要介護認定にて要介護3の認定を受けた人の中には、「特養に入りたいんだけど、要介護3でもらえるお金はいくら?」「要介護3だとデイサービスは週に何回くらいいけるの?」など、受けることが出来る介護保険サービスについてわからないことがある人も少なくないと思います。
そこで、本記事では要介護3の認定を受けるともらえるお金はいくらなのか、区分支給限度基準額から目安としてデイサービスは週に何度くらいいけるのかについて解説していきます。
要介護3でもらえるお金はいくら?
介護保険制度では、要介護認定の区分ごとに、使える介護サービスの限度額が決まっています。
要介護3の場合は、1か月最大270,480円までの介護サービス費が介護保険適用となり、限度額までは1~3割の自己負担額でサービスを利用することができます。
直接お金をもらうことはできませんが、介護保険サービスの金額と自己負担額の差額を補助してもらえます。
もう少し詳しく説明すると、介護保険制度は介護が必要になった高齢者を社会全体で支える仕組みで、介護が重い方はその分デイサービスや訪問介護などの介護保険適用サービスを多く利用することが出来るようになっています。
要介護度ごとにどの程度介護保険サービスを利用できるかを示す指標が「単位」となっており、厚生労働省によって介護度ごとに上限単位が決まっています。
そして、デイサービスなどの介護保険適用サービスもサービスごとに単位が決まっています。例えば、デイサービスは通常規模型(利用定員19名以上)であれば5時間以上7時間未満で572単位(要介護1の場合)、7時間以上9時間未満で656単位などで決まっているのです。(出典:厚生労働省「通所介護及び療養通所介護」)
さらに、地域ごとに1単位の金額(地域単価)が10〜11.4円の幅で地域ごとで1単位=10.14円などで単価が決まっており、1カ月間で利用した単位数×地域単価で当月の負担金額が決まる仕組みになっています。最後に、所得額によって決まる1~3割の負担割合をかけて当月の自己負担額が決まるのです。
したがって、要介護3などの要介護認定を受けたとしてもお金がもらえるというわけではなく、上限単位までであれば自己負担割合をかけて当月の負担を利用単位×単価の1~3割に納めることが出来るというだけなのです。
…介護サービスによってかかる人件費が異なることや地域間の人件費の差を考慮しているからです。例えば、人件費が高い東京の一等地や訪問介護・訪問看護などのサービスの場合は1単位が最大で11.40円になったりします。
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要介護3の区分支給限度基準額はいくら?
要介護1の区分支給限度基準額(単位)は27048点と定められており、自己負担割合が1割の場合は一カ月当たり最大でも27,048円※で介護保険サービスを利用することが出来ます。(上限単位数を超えた分は全額自己負担となります)※1単位10円の場合
区分 | 区分支給限度基準額(単位) | 自己負担割合1割の場合(円) | 自己負担割合2割の場合(円) | 自己負担割合3割の場合(円) |
---|---|---|---|---|
要支援1 | 5032 | 5,032円 | 10,064円 | 15,096円 |
要支援2 | 10531 | 10,531円 | 21,062円 | 31,593円 |
要介護1 | 16765 | 16,765円 | 33,530円 | 50,295円 |
要介護2 | 19705 | 19,705円 | 39,410円 | 59,115円 |
要介護3 | 27048 | 27,048円 | 54,096円 | 81,144円 |
要介護4 | 30938 | 30,938円 | 61,876円 | 92,814円 |
要介護5 | 36217 | 36,217円 | 72,434円 | 108,651円 |
※1単位当たり10円として計算した場合
なお、区分支給限度基準額とは要支援・要介護度ごとに設定された介護保険サービスの月の上限単位数となっています。要介護度ごとに単位数が上がる仕組みとなっており、要介護度が上がれば上がるほどたくさんの介護保険サービスを利用できる仕組みとなっています。
要介護3ならデイサービスは何回いける?
