介護施設への入居を検討している方の中には、老人ホームは本当に安心できるのか?ニュースなどで不安に思っている方も多いのではないでしょうか。
今回、介護施設のマッチングプラットフォーム「ケアスル 介護」において、介護施設の入居経験がある方、もしくはその関係者250名を対象に、老人ホームに入ってよかったこと・後悔したことなどをお伺いしました。
老人ホームの入居後に行った面談の頻度も併せて質問したため、これから施設を探す方は、ぜひ参考にしてみてください。
アンケート結果概要
調査の結果、老人ホームに入って「よかった」と回答した方は約36%であり、二番目に多い「まあまあよかった」の31.2%を足すと、6割以上の方が老人ホームに入居することに満足していることが分かりました。
老人ホームの面会頻度として最も多かったのは「(週に)1回」の約43%であり、アンケートに回答した約8割以上の方が、最低でも週に1度は面会に訪れていることが分かりました。
老人ホームの満足度と面会頻度の関係を調べると、家族や友達と週1回面会している人と比べると、毎日面会している人の方が入ってよかったと考える傾向にあることが判明しました。
アンケート結果詳細
続いて、各アンケートの内容とその結果をそれぞれ紹介します。
Q1. 老人ホームに入ってよかったですか?
事前調査で「介護施設に入っている」または「入っていた(退去済)」被介護者か、「被介護者を介護施設に入れる予定」と回答された方に対して、老人ホームに入居したことによる満足度を伺いました。
回答内容 | 回答人数 |
入ってよかった |
90(36.0%) |
まあまあよかった |
78(31.2%) |
普通 |
52(20.8%) |
入らなくてもよかった |
19(7.6%) |
入って後悔している |
11(4.4%) |
調査の結果、老人ホームに「入ってよかった」と回答する方は36.0%で最も多く、2番目に多い「まあまあよかった」(31.2%)を足すと、6割以上の方が老人ホームに入居したことに満足していることが分かりました。
老人ホームに入居することにより、常時介護のプロの方に見てもらうことができる、入居者の家族の負担が削減するといった恩恵を受けられるため、多くの方が入居してよかったと回答しております。
老人ホームに入ったことによる「よかった点」に関しては、Q2で詳しく紹介します。
なお、老人ホームに「入って後悔している」と回答された方は11人(4.4%)であり、老人ホームに入れたことで後悔しているというケースは、多くはないということが見て取れます。

Q2. 介護施設に入ってよかったことを教えてください。
次に、Q1で 「入ってよかった」「まあまあよかった」または「普通」と回答された220名に対して、老人ホームに入ってよかったことを伺いました。
在宅介護の負担が軽減した
無理をして自宅で介護するより施設の環境の方が快適で安心できるから。
介護する家族の手間を減らせることができた。お互い無理をせず、余裕を持って交流できるようになったことで関係性が改善できた。
子育てとの両立が大変で、施設にお世話になってからは心身共に安心出来た。
介護による心配をすることがなくなったので、とてもストレスが減ってよかったと思う。
家族での介護が限界になっていたので、家庭が崩壊しなくてすんだ。
老人ホームに入居してもらってよかったこととして、介護する側の負担が減ったことを挙げる方が大変多く見受けられました。
コメントに寄せられたように、親の介護にストレスを感じていた方や、仕事や子育てとの両立が困難であったと回答する方は多いです。
家族が限界を迎える前に、介護施設への入居を検討することが大切です。

老人ホームでの生活・サービスに関すること
施設職員さんがやさしかった。
職員の方が一生懸命介護して頂いた。
薬の飲み忘れなく、きちんと飲ませてもらい、ひとりぼっちではないので、安心。
子世帯が近くにいるとはいえ、老夫婦だけの世帯では何かあった時が心配。その点施設ならプロの多くの目があるので安心。
食事をはじめ健康管理や治療、趣味や嗜好も手助けをしてもらえる。一人ではないことがありがたい。
家族に介護できるプロがいなかったので無理だと思った。看護士さんには頭が上がらない、感謝しかない。今でも毎日感謝感謝の日々です。
老人ホームに入居後、介護スタッフのやさしさやサービスの充実さを挙げる方も多く見受けられました。
老人ホームで働く介護スタッフは、介護に関して知識や経験に長けたプロフェッショナルであるため、入居後に安心した生活のサポートをしてもらえます。
老人ホームに入ってよかったか否かは、介護職員によって大きく左右されます。丁寧な対応をしてもらえるかどうか、施設見学時には十分に確認しましょう。
Q3. 入居する予定の介護施設・入居していた介護施設で改善してほしいことや気になっていることを教えてください
次に、アンケート対象者全員に、入居していた老人ホームにおける改善点や気になった点を伺いました。
介護職員に対して気になる点
入居者への細かな配慮が欲しい。
もう少し親身になって欲しい!!
人手不足と大変なことで、対応が遅れること。
人手不足なのは、よく分かるが、清潔に保って欲しい。
職員がころころ変わっていた点。
Q2で介護スタッフのよかった点が多く寄せられましたが、一方で気になる点としてもコメントが多く見受けられました。
人手不足や仕事のストレスにより、家族や利用者に対して失礼な振る舞いや細かい気配りができていないことも少なくありません。
介護スタッフは、入居する本人にとって毎日顔を合わせることになるため、スタッフの質が入居者の満足度に大きく影響を与えます。施設見学や体験入居を通じて、スタッフの雰囲気をよく見ておきましょう。
料金に関して気になる点
料金が最初聞いていた金額よりも結局たかくなっている。
料金をもう少し下げて欲しい。
入居後に料金が上がった、サービスに見合った料金とは思えないという不満を上げる方もいます。
民間企業の調査結果によると、2022年の間に約23%の老人ホームが値上げを実施したと報告しています。
入居後も管理費や食費の値段が上がることもあるため、老人ホームを検討する際には、無理のない資金計画を立てることが大切と言えます。

