• 要介護4
  • 【公開日】2022-10-17
  • 【更新日】2024-10-31

要介護4とは|要介護3との違いやもらえるお金なども解説

要介護4とは|要介護3との違いやもらえるお金なども解説

要介護4のとは、自力で立つ・歩くなどの基本的な動作を行うことが難しく、座った状態を保ち続けるのも難しい状態となります。同時に認知機能の低下も現れ始める状態です。

本記事では、認知症や一人暮らしができるかなどの状態について、また、ケアプラン例も交えたサービス内容について、そのほか、もらえるお金や自宅介護にかかる費用などを解説していきます。

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株式会社アテンド 代表取締役
専門分野:介護全般

旧三菱銀行およびみずほ銀行で10年ほど窓口やローンアドバイザーに従事したのち、 2013年に介護事業を運営する株式会社アテンド設立。 同年6月にリハビリ特化型「あしすとデイサービス」開設。 メディア実績は厚生労働省老健事業「サービス活用販促ガイド」、週刊ダイヤモンド、 経済界、シルバー新報、聖教新聞、ABEMA Rrime など 介護事業経営と父の介護を8年経験したスキルを活かし、現在は講師として著者として介護のノウハウを提供。介護する人とされる人が安心して暮らせる環境つくりに邁進している。詳しくはこちら

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要介護4とはどんな状態?

要介護4の状態としては、自力で立つ・歩くなどの基本的な動作を行うことが難しく、座った状態を保ち続けるのも難しい状態と言えます。同時に認知機能の低下も現れ始めるのも特徴となっています。

具体的には以下のような状態となっています。

  • 昼夜問わずに常に日常生活介助が必要な状態
  • 食事、入浴、排せつ、着替えなどの日常の動作で全面的な介助が必要
  • 認知機能の低下が見られ、意思疎通が難しくなることもある

要介護4の認定基準

一つの基準として「要介護認定等基準時間」があります。

これは、介護が必要な方の介護を行う時間を指しており、要介護4であれば「90分以上110分未満」が一つの基準となっています。例えば、「70分以上90分未満」であれば要介護4よりも軽度な要介護3、「110分以上」であれば要介護4より重度な要介護5と認定される可能性が高いです。

ただし、要介護認定は高齢者の心身状況や持病の有無などによっても左右される可能性があります。そのため、要介護認定等基準時間はあくまで一つの目安として捉えておきましょう。

要介護4と要介護3の違い

要介護4と要介護3の違いは、介助時間の違いが大きいと言えます。

内閣府の「令和元年版 高齢社会白書(全体版)」によると、同居している主な介護者の介護時間を比較すると、要介護3で最も多いのは32.5%で「ほとんど終日」要介護4で最も多いのは45.8%で「ほとんど終日」となっており、要介護4の方の方が介助時間が長いことがわかります。

ほとんど終日 半日程度 2~3時間程度 必要な時に手を貸す程度 その他 不詳
要介護3 32.50% 17.60% 13.10% 27.70% 5.90% 3.30%
要介護4 45.8% 8.6% 21.7% 11.5% 7.7% 4.7%

以上より、要介護4の方が終日介護が必要という人の割合が多く、上述したように日常生活動作のほとんどで介助が必要であることがわかります。

また、要介護3と4で利用することが出来る介護サービスに違いはありません。

要介護4と要介護5の違い

要介護4と5の違いは、主に身体状態と意思疎通の可否の2つです。

身体状態については、どちらも基本的には寝たきりの状態ではありますが、要介護4ではわずかに自力でできることがあるのに対し、要介護5になると自力で行えることがほとんどない状態となります。

また、要介護4は一定の意思疎通が可能であるのに対し、要介護5では意思疎通が不能となるケースが多くなる傾向にあります。

内閣府の「令和元年版 高齢社会白書(全体版)」によると、同居している主な介護者の介護時間を比較すると要介護4で最も多いのは45.8%で「ほとんど終日」、要介護5で最も多いのは56.7%で「ほとんど終日」となっており、要介護5の方の方が介助時間が長いことがわかります。

ほとんど終日 半日程度 2~3時間程度 必要な時に手を貸す程度 その他 不詳
要介護4 45.8% 8.6% 21.7% 11.5% 7.7% 4.7%
要介護5 56.7% 12.8% 7.9% 3.0% 11.9% 7.7%

要介護4と認知症

要介護4の認知症の程度については明確な規定はありません

要介護4とは、起居動作や座位の保持などが困難かつ日常生活の全般に介助が必要な状態が目安となり、要介護認定等基準時間が「90分以上110分未満」であることが認定時の基準となりますが、、認知症の具体的な症状などは明確に規定はされていません。

そのため、身体機能の低下から自立した生活ができないものの、認知症の症状は見られないといったケースで要介護4の認定を受けることもあります。逆もまた然りであり、身体機能は失われていないものの認知機能の低下が顕著であり、結果的に自立した生活ができないケースでも要介護4の認定を受けるということもあります。

