「親の介護をしているけれど、今のままではうつ病になるかも」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。
介護中であれば、介護が影響している可能性があります。
当記事では介護によるうつ病の原因や症状、介護うつになりやすい方の特徴などについて詳しく紹介します。
記事を最後まで読み終えていただければ、介護うつの不安を解消できます。
介護うつで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

親の介護で発症するうつ病とは
うつ病は気分障害で、介護きっかけの発症もめずらしくありません。
落ち込む、楽しくないなどの精神症状や、眠れない、食欲がない、疲れやすいといった身体症状、日常生活に支障を感じたらうつ病の可能性があります。
初めのうちは単なる介護疲れと思う方が多く、介護うつであることになかなか気づきません。「この程度のストレスは当たり前」と軽視しないように注意しましょう。
親の介護で疲れている方にはケアスル介護で相談してみることがおすすめです。ケアスル介護では、土日を含む10:00-19:00まで入居相談員が対応しており、すぐに入居できる施設の情報をご案内できます。
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親の介護で陥りがちなうつ病の原因・症状
介護うつは、在宅介護者に多い介護によるうつ病です。介護うつに陥ると、充分な介護ができなくなり、介護者・要介護者にとって辛い状況になる可能性があります。
そこで、親の介護で陥りがちなうつ病の原因・症状についてご紹介していくのでチェックしていきましょう。
原因は介護の負担によるストレスが多い
親の介護によるストレスは、うつ病の原因になりやすいとされているため、介護に取り組んでいる方は注意しましょう。
親の介護によってうつ病が起こりやすくなるのは、睡眠や休養、栄養がとれない状況が続き、脳の処理能力が追いつかなくなるためです。
脳のエネルギーが極端に減り、意欲や判断力が低下して元気に行動ができなくなります。
親の介護をしている方が、「以前のように意欲がわかない」「前向きな気持ちで介護に取り組めない」といった状態に陥った場合、もしかしたらうつ病のサインかもしれません。
介護中のうつ病は心身の不調が生じやすい
介護中にうつ病に陥ると、介護の負担から心身の不調を生じやすくなります。
うつ病の主な症状は以下のとおりです。
- 寝つきが悪い、夜中に目覚めるなどの睡眠障害
- 食欲がない、おいしくないなどの食欲不振
- 落ち込む、周りに無関心などの思考障害
- 疲れ、だるいなどの倦怠感
- 死んでしまいたいと考える自殺願望
精神面での症状は自分では気づきにくいものですが、眠れないや食べたくないといった身体面の症状は比較的早いタイミングで自覚できます。
心身の疲労を感じたら、うつ病に陥る前に休息をとったり、気分転換をはかったりしましょう。
親の介護でうつ病になりやすい方の特徴
介護に取り組む方であれば、うつ病に陥る可能性があります。しかし、うつ病になりやすい性格の方もいるので注意してください。
ここでは、うつ病になりやすい方の特徴をご紹介していくので、あてはまる項目はないかチェックしてみましょう。
真面目・几帳面・完璧主義である
真面目・几帳面・完璧主義な方は、介護に取り組んでいる際も、満点を求めてしまう傾向にあります。
しかし、要介護者の生活面でのこだわりやケアの拒否などによって、予定通りのスケジュールで進められるとは限りません。
また、理想の介護を追求するあまり、思った通りの介護ができないときに自分を責めてしまう点にも注意が必要です。
責任感が強い
強い責任感がある方は誰にも頼れず、自分に厳しいため、周りの心配を受け入れず、自分でやりきろうとします。
「親は責任をもって最後まで自分がみる」「親の介護は子どもである自分がするべきものだ」といった義務感は、精神的なプレッシャーやストレスを生みます。
周囲に助けを求めるのが得意ではないので、心や体力が限界になっていても、頑張って介護を続けてしまう方は少なくありません。
我慢強い・忍耐力がある
我慢強く忍耐力がある方の場合、協力を求めるのが苦手なので介護の負担や問題点を自分で背負い込もうとしてしまうでしょう。
親の在宅介護は夜間の体位変換やおむつ交換などで睡眠不足になったり、徘徊から目が離せなくなったりと、疲労やストレスが溜まりやすいものです。
しかし、疲れていても持ち前の忍耐力から無理して頑張ってしまいます。
周囲に頼らず自分たち家族だけで介護に取り組もうとするのでストレスの発散や息抜きをしにくく、ストレスが限界を超えてしまうでしょう。
我慢強く忍耐力がある方が介護に取り組む場合、必要に応じて介護サービスの利用も検討しましょう。
相手に気を遣っている
相手に気を遣う傾向にある方は、介護によってうつ病を発症しやすいので注意しましょう。
介護をしている親、親以外の家族、親戚、近所、職場と気を遣う相手が増えるので、自分でも気がつかないうちにストレスを抱えています。
また、周囲に気を遣うばかりで、相談できる相手がおらず、不安が大きくなっていきます。
体力が少なく肉体的な負担がかかりやすい
親の介護は日常生活におけるさまざまな動作をサポートするため、体力が必要です。
排せつ介助で夜中に何度も起きたり、入浴介助や移動介助で腰を痛めたりする場合もあります。
介護の長期化は、介護者の体調不良やケガにつながりやすく、体力の少ない方には身体に負担がかかりやすいといえるでしょう。
体のしんどさが重なり、精神的に追い詰められてしまう方は少なくありません。
経済的な余裕がない
介護では、介護サービスの利用費や福祉用具のレンタル代、自宅改修費といった出費がかさみます。
また、介護時間を捻出するために、パートタイム勤務や時短勤務への勤務形態の変更や退職を検討する方もいるでしょう。
介護にともなう経済的な負担は生活や将来に見通しが立ちにくく、不安感からうつ病を生じやすくなります。
現段階でうつ病は生じていなくても、経済的な不安を感じている方は、介護費用の自己負担額を減らせる制度について把握しておくと安心です。

親の介護中にうつ病を予防するには?
