「親が要介護3の認定を受けたけれども、どの施設に入居するのが良いのかよくわからない…」
要介護3になると、特別養護老人ホームの入居条件を満たすこともあり、介護施設への入居を検討し始める方も多いです。
しかし、要介護3だと終日介護が必要になることもあるため、安心してケアやサービスが受けられる施設をお探しの方も多いと思われます。
本記事では、要介護3以上の方向けのおすすめ施設や料金などを紹介していきます。併せて、施設に入居したときと在宅介護の費用も比較しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事のまとめ
- 要介護3の認定を受けた方におすすめ施設は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護付き有料老人ホームなどが挙げられる。
- 特別養護老人ホームに入所した場合も、在宅で介護を続ける場合と比べて、月々の費用は大きく変わらない。
要介護3で入れるおすすめの施設
要介護3の認定を受けた人が入れる施設には、下記の8つが挙げられます。
施設の種類 | 特徴 |
特別養護老人ホーム(特養) | 要介護3以上の方を対象に、身体介護や生活支援を受けて居住する施設 |
介護老人保健施設(老健) | 長期入院後など、リハビリや医療ケアを受けながら在宅復帰を目指す施設 |
介護医療院 | 治療を終えた後、在宅での介護が厳しい高齢者に、生活支援や長期的な療養上の世話を行う施設 |
介護付き有料老人ホーム | 日常生活の世話のみならず、24時間体制で介護サービスを受けられる民営の介護施設 |
住宅型有料老人ホーム | 食事の提供や緊急時の対応など、生活支援を受けられる民営の介護施設 |
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) | 高齢者に対して安否確認と生活相談を提供する、バリアフリー設計の賃貸住宅 |
グループホーム | 認知症の高齢者を対象に、ユニットと呼ばれる少人数単位で介護を受けながら共同生活を送る施設 |
ケアハウス(介護型) | 家庭環境や経済状況などが原因で生活することが難しい高齢者を対象に、生活支援や介護サービスを提供する施設 |
施設によって提供しているサービスや料金が異なります。本章では、要介護3の方におすすめの施設を3つ紹介します。
入居条件を満たす特別養護老人ホーム
特別養護老人ホーム(特養)は、要介護3以上の常時介護を必要としており、在宅での生活が困難になった高齢者を受け入れている公的な介護保険施設です。
24時間体制で介護スタッフが常駐しており、食事や入浴などの介護、日常生活の世話、機能訓練などの介護サービスを受けることができます。また、原則終身にわたって介護サービスを受けることができるため、終の棲家として利用する方も多いです。
さらに、国の福祉事業として補助金が出ているため、利用者は月々の料金負担を抑えて入居できます。有料老人ホームのように入居一時金を必要としないことも魅力の一つです。
なお、入所条件は原則65歳以上の要介護3以上の高齢者を対象としていますが、特定疾病を患っている要介護3以上の方であれば、40~64歳でも入所できます。
入居割合の高い介護老人保健施設
介護老人保健施設(老健)は、長期入院後などに在宅復帰や在宅療養支援を目指すための公的な介護保険施設です。特養と異なり医師や看護師が常駐しているため、施設内で医療行為を受けることも可能です。
なお、民間企業が行ったアンケートによると、要介護3の方の入居割合が最も高いとされています。病院から退院後、リハビリテーションが必要と判断される方に勧められることが多いです。
老健の入居期間は原則3か月となっているため、在宅復帰が可能と判断された際には退居することになります。身体状況的に在宅復帰が難しと判断された場合は、3か月以降も入居し続けることができます。
手厚いケアが受けられる介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは、正式名称を特定施設入居者生活介護と呼び、食事や排せつの介助のみならず、掃除や洗濯などの身の回りの世話まで行ってくれる民間企業が運営する介護施設です。
介護保険法で定めた人員基準や設備基準を満たしており、24時間介護スタッフが常駐しています。施設によっては看取りや認知症に対応しているところもあり、費用や提供しているサービス内容にバリュエーションが豊富にあるという特徴があります。
日中は看護師の配置や近隣の医療機関との連携が義務付けられているため、有事の際には医療ケアを受けられる体制も整っています。
