介護付き有料老人ホームは、24時間体制で介護サービスが受けられる要介護者を対象とした施設ですが、福祉用具のレンタルもできるのでしょうか?
これまで、なんらかの福祉用具を利用して生活していた方であれば、同じように使えるのかは気になります。
この記事では、介護付き有料老人ホームで福祉用具をレンタルできるかどうか、レンタルと購入はどちらがお得なのか、などについて紹介しています。
介護付き有料老人ホームで受けられる介護サービスについても紹介しています。合わせて参考にしてください。

介護付き有料老人ホームでの福祉用具レンタルはできる?
原則、介護付き有料老人ホームでの介護保険を利用した福祉用具レンタルはできません。
ただし介護付き有料老人ホームに入居している方でも、福祉用具のレンタルができる例外があります。
ここからは介護付き有料老人ホームで、福祉用具をレンタルできる場合・できない場合、それぞれについて説明していきます。
レンタルできる場合
基本的には、介護付き有料老人ホーム入居中は福祉用具のレンタルが不可能です。
しかし例外として、「外部サービス利用型特定施設入居者生活介護」を提供している介護付き有料老人ホームであれば、福祉用具のレンタルが可能になります。
外部サービス利用型特定施設入居者生活介護とは、施設のスタッフには、生活相談やケアプランの作成のみを行い、介護サービスは外部に依頼します。
介護付き有料老人ホームの一般型と似ていますが、一般型は入居者に対するすべての介護サービスを施設のスタッフが担うため、外部利用サービス型とは異なります。
外部サービス利用型特定施設入居者生活介護を提供している介護付き有料老人ホームでは、福祉用具のレンタルもできますが、レンタル業者は利用者側で選べません。
さらに、利用できる上限も決まっているため、利用する場合にはケアマネジャーに相談しましょう。
レンタルできない場合
原則、介護付き有料老人ホームでの福祉用具のレンタルはできません。
介護付き有料老人ホームは、施設内で介護保険の施設サービスを利用する「特定施設入居者生活介護」にあたる施設です。
そのため、介護保険を利用する福祉用具のレンタルは、介護保険の重複となってしまいます。
介護サービスの重複は原則不可とされているため、福祉用具のレンタルは利用できません。
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介護付き有料老人ホームは福祉用具をレンタルしなくても生活できる
介護付き有料老人ホームには原則要介護1以上かつ65歳以上の方が入居できます。
そのため、要介護度が重い方や、認知症の方でも生活できる環境が整っており、基本的には福祉用具をレンタルしなくても生活ができる環境が整っています。
ただし、施設によっては、防水シーツ等の排せつ面に関わる物品は購入する必要があるケースもあるため、把握しておくといいでしょう。
また、介護付き有料老人ホームは、法律によって介護士の24時間常駐が義務付けられています。日中は、看護師も常駐しているため、緊急時にもすぐに対応が可能です。
福祉用具のレンタルができないと、不安に感じる方も多いかもしれません。
しかし、介護付き有料老人ホームでは、昼夜通して介護や医療的ケアを受けられるため、安心してください。
介護付き有料老人ホームで福祉用具を利用する方法
基本的には、介護付き有料老人ホームで生活していくうえで福祉用具のレンタルは必要ありません。
しかし、今まで福祉用具をレンタルしていた方であれば、施設入居と同時にレンタルが利用できなくなるのは不安でしょう。
また、要介護度が上がるに伴い、福祉用具があった方が生活しやすいと感じる場合もあるかもしれません。
そこで、ここからは、介護付き有料老人ホームでの福祉用具を利用する場合の、以下の2つの方法について、詳しく説明していきます。
- 自費レンタル
- 自費購入
ぜひ参考にしてください。
福祉用具の自費レンタル
介護付き有料老人ホームでは介護保険を利用しない福祉用具の自費レンタルが可能です。
一方で、福祉用具レンタルに介護保険が利用できる「介護型」「混合型」の介護付き有料老人ホームの場合、レンタル費用の1~3割負担で済みます。
ただし限度額を超えた分に関しては自費での支払となります。
しかし、福祉用具を購入するよりは安価に済みますし、身体状態の悪化などがあった場合でも臨機応変に対応ができます。
車椅子を例にとり「介護保険を利用したレンタル」「自費レンタル」「自費購入」で料金を比較してみましょう。
【MiKi社製 自走型車椅子(CRT-5)の場合】
介護保険を利用したレンタル(1割負担の場合) | 自費レンタル | 自費購入
(定価) |
月額500円 | 月額5,000円 | 135,000円 |
表のように介護保険を利用したレンタルでは、まとまった出費が抑えられます。しかし、先述したように介護付き有料老人ホームでは「一般型」でのみ利用可能です。
つまり「介護型」「混合型」では、自費レンタルまたは自費購入から選択する必要があります。自費でレンタルする費用を考えると、購入したほうがよいと考える方もいるでしょう。
次章では自費購入について紹介します。
福祉用具の自費購入
介護付き有料老人ホームで福祉用具を利用するのであれば、レンタル以外にも購入する手段があります。
福祉用具を自費購入すると聞くと、高額なイメージがあるでしょう。
しかし実際には、物によりますし、中古品であれば比較的安く済む場合もあります。
新品のほうが、レンタルに比べ種類が豊富で、自身にあった福祉用具を選べるメリットがありますが、金額が高い点がデメリットです。
一方の中古品は、比較的安価に福祉用具を購入できるため、汚れなどが気にならない方におすすめできます。
しかし、中古品は希望する福祉用具の在庫がない場合があるため注意が必要です。
介護付き有料老人ホームで福祉用具を利用するのにお得なのはレンタル?購入?
