始まりがあれば終わりがある、介護も同じです。今はどんなに元気でもいつかは最期を迎えます。そんな中、一度しかない人生の締めくくりを一体どこで最期を迎えたいですか?多くの方が心のどこかで自宅で過ごしたいと考えているのではないでしょうか。
「最期まで自宅で過ごしたいって本人は言うけど、本当にできるの?」「叶えてあげたいけど何をしたらいいの?」
そんな悩みを解決するため、この記事では在宅での看取りを実現するにはどうしたらよいのかを解説していきます。具体的な手順や心構えを知ると、在宅での看取りに向けて一歩踏み出す勇気が出るはずです。ぜひ、参考にしてください。
そもそも看取りってどのようなもの?
看取りの定義は、「終末期と判断された方に精神的・身体的苦痛のともなう無理な延命治療などは行わず、自然に亡くなられるまでの過程を見守ること」です。
以前は、回復する見込みのない方にも治療を施していました。しかし、近年では平穏死・尊厳死の考えが重要視され、残された人生を[横井1] 穏やかに過ごすための支援を行うようになりました。それが、看取りです。
看取りでは、積極的な治療は行いません。身体的・精神的な苦痛を緩和する程度の処置にとどめます。状態に変化があっても、救急車は呼ばずそのまま自然の経過を見守るのです。
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看取りを行える場所は大きく分けて3つ
看取りを行う場所は大きく分けて、在宅、医療機関、介護施設の3種類です。
上の図は、厚生労働省が発表した看取りにおけるデータの一部です。これによると、日本人の死亡場所は病院が77%、介護保健保険施設・老人ホームが9%、自宅が13%となっています。(2015年時点)
元々は自宅で亡くなる方が多くいましたが、1976年に逆転しました。医療と時代の発展に伴い、病院を利用する方が一因です。超高齢化社会に伴い、医療業界では病床の圧迫も懸念されています。
その受け皿として介護施設でも看取りが求められるようになり、2006年には介護施設における看取りの法整備もされるなど年々需要は高まっています。
ご本人がゆったりできる在宅
ご本人がゆったりでき、安心感のある場所といえばどこを思い浮かべますか?
多くの方は自宅を思い浮かべるのではないでしょうか。病院で亡くなる方が多いですが、実は多くの方が在宅で最期を迎えたいと希望しています。
厚生労働省の調査では、「終末期の療養場所はどこがいいか」との質問に対し、1割の方が「最期まで自宅で過ごしたい」、5割の方が「必要であれば医療機関を利用したいが、自宅で過ごしたい」と答えています。
計6割の方が最期を自宅で過ごしたいと望んでいるのです。しかし、在宅での看取りは簡単ではありません。事前準備と心構えが重要になります。
医療行為が必要でも安心の医療機関
日本では約8割の方が病院で亡くなっています。オランダでは約4割、フランスは約6割と、日本は世界的に見ても、病院で亡くなる方が多い国です。
介護施設や在宅での看取りと大きく違う点として、医療行為が挙げられます。基本的に、看取りは、「積極的な治療を行いません」との意思表示でもあります。必要最低限の処方と身体的・精神的苦痛の緩和の処置のみになる場合がほとんどです。しかし、病院で看取る場合は、より高度な医療を受けられます。例えば、癌などで一般的な痛み止めで効果が薄い方に医療用のモルヒネを使用するなどが可能です。
病院と言ってもさまざまな種類があり、病院の機能によって入院できる状態や期間が異なります。その中でも、看取りを行える病院は主に療養型病院と呼ばれます。病状が慢性期になった方、長期間の介護が必要になった方が入院できる病院です。
医療機関は在宅、介護施設と比べ、医療に関して心強い存在です。常時医療行為が必要な方や高度な医療を求める方には安心できる選択肢といえるでしょう。
ご本人にもご家族にも負担の軽い介護施設
介護施設では日常的なケアが中心です。原則、医療行為は行いません。しかし、医学的な経過観察や基本的ケアは必要となります。そのため、医療体制が全くないわけではありません。介護施設における看取りは看護師が24時間体制で対応し、主治医と施設の連携によって、医療環境を確保しています。
実は、看取り終盤においての介護は医療よりも役割が大きいです。そのため、要介護度が重く医療行為を必要としない方やすでに入所している方は介護施設で看取るケースが増えてきています。
また、介護施設は、ご本人とご家族の負担を軽くしたうえで、自由度の高い対応を受けられる特徴があります。在宅では自由度は高いですがご家族の負担が大きく、病院では負担は軽いですが対応の自由度はやや低めです。また、専門職による質の高い介護を常時受けられるため、ご本人の身体的な負担も軽くなります。
介護施設での看取りについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