また「要介護3の方向けにおすすめの施設を探したい」とお考えの方は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。
ケアスル介護では入居相談員が予算感や施設ごとに実施するサービス、立地情報などをしっかりと把握した上で、ご本人様に最適な施設をご紹介しています。
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要介護3で入れる施設の費用
要介護3の認定を受けた方が入れる施設における、それぞれの費用を一覧でまとめました。
施設種類 | 入居一時金(初期費用) | 月額費用 |
特別養護老人ホーム(特養) | なし | 5~15万円 |
介護老人保健施設(老健) | なし | 6~17万円 |
介護医療院 | なし | 6~17万円 |
介護付き有料老人ホーム | 0~数千万円 | 10~40万円 |
住宅型有料老人ホーム | 0~数千万円 | 10~40万円+介護費用 |
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) | 0~数十万円 | 8~20万円+介護費用 |
グループホーム | 0~100万円 | 12~18万円 |
ケアハウス(介護型) | 数十~数百万円 | 16~20万円 |
介護施設で必要なお金は、入居する前にかかる入居一時金と、月々支払う月額費用の2種類に分かれます。
入居一時金とは、家賃や介護サービス費を前払いで施設に預ける費用です。施設を今後利用し続ける権利を得るための前払いのようなものだとイメージしておきましょう。なお、サービス付き高齢者向け住宅では、一般的な不動産賃貸住宅と同様、敷金として初期費用が掛かります。
月額費用は入居してから毎月支払う料金です。具体的には、居住費や日常生活費、食費などがあります。介護サービス費用は介護保険が適用されるため、自己負担額分のみで利用することができます。
なお、上記の一覧の通り、老人ホームの費用は施設の種類によって大きく異なります。なかでも介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームなどの民営の施設は料金が高くなる傾向があります。
その分、医療設備が整っていたり、リハビリテーションが充実したりなど、要介護3のような介護度が高い人でも安心して過ごすことができる施設が多いです。
希望している費用の範囲内で老人ホームを探しているという方は、ケアスル介護で探すのがおすすめです。
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要介護3における在宅介護と施設入居の費用比較
要介護3の認定を受けた際に、在宅で介護サービスを受けるか、施設に入居して過ごすのかで悩む方は多いです。
本章では、在宅で介護サービスを利用して過ごす場合と、要介護3で入居できる施設に入居した際の費用を比較して解説していきます。
在宅で介護を受け続ける場合
要介護3の高齢者が在宅で介護を受け続ける場合、月々にかかる費用は以下のように試算されます。
費用項目 | 費用 |
居住費(管理費含む) |
27,400円 |
食費 |
37,500円 |
生活費 |
37,700円 |
娯楽費 |
32,200円 |
医療費 |
8,100円 |
介護サービス費用 |
15,600円 |
合計 |
158,500円 |
生命保険文化センターにおける65歳以上の単身無職世帯の支出と、厚生労働省が発表している介護保険の利用率から計算すると、月々の合計は158,500円と試算されます。
施設に入居しないため、食費や生活費などは節約することもできるでしょう。居住費などの固定費を抑えることが出来れば、より費用削減につながります。
ただし、要介護3の状態だと一人暮らしをすることは困難な状態であると言われています。要介護3は一人で着替えができないなど、日常生活における動作に全て介助が必要な状態であるため、基本的に一人暮らしをすることは非常に難しいです。
ただし、ケアマネジャーとの相談のうえ、日ごろから介護体制を整えておけば可能とも言われています。その際には、介護保険の区分支給限度基準額を上限ぎりぎりまで利用することになるため、上記費用よりも高くなります。
本記事では便宜上、一人暮らしの高齢者に必要な費用として上記のように算出しています。
介護付き有料老人ホームに入居した場合
要介護3の認定を受けた高齢者が、介護付き有料老人ホームに入居した場合の費用は、以下の通りです。
費用項目 | 費用 |
居住費(管理費含む) |
112,000円 |
食費 |
42,000円 |
生活費 |
16,800円 |
娯楽費 |
15,000円 |
医療費 |