要介護4に認定される場合、認知症の症状としては、これらの周辺症状(BPSD)がよく見られます。

  • 徘徊
  • 不潔行為(排泄物を食べる投げるなどの行為)
  • 妄想(財布を取られたなどの被害妄想など)
  • 誤食や異食(食べ物ではないものを食べてしまう行為)
要介護4の状態の方の食事における注意点
要介護4の認定を受けている場合、食事の際は特に以下の点に注意が必要です。
・嚥下機能が低下しているため、誤嚥性肺炎になる恐れがある
・介護食や経管栄養での食事・栄養摂取によって、食事本来の楽しみを失う
そのため、作業的に食事を食べさせることはせず、適度に声かけや飲み込めているかの確認をしながら、基本的には自分で食べてもらうことを心がけましょう。

要介護4で一人暮らしや自宅介護はできる?

要介護4の認定を受けた人が一人暮らしをする、あるいは自宅介護で生活することは非常に難しいと言えるでしょう。

要介護4の認定を受けた人の生活

上記グラフの通り、要介護4の認定を受けている方の場合、自宅介護をしていたり一人暮らしをしているケースは4割に満たず、半数以上の方が施設に入居する選択をしています。

前述の通り、要介護4の状態は日常生活の支援や介助がほとんど終日発生するため、自宅で生活するには無理があります。

特に一人暮らしの場合は、病気や怪我、災害時の対応が難しかったり、ただでさえ意思疎通が困難な状況なのにも関わらず、会話の機会が少ないことから寂しさを感じてしまうことも多いでしょう。

要介護4の余命は?

要介護4の認定を受けた方の余命は、およそ9~12年ほどだと考えられます。

平均余命と健康余命の差

参照:厚生労働省 e-ヘルスネット「平均寿命と健康寿命」

上記の図の通り、要介護認定を受けてからの余命は男性で8.73年、女性で12.06年であり、要介護4は重度の要介護状態であるため、平均余命はより短くなることが考えられます。

要介護4の状態から回復することは可能かという点については、一般的に要介護4の状態から要介護3以下の状態に回復することは厳しいと言えるでしょう。

ただし、要介護4の認定を受けていれば、訪問リハビリや通所リハビリ(デイケア)というリハビリが利用できるため、専門スタッフによる指導のもとでリハビリに励むことで、一定自立した生活を送れるように回復したという事例も存在します。

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要介護4のケアプラン例

要介護4でもデイサービスに通い続けたい方向け

【Aさん・79歳・女性・要介護4/妹(77歳)と2人暮らし】
多発性筋炎による関節痛や間接拘縮があり、室内は杖を使ったり壁伝いに歩いている。外出には車いすの利用が必須。
筋力低下は著しく、これからも憎悪の傾向にある。
医師からもできるだけ安静に努めるように言われているが、生きがいとなっているデイサービスは続けたい。

8:00~9:00
9:00~10:00

通所介護

(デイサービス)

訪問介護 訪問介護 訪問介護

通所介護

(デイサービス)

 訪問介護
10:00~11:00
11:00~12:00
12:00~13:00
13:00~14:00
14:00~15:00
15:00~16:00
16:00~17:00 訪問介護 訪問入浴 訪問介護 訪問介護
17:00~18:00

その他:住宅改修、福祉用具購入

利用サービス 利用頻度 利用回数/月 金額/回 金額/月
訪問介護(30分以上1時間未満) 7/週 28 3,960円 110,880円
訪問入浴(1回につき) 1/週 4 12,600円 50,400円
通所介護(6時間以上7時間未満) 2/週 8 8,970円 71,760円
合計 233,040円
自己負担(1割の場合) 23,304円

料金の参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造」(令和3年)

Aさん場合はデイサービスを週に2回利用していますが、要介護4の認定を受けていれば週4~5回利用することが可能です。

要介護4における区分支給限度基準額は30,938点であるため、1か月の間に約309,380円分(1点の単価が10円のエリア)の介護サービスを利用することができます。

厚生労働省が公表しているデイサービス(通所介護)の利用者負担は、要介護4の場合1,003円であるため、他のサービスを利用しなければ30日分デイサービスを利用することができます。

要介護4のデメリット?サービスによっては利用料が高くなることがある
デイサービスなどの介護サービスは要介護度ごとに料金が設定されており、介護度が上がると料金が上がる仕組みになっています。
そのため、要介護4に介護度が上がった場合、今までと利用回数が同じであったとしても費用負担が大きくなることになります。
介護度によって利用料が変わる介護サービスには、デイサービス、ショートステイ、通所リハビリ、小規模多機能型居宅介護などがあります。

