• 認知症
  • 【公開日】2023-02-20
  • 【更新日】2023-02-16

認知症の予防に有効な生活習慣・食べ物・トレーニングまで紹介!

認知症の予防に有効な生活習慣・食べ物・トレーニングまで紹介!

現在日本では、少子高齢化が問題となっています。2025年には全人口のおよそ5分の1が後期高齢者になると言われており、見過ごせない問題です。

以下のような悩みを抱える方は多いのではないでしょうか。

  • 親や自分が認知症になったらどうしよう…
  • 認知症を防ぐ方法はないのかな…

認知症についてのさまざまな不安を軽減するために、この記事では認知症予防に効果的な「生活習慣」「食べ物」「トレーニング」について解説していきます。ぜひ参考にして認知症に対する不安を取り除きましょう。

徳島赤十字病院
監修郷 正憲
所有資格:日本麻酔科学会専門医、ICLSコースディレクター、JB-POT
専門分野:麻酔科、精神科(心療内科)、 脳神経外科、整形外科,、総合内科、口腔外科など

香川大学医学部医学科を卒業後、同年4月より徳島赤十字病院で研修、2013年より正式に従事する。 専門分野は麻酔科をはじめ、精神科(心療内科)、 脳神経外科、整形外科,、総合内科、口腔外科など多岐にわたる。 著書に「看護師と研修医のための全身管理の本」(2022)などがある。詳しくはこちら

所有資格:一般社団法人 薬機法医療法規格協会 薬機法医療法遵守広告代理店認証
専門分野:化粧品や健康食品における広告表現
職業: 薬機法管理者

2003年からヘルスケア情報サービス事業・治験支援事業を行っている企業にて、主にDTC広告の企画営業に携わる。 4年ほど企画営業を担当後、自社のヘルスケアサイトの運営、製薬会社・健康食品メーカーの記事広告の制作を行うが、この時に薬機法(薬事法)についての知識を学び、広告記事の精査を経験。 2017年退社。現在は臨床研究の支援を行う企業にて研究事務局支援に携わる。東京在住。 現在は本業の傍ら化粧品や健康食品の企業の広告等の薬機法チェックを行う。詳しくはこちら

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予防のために認知症を知ろう!

認知症を予防するために、まずは認知症を知るところから始めましょう。認知症にはいくつかの種類があり、もの忘れと間違えられる場合も多いです。認知症の概要について以下の3つに分けてご紹介します。

  • 認知症とは
  • 加齢と認知症それぞれの物忘れの特徴とは
  • 認知症の4つの種類とは

ここでは認知症がどのようなものなのか、加齢による物忘れとの違いや種類などについても詳しく解説します。

認知症とは

認知症とは、脳の病気・障害などがきっかけで認知機能が低下し、生活全般に支障がる病気です。 原因は不明であり、年齢を重ねるほど発症する可能性が高まります。

ただし、65歳未満で発症する場合もあり「若年性認知症」と呼ばれています。2025年には5人に1人が認知症になると予測されているのです。

認知症は、治療法が確立されていませんが、進行を遅らせる方法はあります。そのため早期発見し、早めに治療を始めるのが重要です。

参照:『みんなのメンタルヘルス 厚生労働省

加齢と認知症のそれぞれの物忘れの特徴とは違い

年齢を重ねると、物忘れが出てくる場合があります。物忘れが加齢によるものなのか、認知症によるものなのかを見分けるのは難しいでしょう。

以下の表は、加齢と認知症それぞれが要因となる物忘れの違いをあらわしたものです。これらの状態は重複することがあり、完全に鑑別が可能とはなりませんが、ある程度の指標にはなるでしょう。

加齢によるもの 認知症によるもの
体験した物事 一部を忘れてしまう

(朝食のメニューなど)

すべてを忘れてしまう

(朝食を食べたかどうか)

もの忘れの自覚 自覚がある 自覚がない

(初期には自覚がある場合もある)