介護付き有料老人ホームで福祉用具を利用する場合、自費レンタルと自費購入、どちらがお得になるのかは、多くの方が気になる部分なのではないでしょうか。
結論から述べると、自費レンタルと自費購入のどちらがお得になるかは使用する期間によります。
例えば、電動車いすの場合、自費購入の相場が20~40万円、自費レンタルの相場が月額1~4万円です。
そのため、同じ型の電動車いすを20カ月(約1年8カ月)以上使用するのであれば、購入のほうが安く済みますが、20カ月以下の場合にはレンタルのほうがよいでしょう。
つまり、長期間同じ福祉用具を利用するのであれば、購入のほうが安くなりますが、短期間で交換する可能性があるのであればレンタルの方がおすすめです。
ここからは、自費レンタルと自費購入、それぞれのメリットとデメリットについて説明していきます。
料金に加えメリットとデメリットも比較したうえで、レンタルと購入のどちらが合っているのかを決めるとよいでしょう。
自費レンタルのメリットとデメリット
自費レンタルには、「身体状態に合わせて臨機応変に福祉用具を変更できる」メリットがあります。
しかし、「借り物のため、汚せない」といったデメリットがあるのを覚えておきましょう。
レンタルは、購入と比較すると安価です。そのため、身体状態の悪化などが理由で、使用している福祉用具が合わなくなった場合でも臨機応変に対応できます。
また近年では、月額レンタルだけではなく、日数単位や週数単位でレンタルできる業者も増えてきており、気になっている福祉用具をお試ししやすい点も、レンタルのメリットです。
ただしレンタル品は、業者からの借り物です。必要がなくなれば、業者に返却しなければなりません。汚染や破損させないよう丁寧に扱う必要があります。
自費購入のメリットとデメリット
自費購入には「自分のものであるため、汚しても問題がない」メリットがある一方で「身体状態に変化があっても簡単に対応できない」デメリットがあります。
購入はレンタルとは異なり、お金を払った後は自分自身の物になるため、汚染や破損があっても問題はありません。
レンタルの場合だと汚染や破損を気にしすぎてしまい、思うように使用できない方もいるかもしれません。しかし、自費購入なら自分の物になるため、好きなように使用できます。
ただし、購入の場合は、レンタルのように安価ではないため、身体状態に変化があっても、簡単には対応できません。また、故障があった際のメンテナンス作業を自身で行う必要があります。できない場合には業者を探す必要もあるでしょう。
介護付き有料老人ホームで提供される5つのサービス
介護付き有料老人ホームでは、主に以下の5つのサービスが提供されます。
- 介護ケア
- 食事の提供
- 医療ケア
- リハビリテーション
- イベントやレクリエーション
ここからは、それぞれのサービス内容について詳しく説明していきます。
「福祉用具がなくても生活できると聞いたけど、どの程度サポートしてくれるのか」など、介護付き有料老人ホームへの入所を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
1.介護ケア
介護付き有料老人ホームでは、要介護度や認知症の有無など個人の状態に合わせて、一人ひとりに合った介護ケアが行なわれます。
行われる介護ケアは施設によって異なりますが、主なケアには以下があります。
- 食事の介助
- 入浴の介助
- 排泄の介助
- 部屋の掃除
- 衣類の洗濯
また、不快感を感じる方の多い排泄の介助に関しては、個々の排泄リズムに合わせたおむつ交換やトイレ誘導が行われるため安心です。
また、入浴も1週間に2〜3回が一般的です。ただし、施設によってスタッフの経験やスキルに差はある点は知っておきましょう。
2.食事の提供
介護付き有料老人ホームでは、嚥下状態に合わせて個別の食形態で食事を提供しています。
近年では、食事に力を入れている有料老人ホームが多くなってきており、従来のペースト食やきざみ食だけではなく、「ソフト食」を提供する施設も出てきました。