8,100円 |
介護サービス費用 |
20,220円 |
合計 |
214,120円 |
介護付き有料老人ホームの場合、施設内における設備やサービスが充実している分、居住費が高くなる傾向があります。また、入居一時金が必要なところも多く、他の介護施設よりも料金が高額です。
しかし、料金が高い分、設備や提供サービスが充実しています。施設によっては要介護5でも受入れ可能であるため、入居後に介護度が上昇してしまっても、退居の心配をすることなく安心して過ごすことができます。
また、介護付き有料老人ホームにおける介護サービス費用は、介護度に応じて料金が定額で設定されています。そのため、施設によって費用に大きな差が出ることがなく、費用イメージが分かりやすいという特徴があります。
もちろん、年金や生活保護の範囲内でも入居可能な介護付き有料老人ホームもあるため、気になる方は一度調べてみることをおすすめします。
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特別養護老人ホームに入居した場合
要介護3の認定を受けた高齢者が特別養護老人ホーム(特養)に入居した場合、月々の費用は下記の通りです。
費用項目 | 費用 |
居住費(管理費含む) |
25,650円 |
食費 |
41,400円 |
生活費 |
16,800円 |
娯楽費 |
30,000円 |
医療費 |
8,100円 |
介護サービス費用 |
23,790円 |
合計 |
145,740円 |
特養における居住費や食費は厚生労働省によって基準額が定められているため、地域区分によって変動はあるものの、施設によって費用に差が出ることはほとんどありません。
特養における利用料金は入居する居室タイプによって異なることが特徴です。基本的には多床室(相部屋)よりも個室の方が高くなります。加えて、入居者の所得区分に応じて同じ部屋でも料金が変動します。
前述の通り、特養のような介護保険施設では入居一時金を必要としないため、施設に掛かる費用を抑えたいとお考えの方は検討してみると良いでしょう。
在宅介護と施設入居の費用比較
上記で紹介した費用を比較検討するとなると、下記の通りになります。
在宅介護 | 施設介護
(介護付き有料老人ホーム) |
施設介護
(特別養護老人ホーム) |
|
居住費(管理費含む) |
27,400円 |
112,000円 |
25,650円 |
食費 |
37,500円 |
42,000円 |
41,400円 |
生活費 |
37,700円 |
16,800円 |
16,800円 |
娯楽費 |
32,200円 |
15,000円 |
30,000円 |
医療費 |
8,100円 |
8,100円 |
8,100円 |
介護サービス費用 |
15,600円 |
20,220円 |
23,790円 |
合計 |
158,500円 |
214,120円 |
145,740円 |
この表から判断する限り、在宅で介護を続ける場合も、特別養護老人ホームに入居した場合も、費用は大きく変わらないことが見受けられます。
また、在宅介護の場合は家族が終日介護をしなければならないこともあり、経済的な負担のみならず、精神・身体的な負担を考慮する必要があります。
施設に入居すると費用が高くなることを懸念する方も多いですが、有料老人ホームでも年金の範囲内入居できる施設はあるため、比較という点からも一度調べてみるのも良いでしょう。
ピッタリの施設をプロが提案
要介護3で入れる施設で安心して過ごそう
本記事では、要介護3の認定を受けた方が入居できる施設や費用について解説していきました。
要介護3のような終日身体介護を必要とする方におすすめの施設は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護付き有料老人ホームなどが該当します。
施設費用は、老人ホームの種類によって異なります。特別養護老人ホームのような介護保険施設ならば入居一時金もなく、月々の費用を抑えることができます。
また、特別養護老人ホームに入居した場合、在宅で介護サービスを受ける場合とほとんど同じ費用で生活することが可能です。
施設によって提供されるサービスや料金が異なりますので、本記事を参考に、本人が安心して過ごせる施設を探しましょう。
要介護3の認定を受けた方におすすめ施設は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護付き有料老人ホームなどが挙げられます。詳しくはこちらをご覧ください。
特別養護老人ホームに入居した場合ならば、在宅で介護を続ける場合と比べて、月々の費用は大きく変わらないと試算されます。詳しくはこちらをご覧ください。