無料老人ホームとは?費用の安い施設を探す方法や注意点も伝授します!

無料老人ホームとは?費用の安い施設を探す方法や注意点も伝授します!

介護施設を探していると、ネットで「無料老人ホーム」という言葉を目にした方も多いと思います。実際、無料老人ホームと呼ばれる施設はありますが、多少の費用がかかる場合も少なくありません。

そこで今回は、無料・有料老人ホームの5つの違いと低コストの施設を探す4つのポイントをご紹介します。有料老人ホームとの違いを知って、高齢者の事情に合った施設探しの参考にしてください。

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在宅介護エキスパート協会 代表
所有資格:AFP/2級ファイナンシャル・プランニング技能士,社会福祉士,宅地建物取引士
専門分野:在宅介護,老後資金,介護施設全般
職業: 社会福祉士,宅地建物取引士,ファイナンシャルプランナー

NEC 関連会社(現職)でフルタイム勤務の中、10 年以上に渡り遠距離・在宅介護を担う。両親の介護をきっかけに社会福祉士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーなど福祉に直接的・間接的に関係する資格を取得。その経験や知識を多くの方に役立てていただけるよう「在宅介護エキスパート協会」を設立、代表を務める。詳しくはこちら

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無料老人ホームとは

無料の老人ホームが本当に存在するのか気になるところですよね。厳密にいえば「無料の老人ホーム」は存在しません。ただし、「無料」老人ホームと言われているものの、無料ではなく「低所得」でも入所できる施設は存在します。

ケアハウスや介護老人福祉施設などの公的施設は、有料老人ホームなどの民間施設よりもリーズナブルな値段で入所ができます。

では、無料の老人ホームという言葉はどこからきたのでしょうか。実は無料老人ホームの明確な意義づけはないようで、ある一説によると、有料老人ホームと対比する言葉として使われたのではないか?と言われています。

無料老人ホームの施設の種類

無料老人ホームの施設の種類としては、以下の4つが挙げられます。それぞれの特徴をみていきましょう。

  1. 特養(特別養護老人ホーム)
  2. 老健(介護老人保健施設)
  3. 介護療養型医療施設(介護医療院)
  4. 軽費老人ホーム(ケアハウス)

特養(特別養護老人ホーム)

特養とは、常に介護を必要としていて在宅での生活が困難な高齢者に対して、介護や日常生活の世話、機能訓練などを行う施設です。

特養では通常の入所に加えて、一時的に入所してご家族の方に介護を休憩してもらう短期入所生活介護(ショートステイ)も実施しています。施設の数はほかの老人ホームと比較して多いですが、優先度の高い方から順に入所順位が決定されます。順番待ちになる可能性もあるため、入所を検討する方は早めに担当ケアマネージャーなどへ相談するとよいでしょう。

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老健(介護老人保健施設)

老健とは、要介護1以上の高齢者の自宅復帰を目指すために医師の管理下で看護・介護を提供する施設です。

老健は多職種が連携して成り立っている施設であるため、家庭環境や状況に応じた個別プログラムで在宅復帰を目指せます。

ただ、入所期間が3〜6カ月と限定されるので、長期的に老人ホームへ入所したいのであれば不適切な施設といえるでしょう。

介護療養型医療施設(介護医療院)

介護療養型医療施設とは急性疾患から回復期の寝たきり患者を受け入れる施設です。入居一時金が必要ない点や医療ケアが充実しているなどのメリットがある一方で、入所難易度の高さやレクリエーションが少ないなどのデメリットも存在します。2024年3月末の廃止が決定しており、介護療養型医療施設の役割を引き継ぐ「介護医療院」が創設されています。

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軽費老人ホーム(ケアハウス)

軽費老人ホーム(ケアハウス)とは社会福祉法人や地方自治体などが運営している福祉施設です。軽費老人ホームは所得の低さに応じて利用料も安くなる点や自治体の助成制度があるため、かなりリーズナブルに入所できます。しかし、要介護状態の方には対応できず、居室面積が狭い施設も存在します。

