グループホームで暮らす親が少しずつ体力を失い、「このまま施設で最期を迎えられるのか」と不安を感じているご家族は多くいます。一方で、施設に相談しようにも、看取りについて何をどう確認すればよいか分からないという声もよく聞かれます。
看取りに対応できる施設の種類を比較すると、グループホームは「一部対応」に位置づけられます。
介護医療院や特別養護老人ホームと比べて対応施設の割合は低く、看取りを希望する場合は、入居前から施設の方針・医療連携体制・夜間対応を具体的に確認することが必要です。
この記事では、グループホームで看取りができるケース・できないケース、対応施設を見分けるポイント、そして看取りが行われる場所ごとの流れを解説します。看護師や社会福祉士など現場の専門家からのコメントも掲載しています。親の最期をどこでどう迎えるか、具体的な判断材料としてお役立てください。
グループホームは看取りできる?
グループホームで看取りができるかは施設によります。
グループホームは、本来は認知症の方の生活支援を目的とした場所です。そのため、看取りまで行うグループホームはそれほど多くはありません。
グループホームでの看取りを希望する場合は、入居前に施設の対応状況を必ず確認することが必要となります。
看取りできるグループホーム
そのグループホームに看取りまで行う方針があれば、看取りができるということになります。
看取りを行うかは各グループホームにゆだねられており、どういった対応になるのかは施設ごとに違うので注意が必要です。
また、看取りにおいて医療行為が必要な場合も、どのような医療行為にどこまで対応しているのか確認しておきましょう。
なお、医療行為も含め十分なケアがなされる手厚い看取りが行われるグループホームかどうかは、看取り介護加算のある施設かどうかでチェックできます。
詳しくは、本記事の2章にて詳しくご紹介していますのでぜひご覧ください。
看取りできないグループホーム
医療連携体制が整っていないグループホームは、基本的に看取りに対応できません。
グループホームは小規模な施設が多く、夜間に看護師が常駐していないケースが大半を占めます。
また、看取りができると言っていても実際には十分な人員やノウハウがないために、実際は「ただ見守るだけになる」といケースも考えられます。
急変時に対応できる医療スタッフがいない施設では、施設内での看取りは難しくなるでしょう。
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看取り対応のグループホームを選ぶポイント
看取り対応のグループホームを選ぶには、施設の看取り方針・医療連携体制・夜間対応・費用の4点を確認しておきましょう。
施設によって対応できる範囲と体制は大きく異なります。入居後に「想定と違った」という事態を防ぐために、入居前の段階で具体的な確認を行うことが重要です。
また、グループホームでの看取りを念頭に考えていても、その時になると「もっと安らかな場所でしたい」と希望があった例もあります。
看護師であり様々な介護施設で高齢者ケアに携わってきた菅原さんにお話を伺いました。


それは施設の良いところでもあるんですが、いざご本人が寝たきりになってしまうと、「ホテルのような至れり尽くせりの、綺麗で清潔感のある新しい施設で生活させてあげたい」というご家族の声を聞くことがあります。
最初は活発に過ごされていてグループホームの良さを十分に受けていた方だったんですけど、寝たきりになって状態が変わったことで「新しくて綺麗な施設へ移りたいから手伝ってほしい」と相談を受けたことも実際にありましたね。
そのときの状況によっては、グループホームではない場所で看取る可能性もあります。
あくまでも現段階では、入居先のグループホームで看取ることは一つの選択肢として考えておくと良いでしょう。
本章では、看取り対応のグループホームを探すときのポイントについて詳しく解説していきます。
看取り実績・方針を確認する
施設の看取り実績と方針は、入居前に口頭や書面で確認することが重要です。
グループホームで看取りを受けるには、施設が「看取り介護加算」を算定しているか、もしくは看取り対応を方針として定めていることが前提となります。
加算の算定には、24時間の医療連携体制の確保と、本人・家族への丁寧な意思確認が要件として定められています。
施設が加算を算定しているかどうかは、施設見学の際に「看取り介護加算を算定していますか?」と直接確認できます。加算区分(Ⅰ・Ⅱ)によって夜間の医療対応レベルが異なるため、どちらを算定しているかも合わせて確認してください。なお、加算を算定していても施設の方針によっては看取りを断られるケースがあるため、実際の対応実績も確認することが重要です。
実績が豊富な施設はスタッフの経験値が高く、ご本人・ご家族への対応も丁寧に行われる傾向があります。「できます」という口頭の回答だけでは、実際の対応レベルを把握することはできません。
