「こんな介護状態にもかかわらず、どうして特養に入居できないんだ」とお悩みの方は多いと思われます。
厚生労働省によると、特養(特別養護老人ホーム)の入所待機者は32.6万人いると発表しています。
特養は価格がリーズナブルなことから、入居希望者が後を絶えず、入居するまでに数年待ったというケースも少なくありません。
この記事では、特養に入どうやったら入れるか申し込み手順から早く入所するためのコツも紹介します。また、入所のご連絡が来た後にどのような段取りがあるかも解説していきます。
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特養(特別養護老人ホーム)にどうやったら早く入れるの?
特養(特別養護老人ホーム)に早く入所するコツとして、下記のような方法があります。
- 空室情報の確認
- ユニット型を狙う
- 複数の施設に登録
- 特記事項を記入する
- 介護状況などの変化を細かく報告する
- 特養の介護サービスを利用する
- 入所希望地域を広げる
特養は申し込み順に入所が決まるわけではなく、入所判定会議を経て介護の重度や緊急性が高い人から優先的に入居が決まります。
「こんなにも介護が大変なのに、いったいどうやったら特養に入れるのか」とお悩みの方に、この章では、特養になるべく早く入所するためのコツを、一つ一つ解説していきます。
空室情報の確認
まず第一に、特養(特別養護老人ホーム)空室情報の情報取集は非常に大切です。
特養の多くの施設が、空室情報をホームページや施設紹介サイトなどで確認することができます。こまめに確認しつつ、待機人数が少なかったり、空室情報を見つけた際にはすぐに連絡しましょう。
なお、特養は空きを狙っている人が大変多いため、他の人に遅れをとらないよう素早く問い合わせすることをおすすめします。中にはインターネットに情報を載せていなかったり、空室情報の更新頻度が少ない施設もあります。その場合は電話で問い合わせをして、空室情報を確認しましょう。
また、インターネットや電話で直接確認する以外にも、介護支援相談員に聞いてみるという手もあります。介護支援相談員の中には、特養の空き情報に詳しい方も少なくありません。
なるべく早く特養へ入居するためにも、こまめな情報収集は必須です。
ユニット型を狙う
特養(特別養護老人ホーム)に早く入所したいならば、「ユニット型」が狙い目です。
特養には「従来型」と「ユニット型」の2種類があります。表にまとめると下記のとおりです。
間取り | 特徴 | 料金 | |
従来型 | 一部屋に複数のベッド
一部屋1~4人程度 |
運営コストが低い分、料金が安い
プライベートはあまり確保できない |
9万円程度/月額 |
ユニット型 | 自分だけの完全個室
共用スペースあり |
プライベートが確保される
入所費用が従来型と比べて割高 |
13万円程度/月額 |
従来型とユニット型では、毎月の支払う料金に約4万円の差があるため、人気なのは入所費用の安い従来型です。そのため、ユニット型であれば優先的に入所できるケースがあるため、入所費用に強くこだわりがない場合は、ユニット型を狙うのがいいでしょう。
ただし、厚生労働省は現在、2025年を目処に特養の入所定員の70%以上をユニット型にしようと目標を掲げています。そのため、あえてユニット型を狙うことは、今後使いにくくなるかもしれません。

複数の施設に申し込む
気になる特養(特別養護老人ホーム)があれば、複数申し込みを送ることも入所の可能性を上げます。
「特養の入所申込は1人1ヵ所」という決まりはないため、空室の情報があって気になる施設は入所登録を申請しましょう。
厚生労働省が発表している特養の待機者数は、重複している方も合わせた人数です。そのため、実際の待機者数はもっと少ないと見込まれています。特に東京などの都心部は、介護施設が密集していることもあるため、必ず複数の施設への入居登録を行いましょう。
なお、複数登録をした後に特養への入居が決まった場合、他の特養への連絡が必要です。入所登録をしていた特養に「他の特養に入所することが決まった」と伝えて、入所登録の取り消しをしましょう。
連絡がないからとはいえ罰則はありませんが、特養への入所を希望している方は多くいるため、入所待機中の方に早く順番を回すためにも、連絡をきちんと入れましょう。
特記事項を記入する
特養(特別養護老人ホーム)の入所申込書に、入所への緊急性や現在の介護状況を、特記事項欄に詳細を書き込みましょう。
特養への入所の順番は、各地域で開催している「入所判定会議」で決定します。そこで要介護度の重度や緊急性を検討したうえで、判定点数が高い人から優先的に入所が決まります。
そのため、時事項欄には「特養の職員に伝えたい入所の緊急性」や「現在の介護施設では厳しい点」など、詳細を記載しましょう。すでに介護施設に入所している場合は、現在の老人ホームではなぜ入所し続けることが厳しいのか、なぜ特養ならば問題が解決できるのか、具体的に書き込むことで入所できる可能性が上がるでしょう。
もし特記事項欄に収まらない場合は、別紙を用意しても構いません。ただ、地方自治体によっては別紙を禁止しているケースもあるため、事前に役所や施設に確認をとっておくと安心です。
介護状況などの変化を細かく報告する
