• 親の介護
  • 【公開日】2023-08-25
  • 【更新日】2026-09-11

親の介護は施設に任せるべき!正しいと言える4つの理由と任せた人の声も紹介

親の介護は施設に任せるべき!正しいと言える4つの理由と任せた人の声も紹介

「親を施設に入れるなんて、親不孝なのかな…」「周りの目が気になって、なかなか踏み切れない…」

親の介護を施設に任せることに対して、罪悪感や後ろめたさを抱えてしまう人は少なくありません。

本記事では、「親の介護を施設に任せることは決して間違ったことではなく、親子ともに幸せになるための合理的な選択である」という理由を、実際の体験談や専門家の意見を交えながら解説します。

ぜひ、参考にしてみてください。

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所有資格:看護師
専門分野:病気の治療と生活支援・介護施設紹介

看護師として多岐にわたる臨床・介護現場を経験し、株式会社ナースビジョンを設立。介護環境の改善や運営支援に尽力。看護師のアセスメント力を武器に、医学的視点と相性を見極め、後悔しない施設選びを伴走支援します。詳しくはこちら。

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親の介護を施設に任せるのは「正解」である4つの理由

親御さんを施設へ預けることに対し、「親不孝ではないか」と罪悪感を抱える方は少なくありません。

しかし、主介護者であるご自身の健康が最優先であり、入居という選択は決して間違っていないと申し上げます。本章では、施設に入れて任せるべき4つの理由を解説します。

理由1:実際に任せた家族の多くが「早く頼るべきだった」と実感しているから

施設への入居は、「親を見捨てる」ことではなく、プロの力を借りてお互いの生活を守るための前向きな選択です。

ケアスル 介護では実際に老人ホームに入居した方に「老人ホーム探しで後悔していることは何か?」をお聞きしました。

老人ホーム探しで後悔していることのグラフ

『ケアスル 介護 独自調査レポート 2026』によると、「老人ホーム探しで後悔していることは何ですか?」と質問したところ、最も多かった回答は「ケアマネジャーにもっと早く相談すればよかった」(24.0%)でした。

また、「もっと早く施設探しを始めればよかった」(18.3%)という声も多く挙がっています。

つまり「もっと早く施設探しから入居まで進めれば良かったと考えている人が多い」ということが言えます。

前北栞里_プロフィール画像
ケアアドバイザー前北
ご高齢の方の中には、介護施設へ入居することを「追いやられる」「姥捨て山」のように捉え、非常に強いマイナスのイメージを持っているケースが多くあります。しかし、最近の介護施設はとても綺麗で、見学者や体験入居者に対しても非常に手厚く優しく接してくれます。悪いイメージを抱いている方ほど、実際に体験入居をしてみると「こんなにいい思いができるなら良いかも」「同年代の友人もできそうで、むしろ家よりいいじゃん」とイメージが大きく覆り、入居に向けてグッと前向きに進むケースが非常に多いです。
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理由2:プロの専門的なケアによって親の「健康」が守られるから

施設に入居させることで専門的な知識をもったスタッフのケアが受けられるため、在宅介護で介護を行うよりも親の健康が守られる可能性が高まります。

インタビュー_小川さん
特養に入居させたことで父親の身体が改善されたと語る小川さん
【体験談インタビュー】プロフィール
・実施日:2026年3月
・形式:オンラインインタビュー
・お名前:小川さん
・性別:男性
・年齢:34歳
・職業:会社員(正社員)
・居住地:福岡県
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・状況:29歳の時に父親が脳出血で急に倒れたため、田舎から街中へ呼び寄せて母親と同居する形で在宅介護が始まりました。仕事を続けながら母親や近くに住む2人の弟と協力して役割分担し、約5〜6年間在宅介護を続けました。しかし、父親が誤嚥性肺炎を患い「胃ろう」を増設したことで、自宅での管理が困難になり医療的ケアも必要となったため、特別養護老人ホーム(特養)への入居を決断しました。

小川さん:特養に入居させることを当初は「本当に父親が望んでいるのか」という葛藤がありました。最終的には入居させたのですが、その後から素人目にもわかるくらい肌艶が良くなっていったんですよね。やっぱり施設で適切なケアを受けたことで、しっかりとカロリーが摂取できるようになったのかなと思いますし、このあたりはなかなか在宅介護では難しい部分ではあるので、施設に入居させて良かったなと思うところです。