上記の4つの無料老人ホームは比較的リーズナブルに入所できます。本記事で解説した特徴を把握したうえで、入所する施設の種類を検討するとよいでしょう。

また上記で紹介したような老人ホーム・介護施設をお探しの場合はケアスル介護で相談してみることがおすすめです。

ケアスル介護では全国で約5万もの施設から、入居相談員がご本人様にぴったりの介護施設を紹介しています。

「幅広い選択肢から納得のいく施設を探したい」という方は、まずは無料相談をご利用ください。

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無料老人ホームと有料老人ホームの違いは5つだけ

無料老人ホームの種類はわかりましたが、有料老人ホームとの違いは何でしょうか。無料老人ホームと有料老人ホームの違いは5つです。

次の項目では、下記の5つの項目について詳しく解説します。

項目 無料老人ホーム 有料老人ホーム
入居費用目安 入居一時金 基本0円
月5万円~月14万円程度
入居一時金 0〜数千万円
月10〜40万円程度
運営している企業 地方公共団体などの公的機関 民間企業
運営の目的・対象者 介護が必要な方向け 生活をしたい方向け
入所時期 早くて数ヶ月、長くて数年 空室があれば、即可能
入所できる年齢 65歳以上
要介護度1以上
60~65歳以上

上記の表を見ればわかるように、無料老人ホームの方が有料老人ホームと比較して入所できる条件がやや厳しいものの、ほぼ0円で施設へ入所することも可能です。

本項を参考にしたうえで、無料老人ホームと有料老人ホームのどちらに適しているのかを検討してみてください。それでは、無料老人ホームと有料老人ホームの違いについて詳しく見ていきましょう。

入居費用目安

主な公的施設と民間施設の入居費用の目安です。

表を見てもらうと、公的施設の初期費用は基本0円です。月額費用は14万以下が目安と、安く抑えられています

対して民間施設は、初期費用は0〜数千万円と幅があり、月額費用も40万という施設があるなど、一定の費用を支払う必要性があります。このように公的施設の方が全体的にリーズナブルに費用を抑え、安く利用ができます。また、公的施設の場合、生活保護の方や年金のみの収入の方も老人ホームに入所できる可能性があります。

老人ホームの種類 初期費用 月額費用
公的施設 特養 0円 10〜20万円
養護老人ホーム 0円 0~14万円
老健 0円 7〜21万円
介護医療院 0円 8〜22万円
ケアハウス 一般:0~30万円
介護:0〜1千万円
一般:0~30万円
介護:0〜1千万円
民間施設 介護付き有料老人ホーム 0〜数千万円 12〜40万円
住宅型有料老人ホーム 0〜数千万円 12〜40万円
グループホーム 0〜数千万円 15〜40万円
シニア向け分譲マンション 数千万~数億円 10〜40万円
サービス付き高齢者向け住宅 0~数百万円 10〜40万円

しかしながら、上記の月額費用にプラス医療費や日用品を買うお金も発生してきます。

自分や家族が出せる予算と向き合いましょう。

運営している企業

無料老人ホームと有料老人ホームは運営している母体が変わります。

無料老人ホームは、地方公共団体や社会福祉法人が運営していますが、有料老人ホームなどの施設は民間企業が主体です。

民間企業は、経済活動を通じて利益を出さなければいけません。そのため、初期費用や月額費用で利益をあげるため、高い料金が発生するわけです。

無料老人ホームの運営主体の公的機関は、社会公共の利益を目的としていますが、運営にはそれなりのお金がかかってくるもの。介護保険料のいくらかが配分されているとはいえ、利用する側も少しの料金を支払う必要があるでしょう。

運営の目的・対象者

無料老人ホームと有料老人ホームとでは、運営目的が異なります。

無料老人ホームの場合は介護を提供するのが目的で、有料老人ホームの場合は、あくまで生活を主体とし、食事や入浴などの介護サービスを提供するのが目的です。

つまり、無料老人ホームの方が介護の重要度が高い方が多く入所されるのです。そのため、有料老人ホームよりも認知症の方を比較的受け入れてもらいやすい施設ともいえるでしょう。

