サ高住とは、自立をはじめとした要介護度の低い状態の高齢者を対象としたバリアフリー賃貸住宅です。比較的元気な方や、介護サービスを必要としない人に向けたサ高住を一般型と呼びます。
要介護度の低い方を対象とした施設であるため、基本的には「安否確認」と「生活相談」の2つのサービスのみを提供しています。
サービスが2つのみと聞くと、「介護は受けられないの?」と不安に思う方もいるでしょうが、そんなことはありません。
本記事では、サ高住で受けられる介護サービスやサービス内容、利用方法について紹介します。
不安やお悩みの解消に役立てていただければ幸いです。

サ高住では介護サービスを利用できない?
サ高住では、「安否確認」と「生活相談」の2つのみが提供義務とされているため、介護サービスは受けられないと思われがちですが、実際にはそんなことはありません。
サ高住自体が介護サービスを提供していることはあまりありませんが、「訪問介護」などの外部サービスを利用することで、サ高住で生活しながら介護を受けることができます。
また、サ高住は、介護サービスの提供をしている事業所を併設しているところも多く、利用のハードルも低いと言えます。
入居後に介護が必要になった場合にも、安心して介護サービスを受けることができます。
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サ高住における訪問介護とは
訪問介護とは、訪問介護員が利用者の自宅に訪問し介護を行うサービスとなっています。
自宅に居ながら介護を受けることができるサービスであり、施設に入居する必要がないため、サ高住のような賃貸住宅でも利用することが可能になっています。
高齢者になってからの環境の変化は、身体的にも、精神的にも大きな負担になりやすいものですが、慣れ親しんだ住居で受けることができる訪問介護であればそのような心配はありません。
ただし、訪問介護の対象者は要介護1~5の要介護認定を受けた方とされており、誰でも利用可能というわけではないので注意が必要です。
訪問介護のサービス内容
訪問介護のサービス内容は、以下のように分けることができます。
- 身体介護:利用者様の身体に直接接触して行われるサービス
- 生活援助:身体介護以外で、利用者様が日常生活を行うために必要な援助
- 通院等乗降介助:通院のための乗車、または降車の介助
それでは1つずつ見ていきましょう。
身体介護
身体介護とは、利用者の身体に直接触れながら行われるサービスです。
主なサービス内容としては、以下の通りです。
- 食事の介助:食事の準備や見守りを含む食事中の援助
- 入浴介助:入浴の援助や部分浴、洗顔
- 排せつ介助:トイレ介助やおむつ交換
- 清拭:入浴が困難な際に身体を拭く
- 体位変換:移動介助、外出介助
- 更衣介助:衣服の着替えの手伝い
なお、医療行為にあたるケアは受けることができないため、注意しましょう。
生活援助
生活援助とは、利用者が日常生活を送るうえで必要な、身体介護を除いた生活の援助やサポートになります。
主なサービス内容としては、以下の通りです。
- 掃除
- 洗濯
- 買い物代行
- 配膳・下膳
- 調理
こう見ると、家事代行のように思えますが、あくまでも利用者が1人が行うことが困難な行為に対する援助にあたるため、他の家族に対する家事や援助は対象にならないので、注意が必要です。
訪問介護以外に利用可能な介護サービス
サ高住では、外部事業者と契約することで介護サービスを利用することができると説明しましたが、訪問介護以外のサービスも利用することが可能です。
利用可能なサービスは、以下の通りです。
サービス分類 | 名称 | 概要 |
---|---|---|
訪問サービス | 訪問介護 | 訪問介護員(ホームヘルパー)が自宅を訪問し、食事・排泄・入浴などの介護や掃除や洗濯、買い物から調理までの生活支援を行う |
訪問入浴介護 | 利用者の身体の清潔の維持や心身機能の維持回復を図り、看護職員と介護職員が自宅に訪問し、持参した浴槽で入浴の介護を行う | |
訪問看護 | 看護師などが疾患のある利用者の自宅を訪問して、主治医の指示に基づいて療養上の世話や診療の援助を実施する | |
訪問リハビリテーション | 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが自宅を訪問し、心身機能の回復や日常生活の自立に向けたリハビリテーションを実施する | |
通所サービス | 通所介護(デイサービス) | 利用者が通所介護施設に通い、施設で食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練などを実施する。 |
通所リハビリ(デイケア) | 利用者が通所リハビリテーション施設に通い、食事や入浴などの日常生活上の支援や生活機能向上のための機能訓練などを実施します。 |
サービスの形態は大きく分けて2つあり、訪問介護員などが利用者の自宅を訪問しサービスを提供する「訪問型」、日帰りで施設に通いサービスを受ける「通所型」を利用することが可能になっています。
上記の表から分かるように、多くの介護サービスを利用することができるため、入居後に介護が必要になった場合でも、さまざまな状況に対応でき、安心して生活することができます。
サ高住における訪問介護の利用方法
サ高住で訪問介護を利用するには、「併設されている介護サービス事業者と契約する」「地域の介護サービス事業者と契約する」という2つの方法があります。
ただし、前述のように訪問介護を受けるには、要介護認定を受け要介護1~5の認定を受ける必要があるため、注意が必要です。
要支援1~2の方は、「介護予防訪問介護」という生活援助に当たるサービスを受けることが可能ですが、要支援1の方は週に2回までといった利用制限があるため、把握しておきましょう。
以下では、訪問介護を受けるまでの流れを紹介します。
1.要介護認定を受ける
訪問介護を利用するには、要介護認定を受ける必要があります。
要介護認定を受けるには、地域包括支援センターや役所の担当窓口に、要介護認定・要支援認定申請書を提出する必要があります。