入居前と後で「こんなに変わるのか」と驚いたと語る沢口さん
【体験談インタビュー】プロフィール
・実施日:2026年4月
・形式:オンラインインタビュー
・お名前:沢口さん(仮名)
・性別:女性
・年齢:58歳
・職業:自営業・フリーランス
・居住地:関東地方
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・状況:両親の「長男第一主義」により実家の近くに住むことを義務付けられており、母親が亡くなった後、一人暮らしの父親が認知症を発症し骨折したことで本格的に介護が始まりました。仕事や子育てをしながらケアマネージャー等を頼って在宅介護をしていましたが、次第に徘徊などが始まり手に負えなくなりました。最終的には介護付き有料老人ホームへの入所を決めました。

沢口さん:入所前は愚痴っぽかったり、時にはふさぎ込んでいた父ですが、施設に入ったことで愚痴が全くなくなり、毎日笑って過ごすほど施設での生活を楽しむようになりました。「あのスタッフの方が優しく対応してくれて嬉しい…」とかも気軽に話してくれますし、環境でこんなに変わるんだと驚きましたね。環境の変化はもちろんですが、スタッフの方が良い対応してくれるので、父の性格も穏やかになったのかなと思います。

施設に入居することで専門知識を持ったスタッフが適切に対応してくれます。

身体的なケアはもちろんのこと、精神的なケアも可能なため、親御さんの心身の健康が守られます。

親御さんの安全と健康を第一に考えるからこそ、専門設備やスタッフが揃った施設に入居させるのは正解といえます。

理由3:家族の「介護うつ」や「共倒れ」を防げるから

介護はする側にとっても身体的・精神的に大変なものです。

介護をする側の家族が無理をしてしまい、うつ病が発症したり、不調に気付かず倒れてしまったりするケースは少なくありません。

【体験談インタビュー】プロフィール
・実施日:2026年4月
・形式:オンラインインタビュー
・お名前:林さん
・性別:女性
・年齢:51歳
・職業:会社員(正社員)
・居住地:兵庫
当時の状況を開く
・状況:母親が83〜84歳頃に足腰が衰え始め、徐々に介護度が上がっていったことで介護がスタートしました。当初は母親と同居していた姉が無理をしてメインで介護を行い、母親の貯金がないため姉妹で月1万円ずつ生活費を出し合って在宅介護を続けていました。しかし、無理をした姉が介護うつになってしまったため、林さんが仕事の合間に通いでメインの介護を担うことになりました。これ以上姉に負担をかけられないと考え、施設長やケアマネージャーの協力を得て生活保護を受給する道筋を立て、介護付き老人ホームへの入所を決断しました。

林さん:それまで姉がずっと母の介護をしてくれていたのですが、「介護うつ」のようなってしまって…そこから私がメインで介護を担っていました。やはり自分で介護をすると大変ですし、姉もできる範囲で手伝ってはくれていたのですが、これ以上は負担をかけられないなと思ったので施設への入居を決めました。施設に入居した後は24時間の見守り体制ができたことで「1日中母を気にしなくてよい」という安心感を得られました。正直、姉は一時期、母と話すだけで…という状態だったのですが、施設入居してからは姉もかなり回復し、軽い仕事に復帰したり、母と一緒に外食に出かけられるようになったりしました。

【体験談インタビュー】プロフィール
・実施日:2026年4月
・形式:オンラインインタビュー
・お名前:中村さん
・性別:女性
・年齢:48歳
・職業:会社員(正社員)
・居住地:東京
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・状況:老人性うつで引きこもり状態だった父親の世話を主に母親が行っていましたが、母親が急死したことで、突然一人で父親の施設手配や金銭工面などの対応を抱え込むことになりました。自身は未就学児の育児とフルタイムの仕事を抱えている過酷な状況でしたが、遠方に住む長女と音信不通の次女は手伝いもお金も出さず口出しばかりしてくることに強いストレスを感じていました。介護保険の認定待ちで高額な自費負担が発生するなどの苦労もあり、姉たちの意見を完全に無視して独断で新築の軽費老人ホームを探し出して入居を決めました。

