「親が要支援1の認定を受けたけれども、そもそも施設に入居することはできるのだろうか?」
要支援1は介護度の中では最も低い状態ではあるものの、生活や経済的理由から施設への入居を検討する人は多いです。
本記事では、要支援1で入居できる施設はどのような種類あるのか、特徴や費用などを解説していきます。
また、要支援1の方が施設に入る際の確認しておくべきポイントも紹介しますので、ぜひ本記事を参考にしてください。

この記事のまとめ
- 要支援1の状態でも施設に入居することは可能。
- 要支援1で入居できる施設は6種類。「サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」「シニア向け分譲マンション」「自立型ケアハウス」「養護老人ホーム」。
- 要支援1の方が施設に入居するにあたり、年齢とともに介護度が上がることを考慮して施設を探すことが大切である。
要支援1の方は施設に入居できるのか?
結論から言うと、要支援1の方でも入居できる施設はあり、実際に入居している人も少なくありません。
要支援1は介護認定の中でも最も軽度な状態であり、日々の生活動作に手助けが必要な時もありますが、基本的には一人暮らしをすることが可能な状態と言われています。
そのため、要支援1で施設に入居するのは早いのではないかと心配になる方も多いですが、施設への入居は身体的な状況のみならず、家庭や経済的な事情も考慮する必要があるため、一概に要支援1だから早いということはありません。
例えば、「遠方にいる親が一人暮らしになったため、何かあった時に心配だから」「持ち家の管理が難しくなり、売却のタイミングで入居を検討した」など、介護度以外を理由に入居を決断したケースも多いです。
将来に備えて、早いうちに老人ホームを探すことをおすすめします。
なお、要支援1でも入居できる施設を検討中でしたら、ケアスル介護に相談がおすすめです。
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要支援1の方が入居できる6つの施設
要支援1の方が入居できる施設には、下記の6つの施設があります。
- サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)
- 住宅型有料老人ホーム
- 健康型有料老人ホーム
- シニア向け分譲マンション
- 自立型ケアハウス
- 養護老人ホーム
施設によって、受けられるサービスや特徴に違いがあります。上記の施設について、順に詳しく解説していきます。
サービス付き高齢者向け住宅
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)は、国交省が整備を進めるシニア向けの賃貸住宅です。自立から軽度の介護を有する方が入居できる施設であり、個室または夫婦向けの2人部屋の不動産賃貸住宅に近い物件です。
居室や施設内はバリアフリー設計が完備されており、他の老人ホームと比べて生活の自由度が高く、体調に問題がなければ外出や外泊を好きに行うことができます。
昼間は施設職員から安否確認や生活相談サービスを受けることができます。老人ホームのような食事の提供や掃除などの生活支援サービスの提供義務はないですが、最近ではデイサービスや訪問介護事業所などを併設している施設も増えており、こうした施設であれば、要介護状態になっても有料老人ホームと同じように暮らすことができます。
前述の通り、要支援1で入居している割合が一番多い施設です。厚生労働省が民間企業に委託調査した報告書によると、住宅型有料老人ホームよりはサ高住の方が要支援で入居している割合が多いことがわかります。
施設によっては要介護の方まで幅広く受け入れているところもあるため、入居中に介護度が悪化しても住み続けられます。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは施設数が多く、軽度者向けから、「ナーシング」「ホスピス」と呼ばれる医療的ケアの受けられる施設まで、様々なものがあります。費用も低料金から高級型まであり、選択の幅は広いです。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)と異なり、厚生労働省が管轄している施設であり、入居者の生活サポートに重点が置かれています。
運営母体によって、食事、介護、医療やレクリエーションなどのサービスに大きな違いがあり、特にレクリエーションや季節ごとのイベントに力を入れている施設では、入居者同士でコミュニケーションを深めることができます。
健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームは、介護を必要としない自立や要支援の方向けの老人ホームです。そのため、介護度が高い人は入居の対象外であり、アクティブなシニアライフを過ごしたい方向けの設備が整っているのが特徴です。
個人が利用する居室は個室ですが、リビングやキッチンなどは共用で、他の入居者と一緒に生活することになります。食事や居室の清掃、見守りサービスなどの幅広い生活支援を受けることができるため、要支援1の方でも安心して暮らせます。
さらに、露天風呂やトレーニングルーム、図書館などの充実した設備を設けており、元気な高齢者が楽しく余生を過ごすための設備が整っているところが多いのも魅力の一つです。
