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  • 【公開日】2022-09-20
  • 【更新日】2023-04-20

認知症で施設を追い出される理由や対処法、相談先まで徹底解説

認知症で施設を追い出される理由や対処法、相談先まで徹底解説

認知症の親を在宅介護している方の多くの悩みとして認知症の方を受け入れてくれる施設があるのかどうか不安に思っている方も少なくないと思います。

具体的には、過去に他の入居者の人に暴力をふるってしまって退所させられてしまった方やデイサービスやデイケアなどのサービス利用の際に他の入所者の人に迷惑をかけたことがあったことなどを理由に一度断られているという人も少なくないと思います。

そこで、認知症の方の介護をしている際に施設への入所を断られたことがあるという方や入所したら追い出されるのではないか不安という方に向けて、本記事では認知症の方が施設を追い出される理由から対処法まで徹底的に解説していきます。

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認知症で施設を追い出される理由

認知症で施設を追い出される理由として考えられるのは、他の入居者や職員に暴言や暴力などで物理的な損傷を与える可能性がある又は与えた場合や、本人が必要としている医療行為を当該施設で提供することが出来ない場合です。

具体的に解説していきます。

他の入所者や職員に迷惑をかけた場合

認知症で施設を追い出される時の理由としてまず最初に考えられるのが他の入所者や職員に迷惑をかけた場合です。具体的には、認知症の症状として暴言や暴力をふるった場合などが考えられるほか、盗み癖がひどい場合や他の入所者の部屋に頻繁に入ってしまう場合などが考えられます。

追い出される理由として考えられるのは、認知症の方の暴力や暴言によって他の入所者がけがをした場合に退所させるなどの判断をしないとその家族からの信用を失ってしまうほか、介護士が被害に遭った場合にしても介護士もやはり人間なのでいくら認知症の方とは言えケアなどをした場合は介護を続けることが現実的ではないからです。

例えば、盗み癖などを例にとると、認知症の症状としてよくある盗み癖ですが軽微な場合は施設側が対応してくれることがほとんどです。また、被害を受けた入居者などに大きな被害が無い場合は退所することが出来ますが、盗まれたものが見つからない場合や損害を受けた場合は器物損壊として法的な問題を抱える場合もあるので退所となる場合もあるのです。

したがって、認知症で施設を追い出される時の理由としてまず考えられるのはほかの入所者や職員に迷惑をかけた場合と言えるでしょう。

認知症対応のグループホームの入居条件について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

医療行為を提供できない場合

認知症で施設を追い出される場合に考えられる二つ目の理由は本人が必要としている医療行為を当該施設で提供することが出来ない場合です。

というのも、認知症の終末期の状態として論文によると「嚥下障害(誤嚥)が見られ、経過とともにその頻度が増して、経口摂取が不能になる。嚥下不能のため、経管栄養を行うことも多く、したがってこの期間は数ヶ月から数年と続くこともあり、期間を限定することはできない」とされていて、介護士だけでは対応することが難しいことがわかります。(出典:「認知症高齢者の在宅生活の継続を支える地域の医療支援システムに関する調査研究Ⅱ報告書」(NPO法人在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク、平成17年3月))

例えば、グループホームを例にとると、入所者の3人に一人の介護士の設置が法律で義務付けられているのとは対照的に、医師や看護師の配置義務はないので胃ろうや経管栄養などの専門的な医療ケアに対応することが出来ないことがわかります。

したがって、認知症で施設を追い出される場合の理由の二つ目としては本人が必要としている医療行為に施設側が対応することが出来ないことなどが考えられます。

認知症で施設を追い出されるのは合法?

特別養護老人ホームなどを例にとると、介護保険法により「正当な理由なく介護サービスの提供を拒んではならない」とされており、一般的に暴言や暴力などは正当な理由として解釈されることが一般的なので認知症で施設に追い出されるのは合法である言うことが出来ます。

ただし、上記の通り正当な理由として解釈できない事由である場合は追い出すことは違法である他、退所の判断がなされた場合も施設側が対応策を検討するなどのサービスを継続的に提供するための最大限の努力を行う必要があるというのが一般的です。

例えば福岡県古賀市が公表している資料によると「利用者又は家族の背信行為や他利用者や職員等への他害行為等が生じた場合は、即提供拒否とするのではなく、対応策の検討をするなどサービスの提供継続に向けて、最大限の努力を尽くす必要があります。 」とされており、即刻退去とするわけではないことがわかります。(福岡県古賀市「介護保険係へ質問、照会があった主な事項」)

以上より認知症で施設を追い出されるのは退所の理由が正当な理由として解釈できる場合のみ合法ということが出来ると言えます。

認知症で施設を追い出された場合の対処法

認知症で施設を追い出された場合の対処法として考えられるのは、グループホームや特別養護老人ホームなどの選択肢に他の施設を探すことや病院の精神科への入院を検討することが考えられます。

