親の介護が必要になったときにやるべきこと

親の介護が必要になったときにやるべきこと
親の介護が必要になった方へ、相談先の紹介や要介護認定、ケアプランの作成から心がけについて紹介します。
宮崎 牧子 学長補佐/教授
大正大学 社会福祉学科
日本介護福祉学会、日本ソーシャルワーカー協会、日本社会福祉学会など
日本女子大学大学院社会福祉学専攻修了後、介護福祉士養成校、愛知みずほ大学を経て、1997年より大正大学にて高齢者福祉論などを担当、現在に至る。
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介護が必要になる状況について

介護が必要になる状況については、大きく2つあります。

1つ目は、少しずつ介護が必要になる場合です。

  • 歩行

杖歩行やシルバーカーの利用、車イスの利用。

  • 食事

買い物ができなくなる、食材があれば自分で調理できる、自分で調理できなくなる、食事の半介助、食事の全介助。

  • 入浴

入浴の準備ができなくなる、入浴の半介助が必要、入浴の全介助が必要、自宅の浴槽での入浴が困難。

  • 排泄

バリアのあるトイレのため排せつが困難、車イス対応のトイレでないため排せつが困難、歩行ができなくなりオムツの着用。

  • 整理整頓

冷蔵庫や押し入れなどに同じものがいくつもある、冷蔵庫にいれるべきものでないものがはいっている(例えば、歯磨き粉、印鑑など)、台所の棚に焦げた鍋がある、押し入れに汚れた下着があるというように、自分でできることが少しずつ変化していくような状況です。どちらかというと、介助が必要な状況といった方がわかりやすいでしょう。

2つ目は、急に介護が必要になる場合です。

元気に生活していたが、疾病や事故により、命は助かったが身体が不自由になり、急に介護が必要になることが起こります。あるいは、急に一時的な介護が必要となる場合もあります。

この場合は、本人はもとより、家族は何をどうしたらよいのか急なことのため、途方にくれてしまいます。

したがって、介護保険制度の保険料徴収が始まる40歳(第2号被保険者)になったら、介護保険制度のサービスを受ける場合の手順について知っておく必要があります。備えあれば憂いなしです。

介護のこと、老後のこと、不安や心配について

介護が必要となる前でも、健康状態への不安や介護に関する心配などがあれば、相談できる身近な窓口があります。

本人の居住している自治体の介護保険課高齢者福祉課の窓口または、地域包括支援センターへ連絡をとれば、気軽に相談に応じてくれます。

相談の内容によっては、利用できるサービスや支援について情報提供があり、利用につながる機会にもなります。

介護が必要になったら、まずやるべき要介護認定について

介護が必要となった際に、介護保険制度のサービスを利用したい場合は、要介護認定の申請が必要となります。

介護が必要となった本人(以下、本人)の居住している自治体の介護保険課や高齢者福祉課の窓口または地域包括支援センターにおいて、要介護認定の申請をしてください。

申請できる人は、本人、家族、成年後見人、厚生労働省令で定められた居宅介護支援事業者(自治体などの指定を受け、ケアマネジャーを配置)や介護保険施設などに代行してもらうこともできます。

要介護認定を申請すると、認定調査があります。この認定調査は、自治体の職員などが本人の自宅、入院している場合は医療機関を訪問して、心身の状態を調べるために、本人と家族などから聞き取り調査を行います。

また、主治医意見書(本人の主治医が、介護を必要とする原因疾患などについて記載)が必要です。この主治医意見書は、自治体から主治医に依頼をします。

認定調査の結果(認定調査票)と主治医意見書をもとにコンピュータ判定(一次判定)が行われ、一次判定の結果と認定調査票、主治医意見書をもとに、「介護認定審査会」で審査されます。

この「介護認定審査会」は、自治体が任命した医療、保健、福祉の専門家により、総合的に審査し、要介護状態区分を決定します。その審査結果にもとづいて、本人に認定結果が通知されます。

