高齢者施設を食事形態で選んでみる

高齢者施設を食事形態で選んでみる
日本には様々な高齢者施設が存在します。今回は施設内でも食事にこだわりたい人向けに「食事形態で選ぶ高齢者施設」について解説します。
江口 賀子 准教授
西九州大学 健康福祉学部 社会福祉学科
介護福祉士 社会福祉士
日本介護福祉学会  日本社会福祉学会等
福岡市の特別養護老人ホーム 介護員・介護実習普及センターを経て西九州大学 健康福祉学部 社会福祉学科教員となる。高齢者介護現場での支援の楽しさや根拠の大切さ・奥深さを教わり、利用者にあった科学的支援が行いたいと想い、介護福祉士・社会福祉士の養成に携わる。
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高齢者施設内における食事形態と選び方

30年前になりますが、私が、初めて特別養護老人ホームで働いたときに、施設には利用者・家族・職員が利用できる、うどん等が食べれる軽食コーナーと、外部の方も利用できる展望レストランの2か所がありました。施設の食事に変化をつける為や、外部の方々との交流ができる場所として利用されていました。また、利用者の方が電話でピザを頼まれ、部屋まで配達に来ていました。もちろん、その日の食事については、栄養士の方と調整を行っていましたが、自宅での生活の継続が行われていました。

令和5年に見学に訪れた、佐賀県の小規模多機能型施設には、正面入り口入ってすぐに、木目のカウンター。その上にはコーヒーサイフォンあり、利用者さんや地区の皆様が交流できる居心地の良い場所がありました。施設のある地区での生活が継続できる事。住民として生活できる良さに触れられました。

高齢者施設には様々な形態がありますので、一概には言えませんが、多くの施設では、食事・環境に工夫をされています。食事が生活の重要な要素の人であれば、しっかりと選択する必要があります。

比較的自立できている方であれば、個室で簡単な炊事場があり調理ができる施設を選択するのも一つの方法です。施設から食事の提供がある場合、食事の時は、皆さんであつまって食事をとるところもあります。

介護が必要になってきたときには、出来る限りベッドから起きられて、食堂で皆さんと一緒に食べるようにされています。また、医師・看護師・栄養士等と相談し、その方が食べやすい食事形態を選択します。

簡単ではありますが、下記にいくつかのポイントを述べておきます。

ポイント1 施設内で食事を作っているか

施設の食事も、管理栄養士の栄養バランスを考え献立を作成し、施設内の厨房で出来立てを提供されている施設や、外部の業者に作ってもらい届けてもらう施設もあります。

施設を選ばれるときには、どのような形態なのか、食事をとる場所等について、聞いてみることが大切です。

ポイント2 食事の形態はどのような形か

介護が必要になってきたときに、硬い食材を噛むことが難しかったり、口から飲み込む力が弱くなり、むせないようにするために、通常の食事の形態だけではなく、個人の食べる力・飲み込みやすい形に合わせた食材の大きさを提供しています。

施設により呼び名や大きさが様々ですが、ここでは、以下の形態を挙げておきます。

  • 通常食
  • きざみ食:食材を小さく刻んだ食事。
    (通常のきざみ食よりも粗い「粗刻み食」、より小さく刻んだ「極少刻み食」などもあります。)
  • ソフト食・ムース食:食材を通常よりやわらかくし、歯がなくても舌でつぶせる程度の硬さ。
    食材をミキサーですりつぶし、ムース状に固めて形を整えてスプーンで食べれる柔らかさの食事です。
  • ミキサー食:食事をミキサーにかけ、ペースト状にして食べやすくする。
    通常食を確認してもらった後に、ミキサー食にする施設もあります。
  • 流動食:食材を液状にしたもの。胃や鼻から管を利用し直接摂取する場合があります。

ポイント3 献立はどのよう工夫されているのか

1年を通じて、季節感があふれる食事を提供する施設もあります。季節を通じた献立を確認してみましょう。お正月のおせち料理。ひな祭り。花見の季節料理等。日頃からの献立もどのような内容なのか、その人にあった味付けがあるかと思います。栄養バランスを考えている施設。美味しいものを食べてもらいたいと考えている施設。様々ですので、食事について何を重視しているかを教えてもらうのも良いと思います。

ポイント4 料理を作る・食べる・片づける過程で、自分たちで手伝うことも可能か

人によっては、料理をすることが自分の役割と考える方もいらっしゃいます。いつもは難しいかもしれませんが、時には自分たちで作ることが可能なのか、片付けを手伝うことが可能なのか、職員と役割を話しておいてもいいと考えます。

ユニットケアでは、より身近に調理の音やにおいを感じ、五感を刺激し、利用者の方と食事作りが一緒にできるという考えもあります。

ポイント5 外食や出前等が可能か

外食したり、出前を取ったりと、したいですよね。介護を受けていても、様々な情報を見聞きすると思います。むろん職員の勤務体制等で行えない施設もありますが、できれば自分自身が行きたい場所にいけることが社会とのつながりをも深める大切なことだと感じます。

提供される食事がいらない場合もあると思います。その場合、施設でのルールをしっかり確認しておきましょう。

食事についても介護についても、ご自分で難しくなった場面を施設で補うことはできます。しかしながら自分で出来ることも多くあるかと思います。できることは自分でやるのも必要です。

ご自分が大切と考える食事環境になるべく近い施設を、選択できると良いかと思います。

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