具体的に解説していきます。

他の介護施設を探す

認知症で施設を追い出された場合の対処法としてまず考えられるのは、グループホームや特別養護老人ホームなどの認知症に対応している別の介護施設を探すことです。

というのも、認知症への対応に関しては施設によって具体的にどこまで対応できるのかの判断基準が異なる他、断られた後に期間が空いている場合は認知症の症状が進行した結果徘徊や暴言・暴力などの迷惑行為が無くなって落ち着いている等の場合もあるからです。

他にも認知症の方と施設の職員との相性や入居者との相性によっても症状が変わることは少なくないため、他の施設に入所した場合に迷惑行為が緩和されるという場合も考えられます。

したがって、認知症で施設を追い出された場合の対処法としてまず考えられるのは、他の介護施設を選択肢に検討することであると言えるでしょう。

認知症の方を施設に入れたいがお金が無い時の対処法について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

精神科への入院を検討する

認知症で施設を追い出された場合の対処法として次に考えることが出来るのが精神科への入院です。

というのも、グループホームの介護士ももちろん認知症対応のプロですが医師や看護師も医学的な観点でケアをするプロです。精神科が設置されている病院などでは医師や看護師が認知症対応に熟知しているので施設を断られた場合は入院も選択肢の一つと言えるでしょう。

例えば、大声を出してしまったり妄想などによって他の入居者に迷惑をかけてしまう人の場合でも認知症を専門的に受け入れている精神病院などであれば対応している場合もあります。

したがって認知症で施設を追い出された場合の対処法として次に考えられるのは精神科への入院であるということが出来るでしょう。

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認知症で施設を追い出された時のポイント

認知症で施設を断られた時のポイントとしては、出来るだけ早く医療機関で診察を受けておくことや次に施設を探す時のポイントとして介護士や他の入所者との相性も見ておくことです。

具体的に解説していきいます。

早期に医療機関を受診しておく

認知症で施設を追い出された時の対処法としては、早期に医療機関を受診しておくことが考えられます

というのも、病院に入院している場合や介護施設に入所ししている場合に短期間に症状が悪化した場合などで対応できず追い出されてしまった場合に、次に入所できる病院・施設をすぐに探すことは至難の業です。

徘徊や暴力などの対応できない可能性が高い症状が出た時にすぐに対応できるように、介護者などの周囲のん隠元が状況を把握し早めに病院受診を受けておくことが必要です。

特に家族や入所者、介護者に暴力をふるうケースでは病院に緊急入院することも少なくないため、本人の認知症の症状を熟知していてすぐに入所することが出来る施設を事前に確保しておくことが重要であると言えるでしょう。

他の入所者との相性を見ておく

認知症で施設を追い出された場合に、次の施設を探す場合はほかの入所者との相性も見ておくことを意識しておきましょう

というのも、認知症の症状として周囲の環境変化によって変わることが少なくなく、周囲の環境として入所者や介護者は大きな要素の一つです。

例えば、男性の入所者の場合は女性が施設にいる場合にセクハラ行為や介護者に対しても同様の行為に出る場合があるので、男性の入所者や介護者が多い施設に入所させる方がいい場合があります。

したがって認知症の方の状況の悪化が起るタイミングとして他の入所者や介護者に共通点がある場合はそれを見据えて人の観点から施設を選ぶのも一つの選択肢と言えるでしょう。

認知症の方を施設に入れるタイミングについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

認知症で施設を追い出された場合の相談先

認知症で施設を追い出された場合の相談先として最も頼りになるのが地域包括支援センターです。地域包括支援センターとは、中学校の学区と同じ数だけ市区町村に設置されている行政から業務を委託された相談センターで、地域の医療機関や介護期間との連携が取れている相談窓口です。

したがって、事情を説明し介護施設や病院などですぐに入れる施設を探してもらうことも可能ですので、認知症で施設を追い出された場合はまず地域包括支援センターに相談するようにしましょう。

認知症の介護は本人が充実した環境で過ごすことだけではなく、介護者のケアも重要です。したがって、入所者だけではなく介護者にもケアをする意味でも早期に相談するようにしておきましょう。

親を施設に入れる時の手順やタイミングについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

認知症で施設を追い出されることはある?

認知症で介護施設を追い出されることはあります。他の入居者や職員に暴言や暴力などで物理的な損傷を与える可能性がある又は与えた場合や、本人が必要としている医療行為を当該施設で提供することが出来ないケースなどは退居を求められることがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

認知症で施設を追い出された場合の対処法は?

認知症で施設を追い出された場合の対処法として考えられるのは、グループホームや特別養護老人ホームなどの選択肢に他の施設を探すことや病院の精神科への入院を検討することが考えられます。詳しくはこちらをご覧ください。

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