「特養に入りたいけど、申し込みの面談から入所までどれくらいの期間が必要なのかな?」
特養への入所をお考えの方々の中には、そんな疑問をお持ちの方は多いでしょう。
そこで今回は特養の面談から入所までの期間や特養に入所するまでの流れ、入居待ちが起きてしまったときの対処法について解説して行きます。

特養の面談から入所までの期間はどのくらい?
特養(特別養護老人ホーム)の申し込みで面談を行ってから入所までの期間は、およそ数か月~1年ほどと言われています。
家族が特養へ入居した経験がある方1600人を対象に行った調査によると、申し込みから入所までの期間は以下のグラフのようになっています。
一般の老人ホーム・介護施設と比べて長い待機期間が掛かってしまう理由としては、特養という施設の人気が挙げられます。
公的な施設である特養は低価格な料金ながら充実した介護サービスを受けられるため、入居希望の方が殺到し、結果的に長い順番待ちとなってしまうのです。
しかし、特養への入所の順番は完全なる申し込み順ではありません。
施設側が要介護度や家庭環境などを考慮し、「本人に介護の緊急性が高い」と判断された方から早く特養に入居することができる仕組みになっています。
上記のグラフの表に人によって待期期間が大きく差があるのは、このような入所順の判定が原因なのです。
以上のようなことから、特養の申し込み面談から入所までの期間は平均して数か月~1年とされており、本人の置かれている状況によって長さは変動することことを理解しておきましょう。
特養の面談から入所までの流れ
特養の入所まで流れを順番に直すと、以下のようになります。
- 資料請求・見学
- 申込書を提出
- 面談・審査
- 優先順位通知が届く
- 入居前の面談
- 契約書を交わして入所
それぞれについて順番に解説して行きます。
資料請求・見学
まずは施設の情報を収集し、どのような施設があるか探してみましょう。
この際にはネットで調べるだけではなく、地域包括支援センターのような地域の窓口に相談するのも1つの手です。
数施設に絞れたら、施設に足を運び見学してみましょう。見学をすることで、施設の雰囲気やスタッフの人柄など、インターネットや資料では確認できない部分について知ることができます。
申込書を提出
入所したい施設が決まったら、申し込みに必要な書類を提出します。
提出が必要なものは施設によって多少異なる場合があるため、施設によく確認しながら進めましょう。
書類を提出が完了すると、施設の入居待機者として認定されることになります。
面談・審査
本人の介護の緊急性を判断するため、提出した書類や面談を参考に審査を行います。
地域ごとに決められた審査の方針が存在しており、どれだけの判定基準に沿っているかで入所の順番が判断されます。
優先順位通知が届く
審査の威容をもとに入所の優先順位通知がお手元に届きます。
特養の入所判定の基準は、主に3つで構成されます。
- 本人の状況
- 介護者の状況
- 生活経済の状況
「要介護5だから」「認知症を患っているから」という理由のみで優先的に入所が決まるわけではありません。
また通知に記載された順位は状況によって変更になります。あくまでおおよその目安と考えましょう。
入居前の面談
入所の順番が近くなると、本人と家族と再度面談を行います。
審査時と入居直前になって何か変わったことはないか・実際に施設での生活が可能であるかを確認することが目的です。
変わらずに問題ないと判断された場合、施設から入所日を決定することになります。
契約書を交わして入所
施設側が契約書や重要事項の説明を行い、契約書を交わします。
この時点で特養での生活がスタートすることになります。
特養の面談から入所までの期間をやり過ごすための対処法
本人の介護の緊急性によりますが、特養に申し込みを行ってから1ヶ月を待たずに入所することは難しいと言えるでしょう。
本章では必要となる可能性が高い「入所待ち期間を同やり過ごすのか」について解説して行きます。
具体的な対処法としては、以下のようなものが挙げられます。
- ショートステイを利用する
- 特養以外の介護施設に一時入所する
それぞれについて、順番に解説して行きます。
ショートステイを利用する
入居待ち期間をやり過ごす方法の1つとして、ショートステイを利用することが挙げられます。
ショートステイは一時的に施設に宿泊し、介護や食事の提供を受けられるサービスのことです。
最短で1日、最長で30日利用することができるため、家族にとっては大きな負担軽減となるでしょう。
また30日が経過した後でも、1日自宅に戻れば翌日から再び上限30日まで利用することも可能です。
介護保険の限度額にもよりますが、効率的に活用できれば入所待ちの期間をやり過ごすことができると言えるでしょう。
特養以外の介護施設に一時入所する
入居待ち期間をやり過ごす方法の2つ目としては、他の介護施設一時利用することが挙げられます。
というのも特養の入居待ちにお悩みの方は非常に多く、順番が回ってくるまでの数か月間を一時的に他の介護施設に入居するという方も少なくありません。
具体的な施設種別をあげると、老健(介護老人保健施設)、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホームなどが挙げられます。
特に老健は特養に匹敵する手厚い介護サービスを備えているため、入所待ち期間を過ごす目的で利用する方が多くいらっしゃいます。
一方で老健に入所できるのは原則として3~6ヵ月とされているため、それ以降は新しく生活する場所を考えなければならないので注意しましょう。
まとめ
特養(特別養護老人ホーム)の申し込みで面談を行ってから入所までの期間は、平均して数か月~1年ほどと言われています。
公的な施設である特養は低価格な料金ながら充実した介護サービスを受けられるため、入居希望の方が殺到し、結果的に長い順番待ちとなってしまうのです。
特養は「本人に介護の緊急性が高い」と判断された方から早く特養に入居することができる仕組みになっているため、本人の状況に応じて入所待ち期間は変動することを理解しておきましょう。
入居待ち期間はショートステイを利用したり、特養以外の施設に一時入所することによって家族の負担を最小限に抑えながらやり過ごすことができます。