最近はほとんど増えておらず、全国で数施設しかありません。
シニア向け分譲マンション
シニア向け分譲マンションは、民間業者が運営・販売している高齢者を対象とした分譲マンションです。月額で利用料を支払う老人ホームではなく、購入や賃貸契約を結ぶことで住み続けられます。
基本的には自立や要支援1のような、比較的介護を必要としない高齢者を対象としており、マンションによっては入居可能年齢が50歳、60歳以上などの条件が設けれらています。
一般的なマンションと比べてバリアフリーが完備されており、見守りサービスやコンシェルジュサービスなど、身の回りのちょっとした相談にも対応しています。
また、分譲マンションという名前の通り、購入後は資産として活用することも可能です。
自立型ケアハウス
自立型ケアハウスは、家族からの援助が事情により受けられず、一人で暮らすことに不安がある60歳以上の高齢者が入居できる施設です。入居できるのは身寄りのない高齢者や、家族との同居が難しい老人であり、入所条件は厳しめです。
市区町村から補助金を受けて運営されていることもあり、入所の費用は他の施設と比べて安く抑えることができます。介護職員から生活支援や相談対応を受けることができ、居室もバリアフリー設計済みの個室です。
日常的にレクリエーションを実施している施設が多く、要支援1の方が入居できる施設の中では、他の入居者とコミュニケーションする機会が多いです。また、一方が60歳以上であれば夫婦での入居も可能です。
養護老人ホーム
養護老人ホームは介護が不要な高齢者を対象に、高齢者の養護と社会復帰を目的とした施設です。特養(特別養護老人ホーム)と異なり介護サービスを提供しておらず、経済的な理由で困窮している方が入居できます。
入居対象者は市区町村が対象者の調査を実施したうえで決定します。入所基準は自治体によって異なりますので、気になる方は一度調べてみると良いでしょう。
「実際に施設を見てみないと生活のイメージができない…」という方は、ケアスル介護で相談してみることがおすすめです。
ケアスル介護では施設の紹介だけでなく、見学や体験入居の申し込みや日程調整の代行も実施しています。
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要支援1の方が入居できる施設の費用
要支援1の方が入居できる施設の費用を、一覧にまとめました。
施設の種類 | 初期費用 | 月額費用 |
サービス付き高齢者向け住宅 | 15~30万円(敷金) | 15~30万円 |
住宅型有料老人ホーム | 0~数千万円 | 15~30万円 |
健康型有料老人ホーム | 0~数千万円 | 10~40万円 |
シニア向け分譲マンション | 3,000万円~1億円(頭金) | 10~30万円 |
自立型ケアハウス | 0~30万円 | 7~15万円 |
養護老人ホーム | 0円 | 0~14万円 |
自立型ケアハウスや養護老人ホームなどは自治体から補助金が出ているため、利用者は料金を安く抑えることができます。しかし、リーズナブルゆえに入所希望者が多いという点があります。
基本的には、老人ホームの初期費用に当たる入居一時金や月額費用が高ければ高いほど、充実した設備やレクリエーションを楽しむことができます。また、老人ホームの入居時に、入居一時金を支払うタイプの施設では、月好きの料金に償却される仕組みとなっており、償却期間中に退去しなければならなくなったら、その一部が返金されます。
なお、上記の施設は施設内で介護サービスが提供されていないため、施設内で介護サービスを受ける際には別途外部の居宅介護支援事業所と契約する必要があります。
多くの施設では、介護事業所を老人ホームに併設するか、ホームの運営会社が介護サービスを提供しています。
そのため、現状は要支援1で介護をそこまで必要としていなくとも、今後介護度が上がった際には費用が増えることが想定されます。
施設が提示している入居条件を満たせば、生活保護を受けている方であっても施設に入居することは可能です。老人ホームの中には生活保護受給者向けの料金プランを用意しているところもあります。あくまでも、入居条件を満たせば施設に入れると覚えておきましょう。
要支援1の方が施設に入居する前に確認しておくポイント
要支援1の方が施設に入居する前に確認しておくポイントとして、下記の3つが挙げられます。
- 提供されるサービス
- 介護度以外の入居条件
- 退居の条件
現在は介護の必要がなくとも、今後年齢とともに介護度が上がることを想定して施設を選ぶことが大切です。上記について、順に詳しく解説していきます。
提供されるサービス
施設種別によって、提供されるサービスが異なることを把握しておきましょう。
例えば、住宅型有料老人ホームとサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)では、前者が生活支援に重きを置いているのに対し、後者は住まいに注力しています。
2つの施設に共通するのは、定額で介護サービスが施設内で受けられる“介護付き”と呼ばれる施設と違って、自宅と同じようにケアマネジャーに相談しながら、デイサービスや訪問介護などのサービスをそれぞれ契約して利用するという点です。外部サービスを利用するのが前提ではありますが、多くの施設では介護事業所を併設したり、運営会社で介護サービスを提供するなどして、“介護付き”とあまり変わらないレベルで見守り、介助をしてくれます。