要介護3の場合は仮にデイサービスだけを利用した場合要介護1ならデイサービスは週6回、1日6時間以上7時間未満で利用することが出来ます。ただし、要介護3となると日常生活のほとんどの場面で介助が必要にあるので、デイサービスだけを週6回利用する方は少ないと言えるでしょう。訪問介護やショートステイ、福祉用具レンタルなど、別のサービスを組み合わせる方がほとんどです。
要介護3で介護保険サービスを利用した場合の利用例をもとに考えていきます。
利用事業所:社会福祉法人多摩同胞会かんだ連雀
利用サービス:通所サービス(デイサービス)
加算項目:入浴介助、栄養アセスメント加算
利用頻度:平日に6時間以上7時間未満のデイサービスを週6日(一カ月24回)
介護保険の自己負担割合:1割
上の設定条件で計算した場合、5時間以上6時間未満のデイサービス(入浴介助・栄養アセスメント加算含む)を月に20回利用して14900単位※となっています。
上記施設の1単位当たりの単価をかけると金額は、1カ月22,080円となります。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
8:00~9:00 | |||||||
9:00~10:00 | |||||||
10:00~11:00 | デイサービス(通所介護) | デイサービス(通所介護) | デイサービス(通所介護) | デイサービス(通所介護) | デイサービス(通所介護) | ||
11:00~12:00 | |||||||
12:00~13:00 | |||||||
13:00~14:00 | |||||||
14:00~15:00 | |||||||
15:00~16:00 | |||||||
16:00~17:00 | |||||||
17:00~18:00 |
※社会福祉法人多摩同胞会かんだ連雀の通所サービスを利用した場合を想定(出典:「通所介護 利用料金表(230KB)」)
上の表はデイサービス以外にも福祉用具の貸与及び購入費援助や住宅改修など介護保険サービスは様々なので、あくまでも満額をすべてデイサービスとして利用した場合の費用となります。
仮にデイサービスだけを利用した場合要介護3ならデイサービスは週6回、1日6時間以上7時間未満で利用することが出来ることがわかります。
要介護3で介護保険サービスを利用する流れ
要介護3で介護保険サービスを利用するには、ケアマネジャーにケアプラン(介護サービス計画書)を作成してもらう必要があります。要介護認定の通知結果が届いたら、市区町村の指定を受けた居宅介護支援事業者(ケアプラン作成事業者)へ依頼することでケアプランを作成してもらえます。(参考:厚生労働省「サービス利用までの流れ」)
また、そもそもケアマネとはケアマネジャーの略称であり、介護支援専門員のことを指します。ケアマネの主な仕事は、ケアマネの主な仕事は、要介護認定を受けた方(以下、利用者という)が満足のいく介護サービスを利用するため、本人や家族と面談の上、「ケアプラン(介護サービス計画書)」を作成し、サービス事業者や市区町村などとの連絡調整を行います。
追加で別のサービスを利用する場合などでもケアマネジャーと連携を取りながら進めていくこととなるので、長い付き合いとなることが予想される人物となります。
要介護3でもらえるお金についてのまとめ
要介護3の区分支給限度基準額及び利用できる介護保険サービス例についてまとめましたが、いかがでしたでしょうか。
要介護3であれ他の介護度であれ、要介護認定を受けたからと言って給付金がもらえるなどではなく、あらかじめ定められている単位内であれば自己負担1~3割で利用することが出来るのが介護保険サービスです。
これから介護保険サービスを利用しようと思っているという場合は、ケアマネジャーに相談して利用を検討していきましょう。
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結論から言うと、要介護3の認定を受けたとしてもお金をもらうことはできません。というのも、医療保険と同様に世帯の所得額によって決まる1~3割の負担割合の残りの部分が介護保険で補われるだけであって、要介護度ごとにお金が支給されるわけではないからです。詳しくはこちらをご覧ください。
要介護3の区分支給限度基準額(単位)は27048と定められており、自己負担割合が1割の場合は一カ月当たり最大でも27,048円※で介護保険サービスを利用することが出来ます。(上限単位数を超えた分は全額自己負担となります)※1単位10円の場合詳しくはこちらをご覧ください。