在宅での看取りにおける課題
在宅での看取りは、病院や施設とは違い、看取るための準備ができていない状態から始まります。どのような課題があり、解決するためにはどうしたらいいのか、詳しく解説していきます。
医療体制が整っていない
看取りでは、医療との連携が不可欠です。在宅で看取るために、まずは医療体制を整える必要があります。
まず、自宅周辺に看取り対応を行える在宅医がいるか確認します。少なくとも、往診や訪問診療が可能でなければ在宅での看取りは難しいでしょう。亡くなった際に医師の診断が必要なため、どこまで対応が可能なのか確認する必要があります。
先述しましたが、看取りは積極的な医療は行わない意思表示でもあります。痛み止めや解熱剤などの苦痛症状の緩和は行いますが、根本的な治療は行わないため注意が必要です。病院に行っても治療を行うわけではないため、病状が急変しても救急車は呼ばず、原則、かかりつけ医に連絡します。判断に迷ったら、ケアマネージャーやかかりつけ医に連絡するようにしましょう。
介護力が足りない
ご本人に関わる介護は各介護サービスで対応可能です。定期巡回・随時対応型訪問介護看護など24時間何度も利用できるサービスもあります。
しかし、すべての介護をサービスで賄えるわけではありません。看取りも終盤になると、よりこまめな介護が必要になってきます。そのため、ご家族の負担が大きくなるのです。
在宅での看取りではご家族にも介護力が必要です。1人で賄おうとすると後々で苦しくなり、継続が難しくなるケースもあります。数名でローテーションすると負担の分散が可能です。
介護の訪問サービスについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

確固たる意思が必要
在宅での看取りでは、ご本人とご家族の双方が確固たる意思を持つ必要があります。簡単に聞こえるかもしれませんが、先に説明した2つよりも難しく、重要性も高いです。
在宅での看取りは、ご本人の体調が変化し苦しんでいる様子を近くで見続けなくてはいけません。そのどうしようもない無力感に耐えられるか、ご本人も「治療をしない」不安を受け入れられるか、覚悟が必要となります。
自宅は安心できる場でもありますが、時には、考えている数倍の苦しみが伴います。実際に行ってみないとわからない部分ですが、事前に心構えをしておきましょう。
24時間対応する必要がある
こまめな介護が必要になると説明しましたが、それは夜間でも変わりません。また、いつ体調が変化してもおかしくないため、24時間対応できる体制が必要です。
もちろん、ご家族だけで24時間対応するわけではありません。看取りチームによる連携が行われ、必要なサービスの提供が行われます。しかし、体調が変わった時はどこに連絡するのか、夜間も対応できるのかなどの細かい相談をケアマネージャーや医師と行う必要があります。
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在宅で看取りを行う具体的な流れ
「やっぱり在宅で看取りをしたいけど、一体何から始めたらいいの?」
そう悩んでいる方もいらっしゃると思います。次に、在宅で看取りを行う具体的な流れを説明します。ぜひ参考にしてください。
どこで看取るか考える
ご本人の体調が悪くなり、医師から看取りの提案を受けて、初めてどこで看取るか悩む方が多いです。多くの場合、ご本人やご家族、医師等の専門職と相談し、どこで看取るのか決めます。しかし、在宅で看取る場合は、後悔しないためにも早めに決める必要があるので注意しましょう。できれば、医師などから看取りを提案される前に在宅で看取る気持ちを固めておきたいほどです。
看取りの提案は医師によってタイミングが異なります。食事が通らなくなってからの場合もあれば、いろんな選択肢を残すため早めに行う場合もあります。衰弱してから在宅に戻ろうと思っても、体制が整わなかったり、ご本人の負担になったりする可能性があるのです。
ケアマネージャーや在宅医を探す
在宅介護サービスを受けるためには在宅のケアマネージャーが必要です。施設に入っている場合でも、現在のケアマネージャーとは別に在宅のケアマネージャーを探さなければいけません。
まずは、地域包括支援センターに相談します。在宅医は地域によっては難しいかもしれませんが、ケアマネージャーはほぼ確実に紹介を受けられます。看取り経験のあるケアマネージャーが見つかれば、看取り可能な在宅医を知っているかもしれません。近年ではホームページに記載されている医院もあるため、近所の医院を一度調べてみましょう。
看取りの体制を整える
在宅医とケアマネージャーが決まると、まずは状況の確認があります。ご本人の状態とこれまでの経緯、家族の介護力、これから在宅でどのような生活を送りたいかなど確認されます。不安な点などをこの時点で伝えておくと、不安解消に向けて働きかけてくれるため安心です。
そして、ケアマネージャーや医師、介護福祉士など、各専門職による看取りチームが編成されます。サービス内容や回数の話し合い、ベッドなど必要物品の準備も行い、在宅での看取り体制を整えます。
在宅介護へ切り替え
看取りの体制が整ったら、ご本人が施設や病院からご自宅に復帰します。看取りは、ご本人が穏やかに過ごせる環境づくりが大切です。できるだけこれまでと変わらない雰囲気を作り、孤独を感じさせないよう気をつけましょう。
もし、何かご本人のためにやりたいと思ったら、ケアマネージャーや医師に相談してみるのも一つの手です。今までは食べられなかったものも、専門職ならではの工夫で食べられるようになるなど、ご本人のために力を貸してもらえます。
また、今後の経過や状態の変化があった時はどのように対応するのかをケアマネージャーや医師に確認しておきましょう。体調変化への心構えが大切です。
最期の時を迎える
亡くなる数日前には以下の兆候があります。
- 下顎呼吸
- チアノーゼ
- 血圧測定不能
- 意識レベルの低下
状態に変化があった場合、事前に確認していたタイミングで医師やケアマネージャーに連絡を行います。最後まで聴覚は残っているといわれているため、意識がなくなっても声をかけ続けましょう。間違っても救急車を呼ばないよう注意してください。
最後の時を迎えたら自宅にて医師による死亡診断がなされ、葬儀の準備に移ります。
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在宅での看取りを検討する前にやっておきたいこと
終末期になってから看取りについて悩み始めると、やりたかったことができなかったり、心残りができたりするケースも多いです。後悔しないためにも、在宅での看取りを検討する前にやっておきたいことを2つ紹介します。
ご本人の気持ちを確認しておく
実は、終末期と診断される頃には、ご本人の意向を聞き取れなくなっているケースも多くあります。将来困らないように、事前にご本人の気持ちを確認しておきましょう。最低でも、看取る場所、どのように過ごしたいか程度は確認しておくと家族内でも話し合いやすくなります。
しかし、話題が話題ですので、確認しづらいと感じる方もいるでしょう。そんなときには、人生ノートやライフデザインノート、エンディングノートを活用しましょう。自分らしい人生の締め括りを目指す、いわゆる終活に使われているものです。介護に必要な情報がすべて網羅されており、ご本人の意向も確認できます。何歳から書き始めてもよいものなので、ご本人と一緒に書いてみてはいかがでしょうか。
ご本人の老後について親族内で話し合う
人生は一度しかありません。大切な家族の人生がかかっているとなれば、人それぞれ譲れない想いや考えが出てきます。そのため、ご本人の意向を踏まえ、自分達にどこまで対応できるのか、何をしてあげたいかを確認する場を設けましょう。こうすると、後々のトラブルを未然に防げます。
しかし、意見が対立し、まとまらない時もあるかと思います。そんな時は、医師やケアマネージャーなど第三者に助言を求めましょう。特に看取りでは、命がかかっているため親族内での意思の統一が求められます。みんなが納得できる答えを見つけていきましょう。
家族が共有しておきたい内容について詳しく知りたいは、こちらの記事をご覧ください。

後悔しない在宅での看取りを実現しよう
人生の締め括りの場に悩む方も多いと思います。看取りは、無理な延命治療は行わず、残りの人生を生き抜くために支援するものです。特に、在宅での看取りは、身体的・精神的な負担が大きいため、ハードルが高くなります。
しかし、ほかのどの施設よりも在宅は一番本人にとって充実して過ごせる場所です。少しでも在宅で看取りを行いたいと思うのであれば、一度ケアマネージャーなどに相談してみましょう。きっと進むべき道が見えてくるはずです。
気持ちさえ固まっていれば、まわりの専門職が必ず力を貸してくれます。後悔しない在宅での看取りを実現するために、一歩踏み出してはいかがでしょうか。
在宅での看取りに関するよくある質問
Q.在宅での看取りをやめたくなったらどうしたらいいですか?
A. まずはケアマネージャーに相談しましょう。どうしても看取りの継続が難しいようであれば、対応できる施設や病院を探します。すぐに入院や入所ができるわけではないため、苦しいと感じたらすぐに相談することが大切です。
Q.本人が苦しそうで耐えられません。病院に連れて行きたいです。
A.気持ちに変化があった場合は、いつでも在宅での看取りをやめられます。ケアマネージャーや医師と相談し、病院に行くことも可能です。しかし、そのあと在宅に戻って来られる保証はないため判断は慎重に行う必要があります。
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