ソフト食とは、食材本来の形や色を活かしながら、高齢の方でも食べやすいよう調理した食事です。ソフト食の普及は、まだ多くはありませんが、これから増えるでしょう。
また、施設によっては、腎臓病食や糖尿病食などの「治療食」にも対応しています。1日3食提供される食事は、施設内での楽しみになります。
どのような食事が提供されるのかは、事前に確認しておくとよいでしょう。
3.医療ケア
介護付き有料老人ホームは、日中看護師が常駐しているため、以下の医療ケアが受けられます。
- バイタル測定
- 服薬管理
- 経管栄養
- 膀胱留置カテーテルの管理
- インシュリン注射
- 痰吸引
中には、看取り対応が可能な施設もあります。ほかにも、定期的な健康診断や、歯科検診が受けられるといった点が特徴です。
また、介護付き有料老人ホームは、地域のクリニックや病院と提携しており、緊急時には、受診や往診が可能のため体調変化時も安心です。
ただし、看護師は介護士のように24時間常駐しているわけではありません。緊急時を除き膀胱留置カテーテルの管理や、インシュリン注射などの医療行為は、看護師が勤務している時間帯のみ対応可能です。
医療行為が必要な方は、事前に、看護師の勤務時間について確認しておきましょう。
4.リハビリテーション
介護付き有料老人ホームの最大の特徴ともいえるのが、施設が直接提供するリハビリを受けられる点です。
リハビリを行うのは、主に以下の専門職のスタッフです。
- 理学療法士
- 作業療法士
- 言語聴覚士
介護付き有料老人ホームの中には、専門の器具が用意されている施設もあります。専門の器具を使用した、筋力強化や歩行訓練などといった機能訓練を受けられるため、要介護度の進行を緩やかにする助けになるでしょう。
また、施設によっては、外部のリハビリ専門スタッフが定期巡回している場合もあります。
希望するリハビリを受けるためにも、以下の2点は事前に確認しておくとよいでしょう。
- 施設内に常駐しているリハビリ専門スタッフは、どの資格を所有しているのか
- 外部からリハビリ専門スタッフは来るのか
入居前にスタッフの体制を確認しておけば、希望に沿ったリハビリが受けられるか同課がわかります。
5.イベントやレクリエーション
介護付き有料老人ホームは、季節のイベントやレクリエーションも豊富です。
イベントやレクリエーションの頻度・内容は、施設によってさまざまです。イベントは、お花見やクリスマス会などの季節の行事のほかに、お誕生日会を行っている施設もあります。
レクリエーションは、認知症の予防としての脳トレや、身体機能維持のために朝の体操などを行っている介護付き有料老人ホームが多いです。イベントとレクリエーションはどちらも、他利用者との関わりが持てる場であるため、利用者のQOL向上につながる役割を果たしています。

介護付き有料老人ホームでも自費で福祉用具がレンタルできる
介護付き有料老人ホームでの、介護保険を利用した福祉用具のレンタルは不可能ですが、自費であれば、レンタルが可能になります。
また、外部サービス利用型特定施設入居者生活介護を提供している介護付き有料老人ホームでも、レンタルが可能です。
基本的に介護付き有料老人ホームは、福祉用具をレンタルしなくても生活できる環境が整っています。
一方で、身体機能に合わせてレンタルしたい福祉用具がある場合は、ケアマネジャーに相談してみましょう。
自費でのレンタルまたは購入をする方法があります。どちらの方がお得かは福祉用具によるため、ケアマネジャーに相談してみるとよいでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。
介護付き有料老人ホームでは、介護サービスが24時間体制で、提供されています。食事や排せつ、入浴介助や、個々に合わせたリハビリテーションなども行っています。介護度の重い方にも対応できるようになっていますので、福祉用具がなくても安して生活を送れます。詳しくはこちらをご覧ください。