「介護が必要な家族がいるけれど、1人で老人ホームや施設に入れるのは不安。だからといって自分も高齢で介護が厳しくなってきた」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
実は、家族で一緒に住める老人ホームがあるのです。この記事では、介護度別に家族で入所できる老人ホームについて紹介していきます。
老人ホームを選ぶ際のポイントや家族で一緒の老人ホームに入所するメリット・デメリットについてもお伝えしています。

家族と住める老人ホームはある!
結論から述べると、家族と住める老人ホームはあります。
ただし、老人ホームであればどこでも家族と住めるわけではありません。
家族と一緒に入居を希望する場合には、原則として2人部屋のある老人ホームを探す必要があります。
民間施設は、2人部屋を用意している場合が多いですが、公的施設の場合は、2人部屋が用意されていないことが多く、家族と一緒に住める場所は非常に数が限られてきます。
また、2人部屋のある施設であればどこでもよい、というわけではなく、要介護度か自立か、入居条件はどうなのかなどについても確認しなければなりません。
家族と住める老人ホームを探している方はケアスル介護で探すのがおすすめです。入居相談員にその場で条件に合った施設を提案してもらえるので、初めての施設探しでもスムーズに探すことが出来ます。
ピッタリの施設を提案します

ピッタリの施設を提案します

ピッタリの施設を提案します
家族と住める老人ホームの一覧
ここからは、入所を検討している方の介護度を以下の3つに分けて、家族と住める老人ホームを紹介していきます。
- 入所希望者が2人とも自立している
- 入所希望者のうち、1人が要介護度認定を受けている
- 入所希望者が2人とも要介護度認定を受けている
ほかにも、65歳未満の方の入所についても解説していますので、ご家族にあてはめながら確認してください。

2人とも自立している
入所希望者が2人とも自立している場合には、入所条件が「自立」となっている老人ホームを探しましょう。
自立が入所条件となっている老人ホームは、主に以下の3種類があります。
- 住宅型有料老人ホーム
- 健康型有料老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅
住宅型有料老人ホームとは、自宅と同じような環境で、施設スタッフによる日常生活支援サービスを受けながら暮らせる老人ホームです。原則として、自立や要支援1~2の方を対象としています。
住宅型有料老人ホームは、サークル活動や、イベントを実施していることが多く、ご家族以外の入居者とも交流できる特徴があります。
健康型有料老人ホームは、介護サービスの提供がない施設です。キッチンや入浴施設は、居室内に設置してあるため、日常生活支援を必要とせず、ご自身で生活が送れる自立している方にとって快適な環境になっています。
また、健康型有料老人ホームも、サークル活動やイベントなどが行われるため、ほかの入居者とも交流できます。
サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者向けに作られた賃貸住宅で、施設内はバリアフリー対応になっているのが特徴です。施設内にはスタッフが常駐しているため、見守りや生活相談といったサービスが受けられるため、安心して生活できます。
住宅型有料老人ホームと似ていますが、サービス付き高齢者向け住宅は賃貸のため、入所の際には、賃貸借契約を結びます。
1人が介護度認定を受けている
入所希望者のうち1人が要介護度認定を受けている場合、2人で入所できる老人ホームはあまり多くありません。
一緒に入居を希望されるご家族の要介護度が異なる場合には、要介護度の高い方に合わせるのが基本的です。
要介護度が低い方に合わせて老人ホームを探してしまうと、要介護度が高い方が必要な介護サービスを受けられなくなってしまうため、気を付けましょう。1人が要介護度認定を受けている場合におすすめなのは、以下の施設です。
- 住宅型有料老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅
- 介護付き有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は、自立または要介護度が低い方が入居できます。
介護付き有料老人ホームは、「自立型」「混合型」「介護専門型」の3種類に分かれており、混合型であれば自立の方と要介護度認定を受けている方が一緒に住めます。
2人とも要介護度認定を受けている
入所希望者が2人とも要介護度認定を受けている場合には、要介護者が入居可能な老人ホームを探しましょう。
選択肢としては、以下の3つの施設があります。
- 介護付き有料老人ホーム
- 住宅型有料老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅
介護付き有料老人ホームは、24時間体制の介護サービスが受けられる施設です。食事や入浴などの介護はもちろん、生活相談などの生活支援サービスも受けられます。年齢制限は施設によって異なりますが、入居条件は要介護度認定を受けていることが原則です。
そのため、基本的には要介護度が上がっても退所する必要がありません。中には、看取り対応を行っている施設もあり、「終の棲家」として、介護付き有料老人ホームを選ぶ方もいます。また、施設によっては機能訓練やレクリエーションなどの、残存機能を残すための活動も行っていることも、特徴の一つです。
住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅は、要介護1までの方を対象とした施設です。そのため、入居を希望している方の要介護度が、どちらも要介護1程度であれば入居可能です。ただし、どちらかの介護度が上がった場合には、退所しなければならない場合もあります。
要介護度が上がった場合の対応については、事前に確認しておくとよいでしょう。
要介護度認定は65歳未満でも取得可能
要介護度認定には、65歳以上の方が対象の「第1号被保険者」と、40歳以上65歳未満の方が対象の「第2号被保険者」の2種類があります。
第2号被保険者は、以下の16種類の特定疾病(加齢に伴う疾病)が理由で要介護度認定を取得した方を指します。
- がん
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靭帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
- 脊髄小脳変性症
- 脊椎管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
多くの老人ホームが、「60歳または65歳以上」を入居条件として挙げている場合が多いですが、60歳未満であっても要介護度認定を受けていれば入居可としている施設も多くあります。
家族と住める老人ホームを探している方の中には「子供と一緒に入居したい」「配偶者とは歳の差がある」といった方も多いのではないでしょうか。要介護度認定を受けていて、年齢が理由で入居希望施設を諦めた方は、一度問い合わせてみるとよいでしょう。
地域の窓口またはケアマネジャーに聞いてみるのも、一つの方法です。
ピッタリの施設を提案します

