老人ホームへの入居を検討している方の中には、親に施設に入ってもらうことに罪悪感を感じてしまう方は多いです。
中でも、老人ホームに入居してもらうこと=親を捨ててしまうと解釈してしまい、お悩みの方もいると思われます。
ですが、老人ホームは決して子どもが親に捨てられたところではありません。
本記事では、老人ホームは親が子どもに捨てられたところではない理由について解説していきます。
この記事のまとめ
- 老人ホームは高齢者の福祉を図るという、社会制度として必要な役割があり、親が子供に捨てられたところではない。
- 大切なのは、決して親を見捨てないという気持ち。無理やりではなく、お互いが納得できる老人ホームに入居すること。
老人ホームは子どもに「捨てられた」ところ?
結論から言うと、老人ホーム自体は子どもに見捨てられた親が行きつく場所ではありません。
老人ホームは高齢者の福祉を図るため、心身の健康や生活の安定のために必要なものであり、決して子どもが親を見捨てるためにあるところではありません。
しかし、老人ホームを姥捨て山のように捉え、無理やりにでも入居させようとしてしまうケースもあるそうです。
残念ながら、入居後は本人が亡くなるまで一度も面会すら来ないなど、親の介護を全て施設に任せてしまう人もいるそうです。
ですが、そのようなケースは親子の仲が悪かったなど、親子の関係性が原因としていることが多いです。
あくまでも老人ホームをどのように解釈しているかであって、決して老人ホームは子どもが親を見捨てた場所ではないと捉えていただければ幸いです。
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老人ホームに親を捨てた家族の事例
前章でも軽く紹介しましたが、残念ながら老人ホームを姥捨て山の様に扱い、まるで子が親を捨てたかのように施設に入れるケースもあります。
本章では、老人ホームに親を捨てた家族の事例を紹介します。あくまでも悪い例として参考にしてください
親子が絶縁状態のケース
ホームとAさんの身元引受人契約を締結した際、「Aさんの取り扱いは、ホームに一切任せる。死んだ場合のみ連絡すること。遺体を引き取ります」という約束をして帰っていきました。…長男に相談しても、「このまま居室内で死んでしまえばいい」と言われる始末。地方にいる長女に連絡しても、「父の好きなようにさせてください」という回答しか返ってきません。(”現代ビジネス”より引用)
親と子どもの間に軋轢があり、強制的にでも入居させてしまうケースがあります。
このような事例は少数ではあるものの、老人ホームの入居前に口論やトラブルが起こり、入居後に関係が悪くなってしまう方もいるそうです。
本人の意思を確認せず入居したケース
限界寸前で施設に入れることが具体化するから、本人の意志など確かめてはいられません。“病院に行く”などといった理由でクルマに親御さんを乗せて、そのまま強引に施設に入れてしまう(”PRESIDENT Online”より引用)
在宅介護に限界を迎えた結果、すぐにでも老人ホームに入居させようと、本人の意思を聞くことなく入居させる事例もあります。
夫婦や兄弟間で介護に差があるなど、不満が募った挙句に施設への検討を始めてしまったため、建設的な話し合いをせずに老人ホームに入居してしまうこともあるそうです。
子どもが罪悪感を覚えているケース
「母親が、入所を喜んでいるわけではない」と、彼女はきっぱりと否定する。「本人は、家で暮らしたいに決まっているじゃないの。母は、娘のわたしのために考えたあげく、諦めて入ってくれたのよ」。ホームに母親を入居させて5年半たつが、母親の寂しげな姿が目に焼きつき、今でも思い出すと涙が出るという。(”東洋経済オンライン”より引用)
本人は楽しそうに過ごしているものの、時折見せる弱気な姿に、親を捨ててしまったと罪悪感を覚えてしまう人は多いです。
今まで大切に育ててくれた親を、老人ホームに入居させることに対して複雑な感情を誰しもが持つものです。
親を老人ホームに入れることは悪いことではない
そのようなケースを見てしまうと、老人ホーム=子どもが親を見捨てたところと解釈してしまう方も多いと思われます。
しかし、子どもと親の関係性が良好であれば、決して老人ホームは姥捨て山にはなりません。
一部では「親が本当に大切ならば、少しぐらい大変でも頑張れるものではないか」と心無い言葉を投げ掛ける方もいますが、家族が共倒れになる前に老人ホームへの入居を検討するのも大切です。
なぜなら、老人ホームは高齢者の福祉を促進する制度で定められ、社会のセーフティーネットとして必要なものだからです。
社会制度の存在
2000年に創設された介護保険制度は、家族の負担を削減し、介護を社会全体で支えることを目的としています。
介護保険制度に該当するサービスは訪問介護やデイサービス等の在宅介護を支援するものを含め、様々なサービスを利用することができます。
老人ホームもまた介護保険制度に含まれるため、親を介護施設に入れることは、高齢者が安心して生活するために必要なことであり、決して悪いことではありません。
介護離職のリスク