日常生活への支障 ない ある
症状の進行 極めて徐々に進行する 進行する

このような症状を確認することで、認知症の早期発見に努めましょう。早く治療を開始できれば、進行を遅らせる可能性があります。

参照:『知っておきたい認知症の基本

認知症の4つの種類とは

認知症には主なもので4つの種類があります。以下の表はそれら4つの認知症の種類と特徴をあらわしたものです。

特徴
アルツハイマー型

認知症

  • 昔の事柄はよく覚えているものの、最近の事柄は忘れてしまう。
  • 軽度の物忘れから始まり、やがて時間や場所が分からなくなっていく。
脳血管性認知症
  • 高血圧や糖尿病など、生活習慣病が主な原因となる。
  • 脳血管障害が起こるたびに段階的に進行する。
  • 障害を受けた部位によって症状が異なる。
レビー小体型認知症
  • 幻視や手足が震える・筋肉が固くなるなどの症状がある。
  • 歩幅が小さくなり転びやすくなる。
前頭側頭葉型認知症
  • 感情の抑制がきかなくなる。
  • 社会のルールを守れなくなる。

参照:『認知症施策の総合的な推進について

認知症はほかにも種類があり、種類によって治療法が変わります。また、完全に独立して一種類の認知症を発症している場合もありますが、複数の認知症を合併している場合もあります。適切な診断を受け、それぞれの診断に合った治療が必要です。

また認知症の方が入居できる老人ホーム・介護施設をお探しの方は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。

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認知症予防のための効果的な5つの生活習慣とは

認知症を予防するためには、日々の生活習慣が重要です。認知症の予防に効果的と言われている以下の5つの生活習慣について解説します。

  • バランスのよい食事
  • 適度な運動
  • 頭を使う知的活動
  • まわりの方とのコミュニケーション
  • 6時間以上の睡眠

ぜひ参考にして認知症予防につとめましょう。

バランスのよい食事

認知症の予防に大切とされているのは、バランスのよい食事です。

過度なカロリー摂取や塩分摂取は、高血圧・高脂血症・糖尿病などになる可能性があります。結果、動脈硬化となり、認知症の要因の一つとなってしまうのです。糖分や間食の摂りすぎも発症リスクを高めるため、注意が必要です。

またバランスよく栄養素を摂るのも重要です。認知症予防に効果的と言われている食材を、積極的に取り入れるようにしましょう。サプリメントで補うのも良いのですが、サプリメントに含まれていないような微量元素などの栄養素も認知症予防には重要ではないかと言われています。なるべく食事から栄養を摂取することを心がけた上で、補助的にサプリを使用する様にしましょう。

適度な運動

寝たきりになると、認知症になりやすいと言う傾向があります。逆に「よく歩くと認知症になりにくい」とわかっています。

筋力が落ちると、生活の幅が狭くなり脳の働きも悪くなってしまうと言われています。ウォーキングなどの有酸素運動は、認知症の予防に効果が期待できます。

散歩は気軽に取り入れられる全身運動なので、10分程度から取り入れてみるとよいでしょう。

頭を使う知的な活動

認知症を予防するために、普段からゲームやパズルなどの知的な活動を取り入れましょう。買い物をするときに計算しながら買い物をするのも、脳が鍛えられます。

運動と組み合わせて頭を使うのも、脳の働きが活発になり認知症予防につながります。例えば、散歩をしながらしりとりするのもよいでしょう。

一人でもできますが、二人以上で行えば楽しみながら続けられます。さまざまなものを組み合わせて、楽しく続けられる習慣づくりをしましょう。

まわりの方とのコミュニケーション

会話をするだけでも脳が刺激されるので、家族や友達との会話を楽しむようにしましょう。コミュニケーションがないと、引きこもりがちになり生活に活力がなくなります。

家族が離れて暮らしている場合でも、電話やインターネットを活用して会話をするようにしましょう。地域での交流会などへ参加して楽しむのも大切です。

また、ボランティア活動などを通してさまざまな年齢の方と交流するのも、脳へのよい刺激となるでしょう。

6時間以上の睡眠

6時間以下の睡眠だと認知症のリスクが3割高まるとのデータがあります。睡眠障害が原因で認知症を発症するのか、認知症が発症してから初期症状として睡眠障害が出るのかは分かっていません。

しかし、質のよい睡眠がとれれば認知症の発症リスクは下げられる可能性があります。質のよい睡眠は、脳の中に溜まる不要な老廃物を排出するために必要です。

また、質のよい睡眠をとるために、寝る前のテレビやスマートフォンの使用は控えるようにしましょう。

参照元:『睡眠6時間以下で認知症リスク3割増 日本経済新聞

認知症予防のための生活習慣を実践する際に気になる2つのポイント

認知症を予防するために、生活習慣が重要だと分かりました。しかし、生活習慣を実践するにあたって以下の2つのポイントについて気になる方が多いでしょう。

  • 何歳から始める?
  • やってはダメな生活習慣は?