特養(特別養護老人ホーム)への入所申し込み後も、要介護度や家庭環境に変化があった場合はこまめな報告が大切です。
特養への入所申込後は、あとは施設からの連絡が来るまで放置してしまう方が多いです。しかし、待機期間中の間にも要介護度や体調に変化が起こることもあります。
- 要介護度が重度化
- 認知症の進行
- 家庭環境の変化
上記の3つは特養の入所への優先順院に大きくかかわります。入所待ち期間中は「現状はいかがでしょうか」などの問い合わせはなく、入所の順番が近づき次第連絡を入れるのが一般的です。
施設によっては、要介護度や家庭環境の変化した場合は必ず連絡してくださいと、申込書類に注意事項として記載しているところもあります。そのため、記入済みの申込書類はコピーを用意しておくと良いでしょう。
優先的に特養へ入所したい場合は、こまめな連絡は大切です。介護度や家庭環境に変化があった際には、必ず報告しましょう。
特養の介護サービスを利用する
特養(特別養護老人ホーム)が実施している介護サービスを利用することで、介護負担軽減とともに職員に顔を覚えてもらうことにつながります。
特養では長期の入所の他にも、短期入所生活介護(ショートステイ)やデイサービスを行っている施設もあります。積極的に利用することで、家庭での介護負担が軽減されるのみならず、特養の職員に顔だけでなく、身体状況や入所の緊急性を知ってもらえるというメリットもあります。
入所者を受け入れる側の職員も、全く知らない方より、ある程度事情を知っている方の方が受け入れやすいといえます。また、自宅での介護の大変さや難しいところを、直接職員に伝えることができるため、入所の優先順位が上がる可能性があります。
また、実際に施設を利用することにより「思っていたのと違う」「ここの特養なら安心できる」という気づきを得ることもあります。
ただし、職員に顔を覚えられるデメリットとして、入所予定者が他の誰かに迷惑をかけたり、当該施設では手に負えないなどの悪い印象を与えてしまう可能性もあります。入所前に特養の職員から悪いイメージを持たれてしまうと、入所を断られるケースも稀ではありますがあるようです。
入所希望地域を広げる
入所希望範囲を広げることで、入所できる特養(特別養護老人ホーム)の選択肢も増えます。
特養への入所は、お住まいの住所と関係なく自由に選べます。東京などの都心部では待機者数が多く、地方や郊外になるほど待機者数が少なくなる傾向にあります。
入所予定者本人や家族の希望もあるため、あまりにも遠方の施設は厳しいかと思われます。しかし、探す地域を少し広げるだけでも、該当施設は大きく増えます。地元などの狭い範囲で特養を探すのではなく、抵抗感のない範囲で探す地域を広げてみるのも検討しましょう。
もし「少し入所希望範囲を広げて探したい」という方には、ケアスル介護に相談がおすすめです。
ケアスル介護では特養を含めた全国5万施設の中から、介護サービスやアクセス情報などをしっかりと把握した上で、ご本人様に最適な施設をご紹介しています。
「なるべく早く特養に入所したい」という方は、まずはプロへの無料相談をご利用ください。
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特養(特別養護老人ホーム)にそもそもどうやったら入れるの?
特養(特別養護老人ホーム)に入所するためにも、特養の入所判定の仕組みを知ることが大切です。
本章では申込の手続きから入所が決まった際の対応について、解説していきます。
- 資料請求・見学
- 申込書を提出
- 面談・審査
- 優先順位通知が届く
- 入居前の面談
- 契約書を交わして入所
申し込みに必要な書類を提出する際には気を付けましょう。提出が必要なものは施設によって多少異なる場合があるため、施設によく確認しながら進めることをおすすめします。
また、前述のとおり特養の入所できる順番は申し込み順ではありません。面談・審査で本人の身体状況や家庭状況を加味して介護の緊急性が高いと判断された順となるため注意が必要です。
お手元に届く優先順位通知書の順番が入所の順番が近くなると、本人と家族と再度面談を行います。
審査時と入居直前になって何か変わったことはないか・実際に施設での生活が可能であるかを確認し、問題ないと判断された場合、施設から入所日を決定することになります。
特養(特別養護老人ホーム)に早く入所するために
本記事では特養にどうやったら入れるか、申し込み手順から早く入所するためのコツを紹介しました。
特養は入居希望者が未だに後を絶えず、入居するまでに非常に長く待たなければならないケースも少なくありません。
本記事で紹介した方法以外にも、特養に早く入れるコツはいくつかございます。

なるべく早く特養に入所できるよう、介護支援相談員や施設紹介のプロに相談しましょう。
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「特記事項を記入する」「介護状況などの変化を細かく報告する」など、なるべく早く入所するためにはコツがいくつかあります。詳しくはこちらをご覧ください。
入居予定者の「介護度の重度」「病状や感染症の有無」ならびに「特養の方向性を理解して、納得してくれるか」が判定のポイントになります。詳しくはこちらをご覧ください。