ただ、介護の重要度がそこまで高くなく、食事や入浴をある程度一人でこなせる方であれば、有料老人ホームである程度自立した日常生活を送るスタイルを検討してもいいでしょう。

費用面の違いに加え、重症度が高い方は無料老人ホーム、比較的軽度の方は有料老人ホームを選ぶとよいでしょう。

④入所時期

有料老人ホームは施設数が多いので、空き部屋が出やすく比較的短期間で案内を受けられます。そのため待機になるケースは少なく、希望したタイミングで入居しやすい点が特徴です。

一方、公的施設が運営する無料老人ホームの場合は、どの施設も待機者が多い傾向があり、早い方で数ヶ月、場合によっては数年以上待つこともあるといわれています。入所時期が選べないのはデメリットであり、入所までの期間の代替手段を検討する必要がある点に留意しましょう。

入所できる年齢

無料老人ホームの場合は65歳以上、かつ要介護1(施設によっては要介護3)以上の介護認定者が対象ですが、有料老人ホームの場合は原則60~65歳以上の自立〜介護度が高い方まで入居可能です。

無料老人ホームは、あくまで介護を受けることが目的のため、入所の対象が変わります。

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費用が安い老人ホームを探す4つのポイント

「費用が安い老人ホームはどうやって探せばよいの?」と悩んでいる方に向けて、低コストの老人ホームを探すポイントを4つ紹介します。

ポイントのまとめは下記です。

  1. 都市より地方の施設を選ぶ
  2. 個室より多床室で費用ダウン
  3. 駅やバス停からのアクセス面にも着目
  4. 新しい施設は人気も高くコストがかかりやすい

これからお伝えする4つのコツをおさえて、リーズナブルな介護施設を探してみましょう。

①都市より地方の施設を選ぶ

都市より地方の施設を選ぶことで、安い老人ホームを見つけられます。

入居一時金 月額費用
東京の平均金額 30.7万円 20万円
福岡の平均金額 10万円 10.2万円
差額 -20.7万円 -9.8万円

例えば、上記の表を見ればわかるように東京都と福岡県の場合、入居一時金は-20.7万円、月額費用は-9.8万円と合わせて約30万円の違いがあります。

地方と比較して都市部の方が利便性が高いため、必然的に家賃が高くなる傾向にあります。ただ、都市部に住んでいる方の場合、地方の老人ホームへご家族を送り届けたり、定期的に会いに行ったりするには一定の労力がかかります。

老人ホームの入居にかかる費用と、その後の労力や交通費などを天秤にかけたうえで、施設の立地を選ぶとよいです。

このように都会にこだわりがない方は、都会の郊外や地方で希望に合った施設を探してみましょう。

②個室より多床室で費用ダウン

居室タイプを変えることでも費用ダウンが期待できます。無料老人ホームの1つである特養の場合、個室ではなく多床室を希望するとリーズナブルに利用できます

多床室とは、4人〜6人の相部屋の居室を指します。プライベートスペースはカーテンで区切られ、最低限のプライバシーを守れるようになっています。

特養の居住費例をみてみると、最もリーズナブルなタイプのお部屋が2万5650円、一番高いユニット型個室では6万以上かかります。

  • 一番安いタイプの多床室:2万5650円
  • 従来型個室:3万5130円
  • ユニット型個室:6万180円

この場合、多床室に変えるだけで、3万4000円コストを抑えられます。

入所者と気軽にコミュニケーションを取りたい方や、個室利用に不安のある重症度の高い方にも、多床室は相性がよいですね。

③駅やバス停からのアクセス面にも着目

駅やバス停からアクセスがよい施設は費用が高めですが、駅やバス停から数分離れるだけで値段が安くなる場合があります

もし面会の機会が少ない場合や移動手段が自家用車の場合は、駅やバス停から離れた地域の施設を選択肢として検討してもいいでしょう。

コスパも大事ですが、本人がどんな施設への入所を希望しているかという点も忘れないようにしましょう。

「自宅に近い方がよいのか」「ちょっと便利なエリアに住みたい」など希望を明確にして、ニーズにあった施設を選ぶことが大切です。

④新しい施設は人気も高くコストがかかりやすい

新築のアパートが高いように、新しい施設も人気が高くコストがかかりやすくなっています。反対に、施設の作りが古いタイプの老人ホームでは費用を抑えやすくなります。

古い老人ホームはバリアフリー化が十分でない、入浴施設が古くケアに制限がかかるなど、希望する介護ケアができない部分もあります。施設の設備関係について、どの程度劣化具合が進んでいるかチェックしておくと安心でしょう。