2.要介護認定の結果通知
訪問調査、認定審査後は、認定結果の通知を待ちましょう。
前述のように、要介護1~5であれば「訪問介護」、要支援1~2であれば「介護予防訪問介護」を受けることが可能です。
通常、要介護認定の申請から約1か月で結果の通知が行われます。
3.ケアプランの作成
要介護認定の結果が通知されたら、ケアプランの作成を依頼しましょう。
ケアプランとは、利用者様やご家族の状況や環境を考慮し、必要な介護サービスをまとめた計画書を指します。
訪問介護のような介護保険サービスは、前述のケアプランがない場合は利用することができないため、ケアプランの作成を依頼する必要があります。
依頼先としては、地域包括支援センター、もしくは居宅介護支援事業者となります。
4.介護サービス事業者の選定
ケアプランの作成が済んだら、実際に利用する介護サービス事業者を選定しましょう。
選択肢は主に2つあり、「サ高住に併設されている介護サービス事業者」と「地域の介護サービス事業者」に分かれます。
前述のように、サ高住には介護サービス事業者が併設されていることが多くあります。併設されているサービス事業者であれば、サ高住の職員との連携が容易であることから、利用者の性格や趣向を把握しやすく、より個人に適したサービスを受けることが可能です。
万が一、契約後に介護サービス事業者を変更したい場合には、ケアマネジャーに相談しましょう。
5.介護サービスの利用開始
介護サービス事業者と契約が完了したら、いよいよ介護サービスの利用が開始されます。
サ高住への入居を検討しているという方は、ケアスル介護がおすすめです。ケアスル介護なら、入居相談員にその場で条件に合った施設を教えてもらうことができるためご希望に沿った施設探しが可能です。
「プロに相談したい」という方は、ご気軽に無料相談を活用ください。
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サ高住における訪問介護の費用
サ高住では訪問介護を利用することで介護サービスを受けながら生活することができると説明しましたが、訪問介護にはどのぐらいの費用がかかるのでしょうか。
費用例を用いて、詳しく紹介します。
費用例
区分 | 1 回当たりの所要時間 | 基本利用料 | 自己負担(1割) | 自己負担(2割) | 自己負担(3割) |
---|---|---|---|---|---|
身体介護 | 20 分以上30 分未満 | 2,584 円 | 259円 | 517 円 | 776 円 |
30 分以上1 時間未満 | 4,105 円 | 411 円 | 821 円 | 1,232 円 | |
1 時間以上1 時間30 分未満 | 5,991 円 | 599円 | 1,198 円 | 1,798 円 | |
身体介護 | 1 時間30 分以上 (30 分増すごとに加算) |
864 円 | 87 円 | 173 円 | 260 円 |
生活援助 | 20 分以上45 分未満 | 1,886 円 | 189円 | 378 円 | 566 円 |
45 分以上 | 2,323円 | 233円 | 465 円 | 697 円 |
出典:医療法人徳洲会
訪問介護のような介護保険サービスは、1~3割の自己負担額で利用することができます。
これらの自己負担額は利用者様の所得や世帯構成により異なりますが、例えば1割の自己負担額で利用可能な人が、「30分以上1時間未満」の身体介護を週に2回利用するとしたら、1か月に3,288円の料金がかかる計算になります。
もちろん、サ高住に支払う月額の費用とは別の計上になるため、注意が必要です。
また、要介護認定を受けた方であれば、1~3割の自己負担額で介護保険サービスを利用することができますが、区分支給限度基準額という負担限度額を超過した場合、超過分は全額自己負担になるため、注意しましょう。
訪問介護の利用を検討している方は、上記の表を用いて大体の費用を把握しておくといいでしょう。
サ高住の訪問介護には限界がある
サ高住でも訪問介護は利用可能ですが、要介護度が上がるに伴い必要なケアが増えると、退去勧告を受ける可能性があります。
というのも、サ高住はもともと、自立をはじめとした要介護度の低い方を対象とした住宅です。基本的に介護サービスの提供はなく、安否確認や生活相談のみを行うところも少なくありません。そのため、要介護度が重度になり24時間体制の介護や医療ケアが必要な状況になった場合は、訪問介護などのサービスのみで対応することが困難になり、施設への転居を言い渡されることがあります。
また、24時間体制の介護や医療ケアが必要な状態になった場合、訪問型や通所型のサービスを使いながらサ高住で暮らすとなると、介護保険の区分支給限度基準額を超過することが多く、超過分の費用は全額自己負担で払うため、費用が高くなることも少なくありません。
施設側、利用者側ともにデメリットを抱えることになるため、退去を選択した方が良いというケースもあります。
サ高住への入居を検討しているという方は、退去の可能性があることも把握しておくといいでしょう。
まとめ
サ高住は、安否確認や生活相談サービスのみを提供していることが多いため、介護を受けられないと思いがちですが、外部サービスを利用することで、サ高住でも介護を受けながら生活することが可能です。
訪問介護以外にも多くの介護保険サービスを利用することができるため、サ高住に入居した後に介護が必要になった場合でも安心です。
介護が必要になった際には、職員や併設されている介護サービス事業者に相談し、要介護認定を受けるなどをし、サービスを受ける準備をしましょう。
サ高住自体は介護サービスを提供していませんが、外部の介護サービス事業者と契約することで介護サービスを受けながら生活することが可能です。詳しくはこちらをご覧ください。
訪問介護などのサービスを利用するには、「要介護認定を受ける」「ケアプランを作成する」などの手順を踏む必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。