「住宅型有料老人ホームの仕事内容を知りたい。」「他の施設とはどんな違いがあるのか。」
転職を考えている方は、施設による違いや仕事の違いを気になりますよね。
本記事ではそんな方へ向けて、住宅型有料老人ホームの仕事内容や他のおすすめ施設について解説します。
この記事を読んで、施設ごとの特徴を理解しておくことで、就職時のミスマッチを防ぐことができるかもしれません。
3分で読める内容なのでぜひ最後までご覧ください。

住宅型有料老人ホームの1日の流れを紹介
有料老人ホームは、「住宅型」「介護付き」「健康型」の3種類があります。
住宅型有料老人ホームは、比較的に要介護度が低く、自立した方に向けた施設です。そのため基本的に施設の職員が介護を提供することはありません。
下記は住宅型有料老人ホームの1日の流れの例です。
7:00 |
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8:30 |
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9:00 |
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11:00 |
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12:00 |
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13:00 |
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15:00 |
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17:00 |
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18:00 |
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なお、想定したのは下記のふたつの勤務です。
【例1】7:00出勤16:00退勤(昼休憩1時間)
【例2】9:00出勤18:00退勤(昼休憩1時間)
時間ごとに詳細を見ていきましょう。
7:00〜出勤
利用者の起床後から朝食までは忙しく、早出がある施設では、6〜7時の出勤となる場合が多いでしょう。
まずは夜勤からの申し送りを受けて、利用者の状態や、夜間帯のトラブルの有無を確認します。
その後、利用者へ食事の配膳を行います。
食後は下膳と、必要に応じて利用者が薬を内服できているか確認します。
8:30〜デイサービスの送り出し
住宅型有料老人ホームは、介護保険上の施設サービスとは異なり、ホームヘルパー、デイサービスなど、外部の介護保険サービスを利用することができます。
この時間は、外部のデイサービスを利用している方の送り出しを行います。
状態に変化がある利用者はデイサービスの職員と情報共有しましょう。
9:00〜バイタル測定・環境整備
体調が悪い利用者のバイタル測定を行います。
必要に応じて、かかりつけ医の受診を検討しましょう。
また、共用部、居室の環境整備、ベッドメイキングを行います。
11:00〜病院受診・往診対応
必ずではありませんが、体調が悪い方や、定期受診が必要な方の付き添いを行います。
かかりつけ医によっては往診してくれるクリニックもあるので、医師へ状態を報告しましょう。
12:00〜昼食準備・配膳
昼食のセッティング、配膳を行います。
下膳後は、必要な方には昼食後薬を内服できているか確認・声かけも行います。
14:00〜レクリエーション
食堂や、レクリエーションルームなどの共用部でレクリエーションを行います。
手遊びや、風船バレー、ラジオ体操や、クイズなど内容は施設によって異なります。

15:00〜記録・バイタル測定
レクリエーション後、脱水とならないように配茶を行います。
また、午前中のバイタル測定で、体調が悪い方は午後もバイタルを測定します。
必要に応じてかかりつけ医や、訪問看護師などに健康相談しましょう。
早出の場合、利用者の状態を記録して退勤となります。
16:00〜デイサービス迎え
この時間になると、デイサービスに行かれた利用者が帰宅します。
デイサービス職員から、デイサービスでのトラブルや状態の変化があれば申し送りを受けましょう。
17:00〜食事準備・配膳
夕食の準備・配膳〜外膳を行います。
その後、日勤から夜勤へ利用者の状態や、特記事項の引き継ぎを行います。
住宅型有料老人ホームの提供サービス
ここまで1日流れに沿って住宅型有料老人ホームの仕事内容を解説しました。
詳しい内容についてもう少し整理して見ていきましょう。
住宅型有料老人ホームの仕事は大きく分けて下記の4つとなります。
- 生活支援
- レクリエーション
- 外出支援
- 健康管理
それぞれ解説しましょう。
生活支援
住宅型有料老人ホームの主な仕事として上げられるのが「生活支援」です。
生活支援とは生活で必要な掃除、洗濯、調理など、一般的に「家事」に分類されるような生活行為の支援を指します。
- 掃除
- 洗濯
- アイロンがけ
- 衣類の整理
- ベッドメイキング
上記などを行います。
ただし、全てを一方的に行うわけではありません。利用者の自立を促すために、本人ができることを見極めながら、本当に必要なことだけを支援します。
また、利用者の家族や本人からの生活上の相談を受けるのも、介護士の仕事です。必要に応じて適切なアドバイスを行いましょう。
レクリエーション
住宅型有料老人ホームでは、「レクリエーション」を行います。