ここでは、それぞれについて具体的に解説していきます。

何歳から始める?

認知症が起きる要因の一つとして挙げられるのは、動脈硬化です。動脈硬化は「喫煙」「コレステロール」「高血圧」「肥満」「運動不足」などが要因とされています。

若いうちから暴飲暴食を避け、適度な運動習慣を取り入れるようにするのが大切です。また中高年では、認知症の要因ともなる生活習慣病にならないように気をつけるのが重要といえます。

認知症の原因となると言われている生活習慣病は以下のとおりです。

  • 糖尿病
  • 脂質異常症
  • 高血圧

また、脳卒中や脳挫傷も認知症の原因となります。これらの病気は上記の糖尿病、脂質異常症、高血圧症が発症リスクを上昇させますから、注意が必要です。

高齢になってから生活習慣を変えるのは難しいでしょう。生活習慣病を予防するためにも意味でも、若いうちから生活習慣を整えるようにしておくのが大切です。

やってはダメな生活習慣は?

認知症を予防するためにやってはいけない生活習慣には、以下が挙げられます。

  • 暴飲暴食・偏った食事
  • 運動不足
  • 乱れた生活
  • 喫煙
  • 多量の飲酒

偏った食事や食べ過ぎなどに注意しなければなりません。運動不足を解消するように心がけるのが大切です。喫煙は、認知症につながる病気の発症リスクを高めるでしょう。

また、多量の飲酒は脳を萎縮させますが、中程度の飲酒であれば、認知症の予防になる可能性もあるでしょう。

認知症を予防する食べ物とは?

認知症を予防するためにバランスのよい食事が必要だと先述しました。ここでは、食事について、以下の3つを紹介します。

  • 必要な栄養素
  • 積極的に摂りたい食材
  • 食事での注意点

ぜひ参考にして、日々の食生活に取り入れてください。

必要な栄養素

認知症予防に有効であると言われている栄養素は、以下の表のとおりです。

栄養素 特徴
DHA・EPA
  • 血液をサラサラにする
  • 中性脂肪・コレステロール値を下げる
ポリフェノール
  • 強力な抗酸化作用がある
  • 活性酸素など有害物質を無害な物質に変える
  • 水に溶けやすく持続性がないので毎日摂取する必要がある
カテキン
  • お茶の苦み成分でありポリフェノールの一種
  • 抗酸化作用がある
ビタミンB12
  • 神経や血液細胞を健康に保つ
  • 遺伝物質「DNA」の生成を助ける
葉酸
  • ビタミンB群に属する水溶性ビタミン
  • 赤血球の生成を助ける
  • 細胞の生産・再生を助ける

DHA・EPAは血管を健康に保ち、ポリフェノールとカテキンは、抗酸化作用により動脈硬化を防ぎます。

ビタミンB12は疲労や体力低下を防ぎ、葉酸は赤血球の生成や細胞の生産・再生を助けます。

積極的に摂りたい食材

認知症予防のために積極的に摂りたい食材は、以下の表のとおりです。

種類 食材
さんま・いわし・さばなどの青魚
野菜 ほうれん草・小松菜・菜の花など
くだもの いちご・キウイ・オレンジなど
大豆 納豆・味噌・おから・豆乳など
飲み物 コーヒー・緑茶・ワインなど

認知症の予防には、バランスのよい食事が大切です。日々の積み重ねによって認知症予防を心がけましょう。

食事での注意点

認知症の予防には、食事にも注意が必要です。食事における注意点は以下のとおりです。

  • 暴飲暴食をしない
  • 食事が偏らないようにする
  • 塩分・糖分を摂りすぎない

また、認知症のリスクをあげると言われている食材には以下のようなものがあります。

  • 肉の脂身
  • マーガリン
  • ショートニング

血中のLDLコレステロールが増加して動脈硬化を引き起こし、脳へダメージを与えます。毎日の食事が、認知症の予防には大切です。

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認知症を予防するトレーニングとは?

