「入院することになったけれども、老人ホームの費用も支払わねばならないだろうか」
老人ホームに入居中、体調を崩して病院に入院することもありえます。その際に入院中も老人ホームの費用も負担しなければならないのか、気になる方も多いと思われます。
本記事では、入院中の老人ホームの費用負担について、また入院により退去を勧められるケースなどを紹介します。

入院中も老人ホームの費用を請求されます
結論から言うと、入院中も老人ホームの費用を支払わなければなりません。
支払う費用は「居住費(家賃)」と「管理費」です。利用していない「介護サービス費」や「食費」は請求されません。
なお、老人ホームによっては入院中の費用を減額するところもあります。施設側の対応としては、主に以下に3つが挙げられます。
- 減額無し
- 日割り計算で減額
- 不在期間が〇日以上の場合に限り、日割り計算で減額
入院等による不在時における利用料金の取扱いについては、重要事項説明書に記載しています。
入院中の老人ホームの費用を減額してもらえるかどうか、まずは入居している老人ホームの職員に聞いてみましょう。

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入院により老人ホームの退去を勧められるケース
老人ホームに入居中、入院により退去を勧められるケースとして以下の2つが想定されます。
- 3か月以上の長期入院
- 施設で対応できない病気
入院中であっても、老人ホームの費用を支払っていれば居室をキープすることはできるため、基本的には老人ホーム側から一方的に契約を解除することはありません。
しかし、上記のような場合は費用負担を抑えるためにも、退去の相談を持ちかけられる可能性があります。順に詳しく解説していきます。
3か月以上の長期入院
入院期間が長期(概ね3か月以上)になると、老人ホームの退去を勧められるケースが多いです。
前述の通り、入院中であっても老人ホームの費用は支払う必要があります。利用者の費用負担を抑えるためにも、一度施設を退去して治療や治癒に専念することを勧められます。
そのため、老人ホームによっては居室を確保している期間を1か月(30日)までと定めているところもあります。
あらかじめ施設職員にその旨を伝えることで3か月以上居室を確保してもらえることもあるため、長期入院が想定される場合は、まずは施設職員に相談しましょう。
施設で対応できない病気
施設側で医療ケアを行うことができない病気や症状を患った場合、退院後も戻れない可能性があります。
例えば、胃ろうによる経管栄養や、点滴・人工呼吸器の管理などは医療行為に該当するため、原則として介護スタッフが対応することはできません(経管栄養や喀痰吸引に限り、一定の研修を受けた場合は介護スタッフであっても可能)。
また、施設内に看護師が常駐しているとしても、すべての医療行為に対応しているとは限りません。
退院後も継続的に医療ケアが必要な症状を患ってしまった場合は、現在の老人ホームに戻れなくなる可能性も考慮しましょう。
「医療ケアが整っている老人ホームを探したい」という方は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。
ケアスル介護では、入居相談員が施設ごとに実施するサービスや立地情報などをしっかりと把握した上で、ご本人様に最適な施設をご紹介しています。
「身体状況に最適なサービスを受けながら、安心して暮らせる施設を選びたい」という方は、まずは無料相談からご利用ください。
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入院費と老人ホームの費用を抑える方法
入院費と老人ホームの費用を抑える方法として、下記の2つが考えられます。
- 高額療養費制度
- 早期退去であればクーリングオフ
入院費と老人ホームの費用がかさむようであれば、助成制度等を活用して負担を抑えましょう。順に解説していきます。
高額療養費制度
高額療養費制度とは、1か月における入院費用の自己負担額が一定の金額以上になった際に、その超えた金額を支給する制度です。上限額は、年齢や所得によって下記のように分けられます。
70歳以上
適用区分 | 上限額(世帯ごと) |
年収約1,160万円以上 | 252,600円+(医療費 − 842,000)× 1% |
年収約770万円~1,160万円 | 167,400円+(医療費 − 558,000)× 1% |
年収約370万円~770万円 | 80,100円+(医療費 − 267,000)× 1% |
年収156万円~約370万円 | 57,600円 |
住民税非課税世帯 | 24,600円 |
住民税非課税世帯(年金収入80万円以下) | 15,000円 |
69歳以下
適用区分 | 上限額(世帯ごと) |
年収約1,160万円以上 |
252,600円+(医療費 − 842,000)× 1% |
年収約770万円~1,160万円 |
167,400円+(医療費 − 558,000)× 1% |
年収約370万円~770万円 |
80,100円+(医療費 − 267,000)× 1% |
~年収約370万円 |
57,600円 |
住民税非課税世帯 |
35,400円 |
なお、過去12カ月の間に3回以上、上限額に達した場合は、4回目から「多数回」の該当になり上限額が下がります。
高額療養費制度は加入している健康保険や国民健康保険によって申請方法が異なります。どの医療保険に加入しているかは、保険証を確認のうえ、申請しましょう。
参照:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
早期退去であればクーリングオフ
短期解約特例制度に基づき、老人ホームと契約後90日以内であれば、クーリングオフが適用され入居一時金が全額返還されます。
入居一時金は、老人ホームへの「家賃の前払い」と「亡くなるまで利用できる権利」を得るという意味があるため、償却期間の範囲内であれば、施設側が定めた返還額の計算方法を元に一部返還されます。
もし入居してすぐに病院に入院しなければならなくなったら、入居一時金を入院費用に充てることも検討しましょう。
また「難しくて実際に払う金額がよく分からない…」という方は、ケアスル介護での相談がおすすめです。
ケアスル介護ではご本人様の身体状況や必要となる介護サービスをお伺いしたうえで、入居にどれくらいの費用が掛かるのかもご案内します。
「分からないことを相談して安心して施設を選びたい」という方は、まずは無料相談からご利用ください。
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まとめ
本記事では、入院中の老人ホームの費用負担について、また入院により退去を勧められるケースなどを紹介しました。
入院中であっても、老人ホームの費用を負担する必要があります。そのため、入院が長期になる、経済的な負担が大きいといった際には、一度老人ホームの職員に相談しましょう。
また、介護費用や医療費を助成する制度は他にもいくつかあるため、費用の負担を減らすためにも一度調べてみると良いでしょう。
入院中であっても老人ホームの費用を支払わなければなりません。支払う費用は「居住費(家賃)」と「管理費」です。詳しくはこちらをご覧ください。
一度ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談しましょう。改めて介護施設に入居するようであれば、医療体制が整った老人ホームから選ぶことをおすすめします。詳しくはこちらをご覧ください。