中村さん:実際の介護もそうですが、遠方でなかなか顔を出さない姉たちから介護について口出しされるんですよ。「あーでもない。こーでもない。」って。板挟みみたいになっていましたし、私自身も子育てしたいのに…ってかなりストレスが溜まっていましたね。なので最終的には、姉たちの意見を無視して独断で施設を探し出し入居させました。施設に預けたことで、やっと自分の時間ができましたし仕事はもちろんのこと、子育てもできるようになったので助かりましたね。

介護はいつ終わるか分からない長期戦です。

真面目で責任感の強い人ほど、一人で抱え込んでしまい、気づかないうちに心身の限界を超えてしまいます。

介護者が倒れてしまっては、元も子もないため、ご自身の健康を守るためにも施設という選択肢を迷わず活用してください。

理由4:介護の精神的な負担が消え、「親子の時間」を楽しめるようになるから

物理的な介護負担から解放されることで、精神的にも楽になり、親子関係が良好に保てるという事実があります。

菅原さん_インタビュー

【専門家プロフィール】
・お名前:菅原 一央(すがわら かずひろ)
・役職:株式会社ナースビジョン 取締役 / 一般社団法人OWL 理事
・経歴・実績:看護師。精神科や脳神経外科などの急性期病院を経て、介護老人保健施設(老健)の副師長や訪問看護ステーションの管理者を歴任。現在は介護施設紹介のほか、訪問看護ステーションの運営や現場の業務改善支援など、看護・介護環境の構築に幅広く携わっている。

菅原さん:施設にオムツ交換や掃除などの日常のケアを任せることで、ご家族は介護のプレッシャーから解放されます。その結果、面会の時間を「面倒な作業」ではなく、親御さんとの「楽しい時間」として使えるようになり、家族関係が良好になる方は非常に多いですね。

自宅介護では、疲労からつい親御さんにきつく当たってしまい、自己嫌悪に陥るという悪循環が起きがちです。

しかし、施設に生活の基盤を移すことで、精神的な余裕が生まれます。顔を合わせた時に優しく接することができるようになり、親子にとって最高の選択になります。

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【アンケート結果】親を施設に任せる罪悪感とその後の変化

ケアスル 介護が、家族が施設に入居している方2,000人に行った独自調査では、入居時に罪悪感を抱いた家族は56.2%にのぼりました。
その罪悪感が入居後にどうなったかを、以下の3点から見ていきます。

  • 入居時に罪悪感があった1,124人のうち、59.8%が入居後に「軽くなった」と回答
  • 入居後の親の変化は、良い変化のみを挙げた家族が48.5%、悪い変化のみが24.4%
  • 親に良い変化があった家族の軽減率は73.2%で、悪い変化のみだった家族の34.3%を上回る

※調査の実施日は2026年6月3日、対象は家族が施設に入居している方2,000人です。

入居後に罪悪感が薄れた人は約6割

入居時に罪悪感があった家族のうち、入居後に罪悪感が軽くなったと答えた人は59.8%でした。

まず、施設に入居してもらうにあたって罪悪感があったかを聞いた結果を見ていきます。
「罪悪感があった」が17.2%(344人)、「罪悪感は少しあった」が39.0%(780人)。
合わせて56.2%(1,124人)が、何らかの罪悪感を抱えたまま入居を決めていました。

一方、「まったくなかった」と答えた家族も43.8%(876人)います。罪悪感を持つのも持たないのも、どちらも珍しくありません。

施設入居にあたって罪悪感を抱いた家族は56.2%(ケアスル介護 独自調査 n=2,000)
出典:『ケアスル 介護 独自調査レポート 2026』(2026年6月調査・n=2,000)

次に、入居時に罪悪感があった1,124人へ、その後の変化を聞きました。
「罪悪感は薄れた」が47.2%(530人)、「罪悪感はなくなった」が12.6%(142人)。
合わせて59.8%(672人)が、入居後に軽くなったと答えています。

軽くなった人は、さらに強くなった人(4.5%・50人)の13.4倍にあたります。

罪悪感を抱いた家族の59.8%が施設入居後に「軽くなった」と回答(ケアスル介護 独自調査 n=1,124)
出典:『ケアスル 介護 独自調査レポート 2026』(2026年6月調査・n=1,124)

