日本の総人口は前年に比べ82万人減少している一方、65歳以上の高齢者人口は3,627万人と前年(3,621万人)に比べ6万人増加し過去最多となりました。65歳以上の高齢者が占める割合も増加傾向となっており、高齢である両親のために施設を探している方もいるかもしれません。
この記事では、施設の一つである介護療養型医療施設の入所条件について詳しく解説します。断られる条件に関しても併せて紹介するので、本人が入れるのかどうかの確認に役立ててください。

介護療養型医療施設とは
介護療養型医療施設とは、要介護者の生活に必要な介護や医療を受けるのが可能な施設です。介護・医療ケアはもちろん、機能訓練や看取り・ターミナルケアまで提供しています。主な特徴は、以下の通りです。
- リハビリや医療ケアが充実している
- レクリエーションが少ない
- 終身制ではない
多くの医療従事者が配置されているため、日常的に医療ケアやリハビリを受けられます。しかしレクリエーションは少ないケースが多いとされているため、イベントごとなどを楽しみたい方には不向きかもしれません。
手厚い医療ケアを受けられるのは魅力的ですが、終身制ではなく心身状態の回復があれば退去を求められる可能性もあるので注意しましょう。
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介護療養型医療施設の入居条件1.年齢と介護度
入所には、まず以下の年齢と介護度の条件を満たす必要があります。
- 要介護認定を受けた65歳以上
- 特定疾患があり要介護認定を受けた65歳以下
それぞれを順に詳しく説明していきます。
65歳以上で要介護1以上の方
要介護者のみを条件としているため、要支援1・2の方は入所できません。要介護1以上の方であっても、医療が必要な方・緊急性のある方が優先的に入所する形になります。
特定疾患にて要介護認定を受けた65歳以下の方
65歳以下であっても以下にあげる16の特定疾患を患っていて、要介護認定を受けていると入所できる場合があります。
- がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靱帯骨化症
- 骨折をともなう骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
【パーキンソン病関連疾患】 - 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節又は股関節に著しい変形をともなう変形性関節症
入所できるかの判断は施設によって違うため、入所したい施設に相談するとよいです。
介護療養型医療施設の入所条件2.医学的管理の必要性の有無
介護療養型医療施設では、以下のようなケアを提供しています。
医師 | 診察・投薬・注射・検査・レントゲンなど |
---|---|
看護師 | バイタルチェック・注射・検査・採血や点滴・胃ろう・褥瘡処置・痰吸引・薬の管理・看取り対応など |
理学療法士・ 作業療法士 |
歩行訓練や機能訓練など |
上記を見てわかる通り、介護療養型医療施設は医師や看護師といった医療従事者の配置が多く、毎日健康状態の管理・医療ケアを受けられる施設となっています。しかし、申し込んでもすぐに入れるとは限りません。
介護療養型医療施設は、緊急性が高い方から受け入れる仕組みとなっています。そのため、医療的ケアを必要としていない方は優先度が低くなってしまう可能性があるのです。医療的ケアが必要ない、もしくは必要であっても軽度である方はすぐに入所できない可能性がある点に注意が必要です。
介護療養型医療施設の入所条件3.感染症の有無
介護療養型医療施設では病院と同じように相部屋のケースが多いため、伝染病などの感染症がないのも重要な点とされています。
感染症を持った方がいると、ほかの入居者へ伝染してしまう可能性があります。気になる点がある方は、一度施設へ確認を取ってみるとよいでしょう。
介護療養型医療施設の入所条件4.保証人の有無
介護医療用型施設への入所には、身元保証人が必要になるケースも多いです。これは、以下のような理由からです。
- 入所の手続きを保証人に確認したいため
- 入所者の費用の支払いが困難になったとき、ほかに支払いができる保証が必要なため
- 年齢や疾患のため、判断能力が低下した際は入所者の意思が確認できない今後の治療方針を保証人に確認したいため
- 定期的な状態の連絡や、緊急時・死亡時に連絡が必ず必要なため
- 施設側のリスクを回避するため
連絡を取れる方がいない状態だと施設内で入所者が亡くなった場合に退去手続きができないなど、施設側にもリスクがあります。そのため、入所には保証人が必要と考える施設が多いとされています。
介護療養型医療施設の入所条件5.支払い能力の有無
介護療養型医療施設に入所するとなると、以下のような費用が月額でかかってきます。
- 居住費
- 食費
- 水道光熱費(その他費用)
- 介護療養型医療施設サービス費
- サービス加算費
上記をすべて合わせると、9~17万円程度の金額になるとされています。そのため、入所の申し込みを行うと月額費用を問題なく支払い続けられるのか判断するための審査が行われるのです。支払い能力があると施設側が判断した場合には、問題なく入所できます。
月額費用は世帯収入・課税状況・部屋タイプなど個々によって金額が異なるため、詳細を知りたい場合には施設へ問い合わせてみましょう。
介護療養型医療施設の入所を拒否される条件
ここまで入所するために必要な条件を解説してきましたが、入居を断られてしまいやすい条件もいくつか存在しています。ここでは、入居を拒否される主な4つの条件を紹介します。本人がここで紹介する条件に該当していないかどうか、チェックしてみましょう。
規定の条件を満たしていない
入所を断られる大きな原因は、入所条件に該当していないことです。
- 要介護認定を受けていない
- 対象年齢の65歳以上に当てはまらない
- 医療ケアを必要としない
- 感染症がある