日々の、体操、ゲーム、クイズなどのレクリエーションのほか、花見、紅葉狩り、敬老会など季節ごとの利用者が楽しめるように企画します。
施設によっては、利用者だけではなく、家族が参加できる食事会、地域の方が参加できる夏祭りなどのイベントも行います。
外出支援
「外出支援」も、住宅型有料老人ホームでの重要な仕事です。
施設にいる利用者も「たまには出かけたい」「自宅へ帰りたい」ときもあります。
中には「ひとりで外出するのは不安」という方もいるので、介護士は付き添いで外出を支援します。
近場で散歩したり、車での外出など様々です。
健康管理
「健康管理」も、住宅型有料老人ホームの仕事のひとつです。
住宅型有料老人ホームでの「健康管理」とは、以下のことなどを指します。
- バイタルチェック
- 職員間で利用者の健康状態を情報共有
- 訪問看護師やデイサービス職員との情報共有
- 受診の支援
- 往診の対応
- 家族や利用者からの健康相談
バイタルチェックを行い、健康状態について把握して、かかりつけ医や、訪問看護師への相談を行います。
また、必要に応じて、受診の支援や、往診時に医師へ状態を報告します。
施設内の職員の情報共有はもちろんですが、他事業者とも健康状態について共有しましょう。
特に昨今では、新型肺炎の流行もあるので発熱や、咳など風邪症状には注意が必要です。
有料老人ホーム以外でのおすすめの施設を3つ紹介
ここまで読んでいただいてご理解いただいた通り、住宅型有料老人ホームでは「身体介護」はほとんどありません。
介助者の身体の負担は少ないですが、物足りなさを感じるかもしれません。
そういった方に向けて、有料老人ホーム以外でおすすめの施設を紹介します。
おすすめは下記の3つです。
施設名 | 入居者の特徴 | 概要 |
グループホーム | 認知症
要支援2以上の高齢者 |
・認知症高齢者が入所する施設
・生活支援メインだが施設によっては身体介護もある |
特別養護老人ホーム | 要介護3以上の高齢者 | ・介護度が高く、看取りを視野に入れた施設
・身体介護は多い |
介護保健施設 | 要介護1以上の高齢者 | 在宅復帰をメインとした施設
幅広い利用者が入居している |
それぞれ見ていきましょう。
おすすめ①グループホームとは
グループホームは認知症の高齢者を対象にした施設で、家庭的な環境と地域住民との交流のもとで、介護と機能訓練を行い、自立した日常生活を営めるようにするために作られた施設です。
利用者は全員、認知症を患っています。
1ユニット9名が上限であり、利用者とゆっくり関わりやすいのが特徴です。
住宅型有料老人ホームと同様に「生活支援」が主な仕事になりますが、「身体介護」を提供する場面もあり、より利用者を間近に感じられるでしょう。
認知症高齢者の対応は大変なこともありますが、利用者と通じ合ったときの充実感や楽しさはやりがいに変わります。
おすすめ②特別養護老人ホームとは
特別養護老人ホームは、例外を除いて要介護3以上の要介護度の高い方が入所する施設です。
身体介護が多いのが特徴で、介護経験者なら「特別養護老人ホーム」と聞くと、時間に追われているイメージを持つ方もいるでしょう。
しかし、近年は少人数を基本としたユニット型の特別養護老人ホームも増えています。
そのため施設によっては利用者とゆっくり関わることもできるでしょう。
とはいえ、住宅型有料老人ホームに比べると介助量は多いので、「身体介護を学びたい」「忙しく仕事がしたい」「とにかく体を動かしたい」という方には向いていると言えます。
おすすめ③介護老人保健施設とは
介護老人保健施設は、介護を必要とする方の自立を促し、在宅復帰や在宅療養支援を行うための施設です。
利用者は要介護度1以上の高齢者で、比較的自立した方から、寝たきりの方まで入所されています。
介護士は、身体介護や、生活支援、レクリエーションまで幅広く仕事を行います。
給与は他の介護サービス事業者と比べて高いのが特徴です。
【施設別】介護士の給与比較
施設の種類 | 平均給与額 |
特別養護老人ホーム | 33万9370円 |
介護老人保健施設 | 33万1160円 |
有料老人ホーム | 31万2080円 |
ホームヘルパー | 29万6770円 |
グループホーム | 29万1460円 |
参照:厚生労働省の「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設の給与は介護施設の中でも高水準となっています。
まとめ
本記事では下記のことを解説しました。
・住宅型有料老人ホームの1日の流れ
・住宅型有料老人ホームの仕事の内容
・有料老人ホーム以外のおすすめ施設
住宅型有料老人ホームは、身体介護が少ないため体への負担も少なく無理なく働ける職場です。特にレクリエーションや、生活支援を通した利用者との関わりたい方には向いていますので、心当たりがある方は就職先の選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょう。
住宅型有料老人ホームは3種類ある有料老人ホームのうちのひとつです。具体的には「住宅型」「介護付き」「健康型」の3種類で、要介護状態にこだわらず、主に60歳以上の方が入居する施設です。身体介護は外部サービスを利用しており、職員は生活支援や健康管理などを行います。詳しくはこちらをご覧ください。
住宅型有料老人ホームでは基本的に身体介護を提供しないため身体的な負担を避けたい方や、主に生活支援を学びたい方、レクリエーションが好きな方などが向いているでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。