ただし、「罪悪感は変わらずある」と答えた家族も35.4%(398人)いました。薄れるまでの時間には個人差があります。

軽くなった672人に、その要因を聞いた結果が以下です。

罪悪感が薄れた要因(n=672)
時間の経過により、自然とうすれた36.3%(244人)
介護は正解がないと思うようにした31.9%(214人)
被介護者が元気に過ごしていたこと31.6%(212人)

3つの要因はほぼ三分しており、最も多いのは「時間の経過」36.3%(244人)でした。
入居前に気持ちを整理しきる必要はない、と読み取れる結果です。

入居後の親の変化

入居後の親の変化を回答者1人ごとに見ると、良い変化のみを挙げた家族が48.5%、悪い変化のみが24.4%という結果でした。

まず、複数回答で聞いた12項目の内訳が以下です。

施設入居後、親の様子はどう変わったか(n=2,000・複数回答)
体調が安定した25.9%(517人)
穏やかになった22.1%(441人)
体力が落ちた19.7%(394人)
特に変化はなかった19.1%(381人)
他の入居者やスタッフと交流するようになった18.9%(377人)
表情が明るくなった17.2%(343人)
認知症の症状が悪化した13.9%(278人)
ほとんど話さなくなった10.0%(199人)
食欲が戻った8.7%(174人)
よく笑うようになった8.5%(170人)
表情が暗くなった7.8%(155人)
その他3.0%(59人)
施設入居後、親の様子はどのように変わったか(ケアスル介護 独自調査 n=2,000 複数回答)
出典:『ケアスル 介護 独自調査レポート 2026』(2026年6月調査・n=2,000・複数回答)

上位2項目は「体調が安定した」「穏やかになった」ですが、3番目には「体力が落ちた」が入ります。
複数回答のため、回答者1人ごとに集計し直すと全体像が変わります。

良い変化のみが48.5%(971人)、悪い変化のみが24.4%(489人)。
特に変化なしのみが15.8%(315人)、良い変化と悪い変化の両方が8.4%(168人)でした。

約半数の親は良い方向にのみ変わっている一方で、4人に1人は悪い方向のみという結果です。
施設に入れば必ず良くなる、とも悪くなる、とも言い切れません。

「体力が落ちた」19.7%、「認知症の症状が悪化した」13.9%は、加齢や持病の進行による変化と切り分けることができません。施設に入居したことが原因だとは言えない点にご注意ください。

親が元気になった家族の7割以上は罪悪感が軽くなった

ここでいう「親が元気になった家族」とは、入居後の変化として良い変化のみを挙げた家族(619人)を指します。

罪悪感が軽くなった人は全体で59.8%でした。この差が何によって分かれたのかを見ていきます。
入居時に罪悪感があった1,124人を、入居後の親の変化タイプ別に分けて軽減率を見ました。

親の変化タイプ別に見た、罪悪感が軽くなった人の割合(n=1,124)
親の変化タイプ軽くなったさらに強くなった
良い変化のみ(619人)73.2%1.3%
良い変化と悪い変化の両方(120人)61.7%5.0%
特に変化なし(108人)44.4%1.9%
悪い変化のみ(265人)34.3%12.5%
親が元気に過ごせた家族の73.2%は罪悪感が軽くなった(ケアスル介護 独自調査 n=1,124)
出典:『ケアスル 介護 独自調査レポート 2026』(2026年6月調査・n=1,124)

良い変化のみを挙げた家族は73.2%、悪い変化のみだった家族は34.3%で、2.1倍の差がつきました。
「罪悪感がさらに強くなった」も1.3%と12.5%で、約9.6倍の開きがあります。

一方、入居前の在宅介護の経験の有無では、軽減率は60.8%と58.2%。
差はわずか2.6ポイントで、「もっと在宅で頑張れたのでは」という後悔は、罪悪感の解消をほとんど左右していません。

罪悪感が軽くなるかどうかを分けていたのは、本人の心の持ちようではなく、入居後に親が施設で快適に過ごせたかどうかでした。
罪悪感を消してから預けるのではなく、親に合う施設を選ぶことが先だと示唆されます。

罪悪感の変化と親の変化は、いずれも同じ回答者が主観で答えたものです。両者が連動していることを示す結果であり、親の変化が罪悪感の変化を引き起こしたという因果関係を示すものではありません。