また、サ高住は“自立”または“軽度者向け”という評価でしたが、最近では看取りまで行う施設もあります。
介護度以外の入居条件
施設に入居するにあたり、介護度以外の入居条件を確認しておきましょう。
例えば、自立型ケアハウスや養護老人ホームなどは、前述の通り経済的に困窮している、身寄りがいないなど入所条件が厳しいことなど、介護度とは別に条件が定められています。
また、健康型有料老人ホームは施設数が少なく、2021年6月時点では全国に19施設しか存在しません。希望している地域に施設がないことも考えられます。
さらに、シニア向け分譲マンションや有料老人ホームは民間企業が運営していることもあり、費用が高額になる傾向にあります。前述の通り生活保護を受けている方向けの施設もありますが、その分希望者も多いです。
施設種別によって、介護度以外にも考慮すべき条件があるため、施設を探す際は希望条件に優先順位をつけると良いでしょう。
退居の条件
要支援1の方が施設に入居するにあたり、退去を求められる条件も確認することが大切です。
本記事で紹介した施設は自立や要支援1など、比較的介護を必要としていない人を対象としています。そのため、入居後に介護度が上昇した際には、退去を命じられる可能性があります。
各施設の入居条件と、介護度が上がった場合の対応は以下の通りです。
施設の種類 | 入居条件 | 介護度が上がった場合 |
サービス付き高齢者向け住宅 | 自立~軽度の介護が必要な方
(※施設によっては重度の方まで受け入れる) |
継続的に介護が必要になると退居の可能性あり |
住宅型有料老人ホーム | 自立~軽度の介護が必要な方 (※施設によっては重度の方まで受け入れる) |
重度化したり、認知症状が悪化した場合には、 特養や介護付き有料老人ホームに転居する方も多い |
健康型有料老人ホーム | 自立している高齢者 | 退居(終身利用が不可) |
シニア向け分譲マンション | 自立している高齢者 | 継続的に介護が必要になると退居の可能性あり |
自立型ケアハウス | 60歳以上で自立した生活に不安がある方 | 要介護3以上は退居 |
養護老人ホーム | 65歳以上で環境及び経済的に困窮している方 | 退居(前提として長期入居を目的としていない) |
健康型有料老人ホームや養護老人ホームは長期入居を前提としておらず、年齢や入居期間に応じて退居することを退去条件としているところもあります。
また、サービス付き高齢者向け住宅やシニア向け分譲マンションでは、外部の介護サービスを利用することにより入居し続けられますが、継続的に医療ケアが必要であったり、認知症により他の住民に迷惑をかけるなどの症状があると、施設側から退去するように依頼されるケースがあります。
要支援1は介護度の中では最も低い状態ではあるものの、年齢に応じて介護度が上昇する可能性を考慮する必要があります。
「幅広い選択肢から老人ホームを選んでみたい」という方はケアスル介護で相談してみることがおすすめです。
ケアスル介護では全国約5万もの施設から、入居相談員がご本人様のニーズに合った施設をご紹介しています。
「納得のいく施設選びをしたい」という方は、まずはぜひ無料相談をご利用ください。
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施設に入居するための5つのステップ
施設に入居する際には、上記の5つのステップに沿って手続きを行いましょう。
資料を請求してから入居が完了するまで、一般的には1~2カ月かかります。資料や口コミなどを通じて、本人が施設入居後にどのような生活を送りたいか、優先順位をつけた上で施設を探しましょう。
施設に申し込む前に、必ず施設見学を行いましょう。資料だけでは施設の雰囲気や入居者の様子などは分かりずらいため、自分の目で見て確認することが大切です。可能ならば一度体験入居を行い、入居後にどんな生活ができるか体験しておくと良いでしょう。
契約時には、戸籍謄本や住民票、健康診断書や連帯保証人の承諾書を提出します。面談では「入居後にどんな生活を過ごしたいか」などを確認します。
入居審査が通れば、施設側が作成した契約書と重要事項説明書の説明を受け、入居が決まります。
要支援1の方でも安心して過ごせる施設を探そう
本記事では、要支援1で入居できる施設はどのような種類あるのか、特徴や費用などを解説してきました。
要支援1の状態でも施設に入居することは可能であり、実際に将来を見据えて早めに入居している方も少なくありません。
要支援1で入居できる施設は6種類ありますが、それぞれ特徴や提供されるサービス内容が異なるため、希望条件を明確にしておきましょう。
また、要支援1の方が施設に入居するにあたり、年齢とともに介護度が上がることを考慮して施設を探すことが大切です。退居の条件などを確認し、安心して過ごせる施設を探しましょう。

施設への入居は家庭や経済的な事情もあるため、介護度が低いから入居できないことはありません。実際に介護認定を受けていない方が施設に入居するケースもあります。詳しくはこちらをご覧ください。
現状は要支援1という状態であっても、年齢とともに介護度が上昇する可能性があります。入居前には、希望条件や将来を見越して施設を探すことが大切です。詳しくはこちらをご覧ください。