総務省が実施した「平成29年就業構造基本調査」によると、介護している人は約628万人で、そのうち約346万人が働きながら介護をしていると回答しています。
しかも、そのうちの9万9千人もの人が過去1年間に「介護・看護のため」に前職を離職しています。
介護のため仕事を辞めることは、本人を終日見守ることができるなどのメリットもありますが、実際のところ身体的・経済的に負担が増えたと語る方も多いです。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が実施した「平成24年度厚生労働省委託調査」では、介護離職後に精神的・肉体的に負担が増えたと回答した人が約6割、経済的に負担が増えたと回答した人が約7割を占めます。
親を見捨てないために子どもが無理をしてしまうケースも少なくありません。在宅での介護が限界となった挙句、親を強制的に入居させてしまい、後々後悔してしまう方も多いです。
そのため、自分のためにも建設的に親を介護施設に入れることを検討し、後悔しない選択をしましょう。
また、自らが限界を迎える前に介護施設を検討したいという方は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。
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大切なのは親を決して「見捨てない」という気持ち
少なからず、ほとんどの人が親を老人ホームに入居してもらうことに対して後悔や罪悪感を感じてしまうものです。
そのため、忘れないでほしいのは親を決して見捨てないという気持ちです。
老人ホームを姥捨て山にするか、親子が共に納得し、安心して過ごせる場にできるかは、親子の関わり方が鍵となります。
入居前に親ときちんと話す
老人ホームに入居する前に、お互いにしっかりと話し合うことが大切です。
家族が親を老人ホームに捨てるようなケースでは、そもそも親と話さずに勝手に入居先を決めてしまうことも多いそうです。
とはいえ、基本的に本人の意思で老人ホームに入居しようと決める人は少数派です。施設に入ることに対して本人が拒否する事例や、口論に発展してしまう家族も少なくないです。
そのような場合であっても、決して親を騙して入居させるような真似はしてはいけません。
家族がどれだけ親のことを大切にしているか、安心して過ごしてほしいからこそ施設に入居を勧めていること、お互いに向き合って伝えましょう。
安心して過ごせる老人ホームを選ぶ
本人が安心して過ごすためにも、希望に沿った老人ホームを選びましょう。
老人ホームに入居後、親が子に見捨てられたと考えてしまう原因の一つに、本人が希望するサービスを受けられなかったことがあります。
そのため、あらかじめ本人が納得できる設備やサービスが整っているか、実際に目で見て確認することが大切です。
また、ショートステイを利用している間に施設の雰囲気に慣れる方も多いです。体験入居やショートステイを活用して、実際にサービスを受けてみることをおすすめします。
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入居後も頻繁に顔を見せる
入居したら介護スタッフに全て任せるのではなく、無理のない範囲で面会や外出などをしましょう。
「思いは行為」という言葉があります。本当に親を大切にしているならば、口約束ではなく、顔を見せるなどできることがあります。いつの間にか、面会回数が減っているなど思い当たる人もいるのではないでしょうか。
入居してからは亡くなるまで施設にすら来ないなど、入居後のことは全て施設に任せてしまう無責任な例もありますが、このようなケースは非常に少数です。
本当に大切に思っているのならば、安心して過ごせているか、元気にしているか常に気にかけるものです。
もちろん、仕事や家庭の事情などがあるため、家族にとって無理のない範囲で顔を見せに行きましょう。
家族が後悔しない選択をしよう
本記事では、老人ホームは親が子どもに捨てられたところではない理由について解説してきました。
子どもと親の関係性が良好であれば、老人ホームは決して姥捨て山にはなりません。
そのためには、親を騙して入居させるような真似はせず、しっかりと話し合った上で入居を決めることが大切です。また入居後も施設に任せっきりにせず、頻繁に顔を見せると良いでしょう。
あくまでも老人ホームをどのように解釈しているかであって、老人ホームは子どもが親を見捨てた場所ではないと考えていただければ幸いです。
老人ホーム自体は子どもに見捨てられた親が行きつく場所ではありません。老人ホームをどのように解釈しているかによって、姥捨て山にも、双方が納得できるところにもなります。詳しくはこちらをご覧ください。
介護によって家族が共倒れになってしまうケースは少なくありません。老人ホームは高齢者の福祉を促進する制度で定められ、社会のセーフティーネットとして必要なものであるため、前向きに施設への入居を検討しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。