介護中はさまざまな要因からうつ病に陥りやすいため、うつ病を予防しながら介護に取り組む必要があります。
そこで、親の介護中にうつ病を予防する方法について詳しくご紹介していきます。ポジティブな気持ちで親の介護に取り組みたい方は、参考にしてください。
親の老化を感じたら介護の知識を身につける
「最近親の物忘れが増えた」「足元がふらついていて転びそうな時がある」といった親の老化を感じたら、介護について調べておきましょう。
介護が始まる前に適切な知識を身に着けておけばいざという時にすぐに行動できます。
適切な介護の知識は、介護者・要介護者双方にとって、よりよい介護環境を整えやすくなります。
心身の負担を軽減できる介護の方法や、利用できる介護サービスの種類なども、親の介護をする場面で役に立つでしょう。
中には、受験資格に制限がない民間の介護資格もあり、通信講座を利用することで取得できます。
専門的な知識を深めたい方は、民間の介護資格の取得も検討してみるとよいでしょう。
本やインターネットを活用して介護知識を収集しましょう。

メンタルコントロールをする
メンタルコントロールとは、自分が不安になるタイミングや、苛立ちやすい場面について把握し、穏やかに過ごせるように心の状態を調整することです。
日常的に取り組みやすいメンタルコントロールは次の通りです。
- 今の気持ちや考えを紙に書き出す
- 思い込みをやめて柔軟に考えるように心がける
- イライラや不安を感じてもできるだけポジティブな言葉を使う
- 自分を褒めて自己肯定感を高める
自分の心の状態をを客観的に理解することで、介護中に感じるストレスやネガティブな感情と上手に付き合うのに役立ちます。
客観視ができれば、コントロールがしやすくなります。
介護について相談できる相手を見つける
うつ病を予防するには、相談できる相手や場所を見つけましょう。
自分一人で介護の負担を背負い込むとストレスが大きくなり、介護うつを発症しやすくなります。
介護について身近に相談できる相手がいない場合、地域包括支援センターや担当のケアマネジャーに相談するとよいです。
悩みを打ち明けることで気持ちが軽くなるだけでなく、家族の負担を和らげるための提案をしてもらえるでしょう。
必要に応じて、社会資源や介護サービス、介護の自己負担額を減らせる公的な制度の利用を検討できます。
家族や親戚の力を借りる
介護による疲労やストレスを感じたら、家族や親戚の力を借りましょう。
交代で介護に取り組んだり、体調がすぐれない日に交代してもらったり、1人で介護の負担を背負い込まない体制づくりが大切です。
心身の休息をはかれるだけでなく、時間的な余裕が生まれるので、リフレッシュや気分転換もできます。
介護の負担が大きく、自分一人で続けるのが難しいと感じたら、うつ病を発症する前に素直に助けを求め、協力をあおぎましょう。
介護サービスを利用する
介護サービスは家族の介護負担を軽減する為に、リフレッシュ目的(レスパイト)で利用することも可能です。
「体調がすぐれないので介護を休みたい」「前向きな気持ちで介護に取り組めないので距離を置いて生活したい」といった悩みがあれば、担当のケアマネジャーに相談しましょう。
介護者の状態や、要介護者の要望に合った介護サービスを提案してもらえるので、安心して任せられます。
介護施設の入居を検討しているなら、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。施設探しの事前相談から入居まで相談員が親身にサポートするので、予算や希望の条件に合った施設が見つかります。
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親の介護の合間にできるおすすめのリフレッシュ方法
24時間続く親の介護によって疲労やストレスが溜まってしまう方は少なくありません。
そのため、介護の合間に気分転換や息抜きができるリフレッシュ方法を取り入れてみましょう。
詳しくご紹介するので、自分に合ったリフレッシュ方法を探すのにお役立てください。
身体を動かす
介護によるストレス発散には、軽く汗ばむ程度に身体を動かすのが効果的です。
運動で血行が良くなり心身のリラックスにつながります。
また、自律神経が整うことによって、気持ちが落ち着くホルモンが分泌されやすくなり、穏やかに過ごせるでしょう。
過度な運動はかえって疲労の原因となるので、適度な負荷の運動を日常的に取り入れることが大切です。
散歩をする
散歩は、外気に触れることで気分転換につながるでしょう。
特に朝の散歩は、うつ病の予防・改善に役立つセロトニンの分泌を助けます。