認知症を予防するためには、トレーニングが大切です。以下のようなものがあります。

  • スポーツなどの運動
  • 脳トレゲームなどの知的活動

ぜひ取り入れて認知症予防につとめましょう。

スポーツなどの運動

認知症を予防するためによいと言われている運動には、以下のようなものがあります。

  • ウォーキング
  • 踏み台昇降運動
  • 水泳
  • ヨガ
  • エアロバイ

体の状態に合わせて上手にスポーツを取り入れると、認知症の予防に効果的です。水泳は、泳がなくても水中でウォーキングをするだけでも十分効果が見込めます。椅子や床に座ってできる運動もあるので、無理のない程度に取り入れましょう。

脳トレゲームなどの知的活動

脳トレなどを取り入れるのもよいでしょう。効果的な脳トレは、以下のとおりです。

  • 買い物の計算
  • 間違い探しゲーム
  • パズルゲーム
  • 将棋 ・オセロ

脳トレは、脳の衰えを改善できます。日々の生活の中に積極的に取り入れてみると効果的です。

考えながら、指先を動かすようなトレーニングを選ぶようにしましょう。複数で行えば、コミュニケーションもとれるので脳によい刺激となります。

認知症予防のためのコグニサイズとは?

コグニサイズとは、国立長寿医療研究センターが開発した認知症予防を目的とした取り組みです。一人でもできますが、大人数でやるとコミュニケーションにもなり楽しみながら脳を鍛えられます。

コグニサイズには以下のような方法があります。

  • 一人でできるステップ
  • 頭を使いながらウォーキング
  • ラダーを使ったステップ
  • 座った状態で全身運動
  • グループで楽しく運動

それぞれについて詳しく解説します。

一人でできるステップ

足でステップを踏みながら手で拍手するなど、手足の動きを同時に行うトレーニングです。左右バラバラの動きをすると、脳へのよい刺激となります。

課題が上手くできるようになると、脳への負担が減ります。課題に慣れたら難易度を上げて徐々に負荷をかけ、さらに脳を鍛えましょう。

参照元:『コグニサイズ

頭を使いながらウォーキング

健康のために、ウォーキングを取り入れる方は多いのではないでしょうか。認知症の予防のために、ウォーキングにしりとりを追加してみる方法があります。

体を動かしながら頭を働かせると、脳の刺激になり鍛えられるでしょう。一人でもできますが、二人でやればさらに楽しいトレーニングとなります。

ほかにも「数をかぞえながら」「計算しながら」など、さまざまなものと組み合わせれば飽きずに続けられるでしょう。

ラダーを使ったステップ

ラダーは、棒をひもでつなぎハシゴ状にしたトレーニングのための道具です。ラダーを地面に置き、踏まないようにステップを踏むトレーニングです。

慣れてきたら逆の足からスタートしたり、手を叩いたりなどほかの動作を加えるとよいでしょう。最初はマスの中だけで行う簡単なステップから始め、慣れてきたらマスの外側も使って複雑なステップにしていきます。

無理せず自分のペースで行いましょう。

座った状態で全身運動

高齢者の中には足腰が弱り、立った状態での運動が難しい方もいるでしょう。椅子や床に座った状態でもトレーニングができます。

数を数えながら体にタッチしたり、その場足踏みをしたりなどバリエーションは豊富です。数を「3の倍数」「7の倍数」などと決めて体にタッチするのも、脳に負荷をかけるのために効果があります。

簡単なものから取り入れて習慣にするとよいでしょう。

グループで楽しく運動

コグニサイズは、複数人で一緒に取り組めば楽しくトレーニングができます。一緒に踏み台昇降運動しながらしりとりをしたり、順番に数えて手足を動かしたりなど楽しくトレーニングができるでしょう。

コグニサイズは、無理をしないで徐々に行っていきます。「ややきつい」くらいの運動を行うと効果的です。

いきなりきついトレーニングをするのではなく、毎日少しずつ積み重ねていきましょう。

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認知症を予防するには日々の積み重ねが大切

認知症を予防するには、以下のような生活習慣が有効です。

  • バランスのよい食事
  • 適度な運動
  • 頭を使う知的活動
  • まわりの人とのコミュニケーション
  • 6時間以上の睡眠

認知症の予防は一朝一夕ではできません。日々の積み重ねが大切です。この記事の内容を日々の生活に取り入れて、認知症予防につとめましょう。

認知症の予防に、スマホゲームは効果ありますか?

いわゆる「脳トレ」のような、脳に負荷をかけられるゲームであれば効果がある可能性があります。特に「アクションゲーム」は瞬時に判断し対応する必要があるため、認知機能の向上に効果的であるといえます。詳しくはこちらをご覧ください。

認知症を予防するためには、なるべく激しい運動を取り入れるべきですか?

ウォーキングや踏み台昇降運動など、簡単なものでも効果は期待できます。毎日の生活に運動を取り入れて習慣にしましょう。できる範囲で取り入れてみてください。詳しくはこちらをご覧ください。

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