親の介護で○○になったら施設に任せるサイン

親の介護では多くの方が自身の「限界」を迎えてから施設探しを始めています。

老人ホームを探し始めたきっかけのグラフ

『ケアスル 介護 独自調査レポート 2026』によると、施設探しを始めたきっかけの第1位は「在宅介護が難しくなった(家族介護の限界)」で30.0%でした。

次いで「一人暮らしや自宅での生活が難しくなった(生活困難)」「介護者(家族)の負担・状態が限界に近づいた」と続いています。

多くのご家族が、心身ともに「限界」を感じたタイミングで施設入居を決断していることがわかります。

本章では、実際の体験談をもとに、施設入居を検討すべき具体的な「サイン」を解説します。ご自身の状況と照らし合わして参考にしてみてください。

サイン1:親の身体・認知機能の悪化(医療的ケアの必要性)

親御さんの身体的な状態が変わった時は、迷わず施設を検討するタイミングです。

【体験談インタビュー】プロフィール
・実施日:2026年4月
・形式:オンラインインタビュー
・お名前:鈴木さん(仮名)
・性別:女性
・年齢:57歳
・職業:会社員(正社員)
・居住地:関東地方
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・状況:50歳の時に父親が脳梗塞で倒れ、一人っ子であるため仕事をしながら週2〜3日実家へ通い、キーパーソンとして在宅介護を続けていました。父親は歩行や会話に障害があり、左側が見えづらく転倒や骨折を繰り返していました。脳梗塞、心不全、骨折と病状の悪化が連鎖し、そのたびにリハビリをして自宅に戻るという過酷な状況が繰り返され、介護者側の負担が限界に達したことが施設入所を検討しました。

鈴木さん:父は脳梗塞の後遺症で歩行や会話に障害が残り、転倒や骨折を繰り返しては入退院を繰り返すという状況でした。さらに父は脳梗塞の後遺症からか認知症の症状も進行してしまい…。朝も夜もわらないのか昼夜逆転のような状態で生活にもなってきていたので、厳しいなと。そこまでいってしまうと自宅で見続けることは難しいとなって、施設への入居に至りましたね。そこからはやっぱりふつうの生活と言いますか、規則正しい生活に戻れたので助かりましたね。

【体験談インタビュー】プロフィール
・実施日:2026年4月
・形式:オンラインインタビュー
・お名前:小林さん(仮名)
・性別:女性
・年齢:57歳
・職業:自営業・フリーランス
・居住地:神奈川県
当時の状況を開く
・状況:53歳から母親の介護が始まり、父親の死後は実母を自宅に引き取って同居介護を行っていました。母親は腰の狭窄症や小脳の萎縮の疑いなどにより転倒が多く、徐々に車椅子生活となり、尿カテーテルを使用するなど医療的・身体的なケアが必要になり、自宅での介護が困難になりました。また、老健施設に一時入所したものの精神状態が悪化して退所となり、精神科で2ヶ月間の保護入院となるなど、精神面での悪化も見られました。

小林さん:母の転倒が多くなり、車椅子生活や尿カテーテルの使用など、素人では対応できない医療的・身体的ケアが必要になったのが施設へ入居を決めた大きな理由ですね。最初は在宅でも…と思って私が介護をしていたのですが、やっぱり無理をしていたのか「適応障害」を発症してしまって。さすがに介護は難しいと感じて住宅型有料老人ホームへの入居を決断しました。入居してからは私自身も精神的にも身体的にもだいぶ楽になりましたね。

尿カテーテルなどの医療的ケアが必要になったり、認知症の症状が進行したりすると、24時間体制での見守りが必要になります。

こうした状態になると在宅での介護では限界があります。

親御さんの命と安全を守るためには、無理に自宅で介護を続けず、専門設備とスタッフが揃った施設へ移行することが不可欠です。

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サイン2:介護者自身の心身の限界(睡眠不足・介護うつ)