要介護4で施設サービスを利用したい方向け

【Dさん・73歳・女性・要介護4/一人暮らし】
肺がんの治療から退院したばかりで体力の低下が著しく、食事以外の日常動作をほぼ自力で行えない。
居宅内では何とか歩行は可能だが、見守りなしで外に出ることが難しい。
更に自宅は集合住宅の5階でエレベーターが無いため、生活の維持が難しい状況。
食も細くなりだんだんとやる気も失せていく気配を感じ、遠方に住む家族と相談して特養へ入所することになった。
8:00~9:00 特養 特養 特養 特養 特養 特養 特養
9:00~10:00
10:00~11:00
11:00~12:00
12:00~13:00
13:00~14:00
14:00~15:00
15:00~16:00
16:00~17:00
17:00~18:00
名称【運営】 初期費用(入居一時金・敷金) 月額利用料
特養(特別養護老人ホーム)【公的】 なし 5~15万円
介護医療院【公的】 なし 6~17万円
介護付き有料老人ホーム【民間】 0~数億円 15~40万円

上記は、特養(特別養護老人ホーム)に入居するプランとなります。

要介護3以上の認定を受けている方が入居できる特養では、施設で暮らしながら食事や入浴、排泄などの介助をはじめ、たん吸引や胃ろうなどの処置も受けることができます

認知症ケアにも対応しているほか、病気の後遺症などでほとんど全面的な介護を必要とする方も安心の環境です。

その他の施設としては、介護医療院や介護付き有料老人ホームなどが選択肢に挙がります。

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要介護4の費用

要介護4で自宅介護する場合の費用は?

要介護4の認定を受けている方の自宅介護にかかる費用は、1か月あたり平均5.9万円ほどの金額となっています。

その内訳は以下の通りとなっています。

対象項目 1か月の平均費用
介護サービスにかかる費用
  • 介護サービス利用時の自己負担分
  • 介護サービス利用時の限度額超過分
1.7万円
介護サービス以外にかかる費用
  • おむつや介護食などの介護用品にかかる費用
  • 医療費の自己負担分
  • 税金・社会保障
4.2万円

参考:公益財団法人 家計経済研究所「調査の結果

要介護4の介護用品にかかる費用は?

要介護4の場合のおむつ代は、1か月で7200円~10500円が目安となっています。

1日のおむつ代費用相場は以下の通りとなっており、この30日分が1か月間の費用と考えられます。

おむつ1枚【60~70円】×1日のおむつ交換【4~5回】=1日のおむつ代【240~350円】

介護おむつ以外にも、要介護4の状態であれば、車椅子といった介護福祉用具をレンタルすることも多いでしょう。

要介護4の認定を受けている場合、車椅子のレンタルにも介護保険が適用され、1~3割の自己負担額で車椅子をレンタルすることが可能です。

ただし、車椅子を購入する場合であれば介護保険は適用されず、全額自己負担となるため注意が必要です。

具体的な費用は以下の通りです。

種類 月額のレンタル費用の相場
(1割負担を想定)
特徴
自走用車椅子 280円~800円
  • 介護者が後ろから押す以外にも、利用者自身での操作による利用も可能な車椅子
介助用車椅子 400円~800円
  • 介護者が後ろから押すなど、移動に必要な操作を介助者が行う車椅子
  • 自走用とは違い、利用者自身が操作することができない
電動車椅子 3,000円~8,000円
  • 電力によって動く全自動の車椅子
  • 利用者が自身で操作できない場合や、介護者が後ろから押すのが困難な場合に適している

要介護4でもらえるお金は?

要介護4の認定を受けただけでは、補助は受けられません(お金はもらえません)

実際には、「区分支給限度額」と呼ばれる要介護ごとに設定された上限額があり、この額を超えない限りは自己負担1~3割で介護サービスを利用することが可能です。

要介護4の区分支給限度基準額(単位)は30938点と定められており、例えば自己負担割合が1割の場合、一カ月当たり最大でも30938円(※1単位10円で計算)で介護保険サービスを利用することが出来ます。

区分 区分支給限度基準額(単位) 自己負担割合1割の場合(円) 自己負担割合2割の場合(円) 自己負担割合3割の場合(円)
要支援1 5032 5,032円 10,064円 15,096円
要支援2 10531 10,531円 21,062円 31,593円
要介護1 16765 16,765円 33,530円 50,295円
要介護2 19705 19,705円 39,410円 59,115円
要介護3 27048 27,048円 54,096円 81,144円
要介護4 30938 30,938円 61,876円 92,814円
要介護5 36217 36,217円 72,434円 108,651円

※1単位当たり10円として計算

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要介護4のまとめ|さまざまな介護サービスが必要となる要介護4

要介護4は基本的に在宅で家族のみの介護はかなり難しいと認識されます。そのため、家族の介護負担を軽減するためにさまざまな介護施設や在宅介護サービス、給付金などの金銭的援助が用意されています。

認知機能の低下に伴う過食や物盗られ妄想、興奮攻撃など、精神的にもかなり辛い場合もあるでしょう。自分や家族だけで介護を行おうとは考えず、できる限り介護士や専門家の助けを借りるようにしてください。

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