ケアプランの作成について

要介護1~要介護5に認定された者で、介護保険制度により介護サービスを利用する場合には、ケアプランを作成し、ケアプランにもとづいてサービスを利用します。

この時、本人が在宅でサービスを利用したい場合と施設入所したい場合では、異なりますので、覚えておいてください。

  • 在宅でサービスを利用したい場合

本人または家族などが、どこの居宅介護支援事業者に、ケアプラン作成を依頼するかを決めなくてはなりません。依頼する居宅介護支援事業者が決まったら、自治体へ「居宅サービス計画(ケアプラン)作成依頼届出書」を提出します。

実際にケアプランを作成するためには、決定した居宅介護支援事業者のケアマネジャーが本人と面接し、アセスメント(問題点や課題について把握すること)を行い、サービス利用のケアプラン原案を作成します。ケアマネジャーは、そのケアプラン原案をもとにして、本人や家族、サービス事業者の担当者による3者で、話し合いを行います。この時、家族は本人の希望をよく聞いて、ケアプラン原案に反映できるように検討することを心がけてください。ただし、介護保険制度のサービスは、介護度による「利用者負担のめやす」などがあることを知っておいてください。

話し合いの結果を踏まえて作成されたケアプランの具体的な内容について、本人の同意を得ます。その後、そのケアプランに盛り込まれたサービス事業者と本人が契約を行い、サービス利用が始まります。

  • 施設入所したい場合

この場合の施設とは、介護保険施設になります。介護保険施設とは、(1)介護老人福祉施設(特別養護老人ホームとも呼ばれている)、(2)介護老人保健施設(老人保健施設とも呼ばれている)、(3)介護医療院(4)介護療養型医療施設(2024年3月末廃止)です。

入所を希望する介護保険施設に、直接入所の申し込みをします。入所申し込みをして、空きがあり、入所できることとなった後、入所する施設のケアマネジャーが本人と面談し、ケアプランを作成します。その後、施設入所しサービスを利用することとなります。

福祉用具の利用や住宅改修の支援について

介助や介護が必要になる状態で在宅生活を続けていくためには、高齢者本人、そして介護する者にとっても生活環境を整えることは、大変重要なことです。

まず、福祉用具には、レンタルするものと購入するものとに分けられております。ただし、2024年4月以降、内容が変わります。2024年度になったら、本人の居住している自治体が発行する「みんなの介護保険の利用ガイドブック」を入手して、確認してください。

つぎに、介護保険制度でできる住宅改修としては、①廊下や階段②浴室やトイレなどへの「手すりの取り付け」③段差解消④滑り防止などのための「床または通路面の材料の変更」⑤引き戸などへの「扉の取り替え」⑥洋式便座などへの「便器の取り替え」などです。これらの住宅改修に係わる費用の20万円を上限に、利用者負担(1割、2割、3割)を除いた金額(18万円が支給の上限)が支給されます。申請に必要な書類が多数あるため、必ず改修する前に、ケアマネジャーまたは地域包括支援センターにて相談をしてください。

家族が介護に係わる際の心がけについて

高齢者の介護については、まず先が見通せないことからくる困難さがあります。半年、1年というように期間が限られないことです。したがって、一人で頑張り過ぎてはなりません。家族だけでなく、介護保険制度や高齢者福祉制度を上手に利用することを考えるようにしてください。

つぎに、高齢者は長い年月生きてきたからこそのプライドがあります。このプライドを大切にする関係を継続して欲しいと思います。とくに、家族が認知症になった時こそ、プライドを侵害することのないように心がけてください。そのためにも、専門家に係わってもらうことは、意味のあることです。認知症カフェ、介護者カフェ、地域包括支援センターなど身近な地域社会にある社会資源を活用して、時には息抜きをしながら、介護に係わってください。

参考資料

豊島区介護保険制度パンフレット

r5_minnnanokaigohokenn_riyougaidobook.pdf (toshima.lg.jp)

介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会 対応の方向性に関する取りまとめ

001168127.pdf (mhlw.go.jp)

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