パーキンソン病になりやすい生活パターンや性格はあるのか?皆さんはパーキンソン病という病気を聞いたことはありますでしょうか。
現在日本では15万人の患者さんがいます。50歳代から症状があり、年齢とともに患者さんが増えて行っています。
今回は誰もがかかる可能性があるパーキンソン病について紹介していきます。
パーキンソン病とは
日本の指定難病の1つで脳内の黒質と呼ばれる場所にあるドパミン神経がなくなる病気です。
進行性の病気のため一度かかってしまうと治すことはできません。世界には現在640万人もの患者がいて、2040年には倍の1420万人に到達すると言われています。
パーキンソン病の症状
パーキンソン病の症状としてはかなり個人差がありますが
- 手足の震え
- 動作遅れ
- 筋肉の硬直
- 歩行障害、小刻み歩行による転倒
上記が代表的なものです。初期症状では手足の震えや小刻みな歩き方が出てくるようになります。
パーキンソン病の原因は?
パーキンソン病の原因についてはくわしくは解明されていませんが、脳内にあるドパミン神経細胞内にαシヌクレインというタンパク質が凝集して蓄積し、ドパミン神経細胞が減少すると考えられています。αシヌクレインの増加を抑えることができればパーキンソン病の治療薬開発の第一歩になります。
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パーキンソン病になりやすい生活パターンとは
パーキンソン病は前述の通り一度かかってしまうと治らない病気です。そのため、パーキンソン病にかかってしまってからでは遅いのです。
しかしパーキンソン病になりやすい生活パターンが存在するといわれています。治らない病気だからこそ日頃の生活習慣を見直しておく必要があります。
過度のストレス
パーキンソン病になりやすい生活パターンとして先ず最初に挙げることが出来るのは、過度のストレスがかかるような生活をしていることです。
慢性的なストレスが神経細胞の損傷を引き起こすことによって、パーキンソン病の発症リスクを高めることが示されており※、ストレスがかかるような生活をしている場合はパーキンソン病になりやすいと言えるでしょう。
食生活の乱れや睡眠不足
パーキンソン病になりやすい生活パターンとして次に上げることが出来るのは、食生活の乱れや慢性的な睡眠不足と言えます。
食生活の乱れによって起こる栄養不足は身体機能だけではなく、脳の機能にも影響を与える可能性があります※1。また、慢性的な睡眠不足は身体の免疫機能を低下させ、神経細胞にダメージを与える可能性がある※2のです。
※1 参考文献:Chen, H., O’Reilly, E., McCullough, M. L., Rodriguez, C., Schwarzschild, M. A., Calle, E. E., & Thun, M. J. (2007). Consumption of dairy products and risk of Parkinson’s disease. American journal of epidemiology, 165(9), 998-1006. doi: 10.1093/aje/kwk089
※2 参考文献:Chen, H., & Schwarzschild, M. A. (2005). Restless legs syndrome and Parkinson’s disease: a causal relationship?. Movement disorders, 20(12), 1599-1605. doi: 10.1002/mds.20700
アルコール摂取量の多い生活
パーキンソン病になりやすい生活パターンとして次にあげられるのはアルコール摂取量の多い生活をしている場合です。
過度のアルコール摂取によって神経細胞にダメージを与え、パーキンソン病の発症リスクが上がることが研究によって報告されています。
パーキンソン病になりやすい性格
結論から言うと、特定の性格がパーキンソン病になりやすいことを示した医学的な根拠はなく、何とも言えないというのが現状です。
具体的には、オーウェンらの研究※1によると神経症的な傾向にある人とパーキンソン病の発症リスクの関連性に関して、神経症的な傾向の人がパーキンソン病になる確率が高いことが示されています。ただし、研究は「神経症的な傾向がパーキンソン病を引き起こす」と結論付けているわけではなく、あくまでも傾向であるため直接の原因とはされていません。
また、ジスらの研究※2によると、抑うつ症状がパーキンソン病の前兆となることが示されており、セロトニン神経伝達物質に関連する受容体の数が健康な人とパーキンソン病患者の間で比較されました。結果として、パーキンソン病患者の脳内には抑うつ症状と関連する受容体の数が増加していることが示されています。
しかし、抑うつ症状の場合においても「抑うつ的な傾向のある人がパーキンソン病になりやすい」とまで断言することはできないので、パーキンソン病になりやすい性格について医学的根拠をベースに断言することはできないというのが現状です。
※1 参考文献:Owen, A.M., James, M., Leigh, P.N. et al. Fronto-striatal cognitive deficits at different stages of Parkinson’s disease. Brain 1992;115:1727-1751.
※2 参考文献:Zis, P., Erro, R., Walton, C.C. et al. The range and nature of non-motor symptoms in drug-naive Parkinson’s disease patients: a state-of-the-art systematic review. NPJ Parkinsons Dis 2015;1:15013.