また施設が多すぎてどの施設か古いのかわからない方は、近くの地域包括支援センターや担当ケアマネージャーに相談してみるのもよいですね。

【注意】認知症の方の対応可否を確認する必要がある

認知症の方の対応が可能かどうか、事前に必ず確認をしてください施設によっては、認知面に問題のない高齢者だけ受け入れている施設もあります。

一方で認知症の高齢者を中心に受け入れている施設もあるため、入所する施設の情報収集はあらかじめしておくとよいでしょう。

介護重症度の高い利用者を迎えている施設は、認知症の方を比較的受け入れやすい傾向があります。要介護状態の方を受け入れているのか、どの程度まで認知症の方を受け入れてもらえるか、入所を検討する際に施設へ確認してみるとよいでしょう。

認知症の方や重症度の高い方に普段から接している場合、職員の方が親身になって適切な対応を実施してくれるでしょう。

また「難しくて実際に払う金額がよく分からない…」という方は、ケアスル介護での相談がおすすめです。

ケアスル介護ではご本人様の身体状況や必要となる介護サービスをお伺いしたうえで、入居にどれくらいの費用が掛かるのかもご案内します。

「分からないことを相談して安心して施設を選びたい」という方は、まずは無料相談からご利用ください。

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無料老人ホームの特徴を踏まえた施設探しを

本記事では、無料・有料老人ホームの5つの違いと低コストの施設を探すための4つのポイントを解説しました。最後に本記事で解説した内容に関しておさらいしておきましょう。まず、有料老人ホームとの違いは、以下の5つです。

  • 入居費用
  • 運営している企業
  • 運営の目的・対象者
  • 入所時期
  • 入所できる年齢

無料老人ホームは有料老人ホームと比較して入所しにくさがあるものの、ほぼ0円でも施設へ入所できるメリットがあります。老人ホームへの入所費用を抑えたい場合は、無料老人ホームの利用を検討しましょう。

また、費用を抑えやすい老人ホームの探し方として、以下の4つが挙げられます。

  • 都市より地方の施設を選ぶ
  • 個室より多床室で費用ダウン
  • 駅やバス停からのアクセス面にも着目
  • 新しい施設は人気も高くコストがかかりやすい

完全無料の老人ホームはありませんが、年金収入だけの方や低所得の方、生活保護を受給している方でも老人ホームへの入居はできます。今回ご紹介した低コスト施設の探し方を踏まえて、本人の希望にあった介護施設を探してみましょう。

また「入居前の手続きが大変そう…」という方は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。

ケアスル介護では施設の紹介だけでなく、見学や体験入居の申し込みや日程調整の代行も実施しています。

「暮らしの雰囲気を知った上で、納得して施設を探したい」という方は、まずは無料相談からご利用ください。

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施設の相談は、どこにしたらよいですか。

市区町村の役所には、高齢者向けの相談窓口があります。「地域包括支援センター」や「高齢者福祉課」「健康相談窓口」といったように、相談窓口を設置しているところは多いです。また、各地域にある社会福祉協議会に相談も可能です。詳しくはこちらをご覧ください。

元気なうちから入れる老人ホームはありますか?

有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、シニア向け分譲マンションなど、自立した方でも入れる施設は多くあります。ほかの居住者と共にレクリエーションを楽しんだり、イベントを楽しんだりと、充実した生活を送れるので、コミュニティを作るきっかけにもなります。楽しいシニアライフを送りたい方であれば、これらの施設利用を検討するのもよいでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。

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