- 月々の費用を払えない
入所を検討中の方は、入所条件を満たせているか確認しましょう。
空きがない
介護療養型医療施設は終身利用が可能であるため、長期間入所中の方も多く存在しています。そのため、条件はクリアしていても定員が埋まっているために入れない可能性もあるのです。
申し込んでから数ヶ月以上の待機期間が発生するケースもあるため、事前に以下の情報を確認しておくとよいでしょう。
- 空室状況
- 待機人数
- 待機期間の目安
また、入りたい施設が複数ある場合にはすべてに申し込みをしておくのも待機期間を短くするために有効な手段といえます。
暴力や暴言により他者を傷つける可能性がある
介護療養型医療施設は、多床室となっていることが多く入居者同士の距離が近いといった特徴があります。そのため、他者を傷つける可能性がある暴力や暴言がみられる方の入所は断られる可能性が高いとされています。ただし全員断られるわけではないので、心配な方は施設へ確認してみるとよいでしょう。
【入所条件比較】介護療養型医療施設と他施設との違い
介護施設には、介護療養型医療施設のほかにも数多くの種類があります。ここでは、その中でも以下3つをピックアップして違いを紹介します。
- 介護医療院
- 特養(特別養護老人ホーム)
- 老健(介護老人保健施設)
上記3つの施設も気になる方は、チェックしてみましょう。
介護医療院
介護医療院は、常時医学的管理が必要な要介護者の生活を支えるための施設です。介護・医療ケアはもちろん、機能訓練や看取り・ターミナルケアも提供しています。
介護療養型医療施設とは違い、介護医療院はⅠ型とⅡ型の2種類に分かれておりそれぞれ対象者が異なっています。
Ⅰ型 | 重篤な身体疾患がある方や身体合併症がある認知症高齢者 |
---|---|
Ⅱ型 | 比較的状態が安定している高齢者 |
介護医療院への入所に必要な条件は、以下の通りです。
- 要介護認定1〜5を受けた65歳以上の高齢者
- 特定疾患があり要介護認定を受けた40歳以上
- 自宅で介護するのが難しく日常的に医療ケアが必要な方
介護医療院は、介護療養型医療施設とほとんど変わりません。しかし生活施設であるため、居室の床面積が介護療養型医療施設と比べると広いといった違いはあるとされています。
特養(特別養護老人ホーム)
特養は、在宅での暮らしが困難になった要介護者の生活を支える施設です。公的施設であるために比較的安い料金で入所可能という特徴があります。
看取りやターミナルケアにも対応しており手厚いケアを受けられるといった魅力がありますが、入所までに待機期間が発生するのが難点となっています。入所できるのは、以下に挙げるいずれかの条件を満たす方です。
- 要介護3以上の認定を受けた65歳以上の方
- 特定疾病のある要介護3以上の方なら年齢40〜64歳も可能
- 特例により入所が認められた要介護1〜2の方
介護療養型医療施設では医療ケアの必要度が高い人ほど優先的に入所できる仕組みになっていますが、特養では常時医療ケアを必要とする方は入所が困難となる点に大きな違いがあります。
老健(介護老人保健施設)
老健は特養と病院の中間の施設で、在宅復帰と在宅療養支援に重きを置いています。診療や医療的ケア、介護ケアを受けられるだけでなくリハビリも行われています。
在宅復帰を支援しているため、基本的に3〜6ヵ月程度しか入居できません。入所できるのは、以下の条件を満たす方です。
- 要介護1以上の65歳以上の高齢者
- 特定疾病のある要介護認定を受けている方なら年齢40歳〜64歳も可能
介護療養型医療施設との大きな違いは、リハビリに重きを置いている点です。介護療養型医療施設は手厚い医療ケアが魅力ですが、老健では在宅復帰が最終目的であるためリハビリに重点が置かれています。
また、介護療養型医療施設は心身状態が回復しなければ終身利用が可能ですが、老健は原則3~6か月と短期間しか入所できないといった違いもあります。
施設への入居を検討しているという方は、ケアスル介護がおすすめです。ケアスル介護は、約5万件の施設情報を掲載しているため幅広い選択肢から検討することが可能です。
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介護療養型医療施設の入所条件を確認し本人に合った施設を見つけよう
今回は、介護療養型医療施設における入所条件について詳しく解説しました。入居条件は、以下の通りです。
- 要介護認定を受けている65歳以上もしくは特例を認められている40~65歳未満
- 医学的管理が必要
- 感染症を持っていない
- 身元保証人がいる
- 支払い能力がある
多くの医療従事者が配置されており、介護だけでなく日常的に医療ケアやリハビリを受けられるのが大きな特徴です。入所者・家族どちらにとっても、安心できる施設となっています。しかし、規定の条件を満たしていなかったり部屋の空きがなかったりする場合には入所を断られる可能性もあります。今回紹介した内容をもとに、本人に合う施設かどうかチェックしてみましょう。
介護療養型医療施設に関するよくある質問
Q1. 介護療養型医療施設と介護医療院との違いは?
A1. 介護療養型医療施設は医療ケアに重点を置いていますが、介護医療院は医療ケアはもちろん介護やリハビリ、看取りまで入居者の生活をサポートするサービスをより充実させている点が大きな違いとなります。
Q2. 介護療養型医療施設は特定疾病がある方も入所できますか?
A2. 特定疾病があり介護認定を受けている場合は、入所できる可能性があります。特定疾病を持つ方は、事前に施設へ相談してみるとよいでしょう。
65歳以上であり、身体状況が要介護1以上の方が入居可能な施設となっています。また、65歳以下であっても、特定疾患を患っており、要介護認定を受けた方であれば入居できるケースもあります。詳しくはこちらをご覧ください。
「入居条件を満たしていない」「施設に空きがない」「暴力や暴言が多く対応が困難」等の理由で、入居を拒否されることがあります。詳しくはこちらをご覧ください。