パーキンソン病の初期症状
パーキンソン病は誰にでもかかりうる病気です。そのため早くパーキンソン病かどうか判断し治療を行う必要があります。パーキンソン病の初期症状を把握することで自身はもちろん、家族や友人に対して早期に発見することができます。それではパーキンソン病の初期症状について解説していきます。
前触れ症状
パーキンソン病の前触れとなる症状がいくつかあります。小さな変化ですが、例えばPCやキーボードが使いづらくなった、歩く時につまずくようになった。など生活の中で細かい作業に支障が出るようになります。
また動作に関わらず、消化器系た精神面の変化もあります。便秘や汗の量が増えたり、意欲の低下や不安などの症状があります。この前触れ症状だけでパーキンソン病とは判断できませんが注意が必要です。
初期症状:安静時振戦
安静時振戦(あんせいじしんせん)はパーキンソン病を代表する症状で多くのパーキンソン病患者に見られる症状です。自分の意思とは関係なく身体の一部が振るえる症状を振戦と言います。手足、頭部など振るえる部位がさまざまです。しかし寝ている間や運動をしている状態では振るえの症状はないようです。
初期症状:寡動・無動
寡動・無動(かどう・むどう)は思うように身体を動かせなくなってしまう症状です。パーキンソン病の影響で脳からの信号が手足に行き渡りにくくなり身体を動かせなくなります。
寡動とは動かそうとしても少ししか動かせない状態であり、無動とは身体を全く動かすことができない状態のことです。
手足だけでなく、表情や視覚など体全体に影響が出てきます。
初期症状:筋強剛・筋固縮
筋強剛・筋固縮(きんきょうごう・きんこしゅく)は筋肉がこわばってしまいスムーズに曲げ伸ばしができない状態です。また特徴的な現象があり、歯車現象というものがあります。自分ではスムーズに腕や足の曲げ伸ばしができないため医者(や家族)が患者さんの腕や足を伸ばそうとするとまるで歯車のように途中で引っかかる抵抗感を感じます。
少しでも動作を良くするためには毎日腕を少しずつ伸ばすなどのリハビリをする必要があります。
初期症状:姿勢反射障害
姿勢反射障害(しせいはんしゃしょうがい)は姿勢を立て直す機能が障害されている状態です。
みなさんは立っている状態で誰かに押されても踏ん張ったり、前に足を出して姿勢を保つことができるかと思います。しかしパーキンソン病の場合、転倒したり、足の踏ん張りが効かなかったりと自身で姿勢を保つことができません。そのため自身が振り向いたり、立ち上がる時には転びやすいので介助が必要です。
初期症状:その他の症状
上記の4大症状の他にもパーキンソン病にはさまざまな症状があります。
筋肉が思うように動かせないことも関係し、精神障害を伴うケースがあり意欲低下や睡眠障害など身体的以外の要素が強く出ることがあります。わずかですが病気のサインを見逃さないように小さな変化に気づいたら早めに主治医または医療機関に相談しましょう 。
パーキンソン病かもしれないと思ったときは
今までパーキンソン病について紹介しましたが、症状が出た時、気づいた時にはまず神経内科を受診しましょう。
専門の医師に問診をしてもらい、医師の診断があれば、パーキンソン病となります。
治療法としては基本的には薬物療法となり治る病気ではないため、長期間病気と付き合っていく必要があります。
また、国の指定難病のため医療費の一部、あるいは病状によっては全額助成される制度があります。早期に治療をすることで病気の進行を遅らせ、日常生活の負担を軽減することができます。
パーキンソン病になりやすい生活から脱却
パーキンソン病は治らない病気です。一度かかってしまうと一生付き合っていくようになります。しかし普段の生活を見直すことでパーキンソン病になりにくい体質にすることができます。
パーキンソン病予防に有効だと言われる、習慣や生活について紹介していきます[t3] 。
適度な運動
パーキンソン病予防の代表として上がるのが、適度な運動です。運動は筋力増強をして、脳内のドパミンの分泌を増やし脳が活性化します。
ジョギングや水泳などまずは簡単な運動からはじめていくことがおすすめです。また体が硬い人などはしっかりとした柔軟体操、ストレッチでも脳が活性しパーキンソン病の予防になります。
好きなことでストレス発散
パーキンソン病の予防として好きなことをしてストレスの発散をすることが大切です。
「病は気から」と言いますが暗い気持ちで生活をしたり、もやもやを抱えていると脳が活性しません。何か自身の気持ちが高まるものを見つけて、目標を見つけてみましょう。何かを達成したり、夢中になることで脳も活性化されドパミンも分泌します。特別なことでなくてもいいので何か見つけて没頭してみましょう。
食生活
パーキンソン病の予防として食生活の見直しがあります。毎日好きなものばかり食べたり、偏った食事をしたりなどそのような生活ばかりしていると、パーキンソン病に関わらずさまざまな病気の原因となります。
当たり前ですが、肉、魚、野菜、果物などをバランス良く摂取しましょう。
飲み物
パーキンソン病の予防で効果的な飲み物としてはカフェインが含まれているコーヒーや緑茶です。カフェインには脳内のドパミンの減少を防ぐ役割があります。
またコーヒーに関してハワイで行われた研究でコーヒーを多く飲む人はパーキンソン病になりにくい」という研究結果が出ているそうです。
そして緑茶にはカフェインだけでなく、緑茶カテキンや緑茶ポリフェノールなど脳機能に良い影響を与えるものが含まれています。
しかし両者とも大量に飲んでいいものではありませんので飲み過ぎには注意が必要です。
まとめ:パーキンソン病になりやすい生活はやめよう
パーキンソン病の原因や初期症状、特徴またパーキンソン病の予防について紹介しました。
残念ながらパーキンソン病は現在の医学ではまだ根本的には治すことのできない病気です。しかし、早期の発見であればある程度進行を遅らせることができる病気でもあります。
もしもの場合は早めの受診をしましょう。また前述したように食生活や運動習慣で予防することもできます。
ただただ病気に怯えるのではなく、正しい知識を身につけてもう一度自身の生活を見直すきっかけにしましょう。
パーキンソン病になりやすい生活パターンとして先ず最初に挙げることが出来るのは、過度のストレスがかかるような生活をしていることです。慢性的なストレスが神経細胞の損傷を引き起こすことによって、パーキンソン病の発症リスクを高めることが示されており※、ストレスがかかるような生活をしている場合はパーキンソン病になりやすいと言えるでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。
結論から言うと、特定の性格がパーキンソン病になりやすいことを示した医学的な根拠はなく、何とも言えないというのが現状です。詳しくはこちらをご覧ください。