介護施設のマッチングプラットフォーム「ケアスル 介護」において、介護経験がある250名を対象に、現在の介護状況に関するアンケートを実施しました。
遠距離介護の帰省頻度や交通費なども伺ったため、遠距離介護を続けている方は、ぜひ参考にしてみてください。
アンケート結果概要
アンケートにて、現在または介護していた時の状況を伺うと、「介護施設に入居」が約35%、「在宅介護」が約32%、「遠距離介護」が約29%という結果となりました。
「遠距離介護」と回答された方に介護のための帰省頻度を質問すると、「週1~3回程度」が約47%で最も多く、全体の9割以上が、最低でも月に1回以上は介護のために帰省していることが判明しました。
「遠距離介護」と回答された方に1往復にかかる費用(交通費)を伺うと、最も回答が多かったのは「5,000円未満」の約67%でした。
普段介護に関する知識をどこから得ているか質問すると、74.8%の方が「ケアマネジャー」に尋ねていることが分かりました。
アンケート結果詳細
続いて、各アンケートの内容とその結果をそれぞれ紹介します。
Q1. 現在の介護の状況(または、介護していた時の状況)を教えて下さい
事前アンケートで「介護経験がある」と回答された方に対して、現在の介護の状況(または、介護していた時の状況)について伺いました。
なお、「遠距離介護」については個々人により遠距離介護の考え方が異なるため、所要時間ごとに回答項目を別に設けました。
回答内容 | 回答人数 |
介護施設に入居 |
87(34.8%) |
在宅介護 |
81(32.4%) |
遠距離介護(1時間未満の距離) |
48(19.2%) |
遠距離介護(1~3時間未満の距離) |
18(7.2%) |
遠距離介護(3時間以上の距離) |
7(2.8%) |
その他 |
9(3.9%) |
介護経験がある方にアンケートした結果、回答が最も多かったのは「介護施設に入居」の34.8%であり、次に「在宅介護」の32.4%が並ぶ結果となりました。
また「遠距離介護」と回答した方の合計は73名(29.2%)いることから、約3人に1人が遠距離介護を行っていることが判明しました。
近年、介護を遠距離で行う方は増えつつあります。厚生労働省の「2019年国民生活基礎調査」によると、別居の家族が介護を行う割合は2016年に12.2%、2019年に13.6%に増えています。
在宅介護、遠距離介護のいずれにおいてもメリット・デメリットがあるため、被介護者の身体状況や家族の事情などを踏まえて選択することが大切と言えます。

なお、「その他」と回答された方には、以下のようなケースがありました。
病院
ホスピス
ホスピスとは、病気やその治療に伴う苦痛の緩和や穏やかな最後を迎えるためのサポートを行う施設であり、一般的にはがんやエイズにより余命宣告を受けた方が対象となります。
病院と異なり、病気の治療や延命措置などのケアを行わないことや、面会に制限がないなどの特徴があります。ホスピスと病院では目的が異なるため、本人の希望や身体状態に最適な施設を検討することが大切と言えます。

Q2. 遠距離介護の際、介護のためにどれくらいの頻度で帰省しましたか?
Q1で「遠距離介護」と回答された方に対して、介護のためにどれくらいの頻度で帰省したのかを伺いました。
回答内容 | 回答人数 |
ほぼ毎日 |
10(13.7%) |
週1~3回程度 |
35(47.9%) |
月1~3回程度 |
21(28.8%) |
2~3回月に1回 |
7(9.6%) |
介護のための帰省頻度として最も多かったのは「週1~3回程度」の47.9%であり、半数以上の方が最低でも週に1回は介護のために帰省していることが分かりました。
順に「月1~3回程度」(28.8%)、「ほぼ毎日」(13.7%)という結果となり、全体の9割以上が、最低でも月に1回以上は介護のために帰省していることが見受けられました。
ただし、アンケート結果はあくまでも目安であるため、親の介護度や交通の便などに応じて、無理のない範囲で帰省することが大切です。
遠距離介護の移動にかかる所要時間と帰省頻度の関係をまとめると、以下のグラフのようになります。
遠距離介護を行う事情は様々であるため、介護サービスや見守りサービスなどを活用して、無理のない範囲で帰省頻度を決めましょう。