面会に関して気になる点
コロナ時期だったので、面会ができなかった。
家族との面会を増やして欲しい。
面会時間が少ない。
流行り病の影響もあり、面会時間や条件を改善して欲しいという声が多くありました。
近年は流行り病の影響もあり、多くの老人ホームで面会に制限を設けております。徐々に面会制限が緩和されているところもありますが、免疫力の低下している高齢者は感染のリスクが高く、対面での面会をお断りしているケースも多いです。
面会の制限が緩くなったとしても、面会時には老人ホームのルールに従い、検温やアルコール消毒、マスクの着用などを徹底しましょう。

その他・サービスに関して気になる点
もっと本人が楽しめるようなイベント等を定期的に実施してもらいたいと思います。
歩行訓練などがあまりないので、本人の歩く意欲が無くなる。
食事があまり美味しくない。
言語聴覚士がいれば良かった。
歯の定期検診をきちんと行ってほしい。歯の手入れは健康に大切。
老人ホームのサービスの質や医療体制についての不満も、いくつか見受けられました。中でも、医療体制との連携など、体調不調時の対応について気になる点が多かったです。
なお、これらに関しては事前の施設見学や体験入居によって避けられるケースもあります。
例えば、施設見学時にあらかじめ予約をすれば、食事を準備してもらえることもあります。また、リハビリや医師の定期診療の頻度なども、施設職員に直接伺うことができるチャンスもあるでしょう。

Q4. 入居している・入居していた方と週に何回面談しましたか?
最後に、老人ホームの面会頻度に関して伺いました。
回答内容 | 回答人数 |
0回 |
30(12.0%) |
1回 |
107(42.8%) |
2~3回 |
70(28.0%) |
4~6回 |
20(8.0%) |
毎日 |
10(4.0%) |
その他 |
13(5.2%) |
アンケートに回答いただいた方のうち、一番多かったのは「1回」(42.8%)でした。また、週1回以上面会している方を足すと、約8割の方が週に1回以上は面会に訪れていることが分かります。
定期的に面会に行くことにより、本人の顔色や表情の変化に気づくことができます。場合によっては、認知症の症状を遅らせることにつながる可能性もあります。
なお、「その他」と回答された方には、下記のような頻度が挙げられました。
コロナの影響で月に1回
月1回
コロナの為年に3回
流行り病の影響や家庭の事情、老人ホームとの物理的な距離からなかなか面会に訪れることが難しい方もいますが、少なくとも1か月に1回は会いに行く人が多い傾向にあります。
面会に訪れる家族にも事情があるため、無理のない範囲で面会に行くことが大切です。

なお、今回のアンケート結果を元に、老人ホームの満足度と面会頻度の関係を調べてみました。
このグラフが示すように、老人ホームの面会頻度は入居者の満足度に大きく影響を与えると想定できます。家族や友達と週1回面会している人と比べると、毎日面会している人の方が入ってよかったと考える傾向にあることが見て取れます。
Q2においても、今まで在宅での介護に限界を迎えていた方々が、老人ホームに入居することをきっかけに、穏やかに接することができるようになったと語る方もいました。
一方で、面会回数が週に0回と回答した人は、老人ホームに入ってよかったと考える方も一定数いるものの、「老人ホームに入らなくてもよかった(後悔している)」と考えてしまう方が多いことも見受けられます。
面会の頻度が多い方が、入居している本人にとっても嬉しいことではありますが、離れていても気にかけているよと言葉で伝えることで、お互いも安心できるのではないでしょうか。
なお、ケアスル介護には専任のケアアドバイザーが常駐しているので、介護施設の費用や入居も踏まえた相談をしたい場合はぜひ一度相談してみてください。
- 施設に入ろうか悩んでいる
- お金がどのくらいかかるのか知りたい
くらいの疑問でも構いませんので、ケアアドバイザーに相談してみると解決に向けた一歩を進めるかもしれません。
調査概要
調査目的
介護施設に入居したことある方にインタビュー
調査手法
調査実施機関:インターネットリサーチ
調査期間:2023年6月30日
調査対象:250人(アンケート回答者は、「介護施設に入っている」または「入っていた(退去済)」被介護者か、「被介護者を介護施設に入れる予定」の方)
調査内容
下記の4つの質問を実施しました。
- Q1. 老人ホームに入ってよかったですか?
- Q2. 介護施設に入ってよかったことを教えてください。
※Q1でいずれかを選択した選択肢: [1.入ってよかった~3.普通] - Q3. 入居する予定の介護施設・入居していた介護施設で改善してほしいことや気になっていることを教えてください
- Q4. 入居している・入居していた方と週に何回面談しましたか?
(ご自身が入居している場合は、ご家族やご友人と面会した回数を教えてください)
調査テーマについて
ケアスル介護では、介護に関するアンケートテーマを随時募集しています。介護に関する事柄で、
- ちょっと気になるけれど周りに聞きづらい介護のこと
- 介護のノウハウや知識など、みんながどのようにしているのか知りたいこと
があればぜひケアスル介護へお問い合わせください。