看取りに対するノウハウは十分か、どのような看取りケアが行われるかについては、以下の点を確認しておくと安心です。
・「看取り介護加算を算定していますか?」と施設に直接聞く
・加算区分(Ⅰ・Ⅱ)によって夜間の医療対応レベルが異なる
・看取り実績の件数を口頭だけでなく書面でも確認する
・看取り同意書のサンプルを事前に見せてもらう
・スタッフへの看取り関連研修の実施状況を確認する
医療連携体制を確認する
グループホームでの看取りでは、施設単独ではなく協力医療機関・訪問診療医との連携が不可欠です。
訪問診療の頻度と、緊急時に医師と連絡がとれる体制が整っているかどうかが、施設内での看取りを実現できるかを左右します。
グループホームは医療機関ではないため、施設内で実施できる医療行為には制限があります。医療対応しているグループホームもありますが、少数です。
訪問診療医・訪問看護との連携体制が充実しているほど、施設での看取りが実現しやすくなりますので確認しておきましょう。
夜間・緊急時の対応体制を確認する
看取りにおいて、夜間の体制は最も重要な確認ポイントのひとつです。
亡くなる直前の急変は夜間に起こることが多く、そのときに施設がどう動くかによって、施設での看取りが実現するかどうかが決まります。
グループホームにおける看取りのパターン
グループホームでの看取りには、入居したグループホームで看取る・ホスピスなどに移って看取る・特養に移って看取る・体調が急変した場合は病院で看取るの4つのパターンがあります。
入居者の状態・疾患・家族の意向、その時その時の状況によって最適な場所は異なるでしょう。
本章では、これら4パターンについてそれぞれ詳しく解説していきます。
入居したグループホームで看取る
入居したグループホームで看取る場合、移動のための手続きや引っ越しが要らず本人や家族にとって負担が少ないです。
また、慣れた場所・顔なじみのスタッフに囲まれた環境での看取りは、精神的な安定にもつながります。
そのグループホームでの看取りを希望する場合は、契約時に看取りの方針を施設を相談する時間があります。
看取り期になる前にはケアマネジャーや医師を中心として専用のプランがつくられますので、具体的な方針はそこで確定されます。
ホスピスなどで看取る
がんや末期疾患で疼痛緩和が必要な場合、ホスピス(緩和ケア病棟)への転院も選択肢になります。
ホスピスは痛みや苦しみを取り除き、穏やかな最期を迎えることを最優先としているのが特徴です。
緩和ケアなどのために必要な抗がん剤治療は医療行為となるため、対応できないグループホームも多いことから、ホスピスでの看取りも選択肢に入れておきましょう。
ホスピスへの転院を希望する場合は、状態が悪化してから動き始めると間に合わないケースがあります。
基本的には看取り前の段階で、え施設が近隣のホスピスと連絡を取り合ってスムーズに移り住む段取りを整えてくれるでしょう。
ホスピスでの看取りも考えている場合、グループホームの施設長やケアマネジャーに「ホスピスへの転院を希望している」と早めに伝えておきましょう。
特養で看取る
要介護度3以上になったり、医療的ケアのニーズが高まったときなど、グループホームでの対応が難しくなった場合は特別養護老人ホーム(特養)への転入が選択肢になります。
特養はグループホームより医療・介護の体制が充実しているところが多いです
特養については、以下の記事をご覧ください。
体調が急変した場合は病院で看取る
夜間の急変など予期せぬ状況では、救急搬送されて病院で亡くなるケースもあります。
病院での看取りは医療体制が充実している一方、延命治療が行われる場合や面会に制限が生じる可能性もあるので留意しておきましょう。
延命治療や病院での看取りを希望しない場合は、あらかじめ施設やケアマネジャーなどに意思表示しておくとスムーズです。
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まとめ
グループホームでの看取りは、施設の体制と家族の事前準備によって実現できます。大切なのは「いざというときに動き始める」のではなく、状態が安定しているうちに施設・家族・医師の間で方針を共有しておくことです。
この記事で解説した4つの確認ポイントと4つの看取りパターンを把握しておくことで、状態が変化したときにも落ち着いて対応できるでしょう。
・現在入居中(または検討中)の施設の看取り実績・方針を書面で確認する
・医療連携体制・夜間急変時の対応フローを具体的に確認する
・延命治療に関する意向を家族間で話し合い、書面(事前指示書)に残す
・状態悪化に備えて、ホスピスや特養への申し込みなど並行した準備も検討する
看取りに対応したグループホームを探している場合は、ケアスル 介護の相談窓口をご活用ください。
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