ピッタリの施設を提案します

ピッタリの施設を提案します
家族と住める老人ホームを選ぶ際のポイント3つ
一言に、家族と住める老人ホームといっても、選択肢はいくつもあります。
どの施設が家族に合っているのか、と悩まれる方も多いのではないでしょうか。ご家族に最適かつ家族で住める老人ホームを探す際には、以下の3つのポイントを重視して選ぶとよいです。
- 医療・介護ケアはしてくれるか
- 住みやすい環境は整っているか
- スタッフと関わる頻度はどの程度か
ここからは、ポイントの内容について詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
医療・介護ケアはしてくれるか
医療・介護ケアはしてくれるのか、してくれる場合どの程度までしてくれるのかについては事前に確認しておきましょう。
特に、長期間同じ施設に住み続けたい方にとっては重要なポイントになります。医療・介護ケアをしてくれるかどうか確認すると、以下の2点についても知ることができます。
- 要介護度が上がっても住み続けることができるか
- 介護サービスは外部に依頼する必要があるのか
老人ホームを選ぶ際、ついつい現状のみで考えてしまいがちですが、将来出現する可能性のある症状などについても考えておきましょう。
医療・介護ケアを多く必要とする場合、看護師が常駐している施設や、24時間体制でケアを受けられる施設を選択することで、将来にわたって入居できる可能性があります。
住みやすい環境は整っているか
ご家族にとって住みやすい環境であるかどうかは、以下の2点で確認するとよいでしょう。
- 設備は整っているか、整っていない場合リフォームはできるか
- ご家族と同じ障がいや病気を持つ方が、過去に入居されていたか、または、現在入居されているか
住む環境に配慮が必要なご家族が入居される場合には、施設の設備が整っているかどうか確認が必要です。
たとえば、高齢者向けマンションであればバリアフリー設備へのリフォームが可能ですが、老人ホームなどの場合には基本的にリフォームはできません。
また、ご家族と同じ障がいや病気を持つ方が入居しているかどうかも重要なポイントです。以前、または現在、同じ障がいや病気を持つ方が入居されているということは、その障害や病気に対しての理解や、緊急時の対応が行えるのを意味します。
スタッフだけではなく、ほかの入居者からの理解も得られやすいメリットがあります。
スタッフと関わる頻度はどの程度か
普段から、スタッフや相談員と関わる回数が多い施設は、なにかトラブルや困ったことが起きた際に相談しやすい施設であるケースが多いです。
- どのような方法で関わっているのか
- どのくらいの頻度で関われるのか
そのため、入所前には、上記2点について事前に確認しておくとよいでしょう。
できれば、普段から顔を合わせてコミュニケーションをとれる施設がおすすめです。
とはいえ、普段の様子がどうなのかは実際に見てみなければ分かりませんよね。多くの老人ホームでは、事前の申し込みのみで、入所前に施設内の見学を行っています。
スタッフと入居者の関わり方を実際に見て、雰囲気を確認してみるのをおすすめします。
家族と一緒に住めるメリット・デメリットは?
老人ホームに家族と一緒に住める主なメリットは「費用が抑えられる」点です。一方、「数が少ないので選択の幅が少ない」といったデメリットもあります。
ここからは、家族と一緒に住むうえでのメリット・デメリットについて解説していきます。ご家族にとって、一緒に住むことがメリットになるのか、デメリットになるのか、を考える際の参考にしてください。