セロトニンとは、太陽の光をあびることで分泌されやすくなるホルモンで、気持ちを穏やかにする効果が期待できます。
数分〜数十分の散歩でもリフレッシュできるので、体力のない方は体力づくりもかねて短時間から散歩を始めてみましょう。
好きなものを食べる
介護で疲れた日や、意欲的に介護に取り組めない日は、好きなものを食べるのもよいでしょう。
好きなものを食べることで幸せな気分を感じられるので、イライラや不安感が自然と落ち着きます。
また、栄養の偏りも気分が落ち込みがちとなりやすいので、バランスよく食べることも大切です。
肉・魚・卵・大豆製品などのタンパク質やビタミンを多く含む野菜をバランスよく食べましょう。
趣味を楽しむ
親の介護が始まってから、趣味の時間を確保できなくなってしまう方は少なくありません。
ストレスを感じていてリフレッシュしたいときは、思いきり趣味を楽しむ時間を設けると気分転換になります。
まとまった時間が欲しい場合、デイサービスや訪問介護の利用を検討してみましょう。
また、ショートステイを利用すれば、遠方への外出や旅行も可能となります。
介護を理由に趣味や楽しみの時間をあきらめる必要はありません。
友人や地域との交流を楽しむ
親の介護中心の生活は、つい自宅に引きこもって生活しがちです。
そこで、おもいきって友人や地域との交流を試みてみましょう。
おしゃべりは脳への良い刺激となり充実感が得られるだけでなく、幸せホルモンのオキシトシンを分泌させ、ストレスを和らげます。
また、相手の話に相槌を打つなどの共感は、脳の前頭葉が活性化をうながし心がリラックスする効果も期待できるでしょう。
地域との交流は活動的な生活を楽しむきっかけになります。
うつ病かもしれないと感じた場合はどうする?
気分の落ち込みに気づいても、親の介護を優先して、自分自身のメンタルケアをなおざりにしてしまう方は少なくありません。
しかし、放置してしまうと症状が悪化したり、長期化したりしやすいので注意が必要です。
そこで、うつ病かもしれないと感じた際の対処法についてご紹介していくので、確認してみましょう。
インターネットなどを利用してセルフチェックを行う
うつ病かもと思ったら、インターネットなどを利用してセルフチェックを行ってみましょう。
症状からうつ病の疑いがあるか分かり、医療機関を受診する目安となります。
厚生労働省の「みんなのメンタルヘルス」では、うつ病のセルフチェックができるので、当てはまる症状はないか確認してみましょう。
- 気分が沈む、憂うつ
- 何をするのにも元気が出ない
- イライラする、怒りっぽい
- 理由もないのに、不安な気持ちになる
- 気持ちが落ち着かない
- 胸がどきどきする、息苦しい
- 何度も確かめないと気がすまない
- 周りに誰もいないのに、人の声が聞こえてくる
- 誰かが自分の悪口を言っている
- 何も食べたくない、食事がおいしくない
- なかなか寝つけない、熟睡できない
- 夜中に何度も目が覚める
引用元:厚生労働省みんなのメンタルヘルス
自宅で手軽に行えるので、うつ病を疑ったら確認してみてください。
症状が辛ければ医療機関を受診する
症状が辛い、セルフチェックで当てはまる数が多い場合は、医療機関の受診を検討しましょう。
うつ病は専門医の指導を受け、適切な治療が解決への近道です。
治療方法は適切な薬での薬物療法や、認知行動療法や対人関係療法といった精神療法、休養をとるなどがあります。
うつ病の辛い症状を抱えながら、親の介護を担うのは介護者・要介護者共に望ましい状況ではありません。
医師の判断の元で適切な治療を受けながら、症状の改善を目指しましょう。
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親の介護中は適度にリフレッシュしてうつ病を予防しよう
親の介護は、心身の負担や経済的な不安を生じやすく、うつ病に陥りやすくなります。
几帳面であったり、責任感が強かったりなど、うつ病になりやすい特徴に当てはまる方は、特に注意してください。
うつ病に陥ると、前向きな気持ちで介護に取り組めなくなり、要介護者が適切な介護を受けられない可能性があります。
周囲に助けを求めたり、介護サービスを利用したりといった対策で介護の負担を和らげ、リフレッシュできる方法でうつ病の予防に努めましょう。
精神科や心療内科を受診しましょう。ハードルが高く感じる場合、まずは近所の内科を受診しても問題ありません。詳しくはこちらをご覧ください。
家計経済研究所の2016年の調査結果では平均で月50,000円程度かかっています。内訳は、介護サービス費用が16,000円、介護サービス以外の費用が3万4,000円ほどです。詳しくはこちらをご覧ください。