Q3. 遠距離介護の際、1往復にかかる費用(交通費など)を教えて下さい
さらに、Q1で「遠距離介護」と回答された方に対して、1往復にかかる費用(交通費)などを伺いました。
回答内容 | 回答人数 |
5,000円未満 |
49(67.1%) |
5,000円~1万円未満 |
11(15.1%) |
1万円~3万円未満 |
9(12.3%) |
3万円~5万円未満 |
4(5.5%) |
遠距離介護を行っている方のうち、1往復にかかる費用として最も回答が多かったのは「5,000円未満」の67.1%でした。
親の自宅まで車や自転車で行ける距離であれば金銭的負担は少ないです。例えば、Q2で介護のための帰省頻度が「ほぼ毎日」である10名全員が、交通費は「5,000円未満」と回答しています。
一方で、遠方である場合は飛行機や公共交通機関を利用しなければならず、金銭的な負担は大きい方もおります。
なお、遠距離介護の移動にかかる所要時間と往復費用の関係をまとめると、以下のグラフのようになります。
親が住む地域と自宅を往復するまでに数万円掛かってしまう、移動が1日がかりになってしまうなど、帰省したくても帰省できないとお悩みの方は少なくありません。場合によっては夫婦や親族で考え方が一致せず、口論になってしまうケースもあります。
また頻度が多すぎるあまり、体調を崩したり、仕事に支障が出ては元も子もありません。遠距離介護に悩み始めたら、一度呼び寄せ(在宅介護)や介護施設への入居を検討してみましょう。

Q4. 介護の知識(利用できるサービスや日常的な困りごとの解決策など)を、普段どこから得ていますか?(複数回答可)
最後に、アンケート対象者全員に対して、普段介護に関する知識(利用できるサービスや困りごとの解決策など)をどこから得ているか伺いました。
回答内容 | 回答人数(複数回答可) |
ケアマネジャー |
187(74.8%) |
医者・病院 |
80(32.0%) |
家族・親族 |
58(23.2%) |
インターネット |
56(22.4%) |
地域包括支援センター |
53(21.2%) |
市役所などの公的機関 |
41(16.4%) |
知り合い |
38(15.2%) |
ソーシャルワーカー |
30(12.0%) |
書籍・雑誌 |
18(7.2%) |
民間企業の相談窓口 |
8(3.2%) |
その他 |
2(0.8%) |
アンケートの結果、介護の知識を得るために74.8%の方が「ケアマネジャー」に尋ねていることが分かりました。
ケアマネジャーとは、介護を必要としている人が自立した日常生活を送るために必要な専門知識や技術を有する者であり、ケアプランの作成や事業書との調整、利用者や家族の介護の相談対応を行います。
そのため、介護に関する困りごとを解決したいと考えたら、真っ先に思い浮かべるのがケアマネジャーであると言えるでしょう。
次に多いのが、「医者・病院」(32.0%)、「家族・親族」(23.2%)、そして「インターネット」(22.4%)が並んでいます。
介護は本来、知識や経験がないと非常に大変なものです。ケアスル介護では、ユーザーに寄り添うサービスとして正確な情報や調査結果をオンラインで提供しています。
なお、「その他」にチェックされた方からは、以下のような回答を頂きました。
自分で考えて
介護施設のスタッフさん
ここで提示した選択肢以外にも、匿名で介護に関する相談ができるシルバー110番(#8080)や介護施設の入居に関して相談できる施設探し代行サービスがあります。

また、ケアスル介護には専任のケアアドバイザーが常駐しているので、介護施設の費用や入居も踏まえた相談をしたい場合はぜひ一度相談してみてください。
- 施設に入ろうか悩んでいる
- お金がどのくらいかかるのか知りたい
くらいの疑問でも構いませんので、ケアアドバイザーに相談してみると解決に向けた一歩を進めるかもしれません。
調査概要
調査目的
介護状況に関するアンケート
調査手法
調査実施機関:インターネットリサーチ
調査期間:2023年7月10日
調査対象:250人(アンケート回答者は、事前アンケートで「介護経験がある」にチェックをつけた方を対象とした)
調査内容
下記の4つの質問を実施しました。
- Q1. 現在の介護の状況(または、介護していた時の状況)を教えて下さい
- Q2. 遠距離介護の際、介護のためにどれくらいの頻度で帰省しましたか?
Q1でいずれかを選択した選択肢: [2.遠距離介護(1時間未満の距離)~4.遠距離介護(3時間以上の距離)] - Q3. 遠距離介護の際、1往復にかかる費用(交通費など)を教えて下さい
Q1でいずれかを選択した選択肢: [2.遠距離介護(1時間未満の距離)~4.遠距離介護(3時間以上の距離)] - Q4. 介護の知識(利用できるサービスや日常的な困りごとの解決策など)を、普段どこから得ていますか?(複数回答可)
調査テーマについて
ケアスル介護では、介護に関するアンケートテーマを随時募集しています。介護に関する事柄で、
- ちょっと気になるけれど周りに聞きづらい介護のこと
- 介護のノウハウや知識など、みんながどのようにしているのか知りたいこと
があればぜひケアスル介護へお問い合わせください。