||||||
18:00~19:00 |
平日に5日、10時から18時まで8時間のデイサービスを利用し、週2回入浴サービスを追加するケアプランとなりました。このケアプランの場合、毎月で必要な料金は下記の通りになります。
利用サービス | 利用頻度 | 利用回数/月 | 金額/回 | 金額/月 |
通所介護費 | 5回/週 | 20回 |
9,222円 |
184,440円 |
昼食サービス |
570円 |
11,400円 |
||
入浴サービス | 2回/週 | 8回 |
510円 |
4,080円 |
合計 |
199,920円 |
|||
自己負担(1割の場合) |
30,252円 |
週5日でデイサービスを利用した場合、月々の料金は30,252円と計算されます。なお、昼食サービスや施設内でのレクリエーションは介護保険が適用されず、全額自己負担となります。
他の介護サービスを併用したケース
妻は平日に休みをもらっているため、2人とも仕事に出ている曜日だけ心配している。
妻が自宅にいる間もリハビリは欠かさずに行うことに加えて、週に1回は持病のため通院の必要がある。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
8:00~9:00 | |||||||
9:00~10:00 | |||||||
10:00~11:00 | 通いサービス | 通いサービス | 通いサービス | ||||
11:00~12:00 | 訪問サービス | 訪問サービス | |||||
12:00~13:00 | |||||||
13:00~14:00 | |||||||
14:00~15:00 | |||||||
15:00~16:00 | |||||||
16:00~17:00 | |||||||
17:00~18:00 | 訪問サービス | 訪問サービス | |||||
18:00~19:00 |
平日に3日、10時から18時まで8時間の通いサービスに加えて、訪問サービスを週4回利用することを踏まえ、小規模多機能型居宅介護を利用するケアプランとなりました。小規模多機能型居宅介護では、ひとつの事業所が「通い」「訪問」「宿泊」の3つのサービスを提供します。
このケアプランの場合、毎月で必要な料金は下記の通りになります。
利用サービス | 利用頻度 | 利用回数/月 | 金額/回 | 金額/月 |
通所介護費 | 3回/週 | 12回 |
定額 |
221,570円 |
訪問介護費 | 4回/週 | 16回 | ||
昼食サービス | 3回/週 | 12回 |
600円 |
7,200円 |
合計 |
228,770円 |
|||
自己負担(1割の場合) |
29,357円 |
小規模多機能型居宅介護は通いサービスに加えて、訪問サービスや宿泊サービスを複合的に利用できるサービスです。宿泊に要する料金を支払うことで、宿泊サービスを利用することもできます。
また、デイサービスが併設されている老人ホームや小規模多機能型居宅介護をお探しの方には、ケアスル介護への相談がおすすめです。
ケアスル介護では、入居相談員が施設ごとに実施するサービスやアクセス情報などをしっかりと把握した上で、ご本人様に最適な施設をご紹介しています。
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要介護の方がデイサービスを利用する手続き
要介護の方がデイサービスを利用するには、下記の流れに沿って手続きしましょう。
- ケアマネジャーに相談
- 事業所の見学・選定
- 判定議会
- 契約締結
- ケアプランの作成
- サービス利用開始
要介護の方がデイサービスを利用する際には、まずは担当のケアマネジャーに相談しましょう。本人の状態や家族の希望など加味して、どのサービスをどれくらい受けるかを、介護保険の範囲内で提案してくれます。
デイサービスを提供している事業所は数多くあります。立地や提供されているサービスを確認して、希望条件にあうデイサービスを選びましょう。可能ならば、一度見学に行ってみることもおすすめです。要介護3で利用できるデイサービスの種類については、次章にて解説します。
利用したいデイサービスの事業所が決まったら、判定議会などで確認を行います。問題がなければ、事業所と契約を結び、ケアプランを正式に作成しデイサービスの利用が始まります。
要介護3の方がデイサービスを利用するならば、まずは担当のケアマネジャーに相談しましょう。
要介護3で利用できるデイサービスの種類
要介護3の方が利用できるデイサービスには、下記の4つの種類があります。
デイサービスの種類 | 特徴 | 自己負担の目安(1割) |
通所介護(一般的なデイサービス) | 定員19人以上の事業所で、食事や入浴、リハビリなどが受けられる。季節によっては外出レクリエーションもある。 | 900~1,000円程度
(7時間以上8時間未満) |
地域密着型通所介護 | 定員18人以下の小規模事業所で、食事や介護を受けられる。利用者に合わせた細かいケアが可能。 | 1000~1200円
(7時間以上8時間未満) |
療養通所介護 | 難病や重介護者など、常に看護師の観察が必要な人を対象にし、健康チェックや機能訓練を受けられる。 | 1,500~1,600円程度
(6時間以上8時間未満) |
認知症対応型通所介護 | 認知症の方を対象に、少人数で家庭的な雰囲気の中、食事やレクリエーションを受けられる。 | 1,200~1,300円程度
(7時間以上8時間未満) |
このように、本人や家族の状況を踏まえて、適切なサービスを受けられる施設や事業所を選択しましょう。
要介護3のデイサービスの利用回数のまとめ
本記事では、要介護3のデイサービスの利用回数について紹介してきました。
要介護3で利用できるデイサービスの回数は、週に4~5回利用できます。介護保険の限度額内で、平日であれば毎日利用することも不可能ではありません。
要介護3におけるデイサービスの料金は、1回あたり9,000円程度です。介護保険が適用されるので、自己負担割合が1割ならば900円で利用できます。また、食事や日常生活費用などを加味すると、1日当たり1,500~2,000円程度になります。
デイサービスの利用回数は、ケアプランに沿って決められますので、これから利用される方や回数に関して気になる方は、担当のケアマネジャーに相談することをおすすめします。
要介護3の方は、デイサービスを週に4~5回利用することができます。介護保険の限度額を超えた場合も、自己負担にはなりますが追加で利用することができます。詳しくはこちらをご覧ください。
要介護3におけるデイサービスの利用料金は、1回あたり9,000円程度です。介護保険が適用されるので、自己負担割合が1割ならば900円程度で利用することができます。詳しくはこちらをご覧ください。