メリット|費用が抑えられる
同じ老人ホームで、家族と一緒に住む最大のメリットは「費用が抑えられる」点です。
基本的には、1人部屋を2部屋契約するよりも、2人部屋を1部屋契約する方が、家賃が安いです。2人部屋は個室よりも広いため、光熱費などは余分にかかります。
しかし、1人部屋を2部屋契約する料金と比較すると非常に安く、お得です。ただし、入居一時金については、2人部屋の方が高くなる場合があるので、注意しましょう。
入居一時金は、光熱費と比較すると高額であるため、予算内に納めるのが大切です。なお、サービス付き高齢者向け住宅は賃貸のため、入居一時金ではなく、「敷金」となります。
そのため、2人部屋だからといって、金額が上がりません。家族と一緒に住むメリットには、ほかにも、以下のようなものがあります。
- 家族と一緒に生活できる安心感がある
- 同じ悩みや趣味を持つ友人できる場合がある
- レストランやラウンジが併設された施設であれば、疲れたときにはリラックスできる
デメリット|数が少ないので選択の幅が少ない
家族と住める老人ホームを探す際にデメリットとなるのが、「家族と住める老人ホームの数が少ない」点です。
家族と一緒に老人ホームに住む場合には、原則として2人部屋を設けている施設である必要があります。しかし、そもそも2人部屋を設けている老人ホームは数が少なく、希望するエリアに2人で入居できる施設があるとは限りません。
また、希望するエリアに2人部屋を設けている老人ホームがあったとしても、満室になっている場合もあります。その場合には、通常よりも待機期間が長くなる可能性があるのも考慮しておきましょう。
家族と住むメリットには、ほかにも、同じ部屋で暮らすと、老々介護やお互いにストレスをためてしまう可能性があるといった点があります。予算に余裕があるのであれば、1人部屋を2部屋契約するのもよいでしょう。
同じ老人ホームで、あえて別々の部屋で暮らすと、お互いの生活リズムを保てます。
それぞれに合った家族と住める老人ホームを選び満足できる生活を送ろう
家族と住める老人ホームを探す際に重要なポイントは、「満足できる生活を送れるかどうか」です。
介護が必要な方であれば、プロであるスタッフの手を借りながら、楽しく快適に、健康に長生きしていける施設を探すとよいでしょう。
同じ部屋に入居し、お互いが気を使いすぎて生活リズムが崩れてしまったり、老々介護になって疲労がたまってしまっては元も子もありません。
これは、夫婦であっても、親子であってもいえるのです。
介護が必要になった状況を悲しむよりも、その状況の中で楽しみを見つけられるよう、それぞれに合った家族と住める老人ホームを探してください。
ご質問のようなケースでは高齢者向け賃貸が適しています。高齢者である自身の生活リズムを整えた後、子供の介護に集中するといった順を追っていくとよいでしょう。サービス付き高齢者向け住宅の入居条件は、60歳以上または要介護度認定を受けた60歳未満の方です。さらに、「配偶者」「60歳以上の親族または要介護度認定を受けている親族」「特別な理由により同居させる必要があると知事が認める者」であれば、同居が認められる場合が多いです。詳しくはこちらをご覧ください。
結論から述べると「2部屋契約」がよいでしょう。1部屋のみの契約ですと、老々介護や生活リズムが合わないなどストレスがたまりやすくなってしまいます。2部屋を契約して、1部屋をリビング、1部屋を寝室、といった使い方をすると、お互いに気を使いすぎず、快適に暮らしていけるでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。