老健(介護老人保健施設)は医療法人や社会福祉法人が運営する、在宅復帰を目的とした公的施設です。
老健は在宅復帰を目的としているためリハビリや医療ケアが充実しており、長期入院明けに利用されることが多くなっています。
そんな老健ですが、入所を検討している方の中には「介護保険が適用されるのか分からない」という悩みを持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
介護保険が適用される場合は、本来かかる費用の1~3割の負担額で済むため、介護保険を利用したいと考えるのは自然であり、不安に感じる部分でもあるかと思います。
本記事では、老健に介護保険は適用されるのか、また老健の費用内訳や実際の費用例を紹介します。
お悩みの解消に役立てば幸いです。

老健(介護老人保健施設)の利用に介護保険は適用される
結論から言うと、老健の利用に介護保険は適用されます。
前述のように、老健は医療法人や社会福祉法人が運営する公的な施設であるため、介護保険を利用することが可能となっています。
ですが、老健を利用する際にかかる費用全てに介護保険が適用されるわけではありません。
例えば、老健で受けられる介護サービスには介護保険が適用されますが、老健の居住費(家賃に該当)には介護保険が適用されません。
ですが、医療費控除が適用されるので膨大な費用がかかるものでもありません。
介護保険は介護を必要とする方の自立支援やご家族の方の負担軽減を目的とした制度であるため、介護に直接関わる費用にのみ適用されます。
以下で紹介する介護保険の適用範囲に注意しつつ、老健の利用を検討しましょう。
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老健(介護老人保健施設)で介護保険が適用される範囲
老健で介護保険が適用される範囲については以下の通りです。
- 施設サービス(介護サービス費)
- 居宅サービス(訪問リハビリ・通所リハビリ・ショートステイなど)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
施設サービス
老健に入所する際の費用にも、介護保険は適用されます。
ただし、介護保険が適用されるのは介護サービス費のみであり、食費・居住費・日常生活費等の費用には介護保険は適用されません。
介護サービスについては、職員の配置やサービス内容によって発生する「介護サービス加算費用」という追加費用もありますが、こちらは介護保険の適用範囲内となります。
居宅サービス
老健の訪問リハビリや通所リハビリ、ショートステイ等の居宅サービスを利用した際の費用にも、介護保険は適用されます。
ただし、施設サービス同様、介護サービス費以外には介護保険が適用されないため、通所リハビリを利用する際の食費であったり、ショートステイ利用時の居住費・食費・日常生活費には介護保険が適用されません。
全ての費用の自己負担額が1~3割で済むわけではないので、これらのサービスを利用する際は介護保険の適用範囲に注意しましょう。
老健(介護老人保健施設)で福祉用具のレンタル・購入はできる?
老健に入所した場合は、原則として福祉用具のレンタル・購入はできません。
介護保険サービスのなかには、福祉用具の貸与・販売というサービスがあり、車椅子や介護ベッド、ポータブルトイレ等の福祉用具を1~3割の自己負担額でレンタル・購入することができます。
しかし、老健では施設側が福祉用具を貸し出すという決まりがあるため、原則として、老健では介護保険の適用可否に関わらず福祉用具のレンタル・購入自体を行うことができないとされています。
ですが、本人に適した福祉用具でなければいけないというケースでは、全額自己負担に限り福祉用具のレンタル・購入を認めてくれる施設もあります。
どうしても福祉用具のレンタル・購入が必要という場合は、事前に施設に確認するようにしましょう。
介護保険と医療保険は併用できる?
結論から言うと、介護保険と医療保険は併用できません。
介護老人保健施設を利用する方は、なんらかの疾患やケガが原因で要介護認定を受けている方がほとんどであるため、介護保険と医療保険を併用して少しでも費用を抑えたいと考えている方もいるかと思いますが、介護保険と医療保険はできない決まりとなっています。
また、どちらの保険の対象でもある場合は、原則として介護保険が優先されます。
医療保険の自己負担額が75歳までは2~3割であるのに対し、介護保険の自己負担額は1割からとなっているため、損はしていないと考えられます。
医療保険が利用できるケース
老健に入所している方が医療保険を利用できるケースとして、レントゲンやCTスキャン、歯科医療等の検査・医療行為を外部の施設で利用する場合が挙げられます。
老健に入所している場合、医療ケアや薬にかかる費用は施設側が負担するという決まりがあり、それらの医療費についても介護保険が適用されるのですが、レントゲンやCTスキャン・歯科医療等の検査・医療行為に関しては例外とされています。
これらの検査や医療行為には医療保険が利用可能ですが、事前に老健の医師に許可を取らなければなりません。
老健には、入所者に不必要な検査や医療行為を受けさせてはいけないという決まりがあるため、施設側の許可なく前述のような検査・医療を受けた場合は、全額自己負担になるだけでなく施設を強制退所となるケースもあります。十分に注意しましょう。
まとめ
老健を利用する場合、介護サービスや介護サービス加算費用には介護保険が適用されます。
また、居住費や食費には医療費控除が適用されるため、費用を削減することが可能です。
老健は公的な介護施設であるため、他の施設と比べ安い費用で入所することができますが、居室タイプや所得段階、要介護度によっては費用が増え、15万円近くの月額費用がかかるケースもあります。
費用を安く抑えたい場合は、入所前に施設に居室タイプを確認する、また所得段階を把握するなどして、費用を計算することをおすすめします。
適用されるかは費用項目によって異なります。介護サービス費には介護保険が適用されますが、食費や居住費には適用されません。詳しくはこちらをご覧ください。
居室タイプや要介護度、所得段階によって異なりますが、8~14万円が相場となります。詳しくはこちらをご覧ください。