介護者自身が心身の不調を感じたり、倒れてしまったりする前兆があれば、即座に施設へ切り替えるべきです。

【体験談インタビュー】プロフィール
・実施日:2026年4月
・形式:オンラインインタビュー
・お名前:伊東さん(仮名)
・性別:女性
・年齢:55歳
・職業:パート・アルバイト
・居住地:大阪
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・状況:52歳の時に母親が左腕を骨折し、さらにコロナ感染による入院を経て足の筋力が衰え、完全に歩けなくなったことで介護が本格化しました。母親の年金や貯金がほとんどなく、自身の生活費(子どもの学費などを含む)を切り崩して資金繰りをする経済的な不安と、在宅介護の精神的な負担が重なり、伊東さん自身がうつ病を発症して動けなくなってしまいました。一人で抱えきれず夫に相談した結果、夫が主体となってサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)への入居と生活保護の申請手続きを進め、施設へ入居させる決断に至りました。

伊東さん(仮名):在宅介護をしていたのですが母の年金が少なく、介護にかかる費用の捻出に子どもの学費などを切り崩してました。いつまで続くのか、貯金は大丈夫かなどいろいろ不安になったので精神的にもきつかったですね。それで限界が来てしまって、私自身がうつ病を発症して動けなくなってしまいました。そこで初めて夫に相談して、夫が施設探しから入居の手続き、生活保護の申請とかもしてくれたので助かりましたね。やっぱりひとりで抱え込むと限界が来るのだなと実感しましたし、もっと早く頼れば良かったと思っています。

「まだ大丈夫…」と思っていても睡眠不足や経済的な不安、肉体的な疲労などが重なると、容易に体調は崩れてしまいます。

「夜眠れない」「涙が止まらない」「気力が湧かない」といった症状は、すでに限界を超えている危険なサインです。

共倒れを防ぐためにも、自分自身の健康を最優先に考え、直ちにプロの手を借りてください。

介護うつは真面目で責任感が強い人ほど陥りやすいです。「自分がやらなきゃ」という思い込みを直ちに捨ててください。

サイン3:主介護者の不在など、急な環境変化

主介護者が急に不在になったり、生活環境が大きく変わったりした時は、無理に介護を引き継がず施設を検討するタイミングです。

主介護者の急な入院や他界、あるいはご自身の仕事の都合(転勤や異動)など、介護体制が突然崩れることは決してめずらしくありません。

ご自身の生活やキャリア、そして別のご家族(子どもや配偶者など)の生活を守るためにも、環境が変わった時は「自分でなんとかしよう」とせず、すぐに施設の手配や情報収集に動き出してください。

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施設に任せたいけれど「費用」に不安がある場合の対処法

「親を施設に預けたいけれど、うちにはお金がないから…」と悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、特別養護老人ホーム(特養)などの費用負担が少ない公的施設や、自己負担額を軽減する様々な公的補助制度を活用することで、予算が限られていても施設に入居できる可能性は十分にあります。

資金面で不安がある場合の具体的な解決策や、費用を抑えて入居できる施設の探し方については、以下の記事で詳しく解説しています。一人で悩まずに、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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実際に親を施設に任せるまでの5つのステップ

施設入居を前向きに検討し始めたら、次は具体的な行動に移しましょう。

実際に親を施設に入れるまでは、以下の5つのステップです

【施設入居までの5ステップ】

    1. 親の心身状況(要介護度)と、出せる予算を把握する

 

    1. ケアマネージャーに相談し、希望条件を整理する

 

    1. 条件に合う複数の施設からパンフレットを取り寄せる

 

    1. 必ず複数の施設を「見学」し、雰囲気やスタッフの対応を比較する

 

    1. 本人(親)を説得し、体験入居を経て本契約へ進む

 

まずは親御さんの介護度や予算を客観的に整理し、信頼できるケアマネージャーに相談するところから始めてみてください。

最初から1つの施設に絞るのではなく、必ず複数の施設を見学・比較して、親御さんが安心して過ごせる場所を見つけることが大切です。

具体的な探し方は以下の記事にまとめていますので、あわせて参考にしてみてください。

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まとめ

親の介護を施設に任せることに対して、「親不孝かも…」「周りの目が気になる…」と悩むのは、ご家族が親御さんのことを真剣に大切に思っている証拠です。

しかし、無理をして共倒れになってしまっては、誰も幸せになれません。

親を施設に任せることは決して親不孝ではなく、親子両方が幸せに生きるためのポジティブな選択だと考えて大丈夫です。

一人で抱え込まず、まずはケアマネージャーへの相談や施設のパンフレット請求など、できることから一歩踏み出してみてください。